鶏むね肉を驚くほどしっとりさせた台湾料理「ジーローファン」の作り方【ネクスト魯肉飯】

台湾の絶品おかず「ジーローファン(鶏肉飯)」をご紹介します。鶏むね肉をしっとり仕上げる方法や、2種類の特製ダレの作り方、鶏むね肉の保存&温め直し方法などもお届けします。

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こんにちは! 料理家の美窪たえです。

本日は、台湾の隠れた名物ご飯「ジーローファン(鶏肉飯)」をご紹介していきます。

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この料理の特徴は、パサつきがちな鶏むね肉をある食器を使ってふんわりとほぐし、特製の香味野菜ダレを合わせることで、鶏むね肉を美味しく食べていただけるレシピになっています。

また、茹でた鶏むね肉のジューシーさを保ちながら保存&温め直す方法や、さっぱりとした特製ネギダレの作り方まで、盛りだくさんでお届けしていきます。

それでは早速、ジーローファンを作っていきましょう!

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材料(6人前)

  • 鶏むね肉……2枚(480g前後)
  • 長ネギの青い部分……1本分
  • 生姜(薄切り)……10g(チューブ生姜5gで代用可)
  • 水……1リットル
  • 塩……8g

香味野菜ダレ(3人前)

  • 玉ねぎ(薄切り)……100g
  • にんにく(みじん切り)……15g
  • サラダ油……30g
  • 醤油……30g
  • 砂糖……5g
  • 酢……5g
  • 鶏むね肉の茹で汁……60g
  • ご飯……お好み
  • 漬物……お好み
  • パクチー……お好み

ジーローファンの作り方「茹で鶏編」

1.メインとなる鶏のむね肉から調理していきます。蓋ができる鍋に、長ネギの青い部分、生姜、水、塩を入れ、蓋をして中火にかけます。

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ここでぜひ守ってほしいのが、水と塩の量を必ず量ることです。鶏むね肉の「火の通り加減」と「下味の塩加減」に直結しますので、多少面倒ですが分量を量って調理してみてください。

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2.鶏むね肉は鶏皮部分を手で剥いでおき、お湯が沸いたら蓋をあけ、鶏皮とむね肉両方の部位を静かに投入します。

お肉を鍋に投入したら、再び沸いてくるまで中火で加熱し、沸き始めたら弱火に落とし2分程茹でます。

※鶏むね肉が大きい場合や気温が低い日などは、茹で時間を30秒〜1分程長めにして調節してください。

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3.2分程鶏むね肉を弱火で茹でたら先に鶏皮のみを取り出します。その後、火を止めて蓋をして、30分〜1時間程鶏むね肉を鍋の中に置いておき、ゆっくりと鶏むね肉に熱を行き渡らせます。

これにより鶏むね肉の中の肉汁が落ち着き、よりジューシーな仕上がりになります。早く食べたい気持ちをグッと我慢して、鶏むね肉を調理してみてください。

ジーローファンの作り方「香味野菜ダレ編」

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1.鶏むね肉を調理している間に、香味野菜ダレを作っていきます。

2~3mm幅に切った先程茹でた鶏皮、玉ねぎとサラダ油をフライパンに入れて、弱火で加熱していきます。

ここで、香味野菜ダレを美味しく作るポイントがあります。それは、サラダ油を分量通り投入することです。

このレシピでは、一般的な炒め物などと比べてサラダ油を多めに使用しますが、ここでサラダ油を控えると味にも影響します。玉ねぎを多めの油でじっくり揚げ焼きにすることが味の決め手となりますので、ぜひサラダ油は分量通り使ってみてください。

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2.玉ねぎの縁が軽く焦げ始めるくらいまで、弱火でじっくり加熱していきます。あまりいじりすぎずに、時々混ぜる程度で鶏皮と玉ねぎを炒めてみてください。

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3.10分程炒めて玉ねぎが色付いてきたら、にんにく、醤油、砂糖、酢、鶏むね肉の茹で汁を加えます。軽くとろみが付くまで煮詰めれば、香味野菜ダレの完成です。にんにくは焦げやすいので、玉ねぎを炒め終わってから加えるようにしてくださいね。

ちなみに本場台湾では、鶏油(鶏皮から作る調理油)や油で揚げたエシャロットを使うことが多いのですが、日本では鶏油もエシャロットもあまり一般的ではありません。

そのため、鶏皮、玉ねぎ、にんにくを多めのサラダ油でじっくり揚げ焼きにしていくことで、本場台湾の味付けにグッと近づけることができますよ。

ジーローファンの作り方「鶏むね肉のほぐし編」

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1.鍋の中で30分〜1時間程放置していた鶏むね肉を鍋から取り出します。この時点で鶏むね肉の温度は落ち着いているかと思いますが、手で触れないくらい熱い場合は、ラップなどをして常温で冷ましておきましょう。

※鶏むね肉を茹でる際に使用した汁は、鶏むね肉を美味しく保存する上で必要になりますので、絶対に捨てないでくださいね。

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2.じっくりと加熱した鶏むね肉をほぐしていきます。

ここで皆さんに使ってほしいのがフォークです。まな板に茹でた鶏むね肉を置き、フォークで小刻みに掻くようにすると、簡単にほぐすことができます。

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▲(左:手でほぐした鶏むね肉 右:フォークでほぐした鶏むね肉)

火が通った鶏むね肉は繊維に沿って簡単に手でほぐすこともできますが、フォークを使うことで、鶏むね肉の食感がふんわりと柔らかくなり、香味野菜ダレがよく馴染み、ご飯との一体感も生まれますよ。

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3.鶏むね肉をほぐしたら1人前(80g)をボウルなどに入れ、塩ひとつまみ(分量外)、鶏むね肉の茹で汁30gを加えて軽く和えておきます。

こうすることで、ほぐした鶏むね肉が茹で汁を吸い込み、よりしっとりとさせることができます。

加えて、鶏むね肉自体にキリッと塩味を効かせることで、香味野菜ダレとご飯の甘みが引き立ちます。このひと工夫は飛ばさずにやってみてくださいね。

ジーローファンの楽しみ方「香味野菜ダレ編」

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先程準備しておいた、ほぐした鶏むね肉をご飯の上にたっぷりのせ、香味野菜ダレとお好みの漬物、パクチーを添えれば、ジーローファンの完成です! 

鶏むね肉の茹で汁は塩味が付いているので、ネギの薄切り(分量外)を浮かべて1〜2分程煮立たせれば簡単スープにもなりますよ。

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さて、丁寧に作ったジーローファンですが、最後に鶏むね肉の茹で汁で和えたこともあり、パサつきは皆無。塩気が効いた鶏むね肉単体だけでもご飯が進みます。

また、香味野菜ダレと一緒にご飯をかきこめば、こってりとした濃厚な味付けのタレがあっさりとした鶏むね肉とよく合って、ご飯が止まらなくなる味わいです。お好みの漬物と合わせて頬張れば、あっという間にご飯がなくなってしまう。そんな一品です。

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そしてもう1つ、ジーローファンのトッピングとしておすすめなのがフライドエッグです! 

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少し多めのサラダ油でカリッと焼いたフライドエッグ(分量外)をトッピングすれば、台湾版の親子丼といったところでしょうか。カリッとした白身の香ばしさと、とろりと流れ出す黄身が全体になめらかさをもたらしてくれますよ。

ジーローファンをアレンジして楽しむための「特製ネギダレ」の作り方

香味野菜の濃厚な味付けのタレに加えて、さっぱりとジーローファンを楽しめる「特製ネギダレ」も併せてご紹介していきます。台湾では基本的に香味野菜ダレがかかっているものをジーローファンと呼びますので、あくまでアレンジしたタレになります。

「油やカロリーを抑えたタレでジーローファンを楽しみたい!」という方は、ぜひこちらの特製ネギダレでジーローファンを味わってみてくださいね。

材料(3人前)

  • ほぐした鶏むね肉……240g(1人前で80gを使用)
  • 鶏むね肉の茹で汁……90g(1人前で30gを使用)

特製ネギダレ

  • 長ネギ(白い部分のみ)……1/2本
  • ごま油……15g
  • 塩……2g
  • レモン汁……5g
  • 黒胡椒……適量
  • もみのり……適量
  • ご飯……お好み
  • 漬物……お好み

1.長ネギの白い部分をみじん切りにします。

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ここで、長ネギをよりふわっと仕上げる、みじん切りの方法をご紹介します。多少テクニックが必要になりますので、余裕がある方はぜひやってみてください。

まず長ネギを横向きに置き、半分の厚さまで斜めに包丁を入れていきます。

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次に、切り込みが真下にくるように裏返して、同じように裏面にも切り込みを入れ、最後に端から真っ直ぐ刻んでいきます。

こうすることで、長ネギの繊維がうまく切断され、ふわっとした長ネギのみじん切りにすることができます。このネギダレのように生のままネギを食べるときは、この方法でみじん切りにすると口当たりがより良くなりますよ。

2.長ネギのみじん切り、ごま油、塩、レモン汁、黒胡椒をボウル等に入れて軽く混ぜて馴染ませたら、特製ネギダレの完成です。

新しいジーローファンの楽しみ方「特製ネギダレ編」

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1.ほぐした鶏むね肉に塩ひとつまみ(分量外)と鶏むね肉の茹で汁を加えてしっとりさせた後に、特製のネギダレをお好みの量を加えて和えます。

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2.もみのりを敷いたご飯の上に、特製ネギダレで和えた鶏むね肉をのせ、お好みの漬物を添えれば完成です!

レモン汁の酸味とネギの香味、ごま油の油分と程よい塩味が混じり合うことで、もう間違いない味わいになっています。先程の香味野菜ダレと比べると、あっさりしたヘルシーな味わいですので、食事に気を使っている方などにも気兼ねなく楽しんでいただけるのではないかと思っています。

驚くほどしっとりした鶏むね肉を、お好みのタレで存分に楽しんでみてくださいね。

茹でた鶏むね肉の保存方法と温め直し方のコツ

最後に、火を入れた鶏むね肉のジューシーさを維持しながら保存する方法と、温め直しの方法についてご紹介します。

鶏むね肉は、適切な方法で保存&温め直しをしないと、水分が抜けてパサついてしまう食材です。「作り置きした鶏むね肉を最後まで美味しく食べたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

<火を入れた鶏むね肉をしっとりしたまま保存する方法>

火を入れた鶏むね肉は、茹で汁に浸して密閉した状態で保存することがポイントになります。

茹で汁から引き上げた状態で鶏むね肉を保存すると、時間経過とともにお肉の中の水分が染み出してしまい、お肉がパサつく原因になります。

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ジッパー付き保存袋などに、鶏むね肉が浸るくらいの茹で汁を入れて密封保存した後、冷蔵・冷凍保存することで、鶏むね肉の中の水分が染み出すことを防ぐことができますよ。

※冷蔵の場合は3日以内、冷凍の場合は1ヶ月以内に使い切るようにしてください。

<鶏むね肉のジューシーさを維持したまま温め直す方法>

冷たくなった鶏むね肉は、むやみに再加熱すると、お肉の中の水分が染み出るだけではなく、再度お肉に火が入って固い食感になってしまいます。

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そのため、鶏むね肉を美味しく温め直すためには直接再加熱しないことが重要になります。多少面倒ですが、先に茹で汁だけを鍋で沸騰させ、火を止めた状態で鶏むね肉を投入して温め直すことで、ジューシーさを維持することができますよ。

まとめ

台湾の隠れた名物ご飯「ジーローファン」はいかがでしたか?

パサつきやすい鶏むね肉ですが、ゆっくりと火を入れ、フォークを使ってほぐすことで、驚くほどしっとりとした食感をお楽しみいただけるのではないかと思っています。

鶏むね肉の火入れに少し時間がかかってしまいますが、その間に香味野菜ダレを作れば、無駄なく絶品ご飯を作ることができますよ。鶏むね肉の保存・温め直しの方法もぜひ参考にしていただき、ジーローファンを楽しんでみてください。

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書いた人:美窪たえ

料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ、SAKE DIPLOMA。OLからバーテンダー⇒日本料理人⇒フレンチコック⇒アメリカンデリという、異色の経歴を持つ料理家。料理のおいしさと酒への思いを発信するユニット[おとな料理制作室]としても活動。著書『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)が好評発売中。

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