
こんにちは、料理・食文化研究家の庭乃桃です。今回ご紹介するのは、マヨネーズ+チューブにんにくで作る常備菜、「鶏ささみの一本焼き」。
包丁を使わず、丸ごとの鶏ささみに調味料をもみ込んでフライパンで焼くだけ。それだけで、これまでにない新たなしっとりへといざないます!
また、好みの付け合わせ野菜を一緒に焼いてもいいですし、後添えの調味料で味変も簡単。まとめて仕込んでおけば、毎日のおかずのバリエーションが格段にアップすること間違いなしのレシピです。
それでは、さっそく作っていきましょう!
簡単なのに、しっとり! 鶏ささみの一本焼き

材料(作りやすい分量)
- 鶏ささみ……5本
【味付け用調味料(鶏ささみ5本分)】
- マヨネーズ……大さじ2と1/2
- 塩……小さじ1/5(一つまみ)
- チューブにんにく……5cm(お好みで量を増やしてもOK)
【付け合わせ用の野菜(鶏ささみ5本に対して)】
- れんこん……60g
- エリンギ……40g
※他にも、きのこは何でも合いますし、アスパラやブロッコリー、
オクラ、ズッキーニ、変わったところだと長芋などもおすすめです。
※付け合わせ用の野菜は、全て食べやすい大きさに切っておきます。
作り方① 鶏ささみに味を付ける

まずは、鶏ささみの味付けから。作りたい本数分の味付け用調味料を準備します。
あとは、食品用のポリ袋に鶏ささみと調味料を入れてもみ込むだけ。しっかり味付けしたい場合や、一緒に付け合わせ用の野菜を焼く場合は、ここで調味料を少し多めに(鶏ささみ1本分程度を余分に。※参考までに1本分は、「マヨネーズ:小さじ1と1/2、塩:少々、チューブにんにく:1cm」です)加えるようにしてみてくださいね。

ここでポイントです。鶏ささみの筋ですが、この時点では取らないでください。丸ごと焼くことで水分が流れ出にくくなり、しっとりとジューシーに焼き上げることができるんです。気になる場合は、焼いた後で食べやすく切る際に取り除いてくださいね。
袋に入れてもみ込んだら、時間がない場合は常温で最短15分~30分、時間がある場合は冷蔵庫で一晩置いて味をなじませます。
室温に置いておくのは、鶏ささみの冷たさを取って火を均一に入りやすくすることで、生焼けを防ぐため。こちらも、しっとり焼き上げるポイントとなります(一晩冷蔵庫で置いたものも、同様の理由で、焼く前に15~30分ほど常温に置いておきましょう)。
また大量に作っておけば、余った分を冷凍保存しておくこともできます(調理時は、自然解凍か電子レンジで解凍してから焼きます。保存期間は3週間ほど。ちなみに冷蔵保存の場合は、2日間ほどです)。
作り方② 鶏ささみを焼く
鶏ささみは火が通りやすく、加熱しすぎるとパサパサになってしまうので火加減に気を付けます。

まずは火をつけていない冷たいフライパンに、鶏ささみを広げ入れます。マヨネーズをもみ込んであるので、フッ素樹脂加工のフライパンなら油は不要です。そうでない場合は、鶏ささみ5本に対して大さじ1/2強の油(分量外)を引きます。

続いて、食べやすいサイズに切った付け合わせ用の野菜を、鶏ささみをもみ込んだビニール袋に入れて、残った味付け用調味料を絡めます。調味料が絡んだら、鶏ささみの横に並べます。焼きむらを防ぐため、重ならないように注意します。

火をつけたら、まずは弱めの中火で焼いていきます。鶏ささみに薄く焼き色(上の写真参照)が付いたら、ひっくり返します。

その後、弱火にし、ふたをして2分ほど蒸し焼きにします。

2分後、鶏ささみの真ん中を菜箸などで押してみて弾力があるようであればOK。最後に少しだけ火を強めて、鶏ささみから出た焼き汁を絡めたら、鶏ささみを取り出します。野菜は焼き色が足りないようであれば、ふたなしで好みの焼き色が付くまで焼きます。
焼きたて最高、冷めても味わい深い

焼き上がった鶏ささみ。マヨネーズの油分とうま味でコーティングされたことで、水分が保たれつつ、適度な味も付き、肉の臭みもきれいに消えています。
見た目にもふっくらとしており、しっとり感が十二分に引き出されて、とてもおいしそうに焼けました!
これは温かいうちにいただくのが一番のため、さっそく切ってみましょう(筋が気になる場合は、このタイミングで取り除いてくださいね)。

たまらず一切れつまみ食いしてしまいましたが、食感は最高にしっとりかつ、ふっくらとジューシー。味は、焦がしマヨネーズ&にんにくのうま味も手伝って、メインのおかずになりそうな間違いのないおいしさです!

ということで、付け合わせ用の野菜と一緒にメインのおかずとして盛り付けてみました。あぁもう、見た目の時点でもりもりいけますね。
この料理のいいところは、焼きたてはもちろんですが、冷めても深いうま味が感じられ、かみしめるほどにおいしい点。また、付け合わせ用の野菜は何でも合いますので、冷蔵庫にあるものでいろいろと試してみてください(野菜をたくさん加えたい場合は、調味料の分量を増やすだけ。味が薄い場合は、食べるときに塩を振ってもよいですし、お好みで調整してみてくださいね)。
後添え調味料でアレンジ!
このままでも十分においしい鶏ささみの一本焼きですが、お好みの後添え調味料を付けて食べることで、さらにアレンジの幅が広がっちゃうんです。

用意するのは、梅肉、わさび、コチュジャン、七味唐辛子、塩昆布、しそ風味ふりかけ、柚子胡椒、粒マスタードなど、要は何でも合うのでそのとき家にあるものでOK!

例えば、シンプルにしそ風味ふりかけをかけるだけでも、さっぱりとした酸味の後に焦がしマヨネーズとにんにくのコクが追いかけてきて、やみつきになるおいしさ。ごま油&塩昆布は、ごま油の濃厚さと焦がしマヨネーズのコクが絡み合い、後を引くうま味に昇華されます。
鶏ささみ一本焼きは冷めてもおいしいですし、こうして後添え調味料で手軽に味変ができるため、まとめて仕込んでおくとお弁当のおかずやおつまみとしても重宝しますよ!

そして和風だけでなく、洋風アレンジとも相性がいいんです。上の写真のように、食べやすいサイズにカットした鶏ささみ一本焼きと付け合わせ用の野菜に、粒マスタードとお好きな生野菜サラダを添えて、ミックスビーンズ、フライドオニオンを散らせば、パンやワインにもよく合います!
飽きずに食べられる常備菜として
仕込んでおくと、好きなときに焼いて食べられるマヨネーズ+チューブにんにくで作る「鶏ささみの一本焼き」。食べ方はこの他にも、ほぐしてあえ物に使ったり、サンドイッチやパスタなどの具材にしたりするのもおすすめです。
さっぱりからコクうままで、後添え調味料や付け合わせ用の野菜との組み合わせで、飽きることなくいただける常備菜レシピとして、皆さんもお気に入りの組み合わせで楽しんでみてくださいね。そしておいしいアレンジや新たな食べ方が見つかったら、ぜひコメント欄でお知らせください!
書いた人:庭乃桃

料理・食文化研究家、女子栄養大学 食生活指導士。「おいしい」を取り巻くさまざまな食卓の風景に目を向けながら、企業向けレシピの開発や、執筆、講演など多方面で活動中。著書『おいしく世界史』(柏書房、2017年)。


