
皆さん、パンはお好きでしょうか?
ディップを乗せたり、オリーブオイルを垂らしたり……。パンってお酒のパートナーとしても、意外と大活躍してくれちゃうんですよ。
無類の酒好きである私にとって、パン選びの基準はそこ。お酒と相性バツグンのパンはどんなものなのか、常日頃から考えあぐねているわけです。

そんな私が理想のパンを求めて行き着いた場所は……。東京の話題のスポットである吉祥寺。南口からほど近くにあるオシャレな外観の「ブーランジェリー・ビストロ・EPEE(エペ)」。2013年にオープンしたこちらのお店は、パン屋さんでありビストロでもあるんです! ということは、ビストロで出されているパン=お酒にバッチリ合うパンを売っているお店ってことですよ。これは期待できる!
今夜はここのパンで晩酌だ~!!

店頭にはたくさんのパンが並んでいました。パン好きからすると、とても幸せな情景ですね。ふわーっと香るパンの匂いに思わず頬が緩みます。

食欲そそる食事系のパンはもちろん……、

あんぱんやアップルパイなど、スイーツ系も充実。

「EPEE」が最も得意としている、外はカリカリ、中はもちっとした焼き上がりのハード系のパンもドドーンと鎮座。
嗚呼、ここはパン天国や!!
あまりに興奮しすぎて立ちくらみしてきた……。

この中で、お酒に合うのは一体どれだろう……。ブーランジェリーの店頭を見ながらパンのチョイスに悩んでいた私に助け船が。
シェフの神林慎悟さんです。
神林「今夜の晩酌用のパンですか? うちのパンはどれでも合うと思いますよ。僕自身がお酒好きなので、そういうパンを作りがちなんです」
おおう……。それならさらに迷ってしまう……。では、お酒の種類ごとに相性バツグンのパンを選んでいただくことは?
神林「もちろんできますよ! いくつかお持ちするので少々お待ちください」
なんと、シェフ自ら選んでくださることに。ありがたい!

「まずは、赤ワインに合わせて『エス・ド・ノアール』はいかがでしょう?」
ブルーチーズとハチミツとくるみを乗せて焼いた、エス・ド・ノアール(360円)。こういうピザ、オシャレなレストランで見たことある。
間違いなく美味しいやつ!

具材だけでも十分オツマミになりそうですが、このパンの生地がまたいい。
ライ麦のパンなのでけっこうクセが強いのですが、ブルーチーズと絶妙なコラボしてますよ。うわーエンドレスで飲み続けていられる!
神林「なんといってもブルーチーズですからね。フルボディの赤ワインなんかピッタリだと思います。深い味わいがぶつかり合うので満足度も高いかと」

「続いては白ワインで……。『アボカドベーコン』です」
名前の通りアボカドとベーコンをバケットで包んで焼いたアボカドベーコン(310円)。この組み合わせは居酒屋メニューで鉄板ですけど、パンにするなんて珍しい!

アボカドって、焼くとなんでこんなに美味しいのかしら。ネットリした舌触りに塩気の強いベーコンがベストマッチ。バケットのモチモチ感と合わさると食感がまたたまらないです。白ワインがぐいぐい進む~。
神林「ベーコンの塩気を強めにすることで増したアボカドのコクを、キリッと爽やかな白ワインがさらに引き立ててくれます」

神林「晩酌といえば、なんといってもビールですよね? だったら『アンチョビオリーブ』がオススメです」
オリーブがごろんごろん入ったアンチョビオリーブ(310円)。アンチョビはオリーブの中にぎっしり詰まっています。

かなり塩気の強いアンチョビオリーブを緩和してくれるのが、優しい味のバケット。おかげで大量のオリーブがまったくクドく感じず、ペロリとたいらげられちゃいます。これをビールで流し込む至福感といったら!
神林「普通のビールはもちろんですが、ちょっとクセのあるクラフトビールなんかとも相性がいいですね」

神林「シードルに合わせるなら『大葉とパンチェッタ』を」
薬味としてお馴染みの大葉と、塩漬けした豚バラ肉・パンチェッタを組み合わせた大葉とパンチェッタ(310円)。パンチェッタは添加物をいっさい使っていない自然なお味です。

パンチェッタって塩味が濃いイメージなんですけど、大葉があっさり感を出しているせいかあまり気になりません。その上、バケットのほんのりした甘みも際だって、複雑な味わいが楽しめます。シードルでオードブル的に楽しめるのもいいですね!
神林「シードルと豚肉ってもともと相性いいんです。りんごの甘さがでしゃばりすぎないし、パンチェッタも大葉やバケットに守られて主張しすぎないのでさらに美味しく感じられるかも」

神林「スパークリングワインなら『ベーコンオリーブ』と『リュスティック・オ・ブール』は肴として最高!」
自家製ベーコンを使ったベーコンオリーブ(310円)、シンプルな塩味のリュスティック・オ・ブール(190円)の2種類をチョイスしてもらいました。

ベーコンオリーブで使っているオリーブはハラペーニョ入りのもの。ピリッとした辛さとスパークリングワインとのマッチングは奇跡的。
神林「ベーコンは自家製です。市販のものに比べるとだいぶまろやかな味わいなぶん、オリーブのパンチ力とバケットのカリッとした食感でバランスをとっています」

リュスティック・オ・ブールは、クロワッサン生地に有塩バターを入れて塩を乗せて焼き上げたごくシンプルなパン。ですが、なぜこんなに美味しいの?
なんでこんなにお酒に合う? 恐るべきポテンシャルです!
神林「バターと塩という別ジャンルのしょっぱさで、具がなくてもまったく飽きさせない味になっています。スパークリングワインの甘みでさらに味が複雑化するのがポイントです」

神林「うちのパンは日本酒にも合っちゃいますよ! 『スモークチキンとレンコンのエピ』と『はちみつチーズサーモン』は肴として最高」
こちらも、しょうゆベースのスモークチキンとレンコンのエピ(310円)、はちみつチーズサーモン(260円)の2種を。日本酒とパンを合わせるなんて意外ですが……。

スモークチキンとレンコンのエピは全体的に和テイスト。まぶされたゴマもいい味出してるし、シャキシャキのレンコンも美味しい。フランスパン生地で作られたパンが和食になっちゃうなんて!
神林「僕は常々、しょうゆ味のパンって少ないと思っていたんですけど。作ってみたら意外なほどフランスパン生地に合ったんですよね。おそらくビールとの相性もいいはずですけど、やっぱり和の心ってことで日本酒で食べてもらいたい」

はちみつチーズサーモンは、エス・ド・ノアールと同様に間違いない美味しさ。スモークサーモンがはちみつとチーズでここまで深みが増すとは!
これを敢えて日本酒で食べるのは斬新かもしれません。
神林「まあ、サーモンって鮭ですからね。日本酒に合わないわけがない。さらにはちみつとチーズっていう変化球がキリッと辛口の日本酒と美味いこと合うんですよ」

神林さんは、もともとは別のブーランジェリーでオーナーシェフをしていたそう。ハード系のパンを食事やお酒に合わせる提案をし続けていたそうですが、物販だけの店舗では限界を感じたと言います。
神林「パンと料理を一緒に出せるお店なら、それが可能じゃないかと思って『EPEE』を始めたんです。ビストロの方でパンに合う料理を出す一方で、逆に料理からインスピレーションを得て新しいパンを作ることも多いです」

ちなみに、今回オススメしてもらったパンたちですが……。この日、取材でたっぷり堪能したにも関わらず、その晩にも自宅でたっぷり味わわせていただきました。個人的に一番好きなのは、スモークチキンとレンコンのエピ。ええ、このエピ一個で秘蔵の獺祭を空にしちゃいましたからね。
ひとつ300円程度でパンでそこまで飲めるコスパの良さに驚愕しつつ……。飲み過ぎたことについては反省です。
お店情報
ブーランジェリー・ビストロ・EPEE(エペ)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-10-4 1階
電話番号:0422-72-1030
営業時間:BOULANGERIE 8:00~18:30(BISTRO lunch 10:30~15:00)、BISTRO Dinner 17:30~23:00
定休日:無休
※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。
書いた人:もちづき千代子

人生が常に大殺界な人妻ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を始める。人生のテーマは「酒と涙と男と女」。
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