安く野菜をたくさん食べられるほったらかし調理の「豚肉と白菜、白いんげん豆の蒸し煮」でワインがすすむ【ツジメシの週末メシ】

こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ、今回は週末メシ。

一段と寒くなって冬野菜の美味しい季節です。旬でお手頃な白菜をたっぷり使った、メインになる一皿をご紹介します。塩をして半日から一晩おいた豚の塊肉を、たっぷりの白菜の上で蒸し煮にすることで、豚肉は柔らかく火が入り、白菜は豚の味を吸いながらとろとろに煮えて、どちらも美味しくなるという仕掛けです。白菜から出た水分に豚のエキスが合わさったスープは飲み干したくなる美味しさなので、拭って食べるパンをぜひご用意ください。飲む方はワインのスタンバイもお忘れなく。

レシピでは作りやすい量でご紹介しています。食べきれなくても冷凍保存できますし、冷凍しておいたものからパスタへの展開もできますので、ぜひ最後までご覧ください。


調理工程は
・豚塊肉に塩をして8〜12時間おく
・白菜に乗せて1時間蒸し煮にする
・白いんげんの水煮を加えて10分煮る
です。

 

ツジメシ の「豚肉と白菜、白いんげん豆の蒸し煮」

材料(作りやすい量、約3-4人分)

  • 豚肩ロースブロック 500g
  • 塩 5g(小さじ1弱)
  • ニンニク 1-2かけ
  • サラダ油 小さじ1
  • 白菜 500g(中くらいのもの1/4カット)
  • 白いんげん豆水煮 汁ごと200g
  • 塩 小さじ1/2
  • 黒胡椒(粒) 4-5粒
  • 水 白いんげん豆水にの煮汁と合わせて 100ml

 

お好みで

  • ローズマリー、タイムなどのハーブ 1-2枝
  • 香りのいいオリーブオイル 適量
  • 粒マスタード 適量

 

作り方

豚肩ロースのブロックは分量の塩(肉の重量の1%分)をまぶして軽く揉み込み、ラップをするか袋に入れ、冷蔵庫に入れておきます。8時間から12時間ほど置くと味がしっかり入り、ぐっと美味しくなります(塩辛くなりすぎることはないので、長いぶんにはまる1日くらい置いても大丈夫です)。

 

フライパンにサラダ油を引き、潰したニンニクを入れて中火にかけ、油が温まったら豚肉を入れ焼き色を付けます。ニンニクは焦げそうになったら肉の上に避難させましょう。

6面全てにこんがりと美味しそうな焼き色がついたら火を止めて肉を取り出します。

 

白菜は4-5cm幅のざく切りにし、白い茎と葉にざっくり分けておきます。

 

後で足す白いんげん豆は、お手軽に缶詰か紙パックで売られている水煮を使います。ものによって違うのですが、煮汁を味見してみて、美味しければもったいないので汁ごと使っちゃいましょう。

 

鍋(今回は直径20cm、深さ8cmのもの)に白菜の茎の部分を敷き詰めます。

 

その上に焼いた豚肉とニンニクを乗せ、塩と粒胡椒を散らし、

 

まわりに白菜の葉を詰め込みます。
加熱すると白菜から水が出ますが、最初の焦げ付き防止に水(使う場合は白いんげん豆の煮汁と水を合わせて)100mlほどを回しかけます。

ここでタイムやローズマリーなどのハーブを1-2枝加えると洒落た感じになります。塩胡椒だけにもシンプルな良さがあるので、どちらでもお好みで。

 

鍋を中火にかけ、ぐつぐつ音がして湯気が出てきたら蓋をして可能な限り熱源を弱め(ガスの場合は火が消えないよう注意)、そのまま1時間放置します。

 

1時間経ったら白いんげん豆の水煮を加えます。白菜はすっかりかさが減って水分が出ています。中火にして沸騰しかけたら蓋をしてふたたび一番弱い火にし、今度は10分ほど煮て白いんげん豆と煮汁を馴染ませます。
10分経ったら味を見て塩で調整します。追加なしか、ひとつまみ加える程度でまとまると思います。

 

肉を切り分け、器に盛ったら出来上がりです。軽く焼いたパン、ワインと一緒にどうぞ。この他にサラダでもあれば、もうじゅうぶんな食卓ですね。

 

塩漬けしたことでしっかり味が染みつつ、白菜の上で蒸されてゆっくり火が通りふんわりさっくりと噛み切れる柔らかさの豚肉、とろとろに煮えた白菜の甘みに、白いんげん豆のほろほろと口の中で崩れる食感もいい感じです。そしてなによりこのスープ。豚と白菜と豆に水と塩だけとは思えない、深い味わい。ぬぐって食べ切りたくなること必至なので、パンは必ず用意しておきましょう。

このままで美味しいのですが、味変として香りのいいオリーブオイルがあれば少し回しかけたり、粒マスタードを添えたりしてもまたよいです。

食べきれなかった分は、白菜、豚肉、スープも一緒に保存袋に入れて、空気を抜いて平たくして冷凍しておけば次回使いやすいです。そして、次に食べるときパスタ仕立てにするのもおすすめですよ。

レンジ加熱やお湯をかけるなどして袋から出せる程度に解凍したら鍋に移し、パスタが入るくらいの水を足して火にかけ、沸騰したらお好みのショートパスタを加え、塩で調整しつつパスタにほどよく火が入るまで煮たら出来上がり(このように濃度のある煮汁でパスタを直煮する場合は通常より1-2割増しの時間がかかります)。隣で少しお湯を沸かしておいて、パスタの鍋の水分が足りなくなりそうなら適宜足せるようにしておくと水分量がコントロールしやすいです。
オリーブオイルやおろしたチーズ、黒胡椒をかけてどうぞ。

白菜の量は今回のレシピでは500g(中くらいのもの1/4カット)、今回使った鍋(直径20cm深さ8cm)にぴったりの量でしたが、肉とのバランス的にはもう少し多くてもよいと思います。多くする場合、最初に白い茎の部分だけ鍋に入るだけ詰め込んで火にかけ、火が通って少しかさが減ってきたところで葉の部分を入れるようにしてみてください。白菜が多くなった分は最後の塩の調整で大丈夫です。

白菜の美味しい季節に、ぜひお試しください。

 

作った人:ツジメシ

ツジメシ

本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。

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