【ピクルス飯】ハリボーをピクルスにしたら激ヤバだった件

~前回までのあらすじ~

 時は西暦2015年。食の道を極めんとする一人の男がいた。

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ピク・ルス太郎(ぴく るすたろう)である。

 

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あらゆる食材をピクり、食材の新たな魅力を引き出すピク・ルス太郎。

 

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酢の神秘を追求するルス太郎の前に立ちはだかる、数多の食材(ライバル)。

 

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そして明かされる、衝撃の真実。

 

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ピク・ルス太郎の戦いが、再び幕を開ける……!!!

 

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ということではじまりました。こんにちは、ピク・ルス太郎です。

 

炙燃太郎、燻燃太郎、そしてピク・ルス太郎と受け継がれてきたこの連載、まるで『ジョジョの奇妙な冒険』のジョースター一族みたいですよね。オレはこの柔道着(9000円)を使い回すぞッ、ジョジョーーー!!(バ〜〜〜ン)

 

ちがいますか。はい、わかりました。

ということで、さっそくピクっていこうと思うのですが、事前に僕がピクりに使用する、とっておきのアレをご紹介しておきましょう。

 

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思い出していただけましたか。

 

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ピクルス液(砂糖大さじ25)です。

 

詳しいレシピは前回の記事を参照していただきたいのですが、ピクルス液さえあれば食材を漬け込み、2日ほど寝かせて完成なので、ピクルスは手間がかからない調理法と言えるでしょう。

 

ちなみにこのピクルス飯、他に候補として「干乾太郎(ほしかんたろう)」の干物飯、「キムチ辛太郎(きむちからたろう)」のキムチ飯があり、いずれにせよ手間がかからないことを前提とした企画だったことを申し添えておきます。

 

ということで、引き続きこのピクルス液で、さまざまな食材をピクってまいります。

 

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※今回の調理方法であるピクルスは炎も煙も出ないため、お子様にも安全にお楽しみいただけます。ルス太郎もソーシャルの炎上のみ注意しつつ進行する所存です。

 

そして本編に入る前にぜひ認識をあらためていただきたいのですが、ここからは柔道着を着た男性がピクルスにして美味しいものをみなさんにご紹介するお時間です。

 

豆腐

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豆腐って単体では食えないじゃないですか。いや、もちろん醤油をかけたら冷奴だし、大学時代はお金がなくなるとご飯に豆腐(1パック29円)を乗せて醤油をかけた、なんていうかエサっぽいものをよく食ってたんですけど。

 

 米の代わりに豆腐に肉をのせた牛丼ライトが流行る世の中ですので、豆腐だけでぱくぱくイケちゃう食べ物があったら、それって需要あるんじゃない?! 肉の代わりに野菜を米にのせたベジ丼くらい逆転の発想じゃない?!?!?!

 

そんな思いでピクってみました、豆腐。

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おっ、うまそう!

 

唐辛子の赤がいいアクセントになっております。焼き豆腐をチョイスしたのもそこはかとない高級感を演出しています。ねえこれ、どこの突き出し? これどこの小洒落たカフェバーの突き出し〜〜〜?

 

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お味のほどはいかがでございましょう。

 

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酸っぺぇぞ……。

 

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あ、でも、おいしいわ。

 

ふだんの豆腐とは噛みごたえや舌触りが変わります。水分が抜けて、高野豆腐に近い食感でしょうか。あとこれ、前回も言いましたけど、ピクルスにするとなんでもサラダの味がします。これもひとり豆腐サラダって感じ。

 

女性は特に好きかも知れないです(そもそも酸っぱいものって男性より女性の方が好きそうなイメージがあるんですが、そんなことないですか)。上質な暮らしを提唱するタイプの媒体でブームを仕掛けられるかもしれません。

 

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ソーセージ

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憎らしいほどロング。

 

安心してください、加工肉ですよ。これまでどんな調理法にも耐え、新境地を開拓してきた加工肉の代表格、ソーセージの登場です。なんだってハッピーエンドがいいでしょ? そうでしょ?

 

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しなびたソーセージ。※下ネタではありません

 

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この表情です。

 

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めでたしめでたし。

 

 でもよかったんですが、ソーセージピクルスはとてもよかったので、もうちょっと説明します。そもそも、ソーセージって酸っぱいのと合うんです。だってマスタードもザワークラウトも酸っぱいじゃないですか。

 

でもまあ、あえてピクルスにするほどじゃねえな、とも思いました。もともとおいしいものってどうしても評価が辛口になるので難しいですよね。

 

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ハリボー

おまえは何を言ってるんだ? と僕も思ったし、伝えました、編集部に。そうしたら「お酒に漬け込むのあるじゃないですか、そのピクルスver.です」と言われました。そうかそうか、ハリボーをお酒に漬け込むのピクルスver.か……。

 

そういえばむかし付き合ってた女の子がドイツに留学経験があるとかで、本場のハリボーをホストマザーがダンボールまるまるひと箱分空輸してくれたことがあるんです。それから毎日のようにハリボー食ってて。

 

あの頃の甘酸っぱい気持ち、ちょっと思い出したし、ハリボーをお酒に漬け込むこととピクルスにすることには何の関係もないだろ編集部!

 

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みんな大好きハリボー。ハリボーとクリボーはちょっと似ている。量産型なところとかも。

 

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現実逃避をしたのはこれを目の当たりにしたからです。

 

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この世界はピクルスにされた一粒一粒のハリボーたちがみている夢。

 

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わかったよ、食うよ。

 

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アアーーーッ!

 

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うん、ビックリした。甘くて酸っぱくて塩っぱくて辛いっていう四味が一気に口内に駆け巡る感じ。その中心でなすすべなく翻弄される僕。果たせなかった約束。そして僕らが歩んでゆく未来。FOR EVER……。

 

と思ってたらたまたま撮影に居合わせたライターの長橋氏が、

「えっ!美味しいですよこれ!甘味と酸味のバランスもいいし、見た目もカラフルだし!」

とパクパク美味しそうに食べていた。

 

ただし、甘味と酸味というのはまさにその通りで、これ、ニンニクとか唐辛子とかがなかったらふつうにおいしいかも、とは思ったんです。なので、ピクルスではないですが、ワインビネガーに漬け込むと大人のゼリーができるかも。

 

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マグロ

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〆鯖ってあるよね。まあ、それだけだったんですけど。

 

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思ってたんとちがう。

見た目のざんねんさについては一切の言い訳をいたしません。なんかすいませんでした。まさかこんなことになるなんて思っていなかったんです。犯人って大抵こういうこと言いますよね。

 

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罪(編集部)を憎んで、ピクルスを憎まず!

これでお腹壊したとして、ライターって労災降りんのかな。

 

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おや ルス太郎の ようすが おかしい。

 

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イケる!!!

 

まぐろがフルーティー、ひとりカルパッチョみたいな味わいです。つくづく、人間の味覚っておもしろいな〜〜〜と。はじめての料理って、脳が混乱するんですよね。

 

これ、今になってもったいないなーーーと後悔してるのが、醤油をかければよかったなと。このときは何が足りないかわからなかったんですが、いま気付きました。基本の味はお寿司みたいなものなので、醤油です。

 

これ、醤油で食べればめっちゃおすすめです。

 

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チーズ

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冒頭の豆腐はなかなかよかった。では、チーズはどうだろう。

 

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そもそもチーズって牛乳とお酢でできるよね(たしか)。

 

チーズ、牛乳にお酢とか酵素とかを混ぜ合わせると、タンパク質が変性してできるんじゃなかったかしら。そういう意味ではお酢とチーズは相性がいいはずなんだなあ、るすお。

 

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あれ……。

 

なんていうか、乳臭い。もしかして、僕は絶妙な牛乳とお酢のバランスを破壊してしまったのかもしれない。勢力争いが激化した結果、覇権が乳サイドに傾いてしまったのでは……おれはなんてことをしてしまったんだ……。

 

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うまい!

 

乳臭くはなりましたが、その分ミルクが濃厚な印象です。食感は少し固めで、サクッと噛んでホロッと崩れます。なんというかチーズの進化を体験したような気持ちに。チーズにはまだまだ先があったんやで!!!

 

これまでは炙ったり燻したりと、火の力を使ったダイレクトな変化が多かったのですが、ピクルスはどちらかというと、お酢の力を借りてケミカルな変化をするようです。ピクルス飯、楽しいぞ。

 

ということで、今回も。

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これこそがピクルス飯だ!

 

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まとめ

汝のピクルスを愛せよ。- ピク・ルス太郎(1986~)

今回ご紹介したピクルス飯の数々、いかがでしたでしょうか。ピクルスとはお酢の力を借りた化学反応なので、加熱とはひと味ちがった変化にわくわくすることができます。

 

冷蔵庫にあまりものがあれば、とりあえずピクルスにしてみるのもおもしろいのではないでしょうか。よく知る食材のまたちがう魅力を引き出せたとき、人生の色合いはちょっとだけビビットになるんじゃないかと思います。

 

なんでこんなにいい風にまとめているかと言いますと、炙燃太郎、燻煙太郎、ピク・ルス太郎と続いてきた当シリーズも、今回でひと区切りとさせていただきます。理由は主にネタ切れと中の人の転職でございます。

 

むしろ半年もよく続いたと思いますが、読者のみなさま、編集部のみなさまには本当に感謝しています。人生においてバカバカしいチャレンジをするときに、この三太郎がみなさまの励みになれば幸いです。それでは。

 

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アリーヴェデルチ(さよならだ)。

 

※撮影に使用した食材はスタッフとピク・ルス太郎、及びライターの長橋くんがすべて美味しく頂きました。

※本記事は2015年10月の情報です。

 

書いた人:朽木誠一郎

朽木誠一郎

86世代の編集者/ライター。座右の銘は「憎まれっ子この世に憚る」です。

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