「清野さん、最近の赤羽どうですか?」清野とおるとパリッコ、飲み語る。【東京都北区赤羽】

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東京都北区赤羽』シリーズなどで知られる清野とおる氏。

その後発表した、新機軸の作品『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』(『モーニング』連載、講談社)、『ゴハンスキー』(『週刊SPA!』連載、扶桑社)が記録的なヒットを飛ばす中、今年は、それらの連載を次々と完結させていくという、ファンにとっては少し寂しい展開もあった。

そこで、『メシ通』の常連ライターでもあり、清野氏とは長年の飲み仲間でもあるパリッコが、久々に赤羽でゆっくりと飲みつつ、つもる話を聞いてみることに。

漫画のこと、赤羽のこと、そして個人的な思い出話をあれこれ……。

 

というわけで「清野さん、最近どうですか?」

 

※この記事は取材が数回に渡っているため、過去の写真も多数登場します。時系列が少々わかりづらくなってしまっておりますが、何卒ご了承ください。

 

近況報告「肝臓のほうは今のところセーフみたいです」

最初に向かったのは赤羽東口から歩いて5分ほどにある“餃子バル”。

赤羽のディープな酒場を知り尽くし、漫画やその他メディアでも情報を発信し続けてきた清野さんと飲むならば、あえて「なるべく行ったことなさそうなお店を」と考え、変化球をチョイスした。

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清野:パリッコさん、近ごろ相当飲んでるんじゃないですかー?

 

パリ:飲んでますねー。

 

清野:大丈夫ですか? 体。

 

パリ:いろいろヤバいです。とにかくむりやりにでも休みを作らないとと思ってるんですが。

 

清野:設けてますか? 休肝日。

 

パリ:ありがたいことに、今年は2月から立て続けに、『酒の穴』『晩酌百景』『酒場っ子』と3冊の本が出たんですけど、その間の数カ月間、取材に打ち合わせにと、なんだかんだ飲み続けてたんですよね。それがやっと落ち着いてきて、先週ついに休肝日を1日……。

 

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▲乾杯直後からいきなり体調の話。割といつもそんな感じ

 

清野:理想としては、週1日はほしいところですよね。ナオさん(スズキナオ。メシ通ライターでもあり、ふたりの共通の友人)との対談本『酒の穴』、読ませてもらいましたけど、悔しいくらいに良かったですよ。僕もあの「穴」に一緒に入りたかった。

 

パリ:はは、ありがとうございます! それにしても、清野さんこそ、昔よりもだいぶ飲んでるイメージが。

 

清野:飲んでますよ。飲まずにはやってられないですよ。肝臓のほうは、まあ今のところはセーフみたいですが。

 

パリ:ならば今日も飲みますか。すいません! 「ホッピーセット」の「白」ください。

 

清野:「ホッピーセット」の「黒」ください~!

 

店員さん:少々お待ちください。

 

清野:……今、ちゃんと「白」と「黒」のセットひとつずつとして通りましたよね? パリッコさんの「白」をオレが「黒」に訂正したことになってないですよね?

 

パリ:そんな関係性の2人組はめったにいないので大丈夫だと思います(笑)。

 

清野:良かった。ちょっと心配になっちゃって。

 

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連載、全部やめちゃうんですか?

パリ:清野さんは今、いったんすべての連載を終えたところって感じですよね?

 

清野:『ウヒョッ! 東京都北区赤羽』最終話が描けていないので、『赤羽』だけは残っているという状態ですね。本当に申し訳ないんですけど、編集さんにはもう、1年間くらい待ってもらっていて。

ウヒョッ!東京都北区赤羽(1) (アクションコミックス)

ウヒョッ!東京都北区赤羽(1) (アクションコミックス)

  • 作者: 清野とおる
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2013/07/12
  • メディア: コミック

 

パリ:最終話の構想はあるんですか?

 

清野:もちろん、ありますよ。ありますけど、そう簡単に描けないんですよね、これが。

 

パリ:これはもう、赤羽からのメッセージですね。「清野君、まだ描くことあるよね?」っていう。

 

清野:(笑)もちろんネタはまだまだあるんですけどね。まあ『赤羽』の漫画の話は置いといて、今日は僕とパリッコさんにしかできない会話をしましょうよ、付き合いも長いことですし。くっくっく。

 

大阪王将」の冷凍餃子は至高

パリ:清野さんとは、赤羽の怪しいお店に飛び込むような飲み方をたくさんしてきましたが、今日はあえて、普段なら選ばないであろうタイプのお店で飲んでみるのはどうだろう? ということで、まずは「餃子バル」に来てみました。木の板にのってる餃子、斬新ですね。

 

清野:ちょっと前まで普通の居酒屋さんが入ってた覚えあるけど、いつの間にか「餃子バル」になってたとは。存じ上げませんでしたよ。

 

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▲赤羽っぽくない(気がする)盛り付け。「富士桜豚の肉汁餃子」(380円)

 

清野:(同時に頼んだ「スープ餃子」を食べながら)このスープ餃子の「スープ」が超うまいですよ。 このスープでラーメンやうどんをすすりたいくらい、うまい。きっとゴハンも合うだろうなあ。

 

パリ:「スープ」が!? あ、ほんとですね。清野さんの漫画の中で印象的な餃子エピソードといえば、やっぱり『ゴハンスキー』に出てきた「コウ君のお母さんの水餃子」ですよね。中国人の友人の家でふるまわれた水餃子が、中毒になるほどうまかったという。

 

清野:あの餃子を幼少期に体験してるんで、水餃子に関してはものすごいハードルが上がっちゃってるんですよね。子どもの頃の体験なので、今冷静に判断してどうかはわからないんですが、当時一緒に食べたうちの親も「あれは尋常じゃなかった」と言ってたので。

 

パリ:食べたくても食べられないところにロマンを感じます。

 

清野:パリッコさん、「大阪王将」の冷凍餃子食べたことあります? スーパーで売ってる。

 

パリ:いや、ないかも。

 

清野:最近あれが好きなんですよ。皮がプリンプリンのモッチモチで、ひとたび口に入れると肉汁がジュワーっと! また、値段も安くて。

 

パリ:うまそう~! さっそく今日買って帰って食べてみよう。

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▲赤羽の商店街をさっそうと歩く清野さん。風景に溶け込みすぎて、その正体に気づく人はいない

 

未来のこととか過去のこととか

清野:パリッコさんはここ数年のビジョンってあります? 「3年後どうなってたらいいな」とか。

 

パリ:もう「酒」だけですよ。好きな酒について相変わらず好きに書かせてもらって、それで喜んでくれる人が少しでもいたらいいなと。だけど、今の状態も、少しの間、偶然良い話が重なっただけですし、僕なんかよりも酒という文化に対して真剣で、知識豊富な人もたくさんいるので、簡単にキープできるとはとても。あと、酒、ドクターストップかかったら終わりだし(笑)。

 

清野:ドクターストップ……実に恐ろしい響きですね。いつか自分にもドクターからストップくらう日がくるのかと思うと、目の前にある酒がいつも以上にいとおしく思えちゃいますね。えい、飲んじゃえっ。うンめえ!!

 

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▲赤羽の街を徘徊(はいかい)する清野さん(右)とパリッコ(左) 2007年1月撮影

 

清野:それぞれに忙しくて、最近ずいぶんペースが落ちてしまいましたけど、たまにパリッコさんとサシ飲みすると、やっぱり普通じゃあありえない珍事件が一夜のうちにまとまって起きるんですよね。

 

パリ:それは完全に清野さんの磁場! 『ゴハンスキー』にも描いてもらいましたけど、僕の地元の練馬区に清野さんが来たら、隣でラーメン食ってるおじさんが普通におもらししてたりとか。あんなこと、ふだん練馬区では起きないんですよ。

 

清野:じゃあもう、お互いの相乗効果ということで(笑)。一軒目で歯車がガチッとかみ合って、うまいこと回り始めるあの感じ。「今日は何かあるな」っていう日は、何らかの、ちょっとしたサインがあるというか。あの快感、また味わいたいなあ。

 

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▲小学校の正門前に酒場がある街

 

パリ:最近どうですか? 赤羽は。

 

清野:10年くらい前とはずいぶん変わった印象がありますね。お店の入れ替わりも激しいし、僕が漫画で描いてきたような禍々(まがまが)しい刺激は薄まっちゃってるような。単純に街がどんどんきれいになっていって、比例するように変な人たちに遭遇しなくなったな、と思っていたんですよ。だけど、たまに行くお店のマスターとか、赤羽の知り合いたちに話を聞くと、いるにはいるらしいんですよね、いかにも赤羽らしい変わり者たちが(笑)。

 

パリ:清野さんが遭遇しないだけで。

 

清野:だから、僕の周波数がずれちゃったんだろうなと。数年前までは「いい加減にしろ! もういいよ!」ってくらい、日々おかしな出会いの連続で。

 

パリ:やはり、きっと最終回がなかなか描けないというのも、赤羽の意思ですよ。また周波数を合わせにくる時が必ずやってくると思います。

 

清野:それはそれで大変そうだなぁ(笑)。パリッコさんと一番よく赤羽で飲んでいた10年前くらい、それはもうかっちりと周波数が合ってましたよね。

 

パリ:いつ来てもすごいことが起きる街でした(笑)。

 

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▲駅の周りには新しいお店が増えた

 

「休んでなんかいられない!」

清野:もう15~6年前、今より何者でもなかった我々が、高円寺の路上で出会った日のこと、昨日のことのように覚えてますよ。

 

パリ:僕が共通の友達の家から駅前まで、顔の知らない清野さんを迎えに行ったんですよね。駅前にいかにも雰囲気のある男がいたんで、「清野さんですか?」って声をかけたら素っ気なく「いえ、違います」って言われて、「すみませんでした」と後ろを向いたら、その男から肩をたたかれて、満面の笑みで「ウフフ、清野ですよ」と。あの瞬間、「あ、この人には一生かなわないんだろうな」と悟りました。

 

清野:いやいや、単に若気が至っちゃってただけですよ(笑)。そんなパリッコさんが本をいっぱい出して世間をざわつかせている現状、ジャンルは違えど励みになりますね。連載が落ち着いて少し休もうかなと思ってたけど、「休んでなんかいられない!」と。

 

パリ:そう言ってもらえるのはうれしいです。押切蓮介さん(漫画家。清野さんの朋友でありライバル。代表作に『ハイスコアガール』など)の『狭い世界のアイデンティティ』を読んで、心底「ジャンルが違って良かった」と感じましたけど(笑)。押切さんと清野さんが実名で登場して、お互いの存在、作品に対する愛憎が入り混じって、殺し合い寸前の心理戦が展開されてて。

 

清野:そうですね。 押切君は敵に回すと恐ろしい男なので、適度な距離感で仲良くしてますよ(笑)。

 

あの日僕らは立派な勇者だった

ここらでお互い、酔っ払いモードが加速し、昔話に花が咲く。赤羽で出会ったあんな人、こんな人。振り返ってみると我々も、なかなかに遠いところまで来ていたようだ。

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▲赤羽の草っ原に佇む、清野さん(左)とパリッコ(右)2007年1月撮影

 

パリ:僕の記憶だとこの写真は、2007年の1月2日に、共通の友人も合わせて野郎4人で飲んだ時のもの。その時、「来年の今日も、同じ時間、同じ場所に集まって飲みましょう!」なんて、ベロベロに酔っ払いながら話したんですよね。で、「はい、じゃあその日まで二度とこの話はしないこと~」とか言ってお開きになって。

 

清野:ありましたね。で、1年後、僕とパリッコさんだけが待ち合わせ場所にポツンと立っていた(笑)。

 

パリ:赤羽に向かう途中、ドキドキでしたよ。「もしかして俺、めちゃくちゃバカなことしてる?」って(笑)。だけどあの日も楽しかったな~。確か、漫画にも出てきた、お参りしたくてもなかなかたどり着けないビルの屋上のお稲荷様に、清野さんと一緒にチャレンジしたんですよね。ドラクエのダンジョン感覚で。そしたら屋上で、なぜか勇者の盾みたいなもんが見つかったり。意味不明でおもしろかった。

 

清野:あの日の僕らは、立派な勇者でしたね。

 

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▲その時の「盾」

 

和尚さんがデタラメな念仏を……

清野:夜の赤羽を歩いていたら、「トゥトゥットゥトゥルルルットゥトゥ♥」にも出会いましたよね。

 

パリ:あったな~。あのおもしろさ、文章でどう説明したらいいのか……。

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▲漫画にしてみました

 

パリ:腰にバラをさした、全国行脚中だという和尚さんにも会いましたね。

 

清野:あれもパリッコさんと飲んでた時でしたね。そのエピソード、漫画(『東京都北区赤羽』2巻)にも描きましたけど、本当に申し訳ないのが、当時、自分の漫画にパリッコさんを巻き込むことが心苦しくて、パリッコさんとは似ても似つかない架空の友人のキャラクターとして描いてしまって。

 

パリ:いやいや、「これ、実は俺なんだ!」って、周りに自慢しましたよ(笑)。

 

清野:その後『ゴハンスキー』などに普通にパリッコさんとして登場してもらってるので、あの時もそのまま描いておけば良かったなと。それにしても愉快な和尚さんでしたね。

 

パリ:「全国を布教活動して回ってる」って言い張ってたんでしたっけ?

 

清野:そうそう。で、「なんで赤羽にいるんですか?」って聞いたら黙っちゃって、急にブツブツブツブツ念仏唱えだして。

 

パリ:都合の悪いことを聞かれたとたん(笑)。

 

清野:よく聞いたらめちゃくちゃでしたけどね、その念仏。

 

パリ:「なんみょ〜ほ〜れんげ〜きょ〜ムニャムニャ……」って、ドリフのお葬式コントのやつですよね、要するに。

 

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▲2006年1月 清野さんの『東京都北区赤羽』作中でも最大のインパクトを誇る、今はなき居酒屋「ちから」で、注文もしていないのに勝手に出てきた「餃子」

 

ワニダさんのこと

パリ:漫画に登場する、赤羽住民のみなさんは最近いかがですか?

 

清野:頻繁に連絡取り合ってるわけではないんですけど、居酒屋「ちから」のマスターも相変わらず元気ですよ。まだ僕がアパートの保証人もやってますし。あと最近、ツイッターで赤の他人のツイートをパクりまくって大炎上してたし、元気です(笑) 。

 

パリ:マスター、「パクツイ」してるんすか(笑)。そういえば初めてワニダさん(タイ料理屋「ワニダ」を経営する、赤羽の新たなるカリスマ)と出会った日も印象的だったなぁ。清野さんを見つけるなり「コラ清野~!」って言いながらお店を飛び出して追いかけてきて、清野さんも普通に走って逃げてて、「あぁ、赤羽だなぁ……」としみじみ。

 

清野:そんなことありましたっけ? なんで追いかけて来たんだろう?

 

パリ:いや、ただ清野さんにお店に来てほしかっただけだったかと。そのあと、「ワニダ」で一杯やりましたから。

 

清野:そうでしたか(笑)。

 

パリ:ワニダさんといえば、僕が偶然見た、赤羽とはまったく関係ないとある1枚の写真に、そっくりな人が写り込んでいたことがあって。

 

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▲これがその写真

 

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▲ワニダさんに……似すぎている……

 

パリ:これ、僕の仕事関係の知り合いの、ワニダさんとは絶対になんの関係もないグループの、お花見の記念写真なんですよ。場所も赤羽でもないし。だから、さすがに他人の空似だろうと思って、すぐに清野さんにLINEしたんですよね。そしたら……。

 

清野:これはもはや、ワニダさん以外の何者でもないでしょう(笑)。

 

パリ:誰かのお子さんまでだっこしちゃって、すさまじいなじみっぷりですよね。きっとあの勢いで意気投合したんだろうなぁ。

 

ペイティさんのこと

清野:結局、パリッコさんも根底でつながってるんですよ。赤羽と。

 

パリ:そういう意味では、似た感覚を持った友人たちはみんな、一度は街でペイティさん(清野さんが孤高の天才アーティストとして尊敬する女性ホームレス。近年、街での目撃情報はない)と出会ってますよね。押切さんなんか、赤羽とは程遠い高円寺の自宅前にペイティさんがいたっていうし(笑)。

 

清野:そうそう。ナオさんもそう言ってませんでしたっけ?

 

パリ:そうだ! 何度か赤羽以外の場所でペイティさんを見たそうなんですが、一番すごいのが、当時住んでいた要町の家で、朝起きて窓を開けたら、目の前をペイティさんが歩いていたらしくて。

 

清野:どうなってるんですかね、その確率(笑)。

 

パリ:その時、雨が降っていて、ペイティさん、傘もささずに歩いてたそうで、とっさに自分の傘を持って追いかけていって、「これ、良かったらどうぞ」って差し出したら、「なんと心の美しい方。ありがとうござます、ありがとうございます」みたいに感謝されたって言ってました。あの人も相当ですよ(笑)。 僕は残念なことに、赤羽近辺でしかペイティさんにお会いしたことがないんですが、昔は赤羽に来ると必ずどこかにいる、街の一部のような人でしたよね。ずいぶん前、飲みすぎて清野さんの家に泊めてもらって、翌朝、まだヒマだったんで、ふたりで十条の方までふらふら散歩してる時に会った時が、特に印象深くて。

 

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▲その時のパリッコとペイティさん

 

清野:そうだ! オリジナルのカセットテープを100円で売ってもらいましたね。

 

パリ:インデックスに赤い液体のようなもので文字が書いてあって、「ペイティさん……これ、何で書いたんですか……?」って(笑)。

 

清野:ペイティさんから譲り受けたグッズを見返すと、ちょいちょい付いてるんですよね。いわゆる「血」に似たものが。あの時のペイティさん、良かったな~。本当にいい時代でした。

 

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▲2軒目に入った、これまた変化球の「熟成肉&有機野菜」が売りのワインバーにて、あらためての乾杯。ボトルの値段があまりに安いと、すかさずスマホでネットの小売価格をリサーチするなど、清野さんはどこまでも清野さんだ

 

いいお店の基準は「気がねなく本を読めるかどうか」

おっと、ずいぶんと文章を重ねてしまったけれど、あやうくこのサイトが『メシ通』だということを忘れてしまうところだった。
最後は、最近の清野さんがどんなお店で飲んでいるかを聞いてみよう。

 

パリ:やばい、清野さん、この記事が載るの、『メシ通』という“グルメ情報サイト”なんでした……。何か清野さんならではの飲食に関するお話を聞いておかなくては……。ちなみに、最近赤羽で飲んでるのってどんなお店ですか?

 

清野:自分にとって、ちょうどいいお店ってのがあるんですよね。まずいのはもっての他ですけど、おいしいから通うってわけでもない。強いて言えば「居心地の良さ」重視というか。

 

パリ:説明できないですよね。波長が合うかどうかみたいな。

 

清野:そうなんです。「最近やたらひとりで来てるな」ってお店、赤羽にもいくつかあるんですけど、どこも店主の距離感が絶妙なんですよね。顔は覚えてくれているんですけど、必要以上に話しかけてこない。他の常連さんの温度もちょうど良くて、うるさすぎず静かすぎず。あと、気兼ねなく本を読めるのもポイント高しですね。お店によっては気軽に本を出せない雰囲気のところも多いですから。

 

パリ:清野さんの漫画に出てくるようなお店とは正反対の(笑)。

 

清野:たまーーーに行くぶんにはいいんですけどね(笑)。読みかけの本がたまってきたので、酒飲みながらゆっくり本を読みたいんですよ。本を。

 

パリ:世の中には、一瞬でも早く常連認定されて、店主と仲良さげにしゃべりたいってタイプの人もいますが。

 

清野:そういう人たちは、居場所を求めてるんですよね。前に入ったお店で「ここの〇〇がうめぇんだよ~」って話しかけてきた常連風のオヤジさんがいたんですけど、聞いたら、お店自体まだオープンから3日目だったってこともありましたし。

 

パリ:スピーディーだな~(笑)。 よし、これで一応、グルメ情報もカバーできたはずです。

清野さん、ありがとうございました! 今後の活動、楽しみにしています!

 

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▲2007年6月、「ちから」で、注文もしていないのに勝手に出てきた「サラダ」

 

今回おじゃましたお店

餃子バル RENBOW 赤羽一番街店

住所:東京都北区赤羽1-21-1 伊藤ビル
電話番号:050-5287-0367
営業時間:月曜日~土曜日・祝前日 17:00~翌0:30 (LO 翌0:30)、日曜日・祝日 17:00~23:00 (LO 23:00)
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

熟成肉&有機野菜の店 iQu'rico (ケリコ)

住所:東京都北区赤羽1-2-8 1F
電話番号:050-5257-2748
営業時間:月曜日〜金曜日18:00~23:00、土曜日12:00〜23:00、日曜日・祝日12:00〜22:00
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

書いた人:パリッコ

パリッコ

DJ/トラックメイカー/漫画家/居酒屋ライター/他。FUNKY DANCE MUSIC LABEL「LBT」代表。酒好きが高じ、雑誌、Webなどの媒体で居酒屋に関する記事を多数執筆中。

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