石油が使われる前、人々は石炭で暖をとっていました。
北海道には数多くの炭鉱があり、今なお史跡として残っています。
そんな炭鉱マチだった三笠市に、衝撃のメニューがあるという情報を得ました。
その名も「石炭ザンギ」。
黒光りしたその姿は、まさに黒いダイヤモンド!形も石炭そっくりです。
奇をてらったメニューかと思いきや……食べてみると美味しいのです。
ポイポイとどんどん食べ進める姿は、
自分に石炭をくべているようです。
今回は地元の食材をふんだんに使った、
驚愕の「石炭ザンギ」に迫りますよ。
石炭の採掘が盛んだった三笠市
たとえ石炭であったとしても、美味しいと言われれば一度は口に入れます。
一風変わった料理を愛してやまない、メシ通レポーターの裸電球です。
今回の舞台は、北海道三笠市。
あ、ここですか?
三笠と言えば「桂沢湖」ですよ。
大きな恐竜がお出迎えしてくれます。
想像しているより、ちょっと大きくてびっくりするはずです。
三笠は化石も有名なため、
あちこちに恐竜のオブジェなどがあります。
三笠市は、ジオパークに認定されています。
ジオパークとは、「地球・大地(ジオ:Geo)」と「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」という意味なんですって。
登録には厳しい審査もあり、勝手には名乗れないそうです。
確かに、三笠市は自然がいっぱい!
この湖だって、首の長い恐竜が出てきても不思議ではない雰囲気です。
三笠ジオパークでは、地層や化石、鉄道に炭鉱遺産など、
色々なものを見ることができます。
ちなみに「石炭ザンギ」も 三笠ジオパークに認定されているんですって。
では道の駅を目指しますよ。
実はここ、道の駅として北海道で第一号に認定されたんですよ。
館内には三笠の歴史を紹介する展示物や、
地元の名産品を販売する売店などがあります。
それでは「予習」しておきましょう!
石炭ってこれですよ。
道の駅に展示されている超でっかい石炭です。
今日のグルメは、この石炭がテーマですからね。
恐るべし、三笠!
ありました! 黄色い移動販売車!
想像以上にド派手な車が止まっています。
そして石炭ザンギの文字があちこちに。
さっき、巨大な石炭を見たばかりですからね。
正直、気持ちの整理がついていないです。
だってこんな感じのザンギなんでしょ?
※写真はザンギサイズの石炭です。
黒いダイヤモンドと呼ばれ、人々の生活になくてはならない存在だった石炭。
石油の登場により、徐々に使われなくなっていった石炭。
まさか、それを模したザンギが誕生する日がくるとは。
石炭だって驚いているはずです。
覚悟を決めて。
すみません、「石炭ザンギ (350円)」をお願いします。
まだベールに包まれています。
袋に入って販売されているんですね。
横は道の駅ですし、
これならサクッと買って車内でも食べられますね。
って、マジメなコメントはさておき。
開けるのが怖いです。
※写真は石炭ではなくザンギですよ。
黒い!真っ黒です。
これ、焦げてないんですよね?
だって、がっつり黒いんですから。
石炭とくらべてみた!
色はもちろんですけど。
ザンギと石炭の形がこんなにも似ているとは。
そっくりじゃないですか。
形だけ見たら、同じですよ!
では実際に食べてみましょう。
……やわらかい!非常に柔らかく、肉汁もジュワっと溢れてきます。
パッと見た感じは黒いので、焦げているのかと疑ってしまいますが、
まったく焦げなどない、美味しいザンギです。
これはどんどん食べられそう。
まるで、自分が蒸気機関車で、
エネルギーとなる石炭を、ポイポイくべているような感覚です。
なぜ黒いのか調べてみた
では、なぜ黒いのでしょうか。
無理を言って、厨房に入れていただきました。
黒い!
でも焦げてない!
ということは味つけの段階で黒いのでしょうか。
ビンゴ! 揚げる前から黒いんだ!
ほら、見てください。すでに肉に色がついています。
これは……イカ墨ですね!
だから、コクがあったのか!
教えてくださったのは、お店を運営する武田さんです。
三笠市内で会社を営む3人で「石炭ザンギ」を販売する合同会社を経営しています。
武田さんのお昼の顔は酒屋さん。
三笠市を何とか元気にしたいと、平成21年から「石炭ザンギ」の販売を開始しました。
材料は三笠市の名産品ばかり!
漬け込むタレには、地元のリンゴジュースがたっぷり使われます。
味の決め手は、魚醤ならぬ、めずらしい「鶏醤」です。
あっさりしているものの、深いコクが感じられます。
他にも地元のたまねぎや、にんにく、
さらに、北海道に春を告げる山菜、行者にんにく が使われているそうです。
他にも味のバリエーションが!
こちらは「みそザンギ (350円)」
地元で育った大豆で作った味噌を使用しています。
甘めの味付けで芳醇な香りが楽しめます。
続いて、「ハバネロザンギ (350円)」
三笠で栽培されたハバネロを使った、ガツンと辛いソースがかかっています。
それにしても、元となるザンギが美味しいことに気がつきますね。
最後は「うめザンギ (350円)」
こうなると、もうわかりますよね。
もちろん、このザンギも地元の食材を使用しています。
三笠は梅も作っているんです。
梅酢の爽やかな味わいが暑い季節にぴったりです。
いや、驚きましたね。
石炭なんて聞いていたものですから、
どんなザンギを食べることになるかと、内心ヒヤヒヤしていたんですよ。
それが、蓋をあけてみると、
めちゃくちゃ美味しいザンギじゃないですか。
先入観を持ってはいけないと、思い知らされました。
それと、最後に。
ほんと、ザンギと石炭の形、似すぎです。
今度からは、石炭見てもお腹が空くんで、勘弁してください!
お店情報
石炭ザンギ(合同会社 ぷろぐれす)
住所:北海道三笠市岡山1056-1(「道の駅 みかさ」で通年販売)
電話番号:01267-2-7467
営業時間:9:00〜17:00
定休日:火曜日・木曜日
ウェブサイト:石炭ざんぎ(三笠ジオパーク認定商品第4号)・フリーズドライ食品 | 三笠市の観光