創業29年「新台北」 の台湾人店主は人情味が半端ない【下北沢】

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皆さんは、東京・下北沢を訪れたことがあるでしょうか? 演劇とサブカルチャーの街として広く知られていますが、一方でここでしかない味わい深い名店がひしめくグルメの街でもあるのです。

 

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こちらは下北沢最大の劇場・本多劇場。演劇の街代表だけあって、歴史を感じさせる雰囲気です。ここで活躍する役者さんたちの語り場があったら、ぜひお邪魔したいのですが……。試しにぐるっと周囲を見回しますか。

 

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ぐるっと。あれ?

 

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目と鼻の先に、独特のムード漂うネオンが……。

 

ここは本多劇場の正面にある台湾料理店「新台北」。聞けば、29年前の開店以来、下北沢の役者さんたちをはじめ著名人の語り場として長年愛されてきたお店だとか。一体どんなお店なのか? 早速入ってみましょう。

 

ようこそ、台湾料理の美味と神秘の舞台へ!

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「いらっしゃいませー」

 

出迎えてくれたのは、店長の羅丈裕さん。台湾中央部の都市・台中出身でお姉さんである社長夫人に呼ばれて、下北沢にやってきたとのこと。

 

――早速ですが、何品かいただいてもいいですか?

 

店長:うちに来たら、まずこの二つは食べてもらわないとねー。

 

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店長が用意してくれたのは大根餅(右・480円)、それとこれは貝……?

 

店長:半生のしじみの醤油漬け(塩蜆・730円)です。日本のしじみと違って色が黄色いでしょ? 台湾から取り寄せているんですよ。ビールによく合うんですよ。

 

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おお、コリッとした感触が小気味よい! 何杯でもお酒が進みそうです。もう一つの名物・大根餅はと……。

 

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うう、なんと柔らかな生地! モチモチした歯応えと辛味の効いたタレが最高です。と、さらに料理が。これは汁ビーフンとチャーシュー?

 

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店長:豚の腸詰(580円)ですね。冷凍ではなく新鮮な食材を使っているので、味にへんな濃さや薄さが出ず、お客さんが好きな風に調整しやすいんですよ。

 

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ああ、ラー油の効いたつけダレとの組み合わせ、た、たまらん……。ビーフン(150円)もいただきましょう。

 

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担々麺風のお肉ともやし、バジル、そして薄味のスープがあっさりしつつクセになります。ズズズーーっ。ああ、幸せ。よおし、お次は何頼もっかなー。

 

……て、いかんいかん。取材しに来たのでした。

 

――店長さん。まずは、来日当時に抱いた下北沢の印象をお聞きしてもいいでしょうか?

 

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店長:にぎやかな街だと思いましたね! それと劇場が目の前だから、役者さんや芸能人の方もいっぱい来てまして。

 

——おお、やはり! 例えば、どなたがいらっしゃっていたんですか?

 

店長:伊東四朗さんや桃井かおりさん、あと風間杜夫さとかも当時から来てくれましタ。それと元プロレスラーの藤波(辰爾)さんや高田(延彦)さんも長い付き合いで、十何年くらい足を運んできてくれてます。みなさん、すごく優しくしてくれるんですよ。

 

――大御所ばかりじゃないですか!? それならさぞかし、サインもたくさん……。

 

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——あれ? 全く飾ってないですね。

 

店長:うちは有名人・一般人と分けないようにしているんですよ。すべてのお客さんにリラックスしてほしいというのが私たちの気持ち。ここでは有名人してほしくないから、サインもらっていないんです。

 

——へえ! つまり役者さんがお芝居をしなくていい場所がこのお店、ということですか……。

 

台湾料理店主人の目に映る、下北沢という街

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——下北の人々は、台湾人であるご主人から見ていかがですか?

 

店長:ずっと住んでいて思ったのは、すごく親切な人が多いなと。台湾の街と全然違う雰囲気で、役者さんとか個性的な人が多いんですけどみなさん親切。役者さん以外にもうちのお店、昔は音楽関係の若い人やファンである学生さんでもあふれていたんです。でも、今はほとんどこないんですよ。

 

——というと?

 

店長:この上のフロアにあったライブ会場がなくなって、若いみなさんの関心が新宿渋谷にあるライブ会場と、飲み放題のあるチェーンのお店に行くようになってしまったからですね。若い人がほとんど来なくなった今、昔からの40~50代の常連さんに支えてもらっています。

 

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——他のお店もそのような状態なのでしょうか?

 

店長:目の前の本多劇場そのものは変わらないんですけど、周りのお店はどんどんなくなっていきましたね。(若い人が来なくなったことと)家賃が高いこともあって、下北のお店は入れ替わりがとにかく早い。昔からあるお店で劇場前の通りは、うち以外は2軒くらいですね。

 

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——下北沢はどんどん変わっていってしまってるんですね……。そんな中でも、ここまでやってこれた秘訣(ひけつ)はなんだったのでしょうか?

 

店長:中華料理店、ではなく台湾料理店としてやってきたからですかね。もともと同じ国だから中華料理に大きくは分類されてしまうのですが、うちは中華とは名乗らず台湾料理としてやってきたのが良かったのかもしれません。

 

——確かに、中華より珍しくて気になりますもんね。台湾料理の方が。

 

店長:見た目の差はないんですけど、台湾料理の方が日本人の方の好みに合うんですよ。またより台湾料理として差別化するために、他の中華にはないバジルなどを味付けに使ってるんです。あと、食材にもこだわってきました。例えばさっきのしじみのように、本場から取り寄せた珍しいものをそろえる。ビーフンやちまきを自家製にして、ここでしか食べられない味を用意したりといろいろ工夫してきました。こちらのナス炒め(650円)もここだけの味です、どうぞ。

 

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——おお、いただきます! うまい〜〜!

 

店長:一番こだわったのが値段です。うちの料理は、2人でいろいろ飲んで食べても2,000円前後で済むようにしてるんです。 何千円もする高いものはないから、お会計を気にせずにずっと楽しんでもらえるんです。

 

——それなら大御所だけでなく、駆け出しの役者さんやミュージシャンも安心して、仲間たちと飲んでいられますもんね……。

 

店長:例えばさっきのビーフン。創業当時から150円です!

 

——想像以上に安かった!(笑)

 

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店長:これからも変わらずにこの値段で、この味で、ずっとやっていくつもりです。商売は利益だけじゃなくてサービスの気持ちだと、日本のこの場所で学びましたから。長い付き合いの中で、お土産を持ってきてくれる友達のような関係の人たちともたくさん出会えました。だからずっと、お客さんが楽しめるお店としてやっていきたいです。

 

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お店のライトと流れてくる台湾の音楽からか、ノスタルジックな気持ちになる古き良き下北沢を色濃く残す台湾料理店「新台北」。

 

本多劇場などでお芝居を見た後、その世界の余韻に浸るために入ってもよし。財布にやさしく絶品料理の数々を台湾ビールとともに味わってもよし。

 

ぜひあなたもこの隠れ家に、足を運んでみてはいかがでしょう。サービス精神あふれる店長たちと半端ないシモキタ感が、あなたを待っています。

 

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お店情報

新台北

住所:東京都世田谷区北沢2丁目 6-5 ルイビル 1F
電話番号:03-3485-1626
営業時間:平日17:00〜翌2:00(LO 翌1:00)、土曜日・日曜日・祝日11:30~翌2:00(LO 翌1:00)、日曜営業
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

書いた人:ダイゴロ

ダイゴロ

コピーライターを営んでおります。 広告制作に携わる一方で、月刊公募ガイドにて「コピーはコーヒー牛乳飲みながら。」を連載中。人狼が、最近のマイブームです(強くはない)。

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