ボードゲーム。すなわちそれは、人生なり
最近、街で「ボードゲームカフェ」なるお店を見かけることはないでしょうか?
飲食しながらボードゲームが遊べる形態のお店です。
本日はそんなお店を国内で10店舗以上展開しているJELLY JELLY CAFE(以下JJCと略)に潜入。オーナーの白坂 翔(しらさか・しょう)さんにインタビューもしてきました。
興味があるけどお店に入るのはちょっと躊躇(ちゅうちょ)する……というあなたのために、
- そもそもどんな雰囲気のお店なのか
- ボードゲームの知識やスキルは、なにかに役立つのか
- 仲間や家族と遊ぶとしたらどんなゲームがいいの?
などなど、気になるアレコレを聞いてきました。
世界のボードゲームがズラリ
訪れたのはJJCの池袋2号店。
お店に足を踏み入れた第一印象は「明るい! 広い! おしゃれ!」。
テーブル間はかなり余裕がある。棚には数百種類のボードゲームが取り揃えられ、ズラリと縦置きで並ぶ。どこかの大学の図書館かカフェテリアという趣だ。
本記事執筆時のJJCの料金体系はこんな感じ。時間内の定額制で途中外出も自由。
リーズナブルな料金で世界のボードゲームがたっぷり数時間遊べてしまうのだ。
ソフトドリンクはすベて300円、アルコールは500円。
フードメニューは一切ないが、その代わり食べ物の持込みもOK(ただしドリンクの持ち込みは不可)。
ゲームを知らなくてもスタッフに聞けば丁寧にオススメゲームやルールを教えてくれる。おひとり様で遊びに行っても、他のおひとり様とマッチングしてくれます。
ただ、タイミングよくひとり客がいるわけではないので、仲間や友達とグループで行くのが無難でしょう。またお店や曜日によってはあっという間に満席になってしまうので、事前に予約をして行った方がベター。
店舗ごとにツイッターで情報発信もしているので混雑具合などはそちらでチェックしてから来店してみましょ。
カフェオーナーから聞くオススメ大人ゲーム5選!
そしてこちらがJJCグループを率いる白坂さん。
ボードゲーム好きが高じてカフェを経営し始めたとのことだが、今やこの形態のお店では最大手。ボードゲームのスキルが経営者としても役立っているのだろうか?
──ズバリ、ボードゲームの魅力とはどんなところにあるのでしょうか。
白坂:ボードゲームで大事な要素はいろいろあると思うんですけど「想像力」ってけっこう大事だと思っていて。相手が今、どういう考え方をしてて「次どんな手を打つんだろう?」とか「じゃあ、それに対してこうすれば勝てる」と考えるのがボードゲームじゃないですか。
──自分のアクションに対して相手はこうリアクションするはず、だからこう返す! いわゆる「三手読み」というやつですよね。
白坂:「相手はどういうものを求めていて、それに対してどんなものをアウトプットすれば満足してくれるだろう?」まあ、そういったことを考えると思うんですね、意識・無意識のうちに。それが普段のビジネスだったり、人生のいろいろな場面でボードゲームの世界とも通ずるものがあるとは思います。
──他にも大事な要素はありますか?
白坂:コミュニケーションすることや会話そのものがメインとなっているゲームは、ビジネスでの考え方や普段の人間関係にもいかせる要素が多分に含まれていると思います。
──なるほど、ボードゲームはビジネスや人生にも役立つと。そういった要素を学べるゲームで、オススメのものはありますか?
白坂:それでいうと、かなり有名どころですが「カタン」とかはいかがでしょうか。
①世界で累計販売数2000万個以上! 現代ボードゲームの最高傑作「カタン」
【ゲーム概要】プレーヤーはカタン島の入植者となり、島で産出される木材や鉄などのリソースを時には自前で、時にはライバルとの交渉で確保する。リソースを組み合わせ道や街など建設し領地を発展させ、最初に勝利点10ポイントに達したプレーヤーが勝利。世界20カ国以上で翻訳され、累計販売数2000万個以上。ボードゲーム史に燦然と輝く最高傑作のひとつ。
白坂:交渉の要素があるゲームなので、こういうこと言えばこのカードとカードを交換してくれその結果、自分が有利になる……みたいなことをうまいこと言わないといけないです。多分、同じ条件でも言い方ひとつで「のってくれるか、くれないか」があったりするところにアナログっぽさがってあって、そこがデジタルゲームにはない魅力なのかなと思います。
──交渉はビジネスシーンで最重要のスキルのひとつですもんね。
白坂:そういった意味では交渉系と呼ばれるゲームのなかでも最近ブームだった「人狼」も面白いですね。いわゆる会話型心理ゲームなので「これを言ったら信じてくれる」とか「こう言えばこの人の票を操れる」とか、そういうのを考えながらプレーしていくというのは人間関係を学ぶことにつながりますし、そのまま現実のビジネスの世界にもうまくいかせるのかなと。
②会話で相手の心理を操るゲーム「人狼」
【ゲーム概要】村に潜んだ人狼を会話によってあぶり出す「村人VS人狼」のチーム対抗戦。ゲームは昼と夜のターンに分かれている。昼、村人たちは会話によって疑わしい人間を投票でひとり選び、リンチにかけゲームから排除、人狼を全員処刑できれば勝ち。一方の夜では人狼たちが村人を一人選び食い殺しゲームから排除、一定数の村人を殺せば勝ち。世界的に好評で幾多のタイトル、幾多のバリエーションが国内外で発売されている。(画像は白坂さんの別会社・株式会社人狼から発売されている『うそつき人狼』)
──「会話をメインにすえるゲーム」がビジネスに役立つという感じですか?
白坂:会話はわかりやすいですよね。もちろんコンポーネントがたくさんあってじっくり考えるタイプのゲームも想像力が不可欠です。会話はなくても駒で、あるいはアクションで会話するみたいなところはそれはそれでビジネスっぽさもあるというか。
──囲碁では会話は交わさずともプレーを通して会話をするという意味で「手談」という用語もあります。
白坂:あとはゲームって基本、結果として1位 2位の順位がつくと思うんですけども、ビジネスって勝ち負けだけじゃないですよね。
──もう死語になってますけど「ウィン・ウィンの関係」みたいな?
白坂:その考え方でいくと、ここ数年ちょっとはやってるのが協力系ゲームってジャンルで、「パンデミック」ってボードゲームのがその代表なんですけれども。このゲームの登場以降、影響された協力系ゲームがたくさん出てます。
③仲間と協力して人類滅亡の回避を目指す「パンデミック」
【ゲーム概要】プレーヤーは科学者や衛生兵など、特殊技能を持つプロフェッショナルとなり、人類を滅ぼしかねない感染症の世界的流行(パンデミック)を抑え込むことに奮闘する。プレーヤー同士は一つのチームであり順位はつかない。「システムVSプレーヤー」の多人数協力型ゲーム。各人持つ職能を駆使して世界にはびこる4種の病原菌のワクチンを開発できれば「チームの勝利」、できなければ全員が負けとなる。このタイトル以降、幾多のフォロワーが生まれたこれまた傑作ボードゲーム。
白坂:「全員が勝ちか、全員が負けか」の協力型ゲームで、それこそコミニケーションゲームというか会話が大事だったりします。このゲームではチームで相談しながらプレーするんですけど、根っこにあるのは意思疎通なわけですよ。
ひとつの目標に立ち向かっていくために、みんなで心をひとつにして同じ問題に取り組む……みたいな。
白坂:まさにビジネスの基本みたいなところがあるので、そこら辺は参考になるというか。こういうゲームがうまいと「おっ! こいつ仕事できそうだな」みたいのはあったりしますよね。
──ところで白坂さん、これだけ深くボードゲームに関わっているということは、子どもの頃からたくさん遊んでいたのですか?
白坂:そもそも子どもの頃とかはテレビゲームばっかりやってたんでボードゲームはほんと「人生ゲーム」ぐらいしか知らなくて。
──ボードゲームカフェを率いるオーナーが、子どもの頃はボードゲームでほとんど遊んでいなかったって、意外ですね。
白坂:だからこそ「こんなものがあったんだ」「今まで俺、これを知らなかったのか!?」というのもあるし……つまり自分以外の大多数の人も、これを知らないんじゃないかっていうのもあり、最初ボードゲームの世界に出合った時の衝撃は大きかったですね。
──ちなみにその衝撃を受けたゲームというのは?
白坂:『ワードバスケット』っていうゲームがあって。個人的にはそれが「トランプとUNO以外にこんなカードゲームがあるんだ!」と。
──しりとり系カードゲームですね。初めて出合ったときはけっこうなカルチャーショックだった、と。
白坂:それ以外のカードゲームって、他にないと思ってたんで、ホントに。まあカルタとかはありますけど。そこから始まって調べてみたら、カードゲームもたくさんあるしそれとは違う大きな箱のボードゲームもたくさんあるし、そこで初めて……。
──つまり、本格的に世界のボードゲームを遊び始めたのは……。
白坂:知ったのは社会人なってから……20代後半ですね。それから調べてちょこちょこ買うようになって、個人的趣味で集め始めたのはその頃ですね。その後はボードゲーマーなら押さえておかなければならない名作を、ある時期ひと通りバーっと遊んだ時期がありまして。
──世界のボードゲームシーンをみればドイツを中心に年単位で軽く数百タイトルは販売されています。
白坂:そのときにボードゲームの世界が多様すぎて、そのジャンルの広さにも驚いたというか、いわゆる交渉系のやつもあるし心理戦のもあれば、もうまったく運を使わないガチっぽいやつもあれば、めちゃめちゃいろんな種類があるなっていう。それにまた衝撃を受けて、けっこうズブズブにはまってしまって……。
──では、さらに大人が遊んで楽しいゲームを教えてほしいのですが。
白坂:それで行くと、え~っと、交渉系のゲームがやっぱり好きなので、会話次第で良し悪しが決まるっていう系が好きだったりします。さっきの「カタン」って交渉の要素はあるのですが、サイコロを使うので出た目によるところがどうしても出てくるんですよ。
そうすると若干、運の良さ的な部分が出てきたりするんですけど、そういうのがないゲームが好きで。それでいうとひとつはちょっと特殊なゲームではあるんですけど「ディプロマシー」というゲームがあって。これ、大好きで一時期よくやってました。
④裏切りと信頼が交錯する戦略ゲームの傑作「ディプロマシー」
【ゲーム概要】第一次世界大戦前夜のヨーロッパを舞台としたボードゲーム。各プレーヤーがそれぞれ一つの国を担い陸軍、海軍を運用し占拠地を増やし欧州の覇権を狙う。運要素は一切排除され、ディプロマシー(外交)という名の通り、ターン毎に各国は他国と自由に同盟したり取引をしたり協力したり交渉できる。これらの約束には義務はなく裏切りと信頼が交錯する。その非情なルール故、俗に「友情破壊ゲーム」や「サークル崩壊ゲーム」などとも呼ばれることもある古典的マスターピース。
──この「ディプロマシー」ってプレー時間もガッツリかかるし、プレーヤーも選ぶし、遊び応えもある相当カロリーの高いゲームですよね。プレーヤー同士の秘密裏の交渉があちこちであるから、ある程度のスペースも必要だし。そのあたりどうしてたんですか?
白坂:お店を1日貸し切ってやったこともありますし、後は自宅でやったりしたこともありました。あれは7人まで遊べて、それぞれ1つの国、例えばイギリスとかイタリアとかを担当するんですけど、7組の夫婦を呼んで、2人1組でひとつの国を担当する……みたいな。
──うわ、総勢14人も! ファーストレディーも巻き込むとは、かなりヘビーな「ディプロマシー」体験だ(笑)。
白坂:まあ途中で奥さんとかが飽きちゃっていなくなったりするんですけど(笑)、あれこそ究極の交渉ゲームなんですけども「言った、言わない」の裏切りの要素とかもあったりして、そこら辺が面白かったりする。
第一次世界大戦の話なので、まさに戦争の縮図みたいなところもあって、勉強になるところもあるし、運の要素がまったくないので「勝った時は、その人の実力」というところが魅力的ですね。
──運なしゲームで相手をたたき伏せたときの優越感って相当気持ちいいですからね。
白坂:「ディプロマシー」はすごい好きです。このゲームはさすがにハードルが高くて、やるとなったらほんとに1カ月前くらいから予定を立てなきゃいけないので、気軽さがないですけど(笑)。
⑤策略、賄賂、泣き落とし……友情破壊ゲーム「イントリーゲ」
白坂:似た系統になっちゃうんですけど「ディプロマシー」をもっとライトにしたような「イントリーゲ」っていうゲームがあって……。
【ゲーム概要】プレーヤーは領主となり、お抱えの学者たちを他の城で雇ってもらい、給与を得る。ゲーム終了時ダカット(通貨)をもっとも稼いだプレイヤーが勝利する。いつまで雇ってもらえるか、あるいは給与の多寡は相手領主との交渉となり、時には賄賂、時にはこび、時には泣き落としで相手を説得する。だがこちらのゲームも交渉事の約束を守る義務は一切なく、裏切りと策略が乱れ飛ぶ「人間関係崩壊ゲーム」となっている。
白坂:自分のお城のボードが1人1個ずつあって。他に自分が抱えている学者のコマがいる。自分の学者は自分の城では雇えないんですよ。
──だから他国の領主に雇ってもらうんですね。
白坂:雇ってさえもらえば毎ターンお給料がもらえるわけですよ。で、お給料も毎回1,000ダカット(通貨)のところもあれば10,000ダカットのところもあって、だから「ぜひそこで働かせてください」みたいなことを言うんですけど、タダでは働かせてもらえないんですよ。
──そこで金が汚く絡んだ交渉が始まるというわけですね(笑)。
白坂:もし給料が10,000ダカットのところで働きたかったら、相手が「お前、いくら出せんの?」って聞いてきて、最初に賄賂を渡すんですよ。「ここに入れてくれたらもうずっとついて行きます!」ってこびを売ったり(笑)。
──もみ手をしてヘコヘコいるプレーヤーの姿が目に浮かびます。
白坂:で、相手はお金をもらうじゃないですか。でも、賄賂をもらったうえで1,000ダカットのところにおいてもいいんですよ。お金もらうだけもらって約束を破って違うところに置いてもいいんですけども、でもそうしちゃうと今後その人とは交渉しづらいから、最初は約束を守りつつ、どこかで破る……みたいな。
──そのあたりはまさに「ディプロマシー」を彷彿とさせる。
白坂:最初は働き口が4つあるんですけど、自分が持っている学者が8人とかいるので、ゲームの途中からあぶれてきちゃうんですよ。
──つまり自分の学者と、他のプレーヤーの学者と、雇用先がバッティングしちゃうんですね。
白坂:そうなるとどこに行くかというと、どっちかが島流しに合う。箱の底に島の絵が書いてあって、ゲーム後半になるとどっちか1人は島流しに毎ターン遭う。そうなると給料はもらえなくなっちゃうんですよ。
白坂:裏切りというか、殺伐というか。要はお金を稼ぐゲームなんですけど。これも完全に運要素ゼロで、ファンの間では「友情破壊ゲーム」なんて言われています(笑)。
──人間関係がギスギスすることは十分わかりましたが(笑)、このゲームもビジネススキルを磨くことに役立つ……と?
白坂:これも営業力が問われるというか、うまいこと言う口八丁手八丁の技術が必要。自分が持っているお金が少ないので、どうしてもゲームの鉄則は「いま誰が1位で、どうすればこれ以上そいつを伸ばさせないか」のが大事になってくる。
──いわゆる「トップつぶし」ですね。会社でも出世とかで目立ち過ぎたり、やたら金持っていたりするのがバレちゃうと、人の嫉妬を買って思わぬところで邪魔されちゃいうことがままある。
白坂:なので一番いいのは「俺、ぜんぜん金がない!」みたいなのをアピールしといて、実際は1位になっているとか。まぁいろいろテクニックがあるんですけれども(笑)。
──実社会でもボードゲームでも過剰に「金なしアピール」する人間には注意したほうがよさそうですね。
白坂:でもまぁ、これも遊ぶ人を選ぶというか。初対面同士だと逆に良くて、容赦なくプレーできますし、あるいはめっちゃ仲がいい友達だったらいいんですけど、中途半端に仲のいい人とプレーすると、人間関係がギスギスして終わるっていう(笑)。
──勝つためにあたかもトップでないように振る舞い、途中まで信頼関係を築きつつ最後には裏切りをカマして一気に駆け上がる。「ディプロマシー」と「イントリーゲ」は共通部分が多々あります。
白坂:似てますね、この2つは。どっちもコミニケーションゲームというか代表的な交渉ゲームなので、すごく好きですね。
子どもとも楽しめるボードゲーム3選
ここまで大人が楽しめるボードゲームを推薦してもらったが、実は白坂さんは4歳と1歳の子を持つ2児の父親でもある。
そんな白坂さんに子どもと大人が一緒に楽しめるオススメのゲームも聞いてみた。
⑥幅広い年代が遊べるバランス系ゲーム「スティッキー」
【ゲーム概要】カラーサイコロを振り、出た色のスティックを抜いていく。スティックの束を崩したプレーヤーが負け。スティックは太さによって点数がついており、獲得した合計点の一番高いプレーヤーが勝ち!
白坂:ジャンルでいうとバランス系のゲームの「スティッキー」というゲームが幅広い年代で遊べますね。素材が全部、木でできているので、そういったことでも子どもに優しい。
白坂:あとこれ裏ネタっぽい情報なんですけど、皇室の御一家でスティッキーで遊ばれていたっていう話があって。ネットで検索すると写真が出てくるんですよ。
──ほんとだ!「皇室 スティッキー」で画像検索すると、愛子様がご一家で遊ばれている画像が!
白坂:あとこっちはスピード系なんですけど「スピードカップス」っていうゲームで……。
⑦大人と子どもがいい勝負!「スピードカップス」
【ゲーム概要】お題となるカードにある色の順番に自分のカップを並べる。縦に積むだけではなく、横に並べるパターンもあり。並べ終えの最初に中央のベルを鳴らしたプレーヤーがお題カードをゲット。最終的に一番多くお題カードを獲得したプレーヤーが勝利。
白坂:出されたお代カードの色の順番にカップを並べていくっていうゲームです。これもちびっ子でもわちゃわちゃ楽しめる。
──こういうスピード系のゲームって、大人の判断力がすっかり弱体化してて、子どもとやってもけっこういい勝負になることがままある(笑)。
白坂:誰よりも早く並べて、真中にあるベルをチン! って鳴らしたら勝ちで。ちびっ子的にはいち早くベルを鳴らせることが楽しいみたいです。
⑧子どもの方が強い!? 記憶ゲームの名作「にわとりのしっぽ」
【ゲーム概要】神経衰弱と双六を組み合わせたようなユニークなレースゲーム。プレーヤーはにわとりとなり、円陣に並べられたタイルを回る。他のにわとりをすべて追い抜くと勝利。木製のにわとりのコマが超絶かわいい。
白坂:これも名作といわれていて、1998年に……もう20年前ですけど権威あるゲームの賞を取っている「にわとりのしっぽ」っていうゲームです。
──世界的に権威のある「ドイツ年間ゲーム大賞子ども特別賞」と「ドイツゲーム賞子ども部門」をダブル受賞しています。
白坂:自分のにわとりのコマがあって、ぐるぐるぐるぐる回っていく。相手のにわとりを追い越したらしっぽを奪えるんですよ。で、それを自分のお尻に刺せる。全部のにわとりを追い越したら勝つんですけど、基本は記憶ゲームなんです。
──中央の伏せられたタイルを1枚めくり、自分のにわとりがいる1タイル先の絵と一致したら1つ進められるルールですね。
白坂:だから中央のタイルはめくって覚えておかなくてはいけなけない。で、また戻して……みたいなことをするんですけど、なぜか大人がその絵を覚えられない(笑)。
──タイルが数字じゃなくて、絵になっているのがミソですね。色合いとか内容とかが違うんだけど、どこか似通っていて覚えられそうで覚えられない。
白坂:だから大人が子どもになぜか負けちゃうゲームなんです。子どもが「なんで忘れてるの? ここにあったじゃん」みたいなことがけっこう起こって。神経衰弱とかもそうですけど子どもの方が強かったりする。そういう意味でもよくできているゲームですね。
──大人と子どもが真剣に戦って、かつ子どもでも勝つ可能性が十分あるというのがとてもいいですね。
と、ここで取材を終えようと思ったのだが……
白坂さんからボードゲームのことをたっぷりお聞きし、ここで取材を終えてもよかったのだが、私カゲゾウにはどうしても引っかかっていることがあった。
それはJJCのサイトにある白坂さんのプロフィールだ。
なぬう、元自衛隊にして元ホストだと???????
いったいこの人はどんなキャリアを歩んできたのか? 好きなボードゲームを仕事にし、経営者として多店舗化にも成功している。
それと下世話な話だが、そもそもボードゲームカフェってそんなにもうかるものなのか!?
聞きたい。そのあたりのことをいろいろ突っ込んでみたい。
というわけで、この取材は後編に続くのであった!
お店情報
JELLY JELLY CAFE 池袋2号店
住所:東京都豊島区池袋2-12-9 広瀬ビル3F
電話番号:03-5904-9914
営業時間:13:00~23:00 ※日曜日営業
定休日:不定休
書いた人:飯炊屋カゲゾウ
1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとして活動中。「子育屋カゲゾウ」名義で育児ブログも更新中。
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