【閉店】【うどんの名店】関西風ツユで絶品うどんとそばを両方味わう【東京ソバット団】

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こんにちは、東京ソバット団の本橋です!

“ソバット団”ですが、今回はうどんです、うどん。うどんの店なんです!

まぁ、我々はあくまで「立ち食い」的な食べ物を愛しているわけですから、うどんだってアリなわけですよ。ちゃんとそばも食べてきましたし。

と、軽く言い訳したところで、さっそくレポートします。

 

今回お邪魔したのは、JR大森駅を出てすぐのところにある、「麦の城」

大森駅を利用したことのある人なら、知っている人も多いでしょう、この印象的な外観。

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そして、店先に据えられたこの看板が気になっている人も、多いのではないでしょうか。

そう、この「麦の城」は、かつてJR蒲田駅にあって2007年に惜しまれながら閉店した大阪うどんの立ち食い店「めん亭」の味を引き継いだお店なのです。

実はこの「麦の城」を始めた中原さん(株式会社麺食 代表取締役会長)は、前職で「めん亭」を立ち上げた方。

 

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中原さんは「めん亭」を運営する会社を辞めた後に喜多方ラーメンの「喜多方ラーメン坂内」を作って全国にチェーン展開をするまでに広げる一方、大森に「麦の城」を2004年にオープンさせたんです。

そしてその後、かつて自分が運営していた「めん亭」がなくなることを知り、その味を残すべく「麦の城」のうどんを、より「めん亭」の味にリニューアル。

こうして「めん亭」のうどんは、「麦の城」に引き継がれた、というわけなのです。

ちなみに「麦の城」の上には「喜多方ラーメン坂内」があって、「麺の2階建て」になっているのですが、実はこの2店、同じ経営なわけなんです。

 

それでは前情報はこのぐらいにして、さっそく注文してみましょう。

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おっ、たぬきとしょうがが取り放題ですよ。

たぬき取り放題っていうのが、大阪っぽくていいですね〜。

 

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で、お願いしたのがこちら、きつねうどん(430円)。

天かす入れて化かし合いにしましょうか。

 

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どうですか、期待できるビジュアルでしょう? 

もちろんネギは青ネギですよ。

昆布をベースにしたダシに、おなじみヒガシマルのしょうゆを使ったツユ。

東京のそばツユに慣れた舌には最初こそ物足りなく感じてしまいますが、食べ進めるうちに昆布のうま味がジワジワとくるんですよ。

 

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やばい、ゴクゴクいっちゃいそう。

関西のうどんはツユを食べるもんだ、なんて聞いたことありますが、まさにそれ。残念ながら「めん亭」のうどんは食べたことがないので、どれだけ再現できているのか分からないのですが、これはもう確実にうまいうどんですよ。

 

もちろん柔らかめのうどんもうまいんですが、絶妙なのが、このお揚げ。

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豆腐のうま味がちゃんとあるうえに、味つけもツユを邪魔せずちょうどいい塩梅なんです。店内にもポスターが貼ってありますが、埼玉県は入間にある「大豆工房みや」というお店のもの。

なんと手作りのものなんですと。

 

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そして「めん亭」でもおなじみだったという、ゆずフレーバー。

これをパッと振ると、香りがフワッときて、またうまいんですよ。

 

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そばもうまいけど、うどんもいいなぁ。

と、一杯食べて気持ちが落ち着いてきたところで気になったのが、

「うどんのために作られたこのツユはそばに合うのか?」ということ。

やっぱりそばには、かえしがガツンときて、濃口しょうゆ独特のもろみ香が感じられるツユじゃないとダメでしょ、なんて考えながら天ぷらそば(410円)を、さっそく注文してみました。

どうでしょう? なんとも見慣れない丼ヅラではありますが……。

 

「うどんのために作られたツユ」だけど……

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これがですね〜、うまいんですよ。

昆布もうすくちしょうゆも香りが弱いので、そばをズババッとすすったときのグッとくる感じはないんですけどね。

なんというか、うま味を楽しむツユなんですよね、大阪うどんのツユって。

味わうものって感じ。

それとこの天ぷらはかつての「めん亭」のものを再現しているんですが、小エビがけっこう入っていて、食べ進めるうちにそのうま味香りが、だんだんツユに移っていくんですよ。衣から溶け出す油も、ツユのうまさを力強くしましてですね、これがまたうまい。

 

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こんなのそばじゃない! 

なんて言う人もいるかもしれませんが、関西風ツユにそばって、アリアリですよ! 

もちろん真っ黒いツユで食べるそばはうまいんですが、こんなそばがあってもいいでしょう。

同じことを考える人は多いようで、普段のうどんとそばの注文比率は6:4なんですって。そう、意外とこの大阪風そばって好まれているんですよ。

なんてブツブツ言っていたら、店長の高坂さんから、夏季限定メニューをすすめられちゃいました。

 

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はい、7月から提供している、ラー油とキムチの豚しゃぶうどん(580円)ですよ。

 

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冷たいうどんに、豚しゃぶキムチに大根おろしが入って、食べるラー油をプラス。

暑い時期でも食べられてスタミナもつくという、うれしいメニューですな。

これを外の席でいただきました! 

 

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やっぱり、外で食べるのっておいしいですね〜。

けっこう辛いのかと思いきや、柔らかいツユが辛味をうまく包み込んで食べやすいんですよ。食べるラー油の刺激もほどよい感じ。

豚しゃぶもけっこう入っているんで、豚キムで食べて大根おろしを乗せて食べてと、いろいろ楽しめるのもありがたい。

 

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この「麦の城」は、他にもかすうどん(580円)や、さっぱり檸檬とたぬきうどん(380円)など、珍しいメニューもラインナップしているんですが、全部、高坂さんが考案したもの。

いろいろな変わりメニューや限定メニューを楽しめるのも、「麦の城」の魅力なんです。

うどんを食べに来て、そばのことをあれこれ考えることになるとは思いませんでしたが、みなさんもぜひ、「麦の城」の大阪風そばを味わってみてください。

もちろん、うどんもうまいですよ!

 

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店舗情報

【閉店】麦の城

住所:東京都大田区山王2-2-11
電話番号:03-3775-3277
営業時間:月曜日~金曜日 6:30~23:30、土曜日 6:30~21:55、日曜日祝日 6:30~17:55
定休日:無休

twitter.com

※この記事は2017年7月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

※このお店は現在閉店しています。
飲食店の掲載情報について。

 

書いた人:本橋隆司

本橋隆司

フリーランスの編集、ライターとしてウェブや雑誌などで仕事中。立ち食いそば好きが高じて2013年に『立ち食いそば図鑑 東京編』を、2014年に『立ち食いそば図鑑 ディープ東京編』を制作。そばであればだいたい好き。最近、注目しているのは細うどん。

撮った人:安藤青太

安藤青太

カメラマン、書籍制作。グラビア系から食べ物系まで何でも撮るカメラマン。本橋とは『立ち食いそば図鑑 東京編』『立ち食いそば図鑑 ディープ東京編』を制作。その他『檀蜜DVD色情遊戯2』『DK 男子高校生萌え』『書店男子』など。最新作は『TOKYO餃子図鑑』。好きな立ち食いそばは「コロッケそば」。

東京ソバット団

早く安く美味く、そして面白い立ち食いそばの魅力を広めるために結成。団員は現在、本橋と安藤の2名。

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