
こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ、今回は日常メシ。
野菜の皮や硬かったりで食べにくい部分、出し殻など、自炊していると廃棄する食材けっこう出ますよね。そんな食材も、浅漬けやキンピラやふりかけなど、使い方によって美味しく食べられますが、たまにはこんな食べ方はいかがでしょう。
新たに用意する食材は、玉ねぎ、ニンニク、生姜、少しのひき肉くらい。
使うのは、大根や人参、蕪、生姜などの皮、キャベツの芯、ブロッコリーの茎(葉の茎も)、長ネギの青いところ、パセリの軸、セロリの葉など。昆布や煮干しや鰹節などの出し殻も。
そのままだとちょっと硬かったりするところも、細かく刻んでカレー味でさっと炒め煮にすればじゅうぶん美味しく食べられます。ストックしておいて、たまったころに作れば、これで1食になって得した気分です。
よく自炊の悩みに「食材を無駄にして凹む」という声を聞くのですが、これを作ると、皮や出し殻まで使い切ったぞー!と、ポジティブになれて気分もいいですよ。
以上、「野菜の皮や出し殻を刻んでカレーにしたら無駄にならずに美味しいよ」というご提案でした。あとはお好みで作っていただいていいのですが、以下はその一例としてのレシピです。

ツジメシの「皮と出し殻のキーマカレー」
材料(約2食分)
- 野菜の皮など 合わせて100-120g
- 昆布、煮干し、鰹節などの出し殻 合わせて50-60g
- サラダ油 大さじ1
- クミン シード(あれば) 小さじ1/2
- 玉ねぎ 中1/2個
- ニンニク 1かけ
- 生姜 ニンニクと同量(生姜の皮を使う場合はなくてもOK)
- トマトペースト 大さじ1
- カレー粉 小さじ2
- 鶏ももひき肉 100g
- ナンプラー 小さじ2
- 水 200ml
- 塩 適量
- ご飯 適量
- 玉子 1個
作り方

今回の材料は、野菜は長ネギの青いところ、大根の皮、ブロッコリーの葉っぱの茎。
出し殻は昆布、煮干し、鰹節を使いました。
長ネギの青いところ、大根の皮は7-8mm角に、ブロッコリーの葉の茎は2-3mmの小口切りに。
出し殻の昆布は7-8mm角、煮干しは頭とはらわた、大きいものは背骨も取って2-3mmの小口切りに。鰹節は薄いものはそのまま、厚削りならざくざく刻んでおきます。
硬さが気になりそうなものは細かめに、繊維の強いものはそれを断ち切るように薄めに切ればだいたいOKです。
玉ねぎは幅5mm長さ2-3cm程度(または粗みじん)に切り、ニンニクと生姜はおろすかみじん切りにしておきます。

フライパン(24cm程度)に油を引きクミンシードを入れて中火にかけ、ふつふつと泡が出てきたら玉ねぎを加え、

ひと混ぜしたら、あまり触らず焼き色をつけてから軽く混ぜるのを2-3回繰り返します。(5分程度、ここで玉ねぎの香ばしさと甘みを出します)

玉ねぎの香ばしい香りがしてきたらそのほかの野菜を加え、

さらに1–2分炒め、

出し殻とひき肉、ニンニク生姜も加えてさらに炒めます。

肉の色が変わってきたら、トマトペースト、カレー粉を入れ、

さらに1分ほど炒め、

水とナンプラーを加えて、煮たったら火を弱め、

10分ほど汁気がほぼなくなるまで煮て、味をみて足りなければ塩で調整します。
煮ている間に半熟の目玉焼きも作っておきます。

器にご飯をよそい、カレーを盛り、目玉焼きを乗せたら出来上がりです。
卵黄をくずして混ぜながらどうぞ。
野菜と出し殻のいろいろな食感と味の組み合わせが、カレー粉の香りとナンプラーの旨味、半熟の玉子のまったり感でまとまり、うっかり捨てるところだった材料がちゃんと美味しく食べられます。
クミンシードは、なければないでも大丈夫。でもあると香りも違いますし、ホールのスパイスのプチプチした食感も加わって楽しいです。
レシピは2食分で書いています。もし残れば翌日これをパンに乗せてチーズを散らして焼いても美味しいです。冷凍も効きますよ。
こんな使い方を知っていれば、今後は煮物の大根の皮も遠慮せずに厚めに剥けます。野菜の皮は1週間程度なら冷蔵庫(野菜室)に、それ以上になりそうなら冷凍庫に。
出し殻は保存袋に入れて最初から冷凍庫でストックしておきましょう。
ものは試し、一度お試しください。
作った人:ツジメシ

本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。
- ブログ:ツジメシ。プロダクトデザイナー、ときどき料理人
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