青鬼がにぎる?こだわりの羽釜炊飯、滋味あふれるおにぎり専門店「青おにぎり」

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どうもこんにちは、メシ通レポーターmamitaです。突然ですが、みなさんは「おにぎりの思い出」ってありますか? 運動会、遠足、部活の試合……。

 

イベントの思い出だけではなく「お母さんのおにぎりは三角じゃなくて俵型だった」「具はシャケが一番好き」「パリパリの海苔より時間が経ってしっとりした方が好み」などなど、きっと人それぞれ、おにぎりに対する想いがあるのではないでしょうか。

 

手作りおにぎり専門店「青おにぎり」

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京都市左京区、銀閣寺にほど近いエリアの住宅街にお店を構える「青おにぎり」は手作りおにぎり専門店です。なんだかレトロで味のある外観のお店。ちなみに、向かいの白川沿いにはカカシが鎮座しているので、それを目印にしましょう。

 

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軒先にはリアカーが。以前は店舗営業と並行してリアカーでの販売も行っていたそうです。現在はイベント時など、不定期でリアカー販売をしているそうです。

 

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出迎えてくれたちょっと強面の店主、青松さん。

 

青おにぎりでは、鉄の羽釜で炊いたご飯を、注文が入ってから目の前で握ってくださいます。最近は駅などでおにぎり専門店を見かけることはありますが、青おにぎりは作りおきではなく、握りたてホヤホヤをお店の中でいただけるんです。

 

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お寿司屋さんのようなカウンターのお席。

 

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こちらがメニューです。さてさて、何にしようかな……いっぱいあって迷ってしまいます。定番のしゃけ、うめ、昆布。気になるのは青鬼の爪と赤鬼の身……クリームチーズって珍しいですね。

 

「オススメは何ですか?」とうかがうと「お客さんの好みになるんですが……やっぱり定番のしゃけとかうめとか昆布がよく出ますね。あと他店ではあまりないものを食べて行かれる方も多いです」

 

うむむむ、じゃあ、ひとつは定番の「しゃけ」! もうひとつは「青鬼の爪」でお願いします!

 

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カウンター越しに注文すると、目の前で青松さんが握ってくださいます。いや〜、惚れ惚れする手さばき。

 

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はい! できました!

 

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▲青鬼の爪(ピリ辛じゃこピーマン)180円/しゃけ160円

 

おおー! おいしそう!!! せっかくなのでサイドメニューとして、おみそ汁とだし巻きも一緒に注文しました。

 

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▲みそ汁150円/だし巻き(3ヶ)150円

 

これぞ日本の食事! という良い絵ですなぁ……。

 

握りたてのおにぎりは温かくてふんわり、優しく握られています。なにより釜炊きのご飯がうまい! 日本人のハートの真ん中に突き刺さります。しゃけはフレーク状で絶妙な塩加減、「青鬼の爪」、ピリ辛じゃこピーマンは、ほどよくしんなりしたピーマンに、じゃこの風味とピリ辛の味付けがマッチしています。

 

とにかく、どちらもご飯と具のバランスが絶妙で、そのうまみをパワーアップさせるのはパリパリの香ばしい海苔!

 

なにより「目の前で握ってもらえる」というのが嬉しいですね。口だけではなく、目でも食事を楽しめます。

 

おみそ汁はほっとするお味。身体の芯からしみじみ温まります。だし巻きもふんわり滋味あふれる味わいで……むふふ、あー幸せ。

 

店内は青鬼グッズがいっぱい!

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和の風情あふれる店内は、青鬼グッズがいっぱいです。

 

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こちらは青松さんお手製の消しゴムハンコ。オリジナルメッセージ付きのおにぎりの販売も行われているんだとか。メニューの文字も消しゴムハンコで作られているそうです。

 

青松さん「お店をオープンした当初、近所の小学生3人がお小遣いの10円玉や50円玉をポケットに集めて来てくれて、寿司屋のようなカウンターに子どもたちだけがならんで、おにぎりを握ったことがありました。あれは思い出深い出来事でしたね」

 

近所の子育てママさんから、おじいちゃん&おばあちゃん、近所の小学生、遠方からの観光客の方まで、老若男女、幅広いお客さんがいらっしゃるそうです。

 

おにぎりという優しい食べ物屋さんに運命を感じて……

するいどい目つきに坊主頭という一見強面の青松さんですが……。

 

mamita「あの、失礼かもしれませんが、青松さんておにぎりに似てますよね」

青松さん「僕もそう思ってて。おにぎりに縁を感じてます」

mamita「青松さん、というのも本名ですよね?」

青松さん「はい。青松でおにぎり、青鬼というわけです」

mamita「運命的なものを感じますね」

青松さん「おにぎり屋という、自分の居場所を見つけたという感じですね」

mamita「青おにぎりの公式サイトを拝見しました。『「青おにぎり」は、みなさんの一番おいしいおにぎりの次か、次の次か、もうちょっと次でも良いので、お客様にとってココロのあるおいしいおにぎりとなれるよう精一杯やらせていただきます』とありましたが、おにぎり専門店として営業されていて、一番美味しいではなく、次か、次の次か……とはどういうことでしょうか?」 

青松さん「おにぎりはとても身近な食べ物なので、人それぞれにきっと思い出があるはずなんです。僕の場合は、昔ずっとサッカーをしていたんですが、試合の日にはいつも母親がおにぎりを握ってくれました。カバンの中で形の崩れたおにぎりに愛着があります」

mamita「なるほど、わかります。思い出と密接に関わってるんですよね、おにぎりって」

青松さん「近所の子どもがお客さんとして来てくれることが多いんですが、その子たちにとっての一番は、ウチのおにぎりじゃダメなんじゃないかなと思っています。おにぎりってお店で食べるものじゃないというか。たとえば堅くなっててもいいので、お母さんが握ってくれたおにぎりがやっぱり一番、と思っていてほしいな、という想いがあります」

 

そう語る青松さんの柔らかな眼差しが印象的でした。

青おにぎりは青松さんがおひとりで切り盛りされているお店です。仕入れや仕込みからはじまり、おにぎりは注文を受けてから一つひとつ握られています。おにぎりを握る間も別のお客さんからの注文が入ったり、電話が鳴ったり、食べ終わられたお客さんのお会計をしたり、大量の持ち帰り注文が入ったり……。

 

土日のお昼時は満席になり、入り口横のベンチで待つお客さんがいるほどの盛況ぶりだとか。特に京都という土地柄、観光シーズンにはたくさんのお客さんが来店されるそう。

 

青松さん「ひとりだと手が回らないことが多くて、長い時間お待たせしてしまったり、ゆっくりしていただけないこともあります。正直、あまりに忙しい時は僕、イライラしてしまいがちで……そういう時は強面の頑固親父系かもしれません。10人をいっぺんに抱きしめることができないというか……」

 

抱きしめる、という表現に愛を感じます。

 

青松さん「ピークの時間帯に来られた場合と、落ち着いている時間帯に来られた場合、お店の印象が全然違うと思います。そういった意味で、お客さんにご理解とご協力をいただく場面が結構あります。お客さんたち、特に地元の常連さんに支えられていますね」

 

青松さんは強面でぶっきらぼうだけど、実直で繊細で、温かいハートの持ち主という人柄が垣間見えました。

 

竹の皮で包まれたおにぎりをお持ち帰り!

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▲赤鬼の身(甘辛スルメ)180円/うめ150円/クリームチーズとおかか210円

 

青おにぎりはテイクアウトも可能。3個以上持ち帰りを注文すると、なんと竹の皮で包んでくださいます。竹の皮のおにぎり、いいですね!

なんともいい雰囲気です。

 

家族へお土産にして、1時間後くらいにみんなで頂きました。家族みんなからは「これおいしい!」「どこで買ってきたの?」と大絶賛!

少し時間が経ったことでしっとりと良い具合に味が馴染み、海苔がしっとりしていて、にぎりたてとはまた違った美味しさ。それにほんのり竹の皮の香りがして最高でした。

 

持ち帰りは予約注文することもできます。

 

おにぎりは、炊きたてのご飯と海苔と塩、それからお好きな具材を、人の手で握ったものを手に持っていただくシンプルな料理。だからこそ、握ってくれた人の想いや、食べた時のことが思い出深くなるのかもしれません。

青鬼が握るおにぎりで、心もお腹もいっぱいになりました!

 

お店情報

青おにぎり ※休業中

住所:京都京都市左京区浄土寺下南田町39-3
電話番号:075-201-3662
営業時間:11:30~夕方 (売り切れ次第終了)
注意:混雑していると電話に出られないことがございますので、ご了承ください。
定休日:月曜
公式サイト:http://www.aoonigiri.com/

 

書いた人:mamita

mamita

ひとり結婚式をした人として恋愛コラムからベンチャー企業取材までネット上に文章を書いています。ライター兼アマチュアボクサー。犬2匹+人間3人+夫と共に京都の町家シェアハウスで暮らしています。

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