2〜3分で完成!世界最速(?)「ずぼらチャイ」の作り方

マグカップにスパイスを入れる→牛乳を注ぐ→ティーバッグを入れレンチン(ここまで合計2分10秒程度)という方法で、そこそこ「チャイっぽいもの」ができるらしい……。今回は「ずぼらチャイの作り方」を教わりました。

チャイをもっと簡単・気軽に作りたい

インドのスパイスが入った紅茶、チャイ。インド料理店で最後に出てくるのが楽しみですよね。でも、ちょっとカップがちっちゃいと思いませんか。

もっといっぱい、心置きなくがぶ飲みしたい! と思っている人も少なくないはず。

コンビニでたまにチルドカップタイプのものが売られていたり、カフェでもたまに見かけたりしますが、年中ほとばしるチャイ欲にとうてい追いつかない出現率の低さですよね。

インド料理店に入るしかないってのもちょっとハードルが高いですし……もっと気軽にチャイを飲みたい!

 

じゃあ、家で作ればいいじゃん。

ってことで、チャイ用のスパイスミックスとか、お湯を注ぐだけでチャイができる粉末も売られていますよね。私も買ってみたんですよ。

でも、お湯を注ぐタイプはミルク感が弱かったり、好みの甘さにできなかったりで満足できず。

かといってスパイスミックスだと、鍋で牛乳を温めるのがめんどくさいし、何より牛乳の膜がこびりつくと、それを洗うのも手間なんですよね。

と、チャイから心が離れ始めていたそんなとき。

 

ふと、「紅茶のティーバッグ&牛乳をレンジでチンしたらミルクティーになるのでは?」と思い立ち実行してみたら、そこそこいい感じのミルクティーができました。

それを愛飲しているうちに、

「これ、スパイスも一緒に入れたら実質チャイじゃない?」

と思いついたのです。

 

とりあえず家にあったカルダモンを入れてみた

ひとまず、家の調味料置き場にあったカルダモンをなんとなく入れてみました。インド料理にチャレンジしてうまくいかず、調味料置き場に眠っていたやつです。

おぼろげな記憶によれば、たしかカルダモンはたいていのチャイに入っているスパイス。お店のチャイには他にもいろいろなスパイスが入っているはずですが、とりあえずこれを入れてみましょう。

 

マグカップに牛乳、ティーバッグを入れ、なんとなくカルダモンをひと振り。

 

電子レンジ600Wで2分チン。

 

……これ、ほぼチャイじゃない!???

加熱はたったの2分+スパイスを入れる時間10秒ほどで、まあまあチャイっぽいものができてしまった!

 

さすがにお店で飲むやつには及びませんが、これ、あきらかに日本の家庭で出てくるミルクティーじゃない。畳敷きの自室にふんわり広がる異国の香り。ホットミルクを作るのと大して変わらない手間の少なさで、こんなに激変するとは……。

 

以来、ほぼ毎日チャイっぽいものを作っては飲むようになりました。

砂糖を入れないので市販のものよりカロリーも低いし、眠っていたスパイスも活用でき、思い立ったら自宅で即チャイ飲み放題!  という夢の暮らしが実現しています。

作っているうちに「もっと本格的なチャイみたいにおいしくしたい!」という欲が湧き、自宅に眠っていたスパイスをかたっぱしから試してみました。

通算200杯くらい試してみて、マイベストレシピができたので、ここに発表したいと思います。

 

ずぼらチャイベストレシピ

使う道具はマグカップ、電子レンジ、ラップだけ。

【材料】(1杯分)

※スパイスの数字は、グラムなどの具体的な分量ではなく、200mlの牛乳で1杯のチャイを作る場合の感覚的な割合です。

  • カルダモン 2(パッパッと振るイメージ)
  • シナモン 2(パッパッと振るイメージ)
  • オールスパイス 1(スッと入れるイメージ)
  • ブラックペッパー 0.5(ミルでガリッと挽く感じ)
  • 牛乳 200ml程度
  • 紅茶のティーバッグ 1杯分(フレーバーのついていないもの)

 

【作り方】

  1. マグカップにスパイスを全て入れる
  2. 牛乳を注ぐ
  3. ティーバッグを入れ電子レンジ600Wで2分チン
  4. ティーバッグを使って軽く混ぜる

 

1.マグカップにスパイスを全て入れる

入れる順番はなんでもいいです。ただ瓶を振って入れるだけ。

材料の配分は、200mlの牛乳で作る場合の割合の目安を表しています(平均的なマグカップに注ぐとそのくらいの量になります)。

カッコ内は、振り入れるときの力加減を擬音で表してみました。ブラックペッパーはできればホールタイプを使い、ミルで挽くことを推奨します。普段の肉料理に使っているものでOKです!

 

スパイスを感覚で全部入れると、こんな感じです。

1杯のチャイに使うスパイスの量はとても少ないため、厳密に重量を量るのは電子計がないと無理。小さじ1どころか、耳かき1杯分、とかの世界です。

あくまでこれはずぼらチャイ。できるだけ労力をかけないことが目的なので、皆さんが目で見ただいたいの感じでOKです。このやり方に落ち着いてから、私は失敗しなくなりました。

 

【あまりずぼらではない人へのアドバイス】

スパイスを全部入れた段階で、スプーンを使って軽く混ぜ合わせておくと、後で混ぜるときにラクです。

 

2.牛乳を注ぐ

後述しますが、このずぼらチャイベストレシピではスプーンすら使いません。

このステップで少しでもスパイスを攪拌(かくはん)しておきたいので、先ほど入れたスパイスがなるべくよく混ざるように! という気持ちで軽く円を描きながら牛乳を注ぐといいと思います。

もちろん、ただ注ぐだけでもOKです。加熱時の対流によってある程度は攪拌されるので、そこまで手間をかける必要はありません。

 

3.ティーバッグを入れ電子レンジ600Wで2分チン

牛乳を注いだら、ティーバッグを入れます。できるだけ茶葉の成分をしっかり抽出したいので、可能な範囲で沈めるようにします。

でも結局、加熱時に対流が起きて沈むので、面倒ならそこまで気にしなくても大丈夫です。

 

ラップでフタをして電子レンジへIN。ちなみに私は1日に2杯飲むこともしばしばのヘビーユーザーなので、使い捨てのラップではなく、百均などで売られているシリコンラップを使っています。

使いすぎてもはや端っこが破れています。これならサッと洗うだけで繰り返し使えるので便利。

 

あとは600Wで2分チンするだけ。私の場合はだいたい牛乳200ml×2分チンで作っていますが、マグカップの種類や牛乳の量によってお好みで加減してください。

濃いめの紅茶を抽出しようと加熱時間を長くしすぎると、膜が張っておいしくなくなる&洗うのが面倒になるので要注意!!!!!

私の場合は3分加熱したら膜が張りました。ここだけはたとえずぼら者でも厳守です。

 

4.ティーバッグを使って軽く混ぜる

ティーバッグを引き上げつつ、マグカップの縁を2〜3周なぞるようにします。

スプーンを洗うのがめんどくさいがために編み出した苦しまぎれの方法だったんですが、この行為によって、ティーバッグ内の紅茶のエキスがさらに抽出でき、より濃厚になるというメリットが。

さらに上に浮いてしまった余分なスパイスをオフすることもできるので、積極的におすすめします。

 

【あまりずぼらではない人へのアドバイス】

別のマグカップを用意して茶こしでこすと、浮いてしまった余分なスパイスがよりいい感じにオフされて、口当たりがよくなります。

 

あっという間にチャイが完成!

はい、これでできあがり!

カップを取り出す時間も含めて、3分足らず。カップラーメンよりも早くチャイができてしまいました。

自分の記憶に残っているチャイの感じがかなり再現できてます。

 

最も味の要になっていると思うのは、爽やかな香りのカルダモン。

 

そこに、シナモンのねっとりと甘い香り&味が加わるだけでもかなりチャイ感が出るのですが、ちょっとおとなしすぎてスパイシー感がない。

上品すぎる感じが否めないんですよね。十分おいしいのですが、インドっぽい感じが弱めでちょっと物足りない気がします。

 

そこにオールスパイスを加えると、ワイルドさも少し増して奥行きがググッと出る感じ。急に立体感が出てきます! 最近はスーパーでもけっこう売られているのでぜひ探してみてください。薬臭くならないよう、入れすぎないのがポイントです。

 

さらに、「チャイの香りだけじゃなくて舌がほんのりぽかぽかする感じ、辛味の手前で踏みとどまっているくらいのホットな感じがチャイには必要なんだよな」と気づき、ブラックペッパーをかすかに加えてみました(ミルで挽いて入れましたが、パウダータイプのものを入れてもOKです)。

ラーメンとか野菜炒めを思い出すので抵抗があるかもしれませんが、ブラックペッパーはバニラアイスとか高級チョコレートにも加えられていたりして、実は甘いものとも相性がいいことで知られてます。ということでチャイに入れても違和感がないのも納得というわけです。

 

ブラックペッパーを入れたら、インド料理屋の風景がズバーンと脳内に浮かんできたんですよ!

こ・れ・だ!!! もうこれしかない!!!!!

となったんですよね。

このレシピにたどり着いてから、もう失敗知らずです。味噌汁並みに生活の中にチャイが定着しました。

 

一般的なチャイに入っているクローブ&しょうがは省略

ちなみに、多くのチャイに含まれるスパイスは

  • カルダモン
  • シナモン
  • クローブ
  • しょうが

あたりのようです。各スパイスの比率を変えたり、他のスパイスをさらにプラスしたりすることで各店のチャイの個性が生まれているわけです。

 

なんですが、今回のレシピでは、クローブとしょうがは採用していません。その理由は……。

 

クローブを入れない理由

クローブは単体でかぐと昔の歯医者さんみたいなにおいがする香りの強いスパイスで、全体をまとめてグッと高級感を引き出してくれる、みたいな印象。

ですが、カルダモンほど劇的に変わった! という感じはなく、オールスパイスでも似た奥行きが出るなと感じたのでずぼらチャイ的には却下。最後に取り出すのが面倒だし、取り出さないで飲むと、口に入ってきそうになるのもストレスを感じます。

スーパーでも割とよく売られていて比較的入手しやすいし、インド料理や焼きりんごにもよく使われ汎用性はあるので、非ずぼら民orパウダータイプが入手できた場合はぜひ入れるといいと思います。

 

しょうがを入れない理由

しょうがはチャイの中でもかなり定番のスパイスだと思いますが、すりおろすと繊維がモロモロして口当たりがよくないし、スライスでは溶け出す量が少なくあまりしょうが感が出ず、手間の割に効果がないと感じました。

 

粉末タイプならいいかも? と思い探したのですが、こちらは驚くほど売られていません。大きめのスーパーに行っても扱っていないことが多く、苦労してやっと製菓材料専門店で手に入れました。

 

チャイ特有の、舌がカッとほてるような感じがいい具合に出るんですが、入れすぎると急にしょうが感が悪目立ちしてきます。意外と慎重に使う必要がある点も、ずぼら的にマイナスポイント。

ぽかぽか感を出すならブラックペッパーの方が入手しやすく、手軽でよいと判断しました。しょうが湯の粉末なら多くのスーパーで売られているので、糖分が加わってもOKな人にはアリかもしれません。

 

好みのチャイの味や香りは、各自のスパイス体験によってかなり個人差があると思います。

「違う! なっとらん!」とか、「〇〇を入れた方がいいんじゃない?」などなど、ぜひ皆さんの「俺の&私のチャイ」を教えてください。だって、よりおいしいずぼらチャイを飲みたいじゃないですか!

ということで、Twitterやはてぶでの皆さんのご意見、お待ちしております!

 

書いた人:増山かおり

増山かおり

1984年、青森県七戸町生まれ。東京都江東区で育ち、百貨店勤務を経てフリーライターに。『散歩の達人』(交通新聞社)にて『町中華探検隊がゆく!』連載中。『LDK』(晋遊舎)『ヴィレッジヴァンガードマガジン』などで執筆。著書に『JR中央線あるある』(TOブックス)、『高円寺エトアール物語~天狗ガールズ』(HOT WIRE GROOP)。

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