大阪人が愛する「ハリハリ鍋」は、財布に優しく手間もいらず野菜もたっぷりとれるスグレ鍋だった【フカボリ】

『ホットペッパー』&『ホットペッパービューティー』本誌と『メシ通』の連動企画、「フカボリ! 美味なるご当地グルメ」。第16回は、大阪の名物料理「ハリハリ鍋」です。

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鍋のいい季節になってきました!

この時期、うちでよーく登場するのが「ハリハリ鍋」です。大阪の友人に教えてもらったんですが、

  • 財布にやさしい
  • 手間いらず(材料が少ない・作る手順も少ない)
  • 野菜がいっぱいとれる

という点が実に気に入ったんですよ。

 

なにせ基本、必要なものといえば……

 

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たっぷりの水菜と、

 

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しゃぶしゃぶ用の豚肉。そしておつゆの、3つだけ! 

 

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たったこれだけなんですが、飽きがこない良い鍋なんです。

 

実際に作ってみますね!

 

ハリハリ鍋の作り方

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まずおつゆなんですが、今回は3パターンご紹介。

 

1:簡単にやるなら、白だしを使うのが一番

白だしは、すごくざっくり説明すると「色の薄いめんつゆ」的なもの、というか。

カツオや昆布などのだしに塩気や甘味を加えて作られており、各社からいろいろなものが発売されています。昆布の味わいが強調されていたり、鶏だしを加えたものがあったり、個性もいろいろ。個人的にはかつお風味しっかりの「特選 料亭白だし」(七福醸造)が気に入っています。

 

色が薄い分、素材の色合いを生かすことができるんですな。「ハリハリ鍋」だと水菜の緑色が際立ちますよ!

 

もちろん、

2:めんつゆでもOK。

 

そして、

3:調味料でイチから作る場合

  • カツオと昆布のだし 1リットル
  • 酒、みりん 各大さじ2
  • 醤油 大さじ3と1/2
  • 塩 小さじ1/3

 

カツオと昆布のだしは濃いめにするのがポイントだと思います。素材が少ない分、おつゆでうまみしっかりと! 甘めが好みでしたらみりんを大さじ1足してください。

 

水菜と豚肉の分量なんですが、鍋だけにどちらも好きなだけでOK。一応の目安としては2人前で豚肉なら300g、水菜は2束ぐらい用意してください。

 

おいしく作るコツ

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何度も作ってるうち、「これはポイント」と感じたことがありました。

 

〇まずはじめに水菜を冷水に漬けておく

冬場なら水道水そのままでOK。暖房の当たらないところで、可能なら30分ぐらい漬けるといいですよ。こうすることでみずみずしく、よりシャッキリした食感が楽しめます。単純な鍋だけに、水菜の食感がかなり肝でした。

この間に、つゆづくりや食器の準備をしています。

 

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漬け終わったら、下のところ1cmぐらいを切って、5〜6cm幅に切っておきます。

 

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大阪の友人いわく、「こんもりと大皿に盛るのがハリハリ風」なのだそう。ちなみに「ハリハリ」というネーミングは水菜のシャキシャキした食感からきているそうですよ。

 

あっという間に完成

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鍋におつゆの材料をすべて入れて沸かしたら、あとは材料を入れるだけ!

この手軽さがハリハリ鍋の醍醐味(だいごみ)。水菜は本当にすぐ火が通ります、どんどん食べましょう。ちょっと七味や山椒ふって味わい変えつつ楽しんでいます。

 

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豚肉はピンク色のところがなくなるまで湯通ししてください! 念のため。

 

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豚肉ですが、個人的なおすすめはしゃぶしゃぶ用肩ロース。うま味しっかり、それでいて食べやすい部位ですねえ。あ、しっかり食べたい場合は豚バラ肉薄切りでも全然かまいません。その日安いほうで私、選んでます。

 

そしてこの鍋、肉を切らなくていいのもうれしいんだ……。水菜と豚肉だけ、買い物が楽なのもいいですよねえ。夕飯の支度が面倒なとき、「ハリハリ鍋」すばらしいよホント。

 

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その他に、エノキ、ネギ、油揚げなんかもよく入れてます。大阪のかたからは「多くても具材は3種類ぐらい。あまりいろいろ入れるとハリハリ鍋っぽくなくなる」とも聞きました。まあそこは、お好みで。

 

もともとはクジラ肉でやった鍋

「ハリハリ鍋」は、大阪京都を中心に関西で広く食べられています。もともとはクジラの尾の肉やコロ(皮)と水菜で作られていたそう。

「昔はクジラ肉が安かったからね。手頃で手軽な『ハリハリ鍋』は、冬場によくやったもんだよ。水菜は霜があたる頃からおいしくなる」

今年で75歳になる大阪の方から、こんな話を聞きました。大昔はミナミのあたりも畑があって、水菜が採れたそうですよ。

捕鯨が難しくなってしまってからは、豚肉でやる人が増えたのだとか。また「うちは鶏肉でやる」という人も結構いました。牛肉でやる、という人も。

 

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ちょっとこれは余談なんですが、私は水菜の代わりにエンダイブという野菜でも「ハリハリ鍋」を楽しみます。苦みがあって食感もしっかり、豚しゃぶとよーく合うんです。

 

ともかくも冬場にぴったりな「ハリハリ鍋」、ぜひお試しを!

 

企画・文・撮影:白央篤司

白央篤司

郷土料理がメインテーマのフードライター。雑誌『栄養と料理』『ホットペッパー』農水省広報誌などで執筆。著書に「にっぽんのおにぎり」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)など。

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