蒲焼だけがうなぎじゃない!縦横無尽なうなぎ創作料理に驚いた【大阪】

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うなぎといえば、なんでしょう。
ファストフードとして数百円で食べられるものから、数千円するお高いものまで価格帯はいろいろですが、その種類といったらやっぱり、蒲焼かうな重、またはうな丼ぐらいしか思い当たりません。

今回紹介するのは、そんなうなぎ料理界にあって異端ともいえるお店「カメレオン キッチン」。蒲焼やうな重だけではない、”うなぎの可能性”を感じられるはず。

 

メニューの開発はイチからじっくりと

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JR環状線「福島」駅から徒歩6分、JR東西線「新福島」駅から徒歩4分に位置する「カメレオン キッチン」。道を挟んで向かい側にはABCテレビがあります。わかりやすいですね。

 

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うなぎ料理専門店らしからぬ、リラックスムード漂う店内。
奥にはゆっくりくつろげるソファ席があります。

 

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さらにその奥には、緑の陽光が降り注ぐ、こたつなどが用意されたテラススペースが。きっと夜にはムーディーになるんだろうなぁ。

うなぎ料理といえば高級なイメージのため、襟を正して入らねばならぬ……! という意識になってしまいますが、そんなことは一切ありません。とてもカジュアルな雰囲気で「若者どんと来い! 」という感じ。

 

定番の蒲焼はもちろん、多種多様なうなぎメニューをそろえる同店。メニューはすべて店長の松下さんが考案しているそうです。

 

どうしてまたこのような形態で? など、気になる成り立ちを聞いてみました。

 

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── 蒲焼やうな重をメインにしていないうなぎの専門店って珍しいですよね。

 

「そうなんです。ネットで検索しても、うちみたいなお店って他にないみたいですね。元々このお店は、創業70年の『うを越』といううなぎ問屋がプロデュースしていて。うなぎで新しいことをやりたい、ということから始まっているんです。」

 

── 松下さん自身はどんな経歴で?

 

「僕はホテル出身なんです。ホテルの中でも洋食に携わっていたので、じつは食材としてのうなぎにはほとんど触れていませんでした。だからこそ、自由な発想でうなぎメニューが手がけられたのかもしれません。」

 

── うなぎは食感も独特ですしオープン前には試行錯誤があったかと思うのですが、開発にあたり「これならいける! 」と確信したメニューってありますか?

 

「そうですね、ランチメニューで出している『うなぎサンドプレート』(1,200円)ですね。自家製フォカッチャにうなぎの蒲焼を挟んでたまごソースをかけてるんですが、これはねぇ、おいしいですよ」

 

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うなぎにフォカッチャにたまごソース……味の想像がまったくつきません!

一品一品丁寧に味の組み合わせを考え、仕上げているバリエーション豊富なうなぎ料理たち。一見は百聞にしかず。これは食べてみるっきゃない。

 

こんな食感はじめて出会った

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まずは「うなぎのキッシュ」(650円)を。

 

見た目は一般的なキッシュとなんら変わらない印象。

 

では。

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おお。チーズのとろりん、タルト生地のサクサクときて、うなぎのふわふわ感がたまらない。少し濃いめの味付けなので、ビールやワインによく合いそうです。

 

「うなぎと卵ってよく合うんですよ。山椒のしょうゆ漬けを混ぜ込んでいるので、洋風ですが和風仕立ての味わいになっています。」

 

なるほど。たしかにうなぎと山椒は間違いないですもんね。驚きはありながらも、きちんと組み立てられた味わいに納得。

 

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次は「洋風焼霜造り」(1,000円)。

 

「これは、うなぎの身をハモのように骨切りしているんです。その後、軽く炙る程度に焼き目をつけています。バルサミコ酢で食べてみてください。」

 

バルサミコ酢は身の下に隠れています。いただいてみましょう。

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んんっ! これは新しい食感!!

まず香ばしさが鼻を抜け、ほどよく弾力のある身をかむごとにうなぎの風味が際立ちます。たんぱくな味わいなので、バルサミコ酢とじつによく合う。
バルサミコ酢をガッツリと付けて食べるのが好みでした。しみじみおいしいな。

 

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そしてお待ちかねの「うなぎのしゃぶしゃぶ」(1,500円・1人前)。※注文は2人前から

 

愛知県・三河一色産のうなぎを使っていて、臭みはまったくなし。毎朝お店に届くので新鮮なのもポイントです。お肉のしゃぶしゃぶよりも長めに火を通してもらうのがおすすめですね。」

 

わかりました。

では長めにしゃーぶしゃーぶ。

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── これ、だしの中には何が入っているのでしょう?

 

「和風だしに玉ねぎを入れています。玉ねぎを入れることで甘みが増し、よりうなぎに合う味わいになるんです。身をしゃぶしゃぶした後にはぜひ玉ねぎを巻いて食べてみてください。」

 

了解です。

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……

こりゃうめぇや!!


うなぎの風味がふわんと香りつつ、シャキ&コリ&ふわんという、今まで食べたことのない食感がめちゃくちゃ楽しい。
さらに甘めのだしが適度に絡んで……なんだろう……不思議……不思議だけどものすごくうまい!

 

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一味唐辛子をつけて食べると、味が引き締まってまたぐっとうまい。

この食感、驚きました。うなぎに軽く火を通すとこんな風になるんだなって、新しい発見がありましたね。

 

「うなぎのしゃぶしゃぶは〆でうどんか雑炊が追加できるんですが、どうします? ちなみに、うちのうどんはちょっと変わってますよ。」

 

なにぃ!

じゃあ「うどん」(300円)追加でお願いします。

一旦鍋を回収し、厨房で仕上げてくれるパターン。

 

鍋のふたを開けるとそこには……

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レモン!!

 

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まさかのレモンに面食らいつつ、ずるりといただきます。

 

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……レモン、キミいい仕事しとるやないか……!

 

甘めのだしなので、レモンの酸っぱさが効いてさっぱり感アップ。これなら満腹でもずるずるといけそうです。〆のうどん、絶対頼んだ方が良いですよ。

しゃぶしゃぶのほかにも、うなぎの身や肝、肝入りつみれなどうなぎが丸ごと楽しめる「極み鰻鍋」(2,980円・1人前 ※注文は2人前から。要予約)もおすすめとのこと。ほっこりあたたまりたい冬には良さそうですね。

 

試行錯誤を繰り返して出来上がったうなぎの創作料理。松下店長のたしかな知識と舌によって、それぞれじつに味わい深い一皿に仕上がっていました。

新たな発見と驚きのある料理、ぜひぜひ堪能してみてください。

 

お店情報

カメレオン キッチン

住所:大阪大阪福島福島2-1-41 BREEZECOURT 1F
電話番号:06-6225-8624
営業時間:11:30〜14:00(LO 14:00)、17:30〜24:00(LO 23:00)
定休日:日曜日
ウェブサイト:http://chameleon-kitchen.com/

 

書いた人:木村桂子

木村桂子

福井県出身、大阪府在住。某エンタメ系企業にて雑誌編集に携わり、その後コピーライターを経てフリーランスに。大衆居酒屋から小洒落たカフェまで、うまいと聞けばどこへでも突入。ゆえに体重増量中。

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