
ちょっと変わった趣味を持つ人の食卓がどんなものなのかのぞいてみようというのが本企画。
今回は、なんと「パイロン鑑賞」という謎の趣味をお持ちのこちらのお方、三土たつおさんだ。普段はプログラマーをされながら、ライターのお仕事もされている方なんです。

待ち合わせをしたのはこちら、赤坂にある米国大使館隣の再開発地域。
なんと、すでにものすごい数のパイロンがあります。
というか、パイロンという名前は今回、取材申し込みをして初めて知りました。よく聞くのは、「三角コーン」とか「カラーコーン」っていうやつね。

── ところでお名前の「三土」は、なんとお呼びすればいいんでしょう。
“みつち”ですね。
── 珍しいお名前ですね。さっそくですが、パイロンに興味を持ったきっかけってなにかあったんですか?
もともと気にはなっていたんですが、本気でのめり込んでいったのは、この本を書こうと思ったのがきっかけですね。

── なるほど、パイロンに限らず、街角にあるものを鑑賞しようということなんですね。で、パイロンもそのひとつってことだ。ところで三土さんにとって、パイロンの魅力ってなんなんでしょう?
魅力はですね、パイロンって街を守っているんですよ。
── えっ……。街を守る?
そうなんです。これ見てください。パイロンの隣にあるのは「A型バリケード」というんですけど、このふたつで工事中のエリアに人や車両が入らないようにガードしているんですね。

── ということは、いる場所などでパイロンも働き方が違うんですね。
たとえば、こちらのパイロンはまた使われ方が違うんです。
── あれっ、同じようなパイロンですが……。

ここに、「駐車禁止」って書いてありますよね。パイロンには「メッセージを伝達する」という機能もあるんですね。
── ああ、なんだかだんだんパイロンに興味が湧いてきました。
基本的な機能は「一時的に道路に立つ」というものなんですね。
そんなことを話しながら再開発地域を歩いていると、三土さんが何かを発見したようで、急に歩を速める。素人の僕には、ほかのパイロンとの違いなんてもちろんわかりません。
あれは、たぶんここにひとつしかタイプのものですね。

これはですね、「レボリューションコーン700」って言うんですよ。
── ああ、名前がちゃんとあるんですね。なんだかすごい名前ですね。
これはなにがレボリューションかといいますと、他のコーンにもある白い部分、これって反射シートっていうんですけど、普通のはこれほどギラギラしていないんですよ。

── あー、こっちのは確かにヘビのうろこみたいですね。

これは「再帰性反射材」と言いまして、道路標識なんかにも使われているんですが、車のライトがきた方向に返すというものなんです。
── なるほど、360度どの角度からも反射するというものなんですね。
そうです。だから夜でもギラギラとよく光るんです。
── ところで、パイロン鑑賞のときに一緒に食べるといいものはありますか?
ありますねぇ。
それじゃ、あそこにコンビニがあるので、買いましょうか。というわけで、購入したのは「とんがりコーン」と「コーンアイスクリーム」。なんだかダジャレのようですが、三土さん、どちらもお好きだそうです。

形がパイロンに似てますね。コーンの塩気がまたいいですね。

── それから、こっちのコーンアイスはどうですか?

いいかんじですね〜。

やっぱり、形がパイロンに似てますよね。おや、どうしたんですか、三土さん。さすが、すごい食べ方ですね。

── ところで、マニアの間では最近のパイロン鑑賞のトレンドってなにかあるんですか?
ありますね、ハッシュタグで「#がんばれパイロン」というのがありまして、街角で壊れそうなパイロンなど、頑張っているパイロンを見かけると報告しあう(笑)といったトレンドがあります。
さっそく三土さんが裂けたパイロンを発見。

裂けてますね。このパイロンの下の黒いのはなんだかわかりますか?
── ありますね。黒い四角いもの。
パイロンは軽くて運びやすいようにできているんですが、そのため風で飛んでいってしまうこともあるので、そうならないようにこの黒いのは重しなんです。ひとつで2㎏なんですよ。
── へえ、この黒いのは重しなんだ。
はい、そこで、こちらの「ユニコーン」なんですよ。

これは、上が軽くて、下に重しが入っているんです。ユニコーンの特徴はですね、ここが2段になっているところなんですよ。
── おお、素人でもわかりやすいパイロン基礎知識ですね!

ということで、少し街を歩いて、パイロンを見てみることにしました。
あ、青いパイロンも発見しました。なんだか、新鮮ですね。
これは「メッセージを伝える役割」ですね。

さっきの工事現場のパイロンはレンタルで借りてきているものばかりなんですよ。しかし、街のなかのパイロンはそれぞれ所有者がいて、個性的なんですね。
さっそく所有者の名前が書かれているものがありました。
しかも、個性的だし、まさに「がんばれパイロン」ってかんじです。

あと、ほら、見てください! この〇に「ま」の字のパイロン、あちらこちらにあるんですけど、これがナゾなんですよ。
── えっ、三土さんにもわからないことがあるんですか?

一説には東京マラソンのためのパイロンではないかという話もあるんですけど、よくわからないんです。
おや、三土さんがカメラを向けているぞ。

これは珍しいですね!
── えっ!? この「禁煙」というメッセージがですか。

いえ、下の白い重りです。


しかもですね、「白で1.5kg」なんですよ。珍しいですよ!
── な、なるほど。こうなってくると、さすがにレベルが高いですね。

── おお、こちらも「メッセージを伝えるパイロン」ですね。
これ、ホームセンターなんかで売っているんですよ。パイロンの上にかぶせるタイプのものですね。
── あ、緑色のパイロンもありますね。あそこのお店の所有でしょうか。

工事現場に置かれていたコーンたち。
黄色や白もあります。

工事現場にはパイロンにこうして、なにかがぶら下げてあることが多いですね。ときには手袋がかぶせられていることもあります。

おや、コーンとコーンを結ぶ「コーンバー」が折れていますね。

ここにあるコーンの意味がよくわからないですね。

いろいろ想像するのも楽しいというわけですね。
あ、こちらは手書きのメッセージ。
しかも、「がんばれパイロン」状態ですね。

いやー、これはかなりのダメージですね。

完全に曲がってますよぉ。
あ、こっちも痛々しい。

はい、そして、あそこの駐車場の入り口のところにあるものが、今日、最後に紹介させていただくパイロンです。

ちょっとわかりづらいかもしれませんが、これ、透明のパイロンなんです。2013年のボストンマラソンでパイロンの中に爆弾が仕掛けられるというテロ事件があったんですが、それ以来、透明のパイロンがつくられるようになったんですよ。だから日本でも東京オリンピックに向けて、透明のパイロンづくりがされるのではないかと思うんです。
おお、パイロンひとつで、いろいろと深いお話ありがとうございました。
ここで三土さんと別れたが、家に帰るまであちこちのパイロンが目について仕方がなかった。
いやはや、パイロンの世界って、かなりおもしろいぞ!
三土たつおさんのツイッターアカウント
※この記事は2017年8月の情報です。




