タンパク質も野菜もとれて辛くてウマいスンドゥブチゲ、韓国唐辛子とおぼろ豆腐で本場の味わい!

冬といえば、あつあつの鍋料理! 今回は韓国の定番家庭料理、おぼろ豆腐と韓国唐辛子を使った本格旨辛「スンドゥブチゲ」の作り方を、野菜と豆腐の料理家・江戸野陽子さんに教えていただきました。

こんにちは。野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。

寒くなってくると、あつあつで辛い鍋料理(=チゲ)が食べたくなりませんか? そこでおすすめしたいのが韓国の定番家庭料理、スンドゥブチゲです。

スンドゥブチゲの主役は、ふわふわとしたおぼろ状の柔らかいスンドゥブ(純豆腐)! 日本のおぼろ豆腐なら、本場韓国のスンドゥブチゲに近い味を作ることができます。また、味の決め手となる唐辛子の選び方や、辛みの引き出し方も紹介します。

せっかくですので本場韓国に近い食材を用意して、お店顔負けのスンドゥブチゲを作ってみましょう!

本格スンドゥブチゲのポイントは「豆腐」と「唐辛子」の選び方

豆腐

スンドゥブ(純豆腐)とは、豆乳に凝固剤を加えて固めたおぼろ状の豆腐のことです。水気が多いのが特徴で、鍋料理に入れるとふわふわとした食感になります。タンパク質も含まれており、低カロリーでヘルシーなのもうれしいポイント。

ちなみに「おぼろ豆腐」「寄せ豆腐」「ざる豆腐」は同じ豆腐のことです。

おぼろ豆腐が手に入らない場合は、「柔らかい」「まろやか」と表記のある絹ごし豆腐を選んでください。

唐辛子

韓国唐辛子は、日本の一味唐辛子とは異なるため、できれば韓国唐辛子を用意しましょう。

韓国唐辛子は赤みが強く、辛みが穏やかで、甘みとうま味があるのが特徴です

業務用食品スーパーなどに売っていますが、手に入らない場合は、キムチでも代用できます。

今回は本場韓国にならって、1人用の黒い小型の土鍋(トゥッペギ)で作っていますが、1人用の土鍋や、普段使いの金属製の小鍋でも大丈夫です。

スンドゥブチゲ 材料

韓国土鍋(18cm)1食分

おぼろ豆腐……1/2丁(150〜200g)

キムチ……50g

豚こま肉(赤身)……50g

シーフードミックス……100g

玉ねぎ……1/4個

長ねぎ……1/2本

ニラ……2〜4本

おろしにんにく……小さじ1/2〜小さじ1

おろし生姜……小さじ1

韓国唐辛子……大さじ1/2〜大さじ1

ナンプラー……大さじ1

ごま油……大さじ2

だし汁……400ml

卵……1個

糸唐辛子……適宜(あれば)

ごはん……お茶碗1杯分

※おぼろ豆腐の代わりに絹ごし豆腐でも可

※韓国唐辛子がない場合はキムチを100gにしてください。

※ナンプラーの代わりに塩小さじ1、あるいは味噌大さじ1/2でもよいです。

※だし汁は、何の種類のだしを使ってもOK。いりこ入りのだしは、魚介(シーフードミックス)の味わいと相性がよいのでおすすめです。

スンドゥブチゲ 作り方

1.材料を切る・下ごしらえ

キムチと豚こま肉はひと口大に切り、ボウルに入れます。そこにおろしにんにく、おろし生姜を加えます。

全体をよく揉みこみ、5分ほど置きます。

玉ねぎは薄切りに、長ねぎは斜め切りに、ニラは5cm幅程度に切ります。

2.唐辛子油を作る

韓国唐辛子はそのままだとあまり辛くないので、ごま油と一緒に炒めて辛みを引き出していきましょう。

鍋にごま油と韓国唐辛子を入れて弱火にかけ、ごま油がぷつぷつとして赤く色づくまで温めます。

この工程で、唐辛子のカプサイシンという成分が油に溶け出し、辛みが引き出されます。

1.で下味をつけたキムチと豚こま肉を加え、弱火で4分ほど炒めます。

3.煮る

だし汁を加えます。

沸騰したら中火にして玉ねぎを加えます。

続いてシーフードミックスを加えます。

スンドゥブチゲというと生のアサリが定番ですが、冷凍や缶詰のものでも大丈夫。手に入りやすいものを使ってください。

玉ねぎとシーフードミックスに火が通るまで3~4分煮ます。

長ねぎを加えます。

ナンプラーを加えます。

ちなみにここで、ナンプラーの代わりに塩を加えればあっさりめ、味噌を加えればコクのある濃厚な味わいに仕上がります。

スプーンでおぼろ豆腐を数回に分けてすくい、鍋に加えます。

中火のまま、おぼろ豆腐のフチがクツクツと小刻みに震えるくらいまで温めます。

おぼろ豆腐が芯まで温まったら火を止めて、ニラをのせ、卵を落とします。

ニラと卵はそのまま余熱で火を通します。

仕上げに糸唐辛子をのせて完成です!

※鍋が熱いので、やけどに気をつけて運びましょう。

スンドゥブチゲ、いただきます!

まず、そのまま食べてみましょう。

魚介と豚肉と野菜のエキスが溶け出したうま味たっぷりのスープ、ふわふわのおぼろ豆腐、そして味がしっかりしみこんだ野菜!

韓国料理は、野菜由来の甘みで味に深みをつけることが多いのですが、今回はその役目を玉ねぎに担ってもらいました。

身体の芯まで温まるあつあつのスープに旨辛な風味が相まって、食べる手が止まりません!

しかし、これだけではありません。

そう、卵! 余熱で半分火の通った卵を崩してみてください。

とろりとまろやかな卵が、辛みのあるスープと具材にからんでほどよくマイルドな味わいに。

辛いのが苦手な場合は、最初から卵を崩してもいいかもしれませんね。

そして最後はスープにごはんを投入して雑炊に。

魚介や豚肉など素材のうま味がぎゅっとつまったコク旨スープがごはんにしみこんで、ついつい何杯でも食べたくなるようなおいしさです!

最後の一滴まで全部おいしくいただきましょう。

今回は豚肉とシーフードミックスで作りましたが、調味料や具材を変えれば味わいの幅は無限に広がります。

ヘルシーに仕上げたい場合はキノコや他の野菜を入れたり、ボリュームたっぷりにしたい場合は牛肉や鶏団子を入れたりするのもおすすめです。

いろいろな具材を試して自分好みのアレンジを見つけてみてください!

書いた人:江戸野陽子

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野菜と豆腐の料理家。豆腐・油揚げ・おから・豆乳などの使い方や選び方を伝えるべく日々活動中。レシピやコラム執筆のほか、料理教室も開催。倉敷在住の2児の母で、大学在学時に野菜ソムリエ、母になってから豆腐マイスターの資格を取得。著書「すごい豆腐の最高においしい食べ方」(笠倉出版社)

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