「食べるご飯の量を減らすと痩せる」「毎朝バナナを食べるといいらしい」みたいなダイエットのノウハウは昔からあるし、時代によっても変わる。噂に聞いたものをとりあえず試している人も多いだろう。
ここから個人的な体重の話になるが、長年50キロ台だったのが、10年ぶりに10の位がひとつ上がりかけた。半年前のことだ。
上昇が止まる気配がないのでここらで一度引き返さねばと、ゆるく食事制限+運動を始めた。継続しているものの、5キロ減った体重の減少も、今ではすっかり停滞している。
この生活をやめたら、きっとある程度のところまでは戻ってしまうだろう。
友人・知人とも、よくダイエットについて意見交換をする。スポーツジムで指導を受けた人たちに話を聞いてみたところ、こんなことを言っていた。
Aさん:お米はいくらでも食べてもいいんですけど、小麦粉の入った麺類全般はNGなんです!
Bさん:炭水化物は一日でおにぎり一個までと、スポーツジムで指導されました!
プロから食事指導を受けているといっても、その方針によってちょっと差はあるみたいだ。そこにきて、「ダイエット目的で運動する前には、お米をしっかり食べた方がいい」という特集をテレビで見た。
みんな言っていることがバラバラじゃないか。一体どうしろと!?
こうしたふわふわした情報のうち、どれが科学的に正しいと言えるのか、しっかり知りたい。
そんなわけで、管理栄養士の圓尾和紀さんをお呼びして、巷でよく聞くダイエット方法の「答え合わせ」をお願いすることにしたのだ。
※なお、記事中のダイエット法や効果については、筆者/管理栄養士それぞれの見解です。効果には個人差があります。
圓尾和紀(まるお・かずき)さん
株式会社ふること代表。管理栄養士。“日本の伝統食の良さを活かす古くて新しい食事法”をテーマに活動している。テレビ、雑誌、ラジオなどのメディアへの出演やチャンネル登録者3万人を超えるYoutube番組「カラダヨロコブチャンネル」でも情報発信を行っている。著書に『地味だけど「ほっとする」食べ方(ワニブックス)』がある。
▼「カラダヨロコブチャンネル」
さっそく管理栄養士と答え合わせしてみた
- 今回答え合わせしたダイエット法リスト
①:お米を食べるのを我慢すれば、本当に痩せる?
──ダイエットの情報って、人によってかなり言うことが違うので翻弄されてます。例えば「お米を食べていいか/いけないか」については意見が違いすぎるんですけど……。
圓尾さん:お米などに含まれる糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)を制限すると、短期間で痩せるのは確かですが、それをずっと続けていくのはあんまり現実的ではないですよね。
──糖質を控えるのは手っ取り早い感じがしますよね。けど、そういう減らし方をしたときってリバウンドするのも早くて。
圓尾さん:それを長期で続けた場合は、健康面への影響が心配ですね。ずっと続けるとアンバランスな栄養摂取を招きやすくなりますし、疲れやすくなったりしてよくないと思います。
──なぜ、疲れやすくなるんですか?
圓尾さん:栄養のバランスが崩れると、代謝がうまく回らず、老廃物が溜まって、ホルモンがうまく分泌されなくなります。そうなると、「疲れやすい」以外にも「朝起きられない」「やる気が出ない」というような弊害が……。
──最悪じゃないですか! 疲れやすかったり、朝起きるのがつらいことに長年悩んでるので、「バランスは崩すまい」と切実に思えてきました。
圓尾さん:糖質制限もどこまでやるかですよね。いろいろ言い始めると「もう食べるものないよ」ってなりますし、過激にやるとリバウンドしてしまう方も多いと思います。
ちなみに、糖質はエネルギーに変わりやすく、着火剤になって脂肪が燃えやすくなるので、運動前に白米や果物を食べるスポーツ選手は多いんですよ。
──食べた方が燃焼がいい、ということもあるんですね!
圓尾さん:まったく食べないのはエネルギー不足になってしまうので、あんまりよくないんです。
答え合わせ①まとめ:
- 糖質制限は、まずそのやり方が続くかどうかを考えた方がいい
- 栄養が偏り過ぎると体調に影響が出て、生活そのものが悪循環に
- 糖質はエネルギーに変わりやすいため、運動前に摂取するのは良い
- それでも痩せたら、ただの栄養不足
②:小麦粉を使った食材も我慢した方がいい?
──「小麦粉が入ってる麺はすべてNG」という指導もあるようですが、これについてはどうですか?
圓尾さん:その指導では、小麦粉に含まれているタンパク質の「グルテン」を問題としてるのかもしれないですね。
──「グルテンフリーダイエット」と検索すると、「小麦を控えると痩せる」という情報がたくさんヒットしますね。
圓尾さん:元々「グルテンフリーダイエット」は、アレルギー予防や身体の不快な症状を改善するような意味の言葉です。
英語の「diet(ダイエット)」は「食事」や「食生活」という意味が由来ですが、日本語の「痩せる」という意味と混同して捉えられてしまってるのかも?
──そうなると、「痩せる」という意味でのダイエット効果があるという訳ではないんですか?
圓尾さん:グルテンを控えるメリットは「身体の不快な症状を改善するきっかけ」というところが大きいので、「痩せる」のとはあんまり繋がらないと思いますよ。
──海外ではどのぐらい普及してるんですか?
圓尾さん:欧米ではグルテンフリーはかなり普及しており、対応してもらえるお店も多いですし、多くのスーパーでグルテンフリーのパスタが売られています。
──グルテンフリーのパスタって、どういうものなんですか?
圓尾さん:とうもろこしの粉、そば粉、米粉、いろいろ混ざってるのもあります。結構もちもちしてて美味しいですよ。
──それは食べてみたいですね。
圓尾さん:いわゆる普通のスーパーだと、まだ置いてないかもしれないですけど、日本でも増えてきましたね。
──早速、探してみます!
(……そう言って輸入品を多く扱うスーパーに行ったが、やはり見つけることはできなかった。まだまだ置いているお店は少ないのかもしれない。)
答え合わせ②まとめ:
- 英語と日本語では「ダイエット」の言葉の意味が違う
- 「グルテンフリーダイエット」は痩せるためではなく体質改善を目的に
③:肉や魚なら、どれだけ食べても大丈夫?
──「肉や魚なら制限せず、いくらでも食べていい」みたいな話も聞いたことがあります。特に肉に関しては、鶏の「ささみ」や「むね肉」ばかりを食べるダイエット方法はよく耳にしますが。
圓尾さん:それだと一時的には痩せそうですけど、「そんな食事続けたくないな」って思っちゃうんですよね。
──確かに味気ないですね……。でも、むね肉は低温調理したり蒸したりすると美味しくて、よく食べています。
圓尾さん:それで満足感が得られているということなら、ダイエットにも使えそうですね。
▲むね肉を低温調理したもの。塩とこしょうで少し味付けはしているが、食べるごとに調味料を変えると飽きない
──「むね肉」のほうがヘルシーって言いますけど、「もも肉」の方が満足感ありますよね?
圓尾さん:むね肉のほうが肉の旨味は多いんですけど、もも肉のほうはジューシーなので、これは好みだと思います。
──もも肉の方が人気があるイメージです。
圓尾さん:日本人って柔らかいのが好きな人が多いですよね。ちなみに、「むね肉」「もも肉」というように分類されていて、値段が違うのって日本ぐらいのものみたいですよ。
──えっ、海外ではざっくり「鶏肉」っていうくくりなんですか!
圓尾さん:日本では好みが分かれることが多いですが、どちらも皮を取ってしまえばカロリーも脂質もあんまり変わらないですね。
──やっぱ皮かー。大好きなんですけど、皮。
圓尾さん:それなら、皮は全部取らないで少なめにするのがいいと思います。細かいことを全部気にすると、味気がなくなってしまったり、代わりにおやつで解消するようなことになってしまうので。
──我慢しすぎないほうが長く続きそうですね。肉と魚のバランスは取ったほうがいいんですか?
圓尾さん:魚は不足しやすいので、意識的に多めに食べるようにしたほうがいいですよ。
答え合わせ③まとめ:
- 満足感が得られるものを食べたほうが良い
- 細かいことばかり気にしていたら、続けにくい
- 魚を意識的に多めに食べるようにしたほうが良い
④:ブロッコリーやカリフラワーはダイエットに使える?
──ブロッコリーやカリフラワーを大量に食べる方法は、試しても続かなかったんですが……
圓尾さん:最低限の栄養が摂れて、かつ太らないのでアリですけど、季節関係なく同じ野菜を食べるのもどうなのかな、と。いろいろなものを食べた方が心の栄養にもなりますしね。
──季節ごとの旬の野菜を摂ることって、結構重要なんですか?
圓尾さん:ものにもよるんですけど、旬のものを食べた方が栄養価は高い傾向にあります。例えば、ほうれん草は季節によって結構変わってきますね。本来、寒い時期が旬の作物なので、夏よりも冬に採れたもののほうが栄養価は高いです。
──コンビニで見かける冷凍の野菜ってどうなんですか。
圓尾さん:旬の時期に採れたものを冷凍しているので、栄養価が保たれてる場合が多いですね。
──えっ、なんとなく生野菜を買ったほうがいい気がしてました。
圓尾さん:栄養価的にはそれほど違いはないと思いますけど、あとは美味しさ、食感、香りが好みかどうかという問題ですよね。
答え合わせ④まとめ:
- 旬の野菜を摂るのは重要
- 冷凍食品の野菜も栄養価は保たれている場合が多い
- やっぱりいろいろなものを食べたほうが良い
⑤:甘いものはカロリーゼロならOK?
──甘いものが欲しくなったときに、牛乳たっぷりめのコーヒーに「ラカント(人工ではなく自然の甘味料。カロリーはゼロ)」を入れて飲むようにしていました。これってどうですか?
▲そんなに頻繁に飲んでいた訳ではないが、たまに飲む
圓尾さん:「カロリーゼロで血糖値上がらないからいいや」と思っていても、甘いものは摂っている訳じゃないですか。
──ダメなんですか?
圓尾さん:そう思って頻繁に摂ってると「もっと甘いものを……」とエスカレートしがちになってしまいます。
──えっ……逆効果!
圓尾さん:「ラカントだから摂っちゃえ」という方向に行くと危ないですね。
──依存っぽい感じになってしまうんですか。人工甘味料が苦手なんですけど、ラカントは大丈夫だったので「これに頼るしか……」と思ってました。
圓尾さん:カロリーを抑えているつもりが、解決になってないですよね。砂糖の代わりにするだけならいいと思うんですが…….。
──カロリーゼロの飲み物全般に言えますよね。
圓尾さん:個人的には、人工甘味料って一切摂らないんです。コーラを飲むこともありますけど、必ず砂糖を使っている方を買います。
──じゃあ飲みたくなったときには潔く飲む、と。
圓尾さん:自分の制御できる範囲にしておくってことですよね。それができない場合は、しばらくはやめたほうがいいです。中毒性がありますから。
──「カロリーを制御できてるつもりが、実は中毒だった」とか怖すぎる……。
答え合わせ⑤まとめ:
- カロリーゼロの飲み物は安心感を持って飲むとクセになり、甘いものへの依存に繋がるのでよくない
- 制御できなくなったら、しばらくはやめたほうがいい
⑥:朝早いうちなら、何を食べても大丈夫?
──お菓子を食べるなら、時間帯は午前中のほうがいいですよね?
圓尾さん:基本的にはそうですね。午前中に食べた分のカロリーは、その後動いて消費できますから。
──昔、「インスタントラーメン食べるなら朝かな」と思ってて食べていた頃があったんですけど、正解ですか?
圓尾さん:それは正解ですね! でも、朝からラーメンってきつくないですか?
──いや、おやつもラーメンも、早い時間なら大丈夫って思って、つい食べ過ぎたりもして……。
圓尾さん:そうなってしまうとよくないですよね。
──逆に、夜は寝る何時間前までに食べたほうがいいんですか?
圓尾さん:3〜4時間前までには食事を終えておきたいですね。
──ということは、24時に寝るなら遅くても21時か。
圓尾さん:お腹の中がスッキリした状態で眠ると疲れも取れやすいし、朝の目覚めもよくなりますよ。
──遅くまで仕事をしてたり、飲み会があったりすると難しいですよね。
圓尾さん:自分でコントロールできる日だけでもいいんです。
答え合わせ⑥まとめ:
- お菓子やラーメンも、午前中に食べればリスクが少ない
- 食べてから時間を空けて寝ると、疲れの取れ具合が変わる
⑦:ビールよりハイボールやホッピーの方が太らない?
──飲みに行ったときに、最近ビールを我慢してハイボールにするようにしてるんです。それでもビールが飲みたくなったときにはホッピーを頼むようにしてます(どちらもビールよりもカロリーが低くて、低糖質)。
圓尾さん:間違ってはないんですけど、結局は量なんですよね。だから「お酒ぐらい好きなもの飲めばいいんじゃない?」って思うんですよ。
ビールでも日本酒でもワインでも焼酎でも、飲み過ぎなければまったく問題ないです。
──日本酒でも? 日本酒ってお米からできてるから、警戒してました。
圓尾さん:まず、日本酒は飲む量も少ないので、糖質が含まれていても微量ですよね。チョコレートを少し食べたら超えちゃうぐらいなので、だったら好きなお酒飲んでお菓子我慢したほうが……。
──……!!!(ビール我慢してチョコレート食べてた)
圓尾さん:我慢するところを間違えてます。
──ポイントがそこじゃないって話だったんですか!
圓尾さん:ただ、ビールは飲み過ぎやすいので、そこは注意が必要ですよね。
──暑いとうっかり飲み過ぎますね。「少しでもカロリーの高いものを我慢することの積み重ねも大切かな」と思い込んでたんです……。
答え合わせ⑦まとめ:
- 飲酒すると食べてしまう場合が多いので、酒量や種類を気にしてもあまり意味がない
- 何を我慢するべきなのかをしっかりと把握する方が良い
⑧:お酢って本当に効果があるの?
──「なんとなくよさそう」という理由で、たまにお酢を飲んでるんですが、これって何かの効果ありますか?
圓尾さん:疲労回復効果や、内臓脂肪燃焼についてはデータもあります。その実験だと、大さじ1杯のお酢を毎日飲み続けると内臓脂肪が減っていったようなので、継続が大事みたいです。
賛否両論もあるんですけど、ミツカンさんのホームページにデータもあって(ミツカン「酢の力」参照)、1~2カ月続けると変わってくるようです。
──そんな短期間で! そういうのって、本当に効いてるのか分からなくて途中で飽きてやめてしまうことが多かったです……。
圓尾さん:少なくとも、1カ月ぐらいは続けた方がいいですね。
──そういう目標があればできる気がしてきました。フルーツ味のお酢はどうですか?
圓尾さん:果実酢はものによるんです。純粋な果実酢ならいいんですけど、飲みやすくなってるものは砂糖が入ってるので、ジュースと同じ扱いになってしまいます。
──砂糖が入ってないものは飲みづらいんですか?
圓尾さん:甘さがないですからね。水で割って少しはちみつを入れて、自分で甘さを調節すれば糖分の量が分かるので、その方が安心かなと。
──寿司とか、お酢を使った料理でも摂取はできますよね?
圓尾さん:効率よく摂るのならドリンクがいいですが、ピクルスや酢漬けもいいですね。
──さっき「はちみつを入れる」という話が出ましたが、他の糖類よりもはちみつのほうがいいんですか?
圓尾さん:そうですね。メープルシロップもいいです。砂糖よりGI値(食後血糖値の上昇を示す指標)が低いため、血糖値が上がりづらいですからね。
答え合わせ⑧まとめ:
- お酢を1~2カ月飲み続けると、内臓脂肪が減るというデータがある
- 果実酢は糖分が含まれていないものを選び、自分で甘さを調整したほうがいい
- 糖類は自然に近いものの方が、血糖値は上がりづらい
⑨:オリーブオイルやココナッツオイルは、ダイエットに効く?
──「オリーブオイルを少量飲む」「ココナッツオイルがいい」みたいな、ピンポイントで「いい」と言われるものがたまに出現しますよね。
圓尾さん:オリーブオイルは、便秘が解消されてダイエットにも繋がると言われています。試したことはありますか?
──オリーブオイルは、少し試したけど効果がよく分からず長続きしなかったです。
圓尾さん:飲むんだったら「亜麻仁油」や「えごま油」など、「オメガ3」が多いもののほうが健康的にいいかなと。けど油なので、便通効果は同じです。
──ココナッツオイルについてはどうですか?
圓尾さん:僕は慎重なので、ココナッツオイルが急に登場して「健康にいい」と言われても、「本当なの?」って思っちゃうほうで。
日本人の歴史上で「これまでなに食べてきたんだろう」と考えると、日本人って独特の食生活をしてきてるんですよね。それによって遺伝子も作られてるし、腸内環境も作られている。
それをこの世代で勝手に変えていいわけないと思っていて。
──かなり変わってしまってますよね、この世代で。
圓尾さん:その変化によっていろいろな問題が起きてるんじゃないかなと。
そもそも日本人はお米主体で、肉をあんまり食べてこなかったんです。
海藻を食べてるのもほぼ日本人だけ。海外の人は海苔を消化する酵素を持っていないということも、最近になってようやく分かってきたんですよ。
──だから「日本人はココナッツオイルを受け付ける遺伝子を持っているのか?」とまず疑問を持つんですね。
圓尾さん:この島国で摂れるもので生きていけるよう、最適化されてるわけです。
──そこが警戒のポイントなら、アボカドやバナナも当てはまるのでは……。
圓尾さん:外来のフルーツを積極的に摂るのはいいと思うんですけど、それを急に生活のメインに持ってくるのはやりすぎなんじゃないかなと思うんです。
──やっぱり「やりすぎ、よくない」ってところに戻ってくるんですね。
答え合わせ⑨まとめ:
- オイルは便通を良くする効果がある
- 新しいものが入ってきたときには、自分自身の体質に合っているかをまず考えてみて、合っていれば実践しても良さそう
いいダイエット方法は「ない」が正解?
──それにしても、ダイエットの方法ってなんでこんなにいろいろな説があったり、専門家でも言ってることが違うんですか?
圓尾さん:人間の体って、分かってないことが多すぎるんです。「栄養学」というのはまだまだ発展途上の学問で、どんどん新発見が続いています。
──専門家でも分からないなら、素人は翻弄されますよね。いろいろなダイエットが流行るたびにみんな飛びついて、しばらくすると諦めるって流れがあるじゃないですか。「これをやればなにかあるかもしれない」「楽をしたい」って思って……。
圓尾さん:「なにかある」と思ってるから、流されていっちゃうんですよ。けど、初めから「ない」って前提なら……。
──最初から「ウソだろう!」と疑える。
圓尾さん:もちろん、部分的に参考になる部分はあるんですけどね。
── 一般の人が正しい情報を見極める方法ってあるんですか?
圓尾さん:信頼できる専門家を見つけるしかないと思いますね。
──けど、いったいどうやって見つければ……。
圓尾さん:栄養士だと、雑誌やウェブの記事を読んで信頼がおけそうな人を見つけて、ブログやSNSで発信している内容を追ってみたり、本を読んで共感した著者を追いかけるのも良いかと思います。
ほかにも、ちょっとハードルは上がってしまいますが、健康食品のお店に行って店員さんと仲良くなったり、栄養に関する講座に参加して情報を得るのもいいですね。
情報に翻弄されず、負担なく続くやり方で
よくよく聞いてみると、「なにを食べるにしてもバランスよく」「偏食はほどほどに」という話に繋がった。自分の場合、聞いた話の中で一番楽に続けられそうなものってなんだろう? と考えると……
「果実酢にハチミツを入れて水で割って飲む」
これなのでは。
▲リンゴ酢やワインビネガー(赤・白両方)を買い、「今日はどの味にしようか」と毎日楽しんでるどころか、朝も夜も飲んでしまう勢いになってきてる。それはそれで控えるべきなのかも……
今回いろいろ教わってきて以降、「こうするといいらしい」という噂への興味がかなり薄れてきた。矛盾はあっても、どの方法もある程度は理にかなっていて、自分に当てはまる場合も、そうでない場合もある。同時に、自分が今まで情報に翻弄されがちだったことにも気付いた。
噂を鵜呑みにしていろいろ試してみても、栄養バランスが崩れて生活に支障をきたしたら元も子もない。負担なく続く方法を取り入れ、楽しみつつ自分のやり方を見つけていくのが一番いいんだと思う。
書いた人:さくらいみか
レバ刺しが好きだったが、違法になってからはゴマ油を舐めて満足しようとしている。 塩辛いものばかりを好んでいるので、病気にならないよう気を付けて生きていきたい。 長生きをしたい。