【レスラーめし】第2回 中西学選手(新日本プロレス)
日々、リング上で熱い闘いを見せるプロレスラーたち。
その試合の基盤にあるのはタフな練習、そして “食事” だ。
その鍛えた身体を支えるための日々の食事はもちろん、レスラーを目指していた頃の思い出の味、若手の頃に朝早くから作ったちゃんこ、地方巡業や海外遠征での忘れられない味、仲間のレスラーたちと酌み交わした酒……。
プロレスラーの食事にはどこかロマンがある。そんな食にまつわる話をさまざまなプロレスラーにうかがう連載企画「レスラーめし」。
第2回に登場していただくのは新日本プロレスの中西学選手、通称“野人”。
相手選手を担ぎ上げるアルゼンチンバックブリーカーを必殺技に小細工なしのパワーファイトでIWGP王座やG1クライマックス優勝などを重ねてきました。
またバラエティ番組への出演も多く、テレ朝動画では冠番組「人類プロレスラー計画『中西ランド』」が放映されていたほど。
この番組のなかでもたびたび料理の腕前を披露。
それだけに『メシ通』の出演はぴったりです。
これがうわさの「モンスターモーニング」だ!
今や新日本プロレスの数多くの選手がアカウントを持っているツイッター。
その中でも、中西選手がアップするたび話題になるのが、
その常人離れした量の朝食の写真投稿、通称「モンスターモーニング」。
まずはその話題からうかがってみましょう。
朝だ久々復活!群馬の上州アサゲアサゲのモンスターモーニング🍴🌄感謝の気持ちで☆いただくドン&おはようドン(^o^)vo(^o^)o*1 pic.twitter.com/no9x9va6UY
— 中西学 Manabu,Nakanishi (@nobitokun) 2017年10月6日
©新日本プロレス
朝だ山形🍒レスラー俺一人!誰かとモンスターモーニング🌄🍴は又今度🍵感謝の気持ちで☆いただくドン&おはようドン(^o^)vo(^o^)o*2
— 中西学 Manabu,Nakanishi (@nobitokun) 2017年6月22日
©新日本プロレス
朝だ魚津だ🔥ウォーマシーンとモンスターモーニング🌄🍴感謝の気持ちで☆いただくドン&おはようドン(^o^)vo(^o^)o*3
— 中西学 Manabu,Nakanishi (@nobitokun) 2017年9月12日
©新日本プロレス
── 中西選手といえば、巡業中の朝食をツイッターにアップする「モンスターモーニング」! あれは何がきっかけで始まったんですか?
あれはツイッターをはじめたけど書くことがなくって、朝の「おはよう」と夜の「おやすみ」くらいしかつぶやかないから、何か書くことがないかと考えてたんですよね。それでその頃、ストロングマン選手とタッグを組んでいたので、2人のメシとかを載せようかと思って始めたんです。
── 中西選手とストロングマン選手というと「マッスルオーケストラ」として東スポプロレス大賞で最優秀タッグ賞も受賞した2人ですね。
でも本当は彼、朝はあんまり食べないんですよ。夜にがっつり食べるタイプで、ぼくは朝型。ただそれでも「筋肉のために炭水化物は一切取らない」「10数年取ってない」という気持ちの強いヤツでしたね。ぼくもそんな彼の目の前で食べるのが辛くて、常にコーヒーを飲ませていたんですよ。それでお手洗いに頻繁に行かせるようにして、その間にぼくが炭水化物を食べるっていう。
── いちおう気を使ったですね(笑)。
それで「何でお前は俺にコーヒーばかり飲ませるんだ!」って怒るから「もっとお前がカフェイン取って、少しでも脂肪が減って筋骨隆々のすごい体をアピール出来るようにだ」って言ったら、「なんて優しいヤツだ!」って言ってましたね。炭水化物食べたいだけなんだけど(笑)。
── そこから始まった「モンスターモーニング」、あれは地方興行で向かった先のホテルでの朝食バイキングを毎回ツイッターにアップしているわけですよね。中西選手的に食べるもののバランスは決まっているんですか?
基本はそこに出ている全種類取ってきますが、野菜は多めに取りますね。あと炭水化物はおかゆがあったらおかゆにしたり。基本嫌いなものはないし、何でも食べますね。それに朝しっかり野菜を食べて栄養を取っておいたら、あとはお昼はちょこちょこ、夜もちょこちょこ食べればいいですから。
── いつも写真の真ん中にボウルいっぱいの野菜が2つ並んでいますよね。
普通のお店だとサラダを頼んでも、量が足りないんですよね。でも、ああいう朝食バイキングだとたくさん野菜はありますから。野菜をいろいろ出してくれるところはうれしいですね。
── いままでホテルで止められたことはないですか?
あるホテルに2日泊まることになったんですけど、最初の朝ご飯はモーニングの時間が終わる寸前に行ったんです。それで残ってるものをちょこちょこっと後片付けみたいな感じに食べたつもりだったんですけど、翌日朝一番に来たら「他にもお客さんが来るので取りすぎるのは困ります。もう二度と来ないでください」って言われて。だからその時はもうきれいに、献身的なくらいの量に抑えました(笑)。「そしたら最後印象変わるかな?」と思ったけど、帰る時「また来てください」とは絶対に言われなかったから、「あー、これは二度と来たらダメなのか」って思いましたね。あっちからすると「根こそぎ取られる!」って思ったんでしょうね。
── 最後だからと後片付けしたのが裏目に出たんですね。
普段は混んでいる時に行ったら迷惑かなと早めに行って、隅っこの席で隠れながら食べてるんですけどね。写真撮るからすぐバレるんですけど。ホテルにつくと「朝ごはん食べますか?」って聞かれますしね。だから他の選手にも迷惑かけないように、最近は「出稽古」って言って、別のホテルに行って食べたりとかしています。
── 「モンスターモーニング」も気を使ってるんですね(笑)。さっき朝はあれだけ食べても、昼夜はちょこちょこ、とおっしゃってましたけど、昼夜はどのくらい食べるんですか?
巡業中だと、朝あれだけ食べたらお昼はうどん一杯すするとかパンを食べるとか、そんなもんですね。夜も飲みに行ったりとかがなければ、帰ってシャワーを浴びて寝るだけですから。
── 朝は他のレスラーもモンスターモーニング状態だったりするんですか?
レスラーですから普通の人に比べれば食べるんでしょうけど、ぼくみたいに食べる人はいないと思います。どっちかというと夜型が多いんじゃないかな。
── あと巡業以外も家での朝食は「モンスターモーニング」なんですか?
そんなことないですよ。起きたらパスタをゆでるかなんかして、納豆刻んでひきわり納豆にして、そこにトムヤムクンの素と温泉卵を入れてパーッとつけ麺みたいにして食べたりします。あとは玄米ご飯を炊いて食べたりですかね。それを食べて道場に行って練習して、ちゃんこも食べます。夜は家に帰って何かあるんだったら作って食べるか、外で食べる場合もありますけど。
── さすが料理上手というか、普段の朝食もおいしそうです! いつもモンスターなわけではないんですね。
でも今より昔のレスラーの方が全然食べていると思いますよ。アンドレ(・ザ・ジャイアント)なんか、いつも行った先のビールを全部飲んでしまっていたそうですし。ジンギスカンが売りのビール園に行って、肉はたくさんストックがあったけど、ビールはなくなったって話を聞いたことがあります。僕なんか足もとにも及ばないですよ、レジェンドのレスラーめしには。
── いえいえ、中西さんもツイッターでレスラーのモンスターっぷりを広く伝えていますから!
子どもの頃の思い出の味は母親のアジフライ
まさに「和製ヘラクレス」というにふさわしい中西選手の身体。
そのもとになったのは、子どもの頃に農業を営む父親を手伝っていたことがきっかけだとか。その頃食べていた、子どもの頃から五輪を目指す学生時代の思い出の味を振り返ってもらいます。
── 中西選手は子どもの頃からご飯は量食べる方だったんですか?
食べる方でしたね。兄弟が何人かいて、全員ぶんのりんごを買ってきたけど、ぼくが全部食べたりとかしてました(笑)。家は田舎だったので、手の込んだものはそんなに作らなかったですが、おふくろの味みたいなのがアジフライなんですよね。
── アジフライですか。
こっちの方(東京)に来てアジフライっていったら、ちっちゃいアジを割いて扇形にして尻尾がついているやつじゃないですか。そうじゃなくて三枚におろして、中の骨はしっかりとって、皮のついた切り身に小麦粉と卵、あとはパン粉をつけて揚げたやつ。それに気の利いたソースをつけるわけでもなくて、ケチャップをつけて食べていたんですけど、それがうまいなーって思って食べていましたね。
── よくお母さんが作られていたんですか?
そうですね。もともと魚をおろしたりはしないんですけどね、母親は魚が嫌いだったから。でも肉も好きじゃなくて、「それよりマシや」って言ってよく作ってくれました。牛肉を食べると言ったらカレーに少し入ってるとか、たまに野菜炒めに入ってるとか、お正月にすき焼きを親戚一同で食べるくらいでしたね。牛肉を食べる機会は。
── 肉嫌いのお母さんの食事から、よくこんな筋骨隆々とした子どもが育ちましたね(笑)。レスリングは高校から始められていますけど、それまでは運動は何かしていたんですか?
ほとんどしていないです。ただ学校のどの生徒よりも家が遠かったので、よく歩いたのが運動になったのと、親父が農業をやっていてその仕事の手伝いで足腰が強くなったと思います。肉は食べられなかったけど、他のものはよく食べていましたね。
── それで高校でレスリングを始めて食生活は変わりました?
そうですね。ついていけないんですよ、練習に。ほかは皆スポーツ歴があるんですけど、自分はそれまで運動らしい運動をしたことがないから。レスリングを始めたのも、ただただプロレスが格好良いから「レスリングを始めたらプロレスラーになれるんじゃないか?」 と思って始めただけですから(笑)。それでも同期のスポーツをしていた人間にはかなわないんで、「これはキツイな、しっかり食べないと」って思ったんです。それまでは適当に好きなもの、炭水化物が好きだったんでご飯にちょっとしたおかずと漬物とかでパパッと食べていたけど、そういうわけにもいかないと。
── 初めて食と身体作りに関する意識ができたんですね。
「身体を作らないとダメだ」とかいろいろ言われるようになって、かといって母親に牛肉とかをたくさん買わせるのも悪いから、当時は良いと言われていた牛乳を飲んで骨を強くして。あとはあいかわらず魚でしたね。牛とか豚よりも魚。ただ、たんぱく質は取らないといけないと言われていたんで、鶏肉は食べるようにしていましたね。鶏肉を買ってきて、自分で照り焼きみたいにして焼いて。
── 高校卒業後は専修大学から和歌山県庁、そして闘魂クラブ(新日本プロレス内のレスリング部門)でレスリングを磨き、全日本選手権4連覇にバルセロナ五輪出場とすばらしい記録を残されています。より食事に関しては意識が高くなっていった感じですか?
そうですね。でも、もともと炭水化物が好きだからね。6割くらいが炭水化物だったと思います。だんだんいろんなお店に行きだして、おいしいものを食べられるようになりました。
── 大学生の頃とか食生活はどんな感じだったんですか。
寮だったんで、朝ごはんと晩ごはんは食べられるんですよ。ただそんな気の利いたものは出てこなかったというか、野菜は食べられるんですけど肉とかはそんなになくって、栄養のあるものが出てくる感じでもない(笑)。だから肉を食べたかったら自分で肉屋さんに行って買ってきていました。寮にはフライパンやコンロがなかったので、オーブントースターに銀紙かなんかを置いて、それでスペアリブ風の味つけをして焼いたりとか、そんな風にして食べていましたね。
── 自炊で肉はまかなう、みたいな。
部屋で先輩たちと飲むことも多かったんで、その時おつまみを作る係みたいになったんですよね。大きい白菜を買って、部屋でホットプレートで焼いて食べたりしたら安く済みますからね。それに人が集まってきたら、自分はおつまみを作っていれば先輩が買ってきた酒が飲めるから、それでいいかなと(笑)。
── けっこう料理されていたんですね。当時の得意料理は何でした?
もう簡単なもんですけどね。白菜やキャベツが1個あったら野菜炒めやレバニラを作ったり、そういう感じですよね。当時肉もあまり安くはなかったんで、簡単なものしか作っていないですよ。一度安い肉があって買ってきたらスネ肉で、焼いたら硬ったい硬ったい(笑)。匂いで先輩が寄ってきて「こんな硬いの食えるか!」って怒られたりもしましたね。
── いかにも大学生の寮って感じですね。
選手によっては減量が大変なんですよ。ぼくはどっちかというと増量の方が多かったんですけど。だから減量中の選手がいる時にぼくがホットプレートで料理を作り出すと、本当「地獄だ」って言われて。いまだにOB会とかで集まると「死ぬほど辛かった」って言われますからね(笑)。
橋本さんは面白かった! 自分で食べないところがいいですよね
新日本プロレスのレスリング部門・闘魂クラブでの活動を終えて本格的にプロレスラーとしてデビューすることになった中西選手。
橋本真也・武藤敬司・蝶野正洋といった三銃士世代がブレイクし華やかな東京ドーム興行が定着する90年代。その頃の新日本プロレス道場の“食の光景”とは。
── それから新日本プロレスにプロレスラーとして入団されましたけど、最初は寮での新弟子ということでちゃんこ作りからスタートですか?
そうですね。ちゃんこの作り方とかを指導してくれる寮長がいるんですけど、基本は鍋で。豚しゃぶとか牛しゃぶ、キムチちゃんこ・味噌ちゃんこ、あと魚の鱈(タラ)を使ったのとか鶏骨付きとか。カレーちゃんことかもありますね。
── 肉とスープの種類でバリエーションをつけていく感じの。
そうですね。変わったところだとトマト風味のちゃんことかもありましたけど、あんまりって言っちゃアレだけど、出たら食べるって感じでした(笑)。ここ10年だとジンギスカンをやってみたりとかもありましたけど、やっぱり基本は鍋です。ちゃんこっていうのは、力道山先生がもともと相撲出身だったんで、そこから来ているのもあるんですけど、いろんな栄養が取れるし体に脂もつかない。身体作りにはいいんですよね。
── 中西選手は作るのは上手いほうでした?
いや、上手くはない。言われたことをやるだけだから、誰が作っても大差ないですよ。ただ鍋といっしょに食べるサイドメニューとして、関西人なんでホットプレートでお好み焼きを作っていたら、ちゃんこを食べないでそればっかり食べる人が出てきたりして。ずっとお好み焼きばっかり焼いて「俺何やってんだろ」って思ったことはありましたね(笑)。
── 中西選手はホットプレートで作る料理に定評がありそうですね。その頃、道場で食べた料理で思い出のものってあります?
最近はあんまり作らなくなったんですけど、テールスープをよく寮で作っていました。坂口相談役が詳しい人から伝授してもらった幻の味なんです。1日目に大量のテールを煮込んで、余分なものをとって、野菜をバンバン入れて秘伝の味つけで煮込んで、2日目になると骨から身がうまく外れてきて。でっかい鍋でたくさん作るんですけど、テールスープを作る時はリング屋さんとかも話を聞きつけて食べに来るんですよ。だからもう2日目の昼とかになくなっちゃう。でも最近はテールが手に入れづらくなったのか、作ることがなくなりましたね。
── 坂口相談役が自ら作られるんですか?
直伝のスープっていうのは、どっかから聞いてきて料理する人に伝えてあとは任せていました。坂口さんが作ってたわけじゃないです。
── では、料理と選手というので印象深い人はいますか? 先輩でも後輩でも。
先輩だと亡くなられた橋本真也さんがよくラーメンとか作っていたんですよ。ちゃんと出汁をとったりするんですけど、自分は作るだけ作って、後片付けは新弟子なんです。ぼくがまだ新弟子じゃなくて闘魂クラブにいた時、橋本さんが「中西、このラーメン何入れたらいいと思う?」と聞いてきて、「鰹(カツオ)とか入れたらいいんとちゃいます?」って答えたら、後片付けさせられる若手に「余計なこと言うな中西! 俺らが始末しなきゃいけないのに!」って言われて。
── 橋本さんは作る専門で片付けはまったくやらないんですね(笑)。
その後、台所に鰹節の山がばーっと出来て(笑)。「ああ、これ片付けなきゃいけないのか、悪いこと言ったな!」と思いましたね。橋本さんのラーメンは本当においしいのが出来たんですけど、1杯あたりの原価、5,000円くらいしてたんじゃないですかね(笑)。豪快で面白い先輩でした。
── 橋本さん、イメージ通りです!
「とてつもないものを食べたら強くなるんじゃないか」と牛の○○○を……
橋本さんの食のエピソードで盛り上がりましたが、珍味への関心でいえば実は中西選手も負けていません。
プロレスラーが普段食べれない美味・珍味を食べれる機会といえば地方巡業。
そんな時に中西選手が食べた一生に一度の珍味とは?
── プロレスラーって地方巡業の時に地元の方においしいものを食べさせてもらったりとか、そういうのもあるのかなと思うんですけど、思い出の味ってありますか?
巡業先に珍しいものを食べさせてくれる人がいて、以前北海道に行った時に、「熊の手」を食べさせてもらいましたね。
── 珍味としては有名ですけど、食べた人の話を聞くのは初めてです!
どっちの手かわからないですけど、蜂蜜をなめる方の手がうまいんじゃないかと言われているんですよね。ツキノワグマならわかるけど、ヒグマだったらすごいなーっと思って。凶暴じゃないですか。それでやっぱりでかいんですよね、手も。それを老酒につけて臭みを抜いたやつを食べさせてもらいましたね。野生の生きもののなかでも、熊っていうのは臭いがすごいんでしょうね。何日もかけて老酒で臭みを抜きました、みたいな感じで。ただ見た目で、手ってわかるように爪は残してあって。
── 食べた感じはどうでした?
ほとんどゼラチンみたいな感じでしたね。身体に良さそうっていうか、おいしいはおいしかったんで、あっという間に食べました。料理の仕方がよかったのか、臭みとかもなかったし。
── それは貴重なもの食べましたね。
あとは、まだアマチュアの頃に、ふと「なんかとてつもないものを食べたら強くなるんじゃないか」と、とんでもない考えを持った時期があって。それで新宿西口の「思い出横丁」、あそこにゲテモノを出すお店があって……。
── もしかして「朝起」ですか?
そうそう! 何食べたかあんまり覚えていないんですけど、ほうでんとかガツとか食べたんじゃないかな。それでうまいなーって親父さんと話して、なんか精のつくものないですかね? って聞いたら「牛のペニスがあるけどね」って言われて。それでさっき食べたのがそれだって言われて、それでぼくも「おいしかったなー。これ食べたらもっと強くなりますかね?」「毎日食ったらどうですかね?」とか聞いて。そしたら「どうかな~、ちょっと待ってね」っておっちゃんが奥に行くんです。何してくんのやろな? って思ってたら、ポリ袋いっぱいに牛のペニスを持ってきてくれたんですよ。値段にしたらいくらになるかわからんくらい。
── え、それを中西選手に?
そうですよ。それを「持ち帰り!」ってくれたんですよ。こっちはマジで! って思って。田舎から出てきてスポーツ頑張ってるくらいの話はしましたけど、新日本プロレスの子とは知らないのに。それでとりあえずそれを寮長のところに持っていったら「こんなとんでもない材料、どうしようもないよ!」って言われて(笑)。「いやいや! せっかくもらったから、これでなんか作ってください!」ってお願いして。
── 中西選手も自分ではどうにも出来ませんでしたか。
もうその下ごしらえをするだけで、ものすごい時間がかかって。大鍋で煮てもらおうと思って「こんなの誰も食わんぞ」「いや俺が食べるから」っていうやりとりして。「なんで選手でもないアマチュアのためにここまでしないといけないんだ!」「いやほんとごめんなさい、でも食べたら強くなると思うんで」「こんなん食べても性欲強くなるだけじゃ!」 とかさんざんでしたね(笑)。
── 普通は牛のペニスとか調理しないですよ! ちなみに今の新日本プロレスの寮長さんは「虎ハンター」小林邦昭さんですよね。
小林さんは料理上手ですよ~。サイドメニューで麻婆豆腐を作ってくれるんですけど、豆腐がめちゃめちゃデカいんですよ。携帯の半分くらいのサイズで。でも1回湯通しして出すから、なかなか崩れないんです。あとステーキとかも小林さんが焼くとうまい。どんな肉でもあの人の腕にかかると絶品になりますよね。リベラってステーキ屋さんがあるじゃないですか。あそこから「小林さん、ステーキ屋さんやらないですか!」って言われたりしてましたからね。今の新日本の選手は小林さんに胃袋握られてますよ(笑)。
── いずれ小林さんに取材は行かなきゃですね!
プロレスラーはメシでもすごいところを見せていかないと
── 中西選手は大食い企画みたいなものに呼ばれることが多いですよね。フードファイターと戦ったりして。
昔は特に準備もしなくて「できたらできた」「できんかったらできんかったでええわい」と思っていたんですけど、最近はちゃんと準備するようにしてますね。前の日から食事制限して、下準備で野菜だけは取ったりして。
── フードファイターと戦って負けるとやっぱり悔しいですか?
だいたい女の子とやることが多いんですよね。ちっちゃい女の子とこんなゴリラみたいな男がやって、ゴリラが負けると悔しいですね(笑)。でも大食いに関しては、番組で朝から晩まで長い時間食べないといけなかったり、本当に過酷ですよね。我々とは違うトレーニングも必要なのもわかるというか。
── 大食いなんかもそうですけど、昔と今だと概念が違いますよね。中西選手くらいの世代だと、若手の頃は「身体を大きくするためにはとにかく食べろ」って言われて、今だと「バランスよく食べてサプリやプロテインも」みたいな時代じゃないですか。
ぼくはあんまりサプリメントとかは取らないんですよ。そういう栄養の取り方が必要なこともあるんですけど、やっぱりプロレスラーっていうのはすごいところを見せていかないといけないと思うんです。それは試合もですけど、メシとかでもそうじゃないかなと。それで「モンスターモーニング」をやっているわけですから。ツイッターのあの写真を見て喜んでくれる人がいるのは本当にうれしいですし、そのぶん試合でも活躍していきたいですね!
最近のプロレスラーは昔と違って「親しみやすさが大事」とよく言われます。
しかしそんな中に一般人では出来ない、人を越えた“超人”が見えた時こそ、プロレスラーは一番輝ける。
中西選手はその筋肉と試合、そして「モンスターモーニング」で24時間「プロレスラーって超人だな」を感じさせるまれなレスラー。
“超人”よりも“野人”の方がすごいんです!
©新日本プロレス
※この記事は2017年11月の情報です。
撮影:Alin Huma
プロレスラー中西学選手
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プレゼント内容
- サイン入りチェキ:5名様
応募方法
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2017年11月27日(月)~2017年12月1日(金)23:59 まで
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— メシ通 (@mesitsu) 2017年11月27日
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