熟成肉の概念が変わるおいしさ!「0℃熟成ステーキ」とは?【大阪】

f:id:mesitsu_lc:20171220172038j:plain

熟成肉はここまでウマくなる! 新時代の熟成ステーキ

こんにちは。メシ通レポーターの西尾明彦です。今回ご紹介するのは、ドライエイジングでもウェットエイジングでもない、独自の零度熟成という技法による熟成ステーキが食べられる「0℃熟成ステーキ 本店」です。

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172400j:plain

お店があるのは大阪なんばの千日前。観光地として有名な道頓堀や法善寺横丁からもすぐ近くです。

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172346j:plain

店内はカウンター10席、テーブル22席の32席。

 

f:id:mesitsu_lc:20171220171940j:plain

メニューを見ると、一番高価なリブロースでも100グラムあたり1,000円未満と、熟成肉のステーキとしてはかなりリーズナブルです。

 

「うちで使っているのは黒毛和牛などより手頃なUSビーフです。チルド状態の塊肉を仕入れて、熟成庫でもある冷却庫で熟成することで柔らかく、うま味が強くなります。それ以外にも、零度熟成にはメリットが大きいんですよ」

と、シェフの上野さん。

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172414j:plain

リブロースの塊肉を手にする上野さん。

 

「これで14日熟成です。一般的なドライエイジング熟成の場合、肉が縮んだり、変色やカビが生えたりして、肉の約半分がロスになるので、値段が高くなります。零度熟成の場合はほとんどロスが出ないので、リーズナブルにご提供できるんです」

 

それにしても、14日も熟成してこのきれいな赤色は驚きです。熟成方法に秘密がありそうです。

 

「店内奥に最新鋭の冷却庫があるのですが、これがすごいんです。ドリップが出てしまうと、うま味が流れ出て、肉質が劣化してしまうところ、常時温度0℃、湿度99%に保つことで、肉のうま味を逃がさず、熟成させることができるのです」

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172438j:plain

リブロース350グラム。塩コショウをして焼いていきます。

 

「冷却庫は、塊肉の内外の温度差なく約0℃に保つことができます。そうすると、劣化せずに保存できる上に、肉のアミノ酸が増加して、うま味がアップするのです。2016年6月のオープン当初は10日熟成でしたが、現在は14日程度熟成させて、よりおいしい状態でご提供しています」

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172600j:plain

焼き色が付いてきたら……

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172539j:plain

トマトやタマネギ、リンゴなどが入った特製醤油ダレをつけて、ここからさらに両面をしっかりと焼いていきます。

 

「ステーキを焼く原点に立ち返って、焼き方もオープン当初とは変えました。当時を知る常連のお客様は『最初とえらい違うな。ものすごくおいしくなったやん』、『今の方がええで』と言ってくださっています」

 

f:id:mesitsu_lc:20171220171954j:plain

もうそろそろ食べ頃を迎えそうです。

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172102j:plain

「0℃熟成ステーキ リブロース」350g 3,434円。ライス+スープ+サラダのAセット518円を一緒に。単品でも注文できますが、肉にはやっぱりごはんが欲しくなります。

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172149j:plain

スッとナイフが入ります。よく火が通っているのに、肉の断面はきれいなピンク色。カットしても肉汁が流れ出ません。

 

「『0℃熟成ステーキ』はドリップが出ないので、しっかり焼いても中は赤いままなんです」

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172239j:plain

焼いても固くならず、フォークで持ち上げると肉がしなります。

歯応えは柔らかく、肉のうま味が濃厚で、下味だけでもおいしい!

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172214j:plain

驚きなのが脂身。

実はステーキの脂身は苦手で、残すことが多かったのですが、「0℃熟成ステーキ」の脂身は焼いても硬く縮まず柔らかいので、上質なホルモンのマルチョウのようなうま味です。

 

USビーフがここまでおいしく食べられるとは……!

 

「アメリカ人のお客様が『いつも食べている肉と全然違う! 柔らかいし、これは和牛じゃないのか?』と、驚いておられました」

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172325j:plain

熟成ステーキに合うドリンクをと、「0熟ステーキハイボール」540円。

ブレンデッド・スコッチウイスキー「デュワーズ」のハイボールは結構珍しい気がします。まろやかなうま味は、確かに肉料理と好相性です。

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172015j:plain

色鮮やかな野菜サラダ。お米や野菜、フルーツも冷却庫で熟成中とのこと。野菜や果物は、品質維持できるだけでなく、熟成させると糖度アップも期待できるそうです。水も冷却庫で熟成させるとおいしくなるんだとか。

 

ソースやガーリックチップ、醤油、ワサビと、味変化を楽しみながら、あっという間に食べ進んでしまいます。

 

熟成された滋賀県産コシヒカリのライスも熟成ステーキとよく合い、350gはちょっと多いかなと思いつつ、完食していました。

 

肉が持つポテンシャルここまで引き出すとは、「0℃熟成ステーキ」おそるべしです。

 

「熟成期間を変えたり、焼き方を変えては、毎日自分で食べてチェックしています。日々進化しているはずですから」

 

f:id:mesitsu_lc:20171220172124j:plain

熟成肉を食べたことがない方や、過去に熟成肉を食べてもおいしくなかったという方に、ぜひ「0℃熟成ステーキ」を食べていただきたいですね。熟成肉の印象がきっと変わるはずですから。

 

お店情報

0℃熟成ステーキ 本店

住所:大阪大阪市中央区千日前1-8-18 創食ビル 1F
電話番号:06-6211-2236
営業時間:11:30~15:00、17:00~23:30
定休日:無休
ウェブサイト:http://www.creo-ru.com

 

書いた人:西尾明彦

西尾明彦

外食ライター&コピーライター。食と酒を中心に、堅めのビジネス系など執筆中。趣味は酒蔵巡り。北は北海道から南は四国まで50蔵以上を訪問。大阪在住のきき酒師。

HP:大阪のコピーライター西尾事務所

過去記事も読む

トップに戻る