仰天ラーメン店を次々生み出す大阪の「unchi株式会社」っていったい!? 【人類みな麺類】【くそオヤジ最後のひとふり】

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ある仕事で大阪のラーメン店を取材させてもらう機会があり、淀川区の十三にある「くそオヤジ最後のひとふり」という妙な名前のお店を訪ねた。

 

奇抜な名前とは裏腹に、貝のダシの濃厚なうま味を絶妙な加減で醤油とあわせた繊細な味わいのスープが印象的で、しみじみと「うまい……」と目を閉じた一杯であった。

 

調べてみると、「くそオヤジ最後のひとふり」の運営母体は「人類みな麺類」「世界一暇なラーメン屋」など、どれも行列のできる名店を経営する「unchi株式会社」という企業であることがわかった。

何度読み直しても「unchi」である。

うんち……。

お店の名前も変だし、いったいなんなんだ! ワナにハマるかのようにその正体を確かめたくなり、取材を申込むことにした。

 

アンチと間違えられるけど「うんち」です

今回、お話をうかがうことができたのは「unchi株式会社」の統括マネージャー・北健志さん。取材は同社の一号店である大阪市淀川区の「人類みな麺類」で行われた。

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▲「unchi株式会社」の統括マネージャー、北健志さん

まずは「unchi株式会社」の代表取締役である松村貴大さんとの関係について聞いてみた。

 

ウチの社長とは大学の同級生だったんですよ。ラーメンが大好きで、よく一緒にラーメンの食べ歩きをしたりしていました。卒業後、社長は金久右衛門というラーメン店で修業をしていて、僕は和食の道に進んだんですが、社長が自分でお店を出すという時に、一緒にやろうと誘われまして、それからですね。(北さん、以下同)

 

その時から「unchi株式会社」としてやっていたんですか?

 

いえ、まず、今から4年前に社長と私で「人類みな麺類」というお店をオープンしまして、そこからスタートして、1年後に「くそオヤジ最後のひとふり」、その後に「世界一暇なラーメン屋」を出して、2年ぐらい経った時に会社を設立しようということになりました。

 

それで「unchi株式会社」が設立されたのですね。それにしてもこの社名は……どうですか?

 

えーと、なかなか変わった社名だと思うんですけども(笑)僕も最初はびっくりしました……。一応、考えとしては、お客さんに安心で安全なものを提供したいと、きちんと良い素材を使って最初から最後まで責任を負いたい。食べて、それが最後に出るところまでしっかり責任を負うという思いを込めた社名なんです。

 

おー、なるほど! そういう意味が込められていたんですね。

 

はい。まぁでも、最初はマジかと思いましたね(笑)。名刺とか、領収書もらうときも全部「unchi」ですから。一応ローマ字なんで、よく「アンチ」と間違われるんですけど、うんちです。僕も社長から聞かされた時は反対したんですけど「もう、届け出しちゃったよ」って(笑)。

 

各店の店名も変ですよね「世界一暇なラーメン屋」とか。

 

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「世界一暇なラーメン屋」は、お店が世界一暇っていう意味ではなくて、ラーメン店って、どちらかというと急いで食べて出ないといけないような印象があると思うんですが、そうじゃなく、カフェのような内装でゆっくりラーメンを楽しんで欲しいというコンセプトなんです。お客さんにものんびり楽しんでいただいて、僕らも暇みたいな、そういうイメージからつけています。

 

「人類みな麺類」は?

 

これはもう、社長が大学時代から決めてた名前なんです。社長はその頃からラーメンのお店を出すんだと言っていまして。ラーメンに限らず、麺類ってみんな好きだよねと、人類はもう、みな麺類じゃないかと。まあ、大学生の発想なので(笑)。

 

松村社長はどんな方なんですか?

 

まぁ、ぶっ飛んでる人ですね。各店のコンセプトも基本は社長が考えていて、出てくるアイデアに対して私が「それはさすがに……」などと言いながら、可能な限り実現していくという感じです。

 

お二人バランスが絶妙なのですね。社長は普段はどんなことをしているんですか?

 

忙しいお店にサポートとして立つこともあるんですが、社長はかなり細かい人で、お店の内装とかにもすごいこだわりがあるんですね。業者さんに頼むのにも何ミリずらして欲しいとか、細かいので「もう自分でやろかな」と言い出しまして(笑)。最近はもうもっぱら作業着を来て、内装を直したりしてますね。今、会社で倉庫みたいな物件を借りているんですが、一人で黙々と改修作業をしてるみたいです。どういう風に使わることになるかはまだ分からないんですけど。

 

確かに、このお店の内装もオシャレだしかなり凝っていますよね。

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インスピレーションの源はミスチル

社長のユニークなアイデアはどうやって生まれてくるのでしょうか?

 

社長はラーメン店に限らずいろいろ食べ歩きをしたりするので、それでインスピレーションが湧くというのもありますし、本人がとにかくMr.Childrenが好きで、曲聴いたりライブをみた後とか、よく電話をかけてきます(笑)。

 

どういうお電話なんですか?

 

曲を聴いて新しいメニューを思いついた、とかですね。「人類みな麺類」で出している限定のラーメンでも、曲をイメージして作るものがあったりとか。

 

そ、そんなにお好きなんですね!

 

「人類みな麺類」のメニューでも、「micro」と「macro」というのがありまして、これはミスチルのベストアルバムからとっています。

 

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ファンの方々もお店にかなりいらっしゃるのでは。

 

そうなんですよ。ウチの系列店の中でも「人類みな麺類」が特にすごいです。大阪でライブがある前日とか、次の日とか、ファンの方が多数いらっしゃいます。

 

「unchi株式会社」の今後の展望を教えてください。

 

大阪だけでなく、違う地域にも広げていきたいと思っています。ラーメンに限らず、いろいろな手段でお客さんに楽しんでもらえたらと。面白いことがとにかく好きな社長なので、社員からカレーやりましょう、イタリアンやろうという意見が出たら「おうやろう!」みたいな感じなんです。これからも既成の概念にとらわれずにやっていきたいですね。

 

 

極厚チャーシューの「macro」

インタビュー後、「人類みな麺類」のメニューの中でも一番好評だという「macro」をいただくことに。

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スープの塩気はあくまであっさりめに抑えてあり、貝の濃厚なうま味と島根の醤油に由来するという繊細な甘みが口の中に広がる。モチッとした歯ごたえの中太麺が極上のスープをすくいあげ、つるつるとした喉ごしとともに落ちていく……。

ああ、うまい。

 

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「人類みな麺類」の名物である、驚くほど分厚いチャーシュー。これは圧力鍋で3時間ほど煮込み、余分な脂分を抜いてある上、味付けもスープとの調和を考えてあっさり目に仕上げてあるため、ボリュームはあってもしつこさは皆無。これだけ持って帰りたいほどの美味さである。

 

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この異常なほどの厚みを持ったチャーシューにも表れている通り、「新しいことをしないと面白くないというのが社長のポリシーなんです」と北さんは語る。

 

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既成概念から外れつつも、決して突飛な発想だけに終わらず、丁寧で繊細な美味しさを大切にしているところに「unchi株式会社」の本当の凄みを感じた。

 

お店情報:

人類みな麺類

住所:大阪大阪市淀川区西中島1−12−15
電話番号:06-6309-9910
営業時間:11:00~15:00、17:30~23:00
定休日:日曜日、第2・第4月曜日
ウェブサイト:http://www.unchi-co.com/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:スズキナオ

スズキナオ

1979年生まれ、東京育ち大阪在住のフリーライター。安い居酒屋とラーメンが大好きです。exciteやサイゾーなどのWEBサイトや週刊誌でB級グルメや街歩きのコラムを書いています。人力テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーでもあり、大阪中津にあるミニコミショップ「シカク」の店番もしており、パリッコさんとの酒ユニット「酒の穴」のメンバーでもあります。色々もがいています。

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