
北千住に楽しい場所を見つけました!
その名も「びあマ」。クラフトビールの専門店で、北千住駅から徒歩1~2分の好立地にあります。看板にあるとおり、スタンドバーとボトルショップの融合店。
つまり、
- サクッとそこで飲むもよし
- 日本そして世界のさまざまなビールをじっくり選んで買うもよし
そんなお店です。
クラフトビール、最近ではコンビニでもよく見かけますよね。小規模の醸造所(=ブルワリー)で造られるこれらのビールは、造り手の「こんなビールが飲みたいんだ!」という思いが満ちています。
まさに“手づくり感”たっぷりの味わい。飲み比べると、個性の違いが如実に感じられますよ。

北千住に暮らす友人が「酒好きなら『びあマ』、行って損はないよ!」と教えてくれたんですが、いやーホント、友人に感謝。
単に「いろんなクラフトビールが飲める」という楽しさだけじゃなくてですね……いや、ともかくまずは、入ってみましょう。
店内在庫ナント1500種類!

手前がスタンドバーで、常時10種類のタップが楽しめます(日によって銘柄の変更等あり)。そして奧がショップ。こういう融合体、なかなかありません。

ケースで冷蔵された各国のビール、約1500種類! 「せっかくだから未知のビールを試してみたい」と思いつつ、もう迷うこと必至(笑)。
こういうときは、店員さんに相談だ!

びあマ ボトルショップ 店長、石田哲也さん。
お客さんの好みをうまく聞き取り、その人が好きそうなビールを提案してくれます。ワインでいえばソムリエのようなその仕事ぶり。私もはじめてうかがって、石田さんに好みのビールと引き合わせてもらいました。
おすすめを尋ねる場合、以下の2つのことを伝えるとスムーズにいきますよ。
- 日頃、好きで飲んでるビール
- 今まで飲んだことのあるクラフトビールで好きだったもの
もちろん、どちらかでもOK。銘柄が特になければ「軽くて飲みやすいのが好き」「飲みごたえのあるのが好き」など、ざっくりでも構いません。

私の場合、デイリーのお気に入りはエビスビール。
クラフトビールで今まで飲んだことのあるものだと、大阪・箕面ビールのペールエール(写真上の一番右)が好みド真ん中だったので、石田さんにそう伝えてみました。
今まで飲んだもので印象的だったビールがあれば、どんどん伝えてください。最近ではスーパーなどでもヒューガルデンや、COEDOビールなどが売られて、クラフトビール経験のある人が増えていますね。好きだったものがあれば「それに似たものがいい」「アルコール低めで飲みやすいビールがいい」「〇〇を飲んだことがあるんだけど、もっとしっかりしたタイプを飲んでみたい」など、なんでもいいんです。好みに寄ったものを見つけますよ。(石田さん)

先の私のコメントを受けて、石田さんが選んでくれたのがこちら。
シエラ・ネバダ ペールエール(540円)。
アメリカ・カリフォルニア州の醸造所が造るビールで、ペールエール好きなら絶対に試してほしい1本です。パイナップルを思わせるような香りがあって、苦味もほどよい。アメリカのペールエールは華やかさがあり、味のバランスがいいんです。(石田さん)
うーん……すぐにでも飲みたいぞ!
※ペールエール
飲みやすい味わいで華やかな香りがあり、コク深い。ホップによってさまざまにそのニュアンスが変わる。イギリスのものは落ち着いて紅茶香があり、アメリカのものはフルーティで柑橘系の香りがあるものが多い。
常設のBARでスグ飲める!

というわけで、BARスペースへ移動。

「1本分の代金プラス200円」で、店内で飲めます。

では先ほど石田さんに選んでもらった1本、シエラ・ネバダ ペールエール、いただきます!
おー……なんともフルーティーでコクがある。でも、重すぎない。飲みやすいなあ。この飲みやすさが「味のバランスがいい」ってことなんでしょうね。
まず香り、次に色、そして味

さてこちらは、びあマBAR 店長の古澤隆也さん。

時間を見つけては、機材類の洗浄や掃除に余念がありません。
ビールが通るホースなどの洗浄は、うちの生命線なんですよ。これを怠ると、すぐに味わいに影響が出ます。クラフトビールはまず香りを楽しみ、色を楽しみ、そして味の順で楽しむもの。せっかくおいしく造られたビールなんですから、しっかりとお客さんにその味を伝えたいですね。(古澤さん)

取材時は平日の15時ぐらいでしたが、ビールを楽しむお客さんが途切れることはありませんでした。評判を聞きつけ、都心や他県から来た人も。女性のお客さんも多くて、クラフトビールの浸透ぶりを感じました。

右側の男性、なんとビアレストランで勤務しているそう。
「勉強のために来てみました。まあ、単にビールが好きなんですけど(笑)」とのこと。石田さんと、きょうの生ビールについてあれこれ談義中。
質問すれば、クラフトビールの基礎知識や各ブルワリーの情報、そして各国クラフトビールの特徴なども石田さんは説明してくれます。
その“汲(く)めども尽きせぬ”といった語りっぷりにも、私は酔いました。初心者には初心者向けにやさしく、わかりやすく。クラフトビール好きには、それ相応に。
店内には年季の入ったクラフトビール好きと、私のような「初心者だけど、あれこれ飲んでみたい!」といった感じのお客さんが混在しています。みんな楽しそうに飲んでるな。いろんな年代の酒好きが混じり合ってるこの雰囲気、好きだなあ。
アイアン・メイデンのビールも

つまみもうまいんですよ。おすすめは特製キッシュ(600円)。この日はアンチョビとブロッコリーのキッシュでした。有名ベーカリーで修業したスタッフの手作りとのこと。ボリュームたっぷりで塩加減がほどよく、ビールが進むんです。
よし、2杯目のビールを探しに行こう! ショップスペースに戻って物色だ。
すると……目に入ってきた印象的なラベルが、こちら。

アイアン・メイデン? あのヘヴィメタルバンドの??
そうなんですよ。アイアン・メイデンがプロデュースするビールなんです。その隣にはバンドの『クイーン』の公式のビールがあって、ほかにもレッド・ツェッペリンのロバート・プラントの息子がオーナーをつとめるブルワリーのビールもあるんですよ。みんなビール好きなんです(笑)。(石田さん)
へええええ。こんな話を聞きつつ、あれこれ迷う時間がまた格別なんです。
※もちろん、石田さんも接客で忙しいことも多々ありますからね(笑)。いつでも付きっきりで話してくれるわけではないので。念のため。
ジャケ買い、大推奨!

しかし、いろんなラベルがあるもんだなあ。デザインとネーミングを見ているだけでも、実に楽しい。

個人的に最も引かれたデザインがこちら。アメリカはグリーンフラッシュ醸造所のシリーズ。
でも、ジャケ買いってのも邪道かな……?

いえいえ、そんなことないですよ。むしろジャケ買い、おすすめです。デザインがしっかりしてるものは、ビールもきっちり丁寧に造られている確率も高いんです。(石田さん)
なんと!
じゃあ早速飲んでみるとします。ウェストコーストIPAにしよう。1本の料金プラス200円を払って、カウンターへ。

うまーーーい!!
フルーティーだなあ。グレープフルーツをギュッとむいたときのような香りが口の中に広がって、後味がとても爽やか。苦味は穏やかで飲みやすい。これはいいものと出合ったぞ。
好みの1本があったら、名前を覚えておくといいですよ。ブルワリーの名前と、ペールエールやヴァイツェンといったビールのスタイル名、その両方を。白央さんはペールエールやIPAが好みのようですね。それこそジャケで気に入ったもので、他のペールエールやIPAを試してみたらどうですか?(石田さん)
はい、次の一本探してきます!(※まだ飲むのか)
※IPA
インディアペールエールの略。ホップを通常の数倍~数十倍も使用する。刈草やグレープフルーツなどの柑橘系のフレッシュな香りと味わいが楽しめる、アメリカンスタイルが流行中。

もともとは地元の酒屋さんだったのですが、「クラフトビール専門店を開いたら面白いかも?」という発想から2016年10月に現在の形でオープンしました。以前からお客さんにも、「クラフトビールが気軽に試飲できたらいいのに」と言われていたんです。もうホント、お気軽に“立ち食いそば感覚”で寄ってくれたらうれしいですね。待ち合わせや0次会的に使ってくださるお客さんも多いですよ。(石田さん)
石田さん、古澤さん、きょうはありがとうございました!

先のグリーンフラッシュ醸造所のビール、2本買って帰ってきました。今夜はこれを味比べだ!
北千住エリアは古くからの飲み屋さん、そして近年誕生した酒場が混在して、酒好きにはますますたまらない場所となっています。酒好きのみなさん、電車に乗って遊びに行きませんか?
お店情報
びあマ・びあマBAR
住所:東京都足立区千住2-62
電話番号:03-3882-2508
営業時間:月曜日~土曜日14:00~24:00、日曜日・祝日14:00~21:00
定休日:木曜日
Facebook:https://www.facebook.com/senju.WBM/
※この記事は2017年2月の情報です。
※金額はすべて税込みです。



