そば湯って、もっと可能性があるんじゃないか
突然ですが、そばが好きです。
外食はもちろんのこと、自宅でも乾麺のそばを茹でてツルツルと嗜んでおります。先日も食しましたよ、おそば。
日差しの強い日だったので、さっぱりとざるそばにしてみました。
写真では控えめに盛ってますけど、がっつり200g茹でてます。
めんつゆに薬味をたっぷりぶち込んで美味しくいただきました。は~、満足。
さて、このようにそばをいっぱい茹でると必然的に出来上がるものがあります。
それは……「そば湯」!!!!
そばに含まれている植物性たんぱく質や水溶性のカリウム、ビタミンB群、でんぷん、食物繊維、ルチン……どれもとても体に良さそうなものばかりですが、水に溶けやすいため、茹でるとその栄養素が流れ出てしまうという難点があるのです。
しかし、逆に言えばそれらが溶けだしたそば湯には、こうした栄養素がたっぷり詰まっているということ。
これは飲まない手はありませんよね。ちょっとめんつゆを入れたり、顆粒出汁を入れたりするだけで、美味しいスープに早変わりしてくれます。
とはいえ、ただそば湯だけを淡々と飲み続けるには限界があります。
やっぱりここは、いろいろな料理に使うしかないでしょう。
そばを茹でたときにたっぷり出来上がったそば湯を、100円均一で買った麦茶用のポットに保存し、レシピの主役として活躍してもらうことにしました。
朝ごはんにぴったり「そば湯の卵がゆ」
【材料】(1人前)
- そば湯 200ml
- ご飯 150g
- 卵 1個
- 塩 小さじ1/2
- 小ネギや生姜などの薬味 お好みで適量
【作り方】
まずは忙しい朝にも最適な「そば湯の卵がゆ」です。
レシピはごくごくシンプル。そば湯を沸騰させ、そこにご飯と溶き卵を一緒に煮込みます。煮込む時間はお好みで。
最後に塩で味付けをしたら出来上がり。
お好みで小ネギや生姜などの薬味をトッピングしてください。
見た目は何の変哲もない卵がゆ。
そば湯の温かな色味がほんのりとついているのが、普通のおかゆと違うところでしょうか。とにもかくにもそば湯レシピ1発目。
そば湯でおかゆを作ることでどんな変化があるのか、しっかりと見極めたいところ。はたしてそのお味は……?
えっ、やだ。優しいお味!
口の中に広がっていくそばの風味と、そば湯をたっぷりと吸ったお米との相性が抜群すぎました。そば湯特有のとろみで口当たりもなめらか。これは良いものです。
胃の中をじんわり温めて落ち着かせてくれる、まったく味に尖りのないおかゆ。
前の晩に飲み過ぎた2日酔いの朝でも、するりと食べられそうです。
調べてみたら、そば湯に含まれているルチンには、アルコール分解を助けてくれる作用があるのだとか。お酒好きの方は試してみるべし!
副菜にオススメ! そば湯の湯豆腐
【材料】(1人前)
- そば湯 200ml
- 豆腐 1/2丁
- めんつゆ 大さじ3
- 小ネギ お好みで適量
- 七味唐辛子 お好みで適量
【作り方】
さて、続いてもド直球にシンプルなレシピ。「そば湯の湯豆腐」です。
豆腐半丁を耐熱容器に入れ、そこにそば湯をひたひたになるまで注いでレンジにIN! 約2分ほど温めれば出来上がり。
シンプルすぎるだろ? と、侮るなかれ。
このレンジのボタンをポチっと押す動作だけで、そば湯に浸した豆腐が驚きの副菜になってしまうのです。
別皿に小ネギと七味唐辛子を振りかけためんつゆを用意し、これに豆腐を入れて食べてみましょう。
そば湯のとろみと風味をまとった豆腐と薬味たっぷりのめんつゆのコラボレーション……端的に言って最高です。
副菜と言いましたけど、これだけで白米も食べられるレベルのうまさ。チビチビ食べれば、晩酌のアテとしても最適です。
しかし何が凄いって、こんな単純な調理法でも豆腐にしっかりとそば湯の美味しさが移っているところですよ。
そば湯のポテンシャル、おそるべし!
今冬はヘビロテ間違いなし! 「そば湯鍋」
【材料】(2~3人前)
- そば湯 800ml
- 水 400ml
- だしパック 2袋
- 鶏手羽もと 6本
- 鶏つくね 既製品1パック(10個程度)
- 大根 1/2本
- 水菜 1束
- 椎茸 4個
- 長ねぎ 1本
- 油揚げ 2枚
- しょう油 大さじ2
- 塩 小さじ1
- 薬味 お好みで
【作り方】
そば湯レシピの大トリを飾るは冬の食卓の主役・鍋です。
まずは鍋に具材がひたる程度にそば湯を入れ、長ねぎと鶏手羽もとを入れて、強火で沸騰させます。
そば湯が足りないなと感じたら、随時水を足していく形でOK。
そば湯が沸騰してきたら、だしパックと大根を入れ、アクを取りながら中火から弱火で40分ほど煮込みます。
大根が竹串を差してスっと通るくらいの柔らかさになったら、しょう油と塩で味付けします。その上に椎茸、鶏つくね、油揚げを入れて、さらに10分ほど強火で煮込みます。
最後に鍋を蓋するような形で水菜をのせて3分ほど煮込めば完成です!
見てください、このスープを。
鶏のうま味までたっぷりと煮込まれたそば湯です。
だし、しょう油、塩という最低限の味付けで仕上げたのは、このスープの美味しさを引き立たせるため。はっきり言って最高でしかないと確信しておりますが、はたしてそば湯鍋のお味は……?
はい、予告してましたけど最高でした!
何が良いって、やはりそば湯ならではのとろみとうま味が具材全体に染み入っているところですよね。胃にほっこり温かくて栄養もたっぷりで満足度も高い、秀逸なお鍋となりました。今年の冬はもうそば湯鍋で決まり。
一味唐辛子などの薬味をお好みでいろいろ試してみても楽しいですよ。
柚子胡椒で食べても味が変わって美味しかったです。
そば湯は清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存すれば2~3日は保ちます。
また、冷凍した場合は1カ月ほど保存が可能です。家でおそばを堪能した後は、美味しさと栄養を余すところなく活用してみてはいかがでしょうか。
書いた人:西たまお
大学在学中より映像ディレクターを志し、映像制作会社で宣伝を務めた後に、広告代理店に社内ライターとして勤務。2016年より独立し、フリーに。主にWEBサイトで健康や食、お笑いに関するさまざまな記事を執筆中。