メリットだらけの「乾物」をもっと普段使いできないものか【長期保存可・高栄養・メインおかずになる】

毎回1つのテーマをフードライター白央篤司が掘り下げる「ハクオー研」、第5回目は乾物&干物がテーマです!

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乾物(かんぶつ)をうまく使えるようになりたい! と、思うわけです。

保存がきいて、常温で置けて、栄養価の高いものも多い。けれど、なかなか普段使わないんですよねえ。今回は「使いやすさ」をベースに考えつつ、ともかくも乾物を日常的に料理してみました。ごくごく普通ではありますが、まずは味噌汁にこんなものを入れてみたらおいしかったですよ。

 

「高野豆腐」

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いきなりですがこれ、高野豆腐なんです。

細切りタイプのものや、ひと口大のものがあるんですねえ。スーパーで高野豆腐の棚に並んでいるのを発見して、驚きました。どちらも戻す必要はなく、「汁物、煮物にそのまま入れられる」とあります。こりゃうれしい。

 

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細切りタイプ、味噌汁のちょい足しにいいなあ。

写真は三つ葉とミョウガの味噌汁です。この組み合わせ、サッパリして暑いときおすすめ。先の細切り高野豆腐を入れると、ほどよく食べ応えがアップしました。お麩(ふ)よりも存在感がありますね。大豆たんぱくも取れていいですな。

 

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先のひと口大の高野豆腐も、ネギとワカメで味噌汁に。

しっかり「かめる」ってのがいい。朝食にしましたが、かむことで体が動き出す感じ。かむことによって満腹度も上がり、ごはん量も減らせました。ダイエットしたいときに高野豆腐の味噌汁、アリだと思います。

 

汁物には「フノリ」という手も

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海藻のフノリも、そのまま汁ものに入れておいしい乾物でした。スーパーだったらワカメなどが置かれている棚に置かれていること、多いと思います。

ちなみに「フノリの味噌汁はうまいよ」と教えてくれたのは岩手県の人。あちらではよく使われるようです。

 

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ツルムラサキと一緒に味噌汁にしました。磯の香りがして、ちょっとぬめりが出る。そこがいい。カットワカメも便利な乾物の定番ですが、海藻好きのかたならフノリも試してほしいです。

 

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フノリと細切り高野豆腐、カップ春雨に加えてみました。カロリーや塩分を増さずに腹もちがよくなります。あっさり系のスープによく合いました。食物繊維量もアップです。

 

フワフワ食感の「松山あげ」

手間いらずな汁ものの具といえば、ぜひ試して欲しいのが

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松山あげ!

松山って、愛媛県の松山のことです。地元のかたに強力プッシュされて試してみたら……ああ、うまいッ。フワッフワの食感で、いっぺんでファンになったんですよ。

 

豆腐を3㎜程度にスライスして、水分をぎりぎりまで取り除き、揚げたもの。乾物とはまた違うんですが、90日ほど常温保存できるもちの良さを買って、今回入れてみました。

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いいコクが出るんです。ワカメの味噌汁が実にうまくなる。汁に放り込んですぐ食べられますよ。中華風のスープにもよく合います。

松山あげ、全国のスーパーでけっこう置かれてありますので、もし見つけたらゼヒお試しあれ。

 

存在感抜群の「お麩」

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ふわふわの乾物といえば、お麩も忘れちゃいけませんな。

小麦粉が主原料ながら、高たんぱく低カロリー。日本にはホントいろんな形状のお麩があります。たとえば上の写真は車麩の一種。

 

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これ、卵とじにするとうまい!

 

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家人にも好評でした。ある日の弁当は、麩の卵どんぶり風。玉ねぎと一緒にめんつゆで煮て、卵でとじれば完成です。麩がメインってちょっと頼りなく感じるかもですが、意外なまでに存在感出ます。口に含むとジュワーッとだしが染みて、うまいんだ。

 

宮城生まれの優れ物「仙台麩」

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玉子丼にするなら、仙台油麩もおすすめ。その名のとおり、宮城県の名産です。この写真だとちょっとバゲットみたいですな。

 

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横から見るとこんな感じ。これを厚めに切って卵でとじます。

 

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私これ、ハマりました。かなりカツ丼に近い風味になるんですよ。ちなみにすき焼きに入れるのもおいしい。スーパーなどでは「仙台麩」の名前で売られていることが多いよう。

 

「かんぴょう」だってメインおかずになる

そうそう、「乾物で卵とじ」といえば

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かんぴょうもいいんです。「かんぴょうといえば、かんぴょう巻きでしょ?」って思われますよね。巻き寿司以外で食べたことない人も多いはず。 

栃木県の人に教えてもらったんですが、かんぴょうの卵とじ、あちらではメジャーなおかずなのだそう。

ちなみに栃木県はかんぴょうの国内生産およそ9割以上がつくられる一大産地です。

 

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かんぴょうを戻して、だしに酒、みりん、醤油で味つけ、軽く煮て、溶き卵でとじて完成。あっさりした味わいで食感がよくて、いいおかず! なんかホッとする一品でした。のり巻きに使って余ったのがあれば、ぜひ試してみてください。

 

するめ&コンニャクで晩酌のアテに

地元の人に教えてもらったといえば、山形のコンニャク料理も乾物が活躍します。

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こちら、するめです。

非常に半端な状態なのはお許しください(家にあった余りもの)。

 

玉コンニャクという丸いコンニャクを、するめと一緒に醤油煮にする料理があるんです。山形に行くと串刺し状態で売られています。味が染みてて、うまいんだ。

 

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一般的なコンニャクも、醤油とするめ、酒で煮ると実においしい。つまみ用に買ってするめが余ったときなど、やってみてほしいなあ。もちろん、お酒のアテにもなりますよ。私は醤油、酒のほかみりんに砂糖もくわえて甘めに煮ますが、そこはお好みで。

 

「切り干しダイコン」を洋風に

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乾物野菜の代表格、切り干しダイコン。よくニンジンや油揚げなんかと一緒に炒り煮にしますよね。

 

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戻して細かく刻んで……

 

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ミートソースやトマト系の煮込みに入れるの、なかなかにおいしかったです。写真は豚のあらびきに切り干し大根とミックスビーンズ缶を加えて、ホールトマトで煮詰めたもの。

コリっとした食感が加わると同時に、コクも増します。私は切り干し大根の戻し汁も少量加えますが、このさいは醤油も少々入れてください。干し大根独得の風味とトマトの味を、醤油が仲良くつなげてくれました。

 

「干しシイタケ」 はパスタの具に

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干しシイタケも和食では定番の食材、良いだしが出ますねー。

 

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これ、鶏肉とパスタにしてもうまい。

  1. 干しシイタケを戻す
  2. 干しシイタケは細切りに。戻し汁もとっておく
  3. ニンニク、干しシイタケ、刻んだ鶏肉を一緒に油で炒めて、戻し汁、酒、醤油少々を加えて軽く煮詰める
  4. ゆでたパスタ加えて、バターちょい加えてふりあえる

こん感じで作りました。我が家の定番になりそうです。

 

「ドライトマト」も使い勝手抜群

お次はイタリアの乾物から、ドライトマト。

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パスタやら活用法もいろいろですが、

 

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マカロニサラダに入れてみたら……お、なかなかオツな味。酒のアテにいいんだなあ。

 

ドライトマトを浸る程度の水で戻したら細かく刻んで、従来のマカサラよろしく、マヨとマカロニとあえるだけ。戻し汁も少量加えます。私はここに砕いたアーモンドも入れて、コショウをひきましたよ。イタリアンパセリを最後にパラッと。軽い赤ワインなんかに合うマカサラになりました。

 

繊維不足には「糸寒天」を

さて、ラストはちょっと栄養プラスの観点から。

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お菓子作りによく使われる寒天ですが、糸寒天というものがあるんですね。

『メシ通』でも過去何度か出演くださっている雑誌『栄養と料理』の編集委員・監物南美さんが、

私はお腹の調子整えたいとき、よく寒天をスープやお味噌汁に入れるんです。糸寒天はすぐ使えて便利なんですよ

と、おっしゃっていたのを聞いてさっそく使ってみました。

 

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海藻からつくられる寒天は食物繊維のかたまり。毎日の食事に食物繊維をプラスしたいとき、そのまますぐに加えられる糸寒天は便利でおすすめなのだそう。

 

ちなみに上の写真のは2つとも、監物さんもよく買われているという長野県・伊那食品工業のもの。うちの近所のスーパーでは1パック(15g)で200円しませんでした。

 

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カップスープやカップ春雨、もしくはカップラーメンなどにひとつかみ入れるだけで、手軽に食物繊維が取れます。

 

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味噌汁にもイン。繊維不足を感じてる人は、ぜひぜひ。

 

乾物を使うときのポイントは?

では、乾物を使用するときはどんな点に気を付ければよいのでしょうか。

 

「裏面の表示どおり戻す」

 

もうね、これに尽きると思います。各メーカーさんからもお話聞くと、ともかく「はじめて使われるときは必ず表示どおり戻してください」という声、多いです。

新しく使うものはまず、指示どおりに。

「切り干し大根は前も使ったことある」

「前に買ったワカメはこうやればよかった」

そんな感じでいきなり自己流でやってしまうのが失敗のもと! なのだそうな。

 

うーん……納得。

私も「前も使ったことあるしー」と見切り発車でよくやっちゃうんですよ。同じ種類の乾物でも、加工法や産地によって細かい戻しかたの違いがあるんですよね。

ここだけはどうぞ、お気をつけください!

 

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さあ、きょうはゼンマイを戻して煮つけましたよ。残りはナムルにしようかな。

 

保存がきく便利な乾物、うまく活用していきましょう!

 

企画・文・撮影:白央篤司

白央篤司

郷土料理がメインテーマのフードライター。雑誌『栄養と料理』『ホットペッパー』農水省広報誌などで執筆。著書に「にっぽんのおにぎり」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)など。

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