切っても切れない食事と恋愛の関係。『メシ通』では、外食やデートをテーマにした女性クリエイターによるリレー連載「21世紀のGUY食問題」がスタートします。
記念すべき第1回目は、ブロガーであり書籍の執筆や恋愛相談も行うトイアンナさんが登場。テーマは、デートの際につきまとう「食事代の支払い問題」について。
「おごりが当たり前」はバブルの遺物?
こんにちは、トイアンナです。みなさんはデートでどれくらい支払っていますか? ネットできらめくキラキラ女子を見ていると、「オトコはおごって当たり前」と口をそろえて発言しているのでバブル時代を思い起こさせます。当時流行った『ロマンスの神様』なんて今改めて歌詞を見てみると、オトコはどこにでもいるんだから~とお花畑的な金銭感覚がうかがえます。
だからといって「女性はデートでおごらないと文句を言う生き物」だと思い込んではいませんか? 私は個人的に「むしろ、ワリカンじゃないとイヤだ」という、かえって面倒なオンナ。周囲にもワリカン派はちらほらいます。そこでどれくらいの女性がワリカン派かを調べてみました。
おごられるメリットは、何より自分がタダご飯できること。そしてワリカンにするメリットは、予算が自分と相手で2倍になるので「もっと美味しいもの」を食べに行けることです。男性の財布に1万円あったとしておごられるなら1人5,000円ですが、ワリカンなら1人1万円のごほうびディナーになるのです。
女性の6割は「ワリカンで美味しいもの」
そこで「おごられてそこそこ美味しいご飯」と「ワリカンでかなり美味しいご飯」ならどっちを取るか、Twitterでアンケート調査を実施しました。
その結果は、予想を超えるものでした。
約6割女性がワリカンを選んだのです。
女性へ質問なんですが、どれが1番好き?
— トイアンナ『恋愛障害』発売中 (@10anj10) 2016年5月14日
さらに10%の女性は「自分がおごってでも、好きなお店へ行きたい」とまで発言。
男性のみなさま、“女性におごる”時代はとっくに終わっていました。これからはおごられご飯の時代です!
とはいえ約3割女性がおごりを期待しているのも事実。ここからはインタビューした、おごられ派・ワリカン派・そしておごり派、それぞれの意見をみてみましょう。
おごられたい派は「年収差」が理由
おごられたい派のひとりとして、まずお話をうかがったのはある派遣社員の女性。
私が就職活動をしたときは、就活氷河期のど真ん中。特に女性は厳しかった。正社員は無理でした。今も派遣社員だしね。年収は200万円ちょっとですよ。実家暮らしでもいざというときの貯金をしたら生活費で終わり。
切実ですね。
もう、デートしたくてもワリカンする余裕がないですね正直。男性の方がやっぱ稼いでるでしょ? そりゃねえ、おごられたいと思いますよ。そりゃ結婚したいって思いますよ。でもその前に生活ありきじゃないの。
他にもインタビューしましたが、おごられた女性は世代を問わず「年収差」を気にする傾向がありました。
おごりで嫌な経験があるワリカン派
次にワリカン派の女性にお話をうかがってみると、意外なことが。
オトコっておごらせないと傷つく人もいるから。相手次第ってところもあります。ただおごりってことは、こっちがお店決められないんですよね。変な話、彼の予算オーバーなお店を指定したらワガママ扱いをされるわけです。
そうすると、おごりたが男性とのデートではお店も選んでもらうことに?
そうそう。で、その結果とんでもないお店へ連れて行ってもらっちゃったことが何度もあって。選んでもらって文句を言うのは本当に申し訳ないんだけど、その、店内に○○○が走り回っていたりするお店とか、明らかに手を出すためのエロいムードのところとか……。そういうことがあると、おごってくれる人とのデートはちょっと。おごりだからって金額をケチられて今一歩のお店も、明らかに体を狙われるのももういらねーよ! って。
ワリカンのときはどういうお店の選び方をしてますか?
相手とエリアだけ絞って、グルメサイトのURLを送って話し合いますね。楽ですよ。予算超えてきついときも、ワリカンなら言えちゃうんで。
おごり派はグルメが多い?
最後に1割の希少種、男性におごってでも好きなお店に行きたい女性にヒアリングを……ってこれ、私のことでした。私の周囲にこういう女性が多いので共通項を探ってみると2つのタイプがいることがわかりました。
まずは「マズイお店に行くリスクを取りたくない」というグルメ女子が多数。メモ帳には好きなお店一覧を携え、1人で試すことも辞さない。長年のグルメ生活で鍛え抜かれた舌を満足させるには、相手の懐事情なんて気にしている場合じゃないというグルメ・ソルジャーです。
もうひとつのタイプが「先輩・後輩関係を男女の差より気にする」タイプ。このタイプの女子は部活の先輩や会社の上司などに優しくされてきた経験から、後輩は男女問わずおごるものと考えています。従ってあなたが年上ならおごることになりますし、逆に年下なら無条件でおごってもらえることでしょう。
おごりにとらわれず美食活動を
ここまで、おごられたい派からワリカン、ひいてはおごりたい女性までそれぞれの意見をご紹介してきました。数字からもわかる通り、7割の女性はワリカンでも全く問題なし。「デートだからおごらなきゃ」と無理して高いお店を予約する必要なんてありません。
あなたも気になる女性がいるなら気軽に「今度2人でご飯いかない?」と声をかけてみませんか。