
こんにちは! ベトナムとアジア料理研究家のKi Yamamotoです。
今回は台湾ではおなじみの肉鬆(ろうそん)を鶏むね肉でアレンジした「鶏むね肉のでんぶ」のレシピを紹介します。
日本では魚を使ってピンク色に仕上げた桜でんぶを食べますが、肉鬆は肉で作ったでんぶのこと。肉をよく叩いてほぐすことで生まれるフワフワの食感と、甘じょっぱい味付けで、白メシやお粥にふりかけたり、パンに挟んだりと使える一品です。
肉鬆は豚肉で作られることが多いですが、今回はより身近でヘルシーな鶏むね肉を使ったアレンジレシピでご紹介します。
調理の流れとしては、茹でる→叩いてほぐす→炒める→叩いてほぐすと、鶏むね肉を何度も叩いてほぐします。麺棒やザルを使うなど少し手間も時間もかかりますが、保存も効き使い勝手もよく、本当に美味しいのでぜひ作ってみてください!
Ki Yamamotoの「鶏むね肉のでんぶ」
【材料】(作りやすい分量)
- 鶏むね肉(皮なし) 200g
- しょうが(2~3mmにスライスする) 5g
- 白いりごま 10g
- 韓国海苔(あれば) 5枚
- しょうゆ 小さじ2
- 砂糖 小さじ1
作り方
1. 鶏むね肉は、できるだけ繊維にそって5~6等分に切り分けます。
鶏むね肉を使ったレシピでは、加熱してかたくならないように繊維を断ち切ることがほとんど。ですが、今回は繊維を叩いてほぐしフワフワ感を出すので、あえて繊維を残すように切ります。

2. 小鍋に半分くらい水(分量外)を入れて沸かし、鶏むね肉、しょうがを入れ弱火で15分ほど茹でます。

3. 茹で上がったらザルにあげ流水をかけて冷まし、粗熱がとれたらキッチンペーパーなどで水気をよく拭き取ります。

4. ジッパー付きの保存袋を用意して、鶏むね肉を入れます。空気が逃げるように口をすこし開けて閉じたら、

肉叩きや綿棒、空き瓶などを使って鶏むね肉を叩き、ほぐします。

鶏むね肉はやわらかくなっているので、力は余り込めず肉叩きをそのまま落とすくらいで大丈夫です。今回は1分くらい叩いて写真のような状態になりました。

5. 鶏むね肉が全体的にほぐれたら、目の細かいザルを用意して、ザルの網目に肉を擦り付けるようにしてさらに細かくします。

左がザルで細かくしたものです。写真右、袋から取り出した状態のものと比べるとさらに細かくなっているのがわかります。こうして細かくほぐすことで、この後の炒める&叩く工程の時短につながります。

6. フライパンに油は引かずに5を入れ、弱火で10分ほど炒め水分を飛ばします。
木ベラなどを使い、こまめに混ぜながら炒めます。

10分ほど炒めて、肉の水分が飛んでパラパラしてきたら火を止めます。少し焼き色もついて香ばしさも出てきます。

7. しょうゆ、砂糖を入れて全体になじませます。
この状態だと水分が抜けてパサパサな食感です。ここからさらに叩いて細かくして、フワフワに仕上げます。

8. 小さめのボウルに7を入れたら、綿棒の先でトントンと叩き、時々すり潰すようにします。

写真左のようになるまで3分ほど叩いてほぐします。ちなみに、右が叩く前のものです。ここでしっかり叩いてほぐすことでフワッと仕上がります。食べた時の食感がまったく違います。

9. 最後に、味と食感のアクセントに白いりごま、ちぎった韓国海苔を入れ、混ぜ合わせて完成です。
韓国海苔は、あれば入れると海苔の風味がアクセントになりますよ。

フタができる清潔な容器に入れて、冷蔵庫で保存して1週間以内に食べ切ってください。
フワフワで香ばしい、贅沢な鶏むねでんぶ

鶏むね肉を切り分けるところから1時間くらいかかりましたが、ついに鶏むね肉のでんぶが完成しました!
いろいろな食べ方ができますが、台湾の肉鬆風に食べるならまずはお粥にのせるのがおすすめ。白いお粥にたっぷりの鶏むねでんぶをふりかけ、刻んだ青ねぎも添えていただきます。
鶏むね肉のうま味がギュッと詰まったでんぶの味が口いっぱいに広がり、お粥の水分を吸ってしんなりしたでんぶがまた美味しい!
砂糖としょうゆの甘じょっぱい味、炒めたことで加わった香ばしさもたまりません。朝ご飯や胃が疲れた時に食べるのにピッタリですね。

もちろん白メシにのせてもGOOD! 熱々のご飯にでんぶをドサッとのせると、ご飯の湯気にのって炒めた鶏のいい香りがフワッと漂います。
フワフワ食感で口当たりもやさしく、白メシと一緒に噛むほどに鶏のうま味が増していく感じです。アクセントに入れた白いりごまと韓国海苔の風味も白メシによく合います。

そして、パンとの組み合わせもおすすめです。台湾では肉鬆のサンドイッチはポピュラーな食べ方なんです。
ここでは、でんぶ30gにマヨネーズを15gほど入れてよく混ぜたものを、シンプルなバターロールに挟んでみました。マヨネーズとの相性がめちゃくちゃいい! 少しコンビーフ的な味わいにもなって、これはお酒とも合いそうな予感です。こちらもぜひ試してみてください。

他にも麺やサラダのトッピングにするなど、いろいろと楽しめる鶏むね肉のでんぶ。少し手間はかかりますが、本当におすすめなのでぜひ作ってみてくださいね。それではまた次の記事でお会いしましょう!
作った人:キー山本

ベトナム料理人。ベトナム屋台料理のキッチンカー「URIと台所。」の店主も務める。調理師免許を取得後、都内の高級中国料理店で修行。その後、ベトナム人の妻URIちゃんとの出会いをきっかけに二人で一緒にベトナム料理を学ぶ。家でできるアジアご飯をテーマに、アジア各国の美味しいもののレシピや調味料、食文化に関する情報などを発信中。好物は麺類全般。
- ブログ:URIと台所。
- Instagram:キー山本 ベトナム料理人(@kiyamamoto_vietnam)
- X:キー山本 ベトナム料理人(@ki_yamamoto01)
企画協力:フーディストノート

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