でらいつカレーvol.16 カレールウを使わないのにかんたん! 「スパイスカレー鍋」の作り方
この時期、(あ、これ書いてるの12月です)
「鍋」ってのは外せませんよね。
ウェブで「カレー鍋」って検索したら、まー出てくるでてくる。
某検索エンジンでは「約 10,100,000 件」って数字が出てきました(スゴッ!)。
ちなみに、「スパイスカレー」と検索すると、結果は「約 9,120,000 件」です(2017年12月現在)。ん~、「スパイスカレー」は「カレー鍋」より話題になっていないってことですか?
実際、「カレー鍋」と検索して出てくるレシピは市販のルウを使ったものが多いです。
ただ、最近はスパイスだけでカレーを作るカレー屋さんも増えていますし、カレー鍋を出すお店も趣向を凝らし、市販のルウに頼らないオリジナルなスパイスカレー鍋を積極的に開発しているようです。
先日、ひょんなことから約17,8年ぶりにお会いしたミュージシャンが、焼き鳥屋さんで「カレー鍋」をプロデュースしてる(監修って言ってたかな? まーまー、いずれにせよ味を開発してるってことです)と聞き、「え? 焼き鳥屋さんで、カレー?、鍋?」……。
一瞬こんがらがって理解できませんでしたが、まーとにかく、「是非食べたい!」と、お願いしたところ、その2日後に食べることが出来ました。
それがこれ。
東急目黒線の不動前駅徒歩1、2分のところにある「朝挽き鶏 炭火串焼き 牡丹」の「スープカリィ鍋」(要予約)
もうねー、これは「ヤバイ!」ってやつですよ。
ワタクシはグルメブロガーではないので食レポ的語彙力&表現力を持ち合わせていないため、これしか言えませんが、まーとにかくウマい。
誰それ風に言うと、「まいう~!」
この鍋の味を開発してるミュージシャン(ギタリストのお二方、どちらも知る人ぞ知るスゴイ人)が北海道出身ということで、スープカレーへの愛がすごいんです。
そのおふたりが監修、開発してるってんですもん、そりゃうまいわけですよ。
ちなみに、このお店の女将もミュージシャンです。
とゆーことで、(どーゆーことだよ!)今回は「スープカレー鍋」……じゃないじゃない、「スパイスカレー鍋」をご紹介しましょう。
こんな食材でこんな作り方をすれば、市販のルウを使わずに簡単に「カレー鍋」がつくれますよ、というのをお見せします。
「カレー鍋」、調理開始!
今回使う食材はコレ。
材料 (2人分)
- 豚バラ肉:200g程度
- 白菜:250g
- 長ねぎ:1本(150g)
- にんじん:1/4本(50g)
- プチトマト:2粒
- しいたけ:2枚
- しめじ:1/3パック(50g)
- ごぼう:1/4本(50g)
- ピーマン:1/2個
- 豆苗:少々
- にんにく:1片
- しょうが:1/2片
- 干し海老:大さじ1
- だしの素(顆粒):小さじ1
- カレーパウダー:大さじ1強
- ガラムマサラ:小さじ1/2
- クミンシード:小さじ1/2
(※詳細は最後に記載します)
今回はカレーパウダーの他に「ガラムマサラ」も使用していますが、なければカレーパウダーをその分追加してください。
前にも書きましたがガラムマサラも、今や100円ショップで買えます(ない場合もありますが……)。ガラムマサラはメーカーによって全然香りが違いますが、まずは、一度、どこかのものを買ってみてください。
香りの幅を広げるのにきっと役立ちますよ!
食材がそろったら、さっそく調理に取り掛かりましょう!
作り方
スムーズな調理のため、下ごしらえをしましょう。
▲長ねぎ:白い部分は斜め切り。青い部分は小口切り or みじん切り。干からびた部分は使わない
▲にんじん:皮付きのまま薄切り ▲しいたけ:軸を切り落としみじん切り。表面に十字の切り込み
にんじんは皮をよく洗って、皮付きのまま切りましょう。
キレイに短冊切りしてもいいのですが、ご家庭で食べるんですからね。
こんな感じでいいんじゃないですか?
ホントは輪切りにしようかな、とも思ったんですよ。ワタシ、輪切りが好きなんで…...。
「♪わぎりの~ぉ わたぁ~し~」なんつって……(平成生まれには通じない?)。
▲しめじ:石づきを切り落とし、小房に分ける ▲ごぼう:皮をよく洗い、薄切り(もしくはささがき)し、水にさらす
しめじは石づきがカットされたものが売ってますので、それでもいいです。
それでもいいですよ。ごぼうを水にさらすのはアクを取って色が黒くなるのをおさえるためですが、栄養素的に言うと水にさらさない方がイイみたいですね。
何がどういいのかワタクシは知りませんので、気になった方は「ごぼう 水にさらす 栄養」みたいな単語で検索してみてください。
▲プチトマト:ヘタを取り半分に切る ▲ピーマン:タネの部分を切り落とし、食べやすい大きさに切る
プチトマトじゃなくてもいいです。
今回は2人前想定の量を確保するのにプチトマトが使いやすかっただけです。
普通のトマトを粗みじん切りして40gくらいご用意いただければOKです。
ピーマンは、ピーマンそのものの味が個人的に好きという理由と、スープに程よい苦味を加えるために使っています。省略してもOKです。
▲白菜:食べやすい大きさに切る
白菜は煮込むと小さくなりますから、ざっくりこんな感じで。
- にんにく、しょうが:みじん切り。
めちゃめちゃ細かく切る必要はありません。これは写真がなくてもイイですよね?
いよいよ調理の開始です!
▲土鍋に調理油(大さじ2)を弱火で熱し、クミンシードを炒める(テンパリングする)
フライパンでテンパリングするときは中火程度でやりますが、土鍋は熱くなるまで時間がかかりますが、高温になり過ぎやすいので、テンパリングは弱火で行いましょう。
ちなみに、土鍋のサイズは「7号」を使っています。
クミンシードがほんのり色づくまで炒めましょう。
▲にんにく、しょうがを加え、ほんのりきつね色になるまで炒める
土鍋は高温の維持力がハンパないです。
フライパンは食材を加えると一瞬中の温度が下がりますが、土鍋は下がりにくいので、フライパンで炒めるときより、早いタイミングで食材を加えていきましょう。
▲干し海老とみじん切りしたしいたけの軸を加える
この写真では、干し海老としいたけの軸を別々に加えていますが、同時に加えたほうがベターです。
土鍋の中身に注目!
ほら、一部のにんにく、しょうが焦げだしていますよ!(汗)
土鍋は本当に高温の維持力がハンパないので、食材はテンポ良く加えていきましょう。
▲小口切り(or みじん切り)したネギの青い部分を加える
▲ネギの青い部分に完全に火が入るまで炒める
途中差し水をして、鍋の焦げ付いた部分をこそぎ落としましょう。
鍋肌部分が焦げ付きやすいので、ときどきネギを鍋肌に押し付けるようにしながら炒めていきましょう。
この程度まで、ネギにしっかり火が入ったら火を止めます。
ん~、若干鍋肌が焦げ付きましたね。
まーまー、許容範囲、ということにしてください。
▲火を止め、カレーパウダー、ガラムマサラ、塩を加え、しっかり混ぜ合わせる
何度も書きますが、土鍋の高温維持力はハンパないです。
カレーパウダーやガラムマサラが焦げ付かないよう、火を消してから加えましょう。
混ぜ合わせるときも、土鍋に残った余熱で十分です。
ここでちらっと、味見をしてみましょう。
ちょっとしょっぱいけれども、焼いた長ねぎの香ばしさと、カレーパウダーとガラムマサラの香りがしっかり立っていたら、おいしいカレー鍋になる合図です。
この時点で、スパイスの香りよりも、コゲ臭とコゲ味がヒドイと、そのとおりの鍋になります。
そんな時は、潔く作り直しましょう!
失敗が成長のもとになります!
▲水(500ml)を加え、しっかり混ぜ合わせる
この時点では、まだ火をつけていません。
しっかり混ぜ合わせると、このような色になるはずです。
これはカレーパウダーに含まれているスパイスの色によるところです。
使うカレーパウダーの種類(メーカー)によって色みは違ってきます。
もうチョット茶色や赤色、黄色に寄ったりします。
▲だしの素を加え、しっかり混ぜ合わせる
しつこいようですが、火はまだつけてませんよ~。
この後、鍋の中に具材を並べきったら、火をつけて煮込みます。
▲鍋中に全ての具材を加え、フタをして強火で5分程煮込む
具材の並べ方はセンスが問われますね~(笑)。
ワタクシはあまりセンスのある方じゃないですが、こんな感じで並べてみました。
いかがですか?
ちなみに、豆苗だけはあとで加えます。
このタイミングで一緒に入れてもいいのですが、あとで、鍋中を確認するときに追加します。
フタをして強火で5分程度煮込みます。5分というのは今回の7号鍋での目安時間です。
土鍋は温度が上がるのに時間がかかるので、8号や9号といった大きな鍋を使うときは5分以上かかります。
目安は蒸気が穴から勢いよく出てくるまでと考えて下さい。
強火で5分煮込んだ状態です。
写真ではちょっと分かりにくいですが、鍋肌がボコボコ勢いよく沸騰しているわりには中心部分は意外とまだ静かです。
具材がびっしり詰まっているからですね。
▲フタを開けプチトマトを軽くつぶし、豆苗を加え弱火で5分程煮込む
プチトマトはつぶさずそのまま食べる、というのもアリですが、トマトの持っているうま味をスープに行き渡らせるためにつぶします。
豆苗は細かく刻んで加えてもいいかもしれませんね。
再度フタをして弱火で煮込みます。
蒸気穴から湯気が出てきて、グツグツしたら完成です。
テーブルに持っていき、フタをパーッと開けましょう!
「スパイスカレー鍋」の完成でーす!
てゆーかー! 写真の色、ヘン! (またやっちまった……)
夜の撮影だったので、部屋の照明(白熱電球)がそのままでした……。
手前の青白っぽいの。これはPCモニター(テレビ)の明かりが写り込んでますね……。
まーしょうがいない、この後の写真は、全部この色調です。ご了承ください。
いちど鍋中を軽くかき混ぜてから、よそいましょう。
にんじん、しいたけ、長ネギ、ごぼう、白菜、しめじ、ピーマン、豚肉、豆苗、そしてスープ。
すべてよそいますよ~。
お箸を持って、
いざ、実食!
先ずは豚バラ肉から。
焼き肉用の少し厚めの物を使いましたが、柔らかくてジューシー!
ごぼうも白菜もにんじんもやわやわになっていて、スープとよく絡む~。
うまい~。
スープがしみっしみのしいたけ……ハァ~、サイコーです!
全ての具材が食べ終わったら、最後は〆(シメ)です!
うどんとかでもいいのですが、ここは、不動前「牡丹」の「スープカリィ鍋」をまねして、チーズリゾット風(チーズ雑炊)にしちゃいましょう!
いや~、豚バラ肉が柔らかいだ、しいたけが味しみっしみだ、なんて言ってましたが、
実はこのチーズリゾットというか、チーズ雑炊というか、全てはこのための前奏曲だった! と言っても過言ではありません!
ズーチー、テンション上がるわぁ~!
ご飯とチーズの量はお好みですが、どちらも残ったスープにひたひたになる量がイイかと思います。
今回は、ご飯:200g、チーズ:130gでした。
弱火にかけて、チーズがとろ~りとしたら完成です!
見て見て!
このビジュアル!
よだれがとまりません。
誰か助けて~!
ん~、コレコレ、これですよ!
野菜のうまみが出まくって、スパイスの風味が行きわたったスープをご飯が吸ってチーズとカラミあう。
もう、至福の味ですな、こりゃ!
鍋に残った最後の最後一粒まで残したくない!
そんな気分に絶対なるハズです!
完食、ごちそうさまでした!
ひと鍋で2度おいしい「スパイスカレー鍋」!
こりゃー、ご家庭の冬の大定番として取り入れたいですね。
p.s. こぼしたご飯(右下)も、ワタクシがおいしくいただきました。(♪チャンチャン)
おさらい
「スパイスカレー鍋」 材料(2人分)
- 豚バラ肉(焼き肉用 or 薄切り):200g程度
- 白菜:250g
- 長ねぎ:1本(150g)
- にんじん:1/4本(50g)
- プチトマト:2粒(40g)
- しいたけ:2枚
- しめじ:1/3パック(50g)
- ごぼう:1/4本(50g)
- ピーマン:1/2個
- 豆苗:少々
- にんにく:1片
- しょうが:1/2片
- 干し海老:大さじ1(4g)
- だしの素(カツオだし/顆粒):小さじ1
- カレーパウダー:大さじ1強
- ガラムマサラ:小さじ1/2
- クミンシード:小さじ1/2
- 塩:小さじ1
- 調理油:大さじ2
- 水:500ml
【〆用食材】
- ご飯:200g~
- チーズ(とろけるチーズ):130g~
下準備
- 長ねぎ:白い部分は斜め切り。青い部分は小口切り or みじん切り。干からびた部分は使わない。
- にんじん:皮付きのまま薄切り。
- しいたけ:軸は切り落としみじん切り。表面に十字の切り込み。
- しめじ:石づきを切り落とし、小房に分ける。
- ごぼう:皮をよく洗い、薄切り(or ささがき)にし水にさらす。
- プチトマト:ヘタを取り半分に切る。
- ピーマン:タネの部分を切り落とし、食べやすい大きさに切る。
- 白菜:食べやすい大きさに切る。
- にんにく、しょうが:みじん切り。
調理
- 土鍋に調理油(大さじ2)を弱火で熱し、クミンシードを炒める。(テンパリングする)
- にんにく、しょうがを加え、ほんのりきつね色になるまで炒める。
- 干し海老とみじん切りしたしいたけの軸を加える。
- 小口切り(or みじん切り)したネギの青い部分を加える。
- ネギの青い部分に完全に火が入るまで炒める。
- 火を止め、カレーパウダー、ガラムマサラ、塩を加え、しっかり混ぜ合わせる。
- 水(500ml)を加え、しっかり混ぜ合わせる。
- だしの素を加え、しっかり混ぜ合わせる。
- 鍋中に全ての具材を加え、フタをして強火で5分程煮込む。
- フタを開けプチトマトを軽くつぶし、豆苗を加え弱火で5分程煮込む。
- フタの蒸気穴から湯気が出て、全体がグツグツとしたら完成。
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最後にワンポイント
土鍋は高温維持力ハンパない!
最初のテンパリングは弱火でじっくりと!
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いかがでしたか?
使う調味料を塩とだしの素だけに限定した、シンプルな味わいの「カレー鍋」。
野菜やキノコ、そして豚バラ肉のうま味だけで、十分味わい深いスープになるんです。
もっとリッチな味にしたければ、手っ取り早くは水を使わず市販の鍋用海鮮だしスープや水炊き用スープを使うのもアリですし、水を使う場合もコンソメの素や砂糖、ちょっとだけしょう油や味噌といった発酵調味料などを加えれば、わかりやすくおいしくできます。
まーとりあえずは、そーゆードーピングに頼らずこのシンプルな味を一度試してみてください! 是非に!