パリッコです。関西の方に限らず、家にたこ焼き器を持っている方ってけっこう多いですよね? ひとり静かに好きなだけ堪能できる「たこ焼き晩酌」も、たまに友達を呼んでやる「たこパ」も、簡単で美味しくて、そしてとっても楽しいですよね!
僕もそんな「自宅たこ焼き」が大好きなクチなんですが、ひょんなことから発明した、たこ焼き器を使ったおもしろいメニューがひとつあるんです。
あの、家で一通りたこ焼きを焼いて食べたあと、「何かもう少しつまみが欲しいな~」みたいな感じで、小さく切ったウインナーとか、余ったタコの足とかをたこ焼き器の穴に放り込んで、ただ焼いて食べる時とかってありません?
僕はあります。
先日そういうタイミングで、「あ、そういえば冷蔵庫に豆腐があったな」と思い出し、適当に切ってこれをたこ焼き器で焼いてみたんです。
結果、想像を超えた絶品メニューが完成してしまった!
それがタイトルにある「たこ焼き風コロコロ豆腐」。
今回は、その作り方やアレンジなどについてご紹介したいと思います。
四角い豆腐が丸くなる
作り方はものすご~く簡単。
まず、市販の木綿豆腐を3~4cm角のブロック状に切ります。
豆腐一丁ならば、16等分くらいがちょうど良いかと。
で、これを油を引いたたこ焼き器の穴にポイポイと放り込んでいきます。
少ししたら、豆腐を崩さないよう慎重に、箸などで転がしてみてください。
すると……。
なんと、角が消えた!
そう、たこ焼き器の丸いカーブに沿って、あんなにピンと立っていた豆腐の角がすっかりなくなってしまうんですよ。
正直めっちゃかわいくないすか!?
「え? こんなにうまくいく? 何かコツがあるんじゃないの?」なんて思われた方、いえいえ、コツはいりません。
本当にただ、この穴の中で豆腐をコロコロと転がしているだけで、どんどん丸くなっていくんです。
ほ〜らほら!
この「たこ焼き風コロコロ豆腐」、食べて美味しいのはもちろんのこと、「四角い豆腐がみるみる丸くなっている過程を愛でる」という楽しみも大きいんです。
ぜひ一度、だまされたと思ってやってみてくださいよ。
楽しくコロコロしているだけでビールが1缶空いちゃいますから!
どう見てもたこ焼きにしか見えない!
数分後、もはや誰が見てもたこ焼きという状態に。
外側はカリッ、中はグツグツな感じになっていればOKです。
これをお皿に取り、ソース、マヨ、鰹節など、お好みの調味料をかければ……。
はい完成~!!
どうです? ものすご~く簡単でしょ?
初めてできた時は僕もびっくりしましたよ。
それにしてもこの仕上がり、道端で100人に見せたら100人が「たこ焼き!」って言いますよね?
「どうも怪しいな。これ、焼いた豆腐なんじゃないの?」とか言う人、いないっすよね?
気になるお味の方ですが、まず中身が、タコもダシもその他の具もな~んにも入っていないただの豆腐なので、かなりあっさりはしています。
が、カリッふわっの食感、温められて風味が強くなった大豆の味、強力な調味料「マヨ&ソース」の相乗効果で、全然ものたりなくはない。
ポイポイッとスナック感覚で食べられ、連続で口に運んでいると、どんどん自分がたこ焼きを食べているような気分になってきます。
これがビールと合う~!
それでいて小麦粉たっぷりのたこ焼きよりもヘルシーなので、ダイエット中の方なんかにも良いんじゃないでしょうか?
意外にアレンジ無限大
ちなみに焼いただけの豆腐はいわゆる「厚揚げ」のようなものなので、アレンジの幅も広いです。
例えば、
おろしポン酢
こりゃうまいに決まってますよね。
さらに、
焼いてる途中でチーズをまぶし、
しばしグツグツ。
チーズが溶けきったらお皿に取って、ピザソース、バジルなどをトッピングすれば、
ピザ風!
これも最高。
たまに創作料理で、お餅でピザを作る「餅ピザ」ってあるじゃないですか。
素材が和風という共通点からか、ちょっとそれに通じる味わい。
すごくあっさりとした餅ピザって感じ。
とにかく素材がシンプルなので、何だったらチョコレートをかけてスイーツ風に食べたって、たぶん美味しいと思います。
みなさんもぜひ、いろいろなアレンジを楽しんでみてくださいね!
いろんな種類の豆腐で試してみた
はい、「たこ焼き風コロコロ豆腐」のレシピは以上。
ここからは、せっかく食の楽しみを追求する『メシ通』で記事を書いているので、ちょっとした実験をしてみたいと思います。
バーン!
手前は「玉子豆腐」、真ん中で鉄板と同化しているのが「胡麻豆腐」、一番向こう側は、ある時期からよくスーパーなどで見かけるようになった、トロトロ濃厚系「枝豆豆腐」。
そうです、いろんな豆腐でコロコロ豆腐が作れるかを実験してみようというわけです。
ちなみに先ほど、材料を「木綿豆腐」と書きましたが、それよりも柔らかい「絹ごし豆腐」でも、慎重に転がしていけばコロコロ豆腐が作れることは実証済。
というわけで今日は、さらに難易度の高そうな3種を用意してみました。
それでは実験スタート!
と、開始から10数秒、さっそく胡麻豆腐が、
ドロドロに溶けはじめた!
しかも若干、異臭も漂ってきた気がします……。
これ、あっためちゃダメなやつだ!
製造工程が普通の豆腐とは全く違うので当然といえば当然なのですが、「胡麻豆腐は無理」と判断し、早々にスプーンですくい出すことに。
一方、ユルユルながらもがんばりを見せはじめたのが、
玉子豆腐!
ものすご~く慎重に触れないとすぐに崩れてしまいますが、少しずつ表面が丸みを帯びてきましたね。
枝豆豆腐は……ダメだ、箸を入れると抵抗なく豆腐が割れてしまって、ちょっと厳しそうですね。
というわけで玉子豆腐に集中し、約20分くらい格闘してみたところ、
固まった!
お皿に取って完成。
時間はかかったし神経も使ったけど、なんとか形になってくれました。
食べてみると、もともとしっかりとついている玉子豆腐の上品なダシ味が、温められたことでさらに強くなり、付属のタレは全く必要ないですね。
上品で、木綿のコロコロ豆腐よりもさらにふわふわ。
うん、うまい!
結論、玉子豆腐で作ると「明石焼風コロコロ豆腐」になる!
予想外の大健闘! 枝豆コロコロ豆腐
はい、それからさらに数十分、引き続き根気強く枝豆豆腐を転がし続けてみたんですが、まさかの結果が出ました。
なんと……。
固まった!
途中からだんだん表面に皮のようなものができ始め、そこをとっかかりにして丸めていくことに成功。
たぶんここに来るまでに40分くらいはかかってます。
そこまで苦労した料理には全く見えないのが辛いですね。
とにかく味見をしてみましょう。
せっかく丹精込めたので、まずは塩のみで。
ゆっくりとパリパリの皮をかみ締めていくと、ふわ~んとものすごく濃厚な枝豆の香り!
この凝縮感はすごいですよ。
今まで味わったことのない、新しい食べ物という感じ。
次に醤油とネギで。
ぐわ~! う、うまい!
ただでさえ濃厚な大豆、枝豆の味に、日本が誇る調味料、醤油のうま味が加わって、脳に「禁断」という言葉がちらつく絶品!
日本酒でも焼酎でも、グイグイ進んでしまいそうですね~。
……っていうか君ら、原料全部同じじゃん。
すごいな、大豆の懐の深さ。
てなところで実験終了。
木綿豆腐ならば5~10分くらいで失敗もなく作れるところ、何十分もかけてこれらを作る価値があるか? と考えるとかなり疑問ですが、興味のある方は一度くらいやってみてもおもしろいんじゃないでしょうか。
他にも、「こんな食材でたこ焼き風◯◯が作れた!」なんて発見をされた方は、ぜひ教えてくださいね。
以上、超簡単でたのしいメニュー「たこ焼き風コロコロ豆腐」のご紹介でした。
それではさようなら~!!
……え? 「胡麻豆腐はどうした」って?
そうっすよね。
「失敗したから捨てました」じゃ、『メシ通』の読者さんは納得できないっすよね。
いやね、ひとまずスプーンですくってお皿の上に引き上げておいたんですが、「黒いドロドロの何か」って感じで、とても写真を掲載できるような見た目じゃなかったんですよ。
なので、忘れたことにして、しばらく放置してしまってました。
約1時間後……。
でっかい普通の胡麻豆腐に戻ってました。
一回溶けてまた固まっただけ。
味にも別段変化はなかったので、付属のタレをかけて美味しくいただきましたとさ。
あ、そうだ! 来年のバレンタインは、溶かした胡麻豆腐をハートの型に流し込んだ、手作りチョコならぬこの「手作り胡麻豆腐」でライバルに差をつけてみては?