こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ、今回は日常メシ。
すっかり暑くなってきました。
夏はカレーの季節なんて言いますが、暑い日に長時間の煮込みはやりたくないですよね。
インド料理では肉をヨーグルトやスパイスでマリネしておいてから使うことがよくあるのですが、だったらもう全部混ぜて漬けたのを炒めたらカレー的なものができないか、と試してみたら、思いのほか美味しくできたのでご紹介します。
食べるラー油に入っているフライドオニオンとフライドガーリックの香ばしさで長時間の炒め工程いらず、トマトペーストの濃縮感で長い煮込みも不要です。ニンニク生姜もチューブでOK。
ヨーグルトや玉ねぎとマリネすることで肉に味も染み、大きめカットでも煮込まなくても鶏肉がふんわりやわらかく仕上がります。
漬け込み時間は3時間は欲しいですが、朝仕込めばランチに間に合います。加熱調理は8分ほど炒めるだけで、汁気少なめセミドライなカレーが出来上がります。
スパイスは手軽さ優先で市販のカレー粉のみのレシピにしました。
最後にさらに香り高くするひと手間も書いていますのでそちらもご覧ください。
ツジメシの「混ぜておいたら炒めるだけカレー」
材料(1人分)
仕込み用
- 玉ねぎ 中1/6個( 50g)
- 鶏もも肉 120g
<A>
- おろしニンニク 小さじ1
- おろし生姜 小さじ1
- 食べるラー油 小さじ1
- カレー粉 小さじ1
- トマトペースト 小さじ2
- プレーンヨーグルト 大さじ2
- 塩 小さじ1/3 (2g)
仕上げ用
- サラダ油 小さじ1
- 玉ねぎ 中1/6個( 50g)
- 水 大さじ2
作り方(仕込み)
玉ねぎをみじん切りにします。
マリネ時に玉ねぎの成分で肉をやわらかくなる効果を期待するのと、カレーソースの一部になるので細かく切った方がいいのですが、めんどうなら、下の図のように縦方向は大雑把に、繊維を切る方向だけ細かくしておきましょう。
ちなみに今回に限らず、僕はカレーの玉ねぎの切り方はいつもこんな感じです。この切り方を知ってから、僕はカレー作りのハードルがかなり下がりました。
鶏もも肉は3-4cm角に切ります。
袋かボウルにAの材料、刻んだ玉ねぎを入れてよく混ぜ、鶏肉を入れてさらに混ぜます。
上の写真では全部入れてますが、Aと玉ねぎだけをよく混ぜてから鶏肉を加えて軽く混ぜた方が肉の形が崩れないのでいいと思います。
袋なら空気を抜いて口を閉じ、ボウルなら蓋かラップをします。この状態で3時間ほど冷蔵庫に入れておきます。時間があれば半日でもまる1日でも大丈夫。時間が長いほうがより肉に味が染みやわらかい仕上がりになります。
仕上げ
さて食べる前の調理です。
フライパン(1人分なら24cm程度がやりやすいです)を中火にかけて油を引き、
油が温まったら袋(ボウル)の中身を全て入れて広げて、あまり触らず中火のまま4分ほど焼きます。
この間に玉ねぎを繊維にそって縦方向、幅7-8mmのくし切りにしておきましょう。(もちろん事前に切っておいても)
フライパンに当たるふちの部分と肉の下面に香ばしく焼き色がついたら、
具用の玉ねぎ、水を加え、玉ねぎがしんなりするまで、さらに4分ほど(合計8分が目安)今度は混ぜながら炒め合わせます。(途中焦げそうなら火を弱く調整してください。)
玉ねぎがしんなりしたら、肉に火が通っていることを確認して(大きめの肉を押してみてしっかり弾力があればOK。不安なら切って白くなっているか確認しましょう)
ご飯と盛り付けて完成です。
ヨーグルトとトマト、食べるラー油でしっかりコクと旨味があり、わかりやすい美味しさです。マリネすることでやわらかく仕上がった鶏肉と、歯応えの残る具の玉ねぎのコントラストもいい感じ。
火をつけている時間が10分程度というのは暑い日や忙しい時にはありがたいです。
スパイスちょい足しでさらに香り高く
上のレシピは手軽さ優先ですが、こんなアレンジでさらに風味がよくなりますよ。
鶏肉を焼く前に、油を引いたフライパンに、クミンシード3-4つまみを入れて中火で熱し、クミンシードが膨らんで軽く泡が出るくらいまで加熱して香りを出します。
あとは上のレシピ同様に作るだけ。いわゆるカレーの中心的香りのクミンが単体で加わることで、一気に「いつものカレー粉の味」から抜け出します。
さらに具の玉ねぎを加えるあたりでガラムマサラをひと振りすると、肉カレーらしい重層的な香りになります。
「混ぜておいたら炒めるだけカレー」、この夏にぜひお試しを。
作った人:ツジメシ
本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。
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