居酒屋以上に居酒屋なうどん店?【博多】

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A氏の告白

「『ウエスト』の居酒屋が……」とA氏が言う。A氏はときどき「私たちは宇宙人に監視されているのよ」などとトンデモないことを口にするが、それ以外は物静かで知的な女性だ。

「……使えるのよ」。

「ウエスト」とは福岡の人間なら誰でも知っている、うどんのチェーン店だ。チェーン店ながら、もちもちのうどんが結構旨いので、サービスメニューのある水曜日(九州限定)には僕もときどき利用している。

その「ウエスト」が近ごろ夕方5時以降に居酒屋メニューを出していることは僕も知っていたんだけど、よくある安売りメニューだろうと思ってシカトしていた。ところが、A氏が絶賛するとなると話は違う。彼女が言うには、もともと「ウエスト」自体がお手軽なうどん店なので、おひとり様でも入りやすく、メニューが豊富で安い。おまけに「生ビールが1杯360円。ハイボールなんかジョッキに入って300円なのよ!」

なるほど、A氏がそこまで力説するのなら、一度「ウエスト」の居酒屋メニューも体験しておかねばなるまい。彼女にその旨を伝えると、

「でも、調子に乗っちゃいけないわ」

彼女はひとこと、そう言った。


ところで「ウエスト」は各地に支店があるが、居酒屋メニューはどこでもある訳ではない。「うどん居酒屋」という赤い提灯が目印だ。今回は「うどん居酒屋」の中でも特に居酒屋メニューが充実しているという「うどん屋天神店」に行ってみた。天神の国体道路沿いにある、あの店だ。

 

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▲これが「うどん居酒屋」の目印

 

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▲夕方になると、入り口から居酒屋モード全開だ

 

専門店もタジタジのメニュー

テーブルにあるメニューを見ると、居酒屋メニューは基本200・300・400円の均一価格。枝豆や冷奴、板わさといった軽いおつまみからアヒージョといった小洒落た料理まで、各価格でそれぞれ20品程度が用意されている。

さらに極め付けは、今やウエスト名物といえる、1人前300円(注文は2人前から)の激安「もつ鍋」だ。今どきもつ鍋なんて安い店でも800円はするというのに、天神店に限っては月曜日限定で1人前690円の「もつ鍋食べ放題」(90分)というサービスまでやっている。

さらにもつ鍋は醤油味/味噌味をチョイスでき、「カレーもつ鍋」「キムチもつ鍋」といった変わりネタは400円。他には「豚しゃぶ鍋」、冬季限定の「炙り水炊き」(ともに400円)と、鍋料理も充実しているので、おひとり様どころか、小グループの宴会にも十分使えそうだ。

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メニューの豊富なこと!

さっそく注文。まずは小手試しに200円メニューから、「新メニュー」のアイコンがついた「鶏皮カリカリせんべい」。その名の通りカリカリの鶏皮が甘辛く仕上げられて、ビールの友にぴったりだ。

 

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▲鶏皮カリカリせんべい(200円)

 

「ウエスト」といえば通常のうどんメニューでも揚げたてサクサクの揚げ物には定評がある。特に、うどんにもごはんにもぴったりの「かき揚げ」は居酒屋メニューにも入っているほどの定番なのだが、ここでは4種類の鶏天メニューから「鶏天大葉巻」をチョイス。

 

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▲鶏天大葉巻(300円)

 

続いて、ざっくりボリューム満点の「山賊唐揚げ」、百田店長の名がついた「うどん屋天神店」オリジナルのエスニックな「モモタスパイシーチキン」。気がつけば鶏料理を連発で注文していた。

 

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▲山賊唐揚げ(400円)

 

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▲店長の名を冠した「モモタスパイシーチキン」(400円)

 

さっぱりした野菜ものも入れておきたいが、なんだか居酒屋でサラダを頼むのが気恥ずかしいときにぴったりなのがコレ、「富士山もやし炒め」。シャキシャキのもやしとネギが爽快な一品だ。

 

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富士山もやし炒め(300円)

 

一品一品が安いので、調子に乗っていろいろ頼み過ぎてしまった。サーブされてみると、どれもそこそこボリュームがある。一抹の不安を感じながらも、とにかく一人でカンパーイ。

 

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▲生ビール(360円)

 

それでも鍋はいっときたい

最初にオーダーした5品計1,600円分を食べ終わらないうちに腹が膨れてきた。この期に及んでA氏のあの言葉が頭に蘇る。

「調子に乗っちゃいけないわ」。

彼女が言いたかったのは、このことだったのか。後から聞いたところによると、A氏はだいたい料理2〜3品にビール・焼酎で、全部で千円ちょいという賢い使い方をしているらしい。お腹が減っていれば、うどんで締める。それでこそ“使える”というもの。僕は相変わらずの“使えない”ヤツということだ。

しかし、今日はせっかく来たのだから、天神店の特徴である鍋料理まではいっときたい。無理を承知で博多名物の「炙り水炊き」と「もつ鍋」を注文。もちろん、注文は最低ロットの“2人前”で……。

 

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▲炙り水炊き1人前400円(注文は2人前より)

 

かしわ(西日本の言葉で鶏肉のこと)を炙った水炊きというのは珍しいが、香ばしい皮の焦げ目が食欲をそそる……(ふ〜っ)。

 

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▲もつ鍋1人前300円(注文は2人前より)

 

そしてトドメはもつ鍋。プリプリのもつに、野菜もたっぷり。それを「ウエスト」自慢のうどんダシで煮る。カロリーは低いのでだいぶ食べやすい。〆にはちゃんぽん麺、うどん、おじややリゾットも用意されている(別料金)が、さすがに今日はそこまではたどり着けない。

 

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▲焼酎水割り(orお湯割り)はジョッキに入って400円。ハイボールに至っては300円という安さ

 

お調子者の結末は……

そういう訳で、僕一人のテーブルに広げられた料理の数々。このまま残してしまってはモッタイナイ。幸いなことに、A氏のマンションはこの近くなので、電話してみた。

「料理が余ってるんだけど、食べに来ない?」

「どうしたの?」

「実は『ウエスト』の居酒屋メニューで調子に乗ってしまって……」

彼女は冷ややかに電話を切った。

 

お店情報

ウエスト うどん屋天神店

住所:福岡福岡市中央区天神2-3-10
電話:092-737-2011
営業時間:11:00〜OS翌1:30
定休日:なし
ウェブサイト:https://www.shop-west.jp/

 

書いた人:兵土 G. 剛

兵土 G. 剛

福岡のタウン情報誌の編集部に15年勤めた後、フリーライターに。食うの好き、飲むの好き、きれいな女の人好き。マメさなし、根性なしの偏屈じじぃ。

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