福岡にもあった、ご当地肉まん
地球温暖化だなんだって言っている割には、相変わらず寒さ厳しい今日この頃。福岡って九州にあるから暖かいと思われがちだけど、冬はどんより曇った日が多くて北西の季節風が強く、実は結構寒いんです。
そんな季節にあるとうれしいのがほっかほかの肉まん。せっかくだから、長崎の「角煮まん」みたいなご当地包子が福岡にもないかと思って探してみたら、ありました。
「パオズハウス014(ゼロイチヨン)」の肉まん「博多味」。
しかし、肉まんの「博多味」っていったい何が入ってるんでしょう?
博多名物で肉まんの具になりそうなものっていえば……、やっぱり辛子明太子? それとも水炊きのかしわ(鶏肉)? もつ鍋のもつ? はたまた焼き鳥の鳥皮……??
「パオズハウス014」は博多駅に向かう住吉通りの住吉3丁目にある、福岡では数少ない地場の手づくり包子専門店。
店名の「014」はもちろん「おいし〜」に引っかけてあります。
表の看板を見ると、「博多味」とは別に「明太味」の文字が! ということは、「博多味」の具が辛子明太子という線はなくなりました。
実際に肉まん「博多味」を注文して割ってみると……
「博多味」の意外な中身は辛子高菜!
▲辛子高菜が入った「博多味」1個 230円
辛子高菜といえば博多名産というよりは、熊本も含めた九州名産という感じですが、博多では豚骨ラーメンのトッピングでおなじみだから「博多味」としてアリっちゃアリです。これにまろやかなチーズがうまい具合に絡んで、なかなかのコンビネーション。肉は豚肉ではなくさっぱりハーブ鶏が使ってあり、これもいい味出してます。
この辛子高菜の入った「博多味」誕生の経緯について、ご主人の宮川五喜(いつき)さんにうかがうと、最初はやはり地元の名産として辛子明太子で試してみたのだとか。
20年ぐらい前のオープン当初は肉まんとあんまんだけだったんですが、地元の特産品を使ったものを作ってみたいと思って、辛子明太子でやってみたんです。でも、辛子明太子だと海鮮独特のクセが強くて、割って食べると臭いが立ち上がってくるので一旦断念したんです(宮川五喜さん)
──それで辛子高菜に?
辛子高菜だとまあまあイケるって感じだったんですが、これもクセが強い。だから辛子高菜を自家製でいろいろ試作してみました。それに、もう一つパンチが足りなかったので、モッツァレラチーズとミックスチーズをブレンドして入れてみたら、辛子高菜の辛さがチーズでまろやかになって、バランスのいいものができたんです(宮川五喜さん)
チーズは白ワインで香りづけしてあり、饅頭を割った時にチーズがびよ〜んと伸びるので、見た目のインパクトも大。こうして生まれた肉まん「博多味」は老若男女幅広い層で評判になったそう。一旦は断念した辛子明太子も、クセを和らげる工夫をして、肉まん「明太味」として復活しました。
▲明太味 1個 250円
▲シャイな店主・宮川五喜さんに代わってご登場いただいた、いつも店頭に立っている奥さんの光子さん
皮もうまい5種類の包子
「パオズハウス014」には肉まん「博多味」「明太味」以外に定番の肉まん、「ピザ味」、角煮まんと全部で5種類の包子がありますが、共通しているのは皮のうまさ。イースト発酵の生地にブレンドした中国の伝統的な発酵種である老麺(ろうめん)によって、ふわふわの軽い食感の中にももちもちした食べ応えがあります。
▲定番の肉まん 1個 190円
肉まんは、丁寧に下処理した豚肉を赤身と脂肪のバランスをとって包丁で手切りしており、食感の変化を楽しめる。
▲角煮まん 1個 280円
柔らかく煮込んだ角煮が刻んだ状態で入っているので食べやすい角煮まん。
▲牛バラ肉とベーコンが入った肉まん「ピザ味」は1個 230円
包子はもちろん蒸し立てのほっかほかを味わえますが、家庭で温めるよう、蒸していないものや冷凍したものもあり。地方発送も受け付けており、ホームページでは通販も可能です。
お店情報
パオズハウス014
住所:福岡県福岡市博多区住吉3-13-3
電話番号:092-282-7552
営業時間:10:00~20:00
定休日:第2・4火曜日
※この記事は2017年1月の情報です。
※金額はすべて税込みです。
※このお店は現在閉店しています。
※飲食店の掲載情報について。