360種類のメニューが食べ放題可の個人中華店【なぜこんなに増えた?】

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壁一面に貼られた圧倒的なメニュー数

突然ですが、まずはこの壁一面のメニューをご覧いただきたい。

メニューの上にさらにメニューが貼られ、何を注文していいか、思わず目が泳いでしまうような店内。

 

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しかも、それが店内すべての壁面に及んでいるんです。

 

ビジネス街の町中華

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この混沌としたお店というのが飯田橋と水道橋の中ほどに位置する「雲仙楼」さん。

こぢんまりとした店構えではあるものの、店内に一歩足を踏み入れると先ほどのようなカオスな空間が広がっています。

パッと見では定食屋さんのようであり、町中華のようであり……いったいどんなお店なのでしょうか。

 

メニューは増えに増えて360種類

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これだけ膨大な数の料理を一手に担うのは、店主の佐藤光広さん。

店名の「雲仙楼」からもわかるように、佐藤さんは長崎県出身。

お店は昭和54年に佐藤さんの叔父さんが開業し、叔父さんに誘われるかたちで今から20年ほど前に、佐藤さんも働き始めるようになったそう。

 

──雲仙楼で働く前は何をされていたんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20191223141013p:plain佐藤さん:いろんなお店で料理人をやっていたよ。東京駅の八重洲地下街の居酒屋とかね。

 

──ちなみに現在、お店のメニューは何種類あるんでしょう?

 

f:id:Meshi2_IB:20191223141013p:plain佐藤さん:前にテレビ局が取材しに来たことがあって、わざわざ数えていったんだよ(笑)。そしたら360種類だって。半チャーハンセットとか、そういうのもひとつのメニューとして数えてだけどね。

 

360……ほぼ1年間通ってようやく制覇できる数のメニューがあるとは……。

 

メニューのアイデアは女将さんから

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佐藤さんが働き始めた当初、メニューはこの緑のボードに書かれている定食だけだったといいます。

それがこの20年間で、いつの間にやら増えに増え、今ではその数360種類。

 

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このお店の看板メニューは、スタンダードな「ちゃんぽん」。

 

一番人気のメニューということですが、そのちゃんぽんだけでも「味噌ちゃんぽん」「高菜ちゃんぽん」「カレーちゃんぽん」と変わり種がそろいます。

 

さらに目を凝らすと下段には「ちゃんぽん 麺無し」など、時代に即したメニューもあるから驚くばかり。

 

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▲ちゃんぽん(950円・税別)。モヤシ、キャベツ、カマボコ、キクラゲとたっぷりの具材が乗っている

 

──提供される料理は、どれも基本的に量が多いですよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20191223141013p:plain佐藤さん:あえて多めに出しているんだよ。昔、お客さんに「食べ終わって、店を出て、満足できないメシはメシじゃない」って言われてね。

 

常連のお客さんを飽きさせないように

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メニューは給仕を担当する女将さんが考案していると言います。

 

半年に20種類ほどの新メニューが登場するということですが、その多くがお客さんのリクエストに応えたもの。

 

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足しげく通ってくれる常連のお客さんが飽きないよう、常に新しいメニューを提供。

 

例えばこの中にある「チャーハン」は、名古屋出身のお客さんからのリクエストで、名古屋ではわりとポピュラーなメニューだといいます。

 

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▲「東京焼きラーメン 四川風」という気になるオリジナルメニューも

 

お客さんの「こんなの作れない?」という要望に応じて、メニューがどんどん増加。

また、佐藤さんが飲みに行った時に「これいいな」という料理があったら、導入することもあるのだとか。

 

360種類ものメニュー、本当にすべて作れるの?

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──それにしても、これだけメニューがたくさんあると食材の仕入れが大変じゃないですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20191223141013p:plain佐藤さん:そんなことないよ。みんな材料一緒だから(笑)。現状で仕入れている材料をベースに、作れるメニューを貼ってるからさ。

 

──ちょっとイジワルな質問ですが、「今、店内に貼り出してあるメニューは全部作れる」ということでしょうか?

 

f:id:Meshi2_IB:20191223141013p:plain佐藤さん:作れるよ。

 

──ちなみに今まで一度もお客さんから注文されたことのないメニューはありますか?

 

f:id:Meshi2_IB:20191223141013p:plain佐藤さん:全部注文されたことあるよ。

 

すごいことをさらりと言ってのける佐藤さん。

やはり料理の基礎と知識があるからこそ、これだけのメニューを1人で作ることができるのでしょう。

 

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▲最新メニューはミートソースパスタ(※2019年12月現在)。ちゃんぽんのお店でありながら、パスタ系やサンドイッチなどにもわりと注文が入るらしい

 

「3時間3,000円(税別)」破格の飲み食べ放題コースも

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夕方5時から9時の間はアルコール飲料が250円(税別)になる破格のタイムサービスも人気。

 

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さらに、雲仙楼の極めつけは「1人3時間3,000円(税別)の飲み食べ放題」。

 

なんと、飲み放題に加えて「店内すべてのメニューが食べ放題になる」のです。

 

「360種類の料理が3時間食べ放題」って、ちょっと信じられなくないですか?

 

ただ佐藤さんいわく、「一品ずつの量が多いから、みんなそんなにたくさんは食べられないよ(笑)」とのこと。

とはいえ、それでも4~5人で来れば、大満足できることは間違いないでしょう。

 

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気のいいご主人と女将さんとの会話も楽しい「雲仙楼」さんには、食べたいものが必ずあるはず。

ランチの利用はもちろん、ガッツリと飲み食いするような男性同士の飲み会にも間違いなく良さそうです。

皆さんも一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

お店情報

雲仙楼

住所:東京都文京区後楽2-3-17
電話番号:03-3813-2921
営業時間:11:00~20:30(休憩14:30~16:30)※土曜日は夜のみ営業
定休日:日曜日・祝日

 

書いた人:凝瀬公造(コルセ・コウゾウ)

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ハードコア系の立ち飲みと、ホッピー白と魚卵をはじめとするプリン体、90年代V系を愛する、酒飲み編集・記者・ライター。タイ在住歴2年。現在は中央線沿線在住。

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