
そもそも味噌汁は日本人にとってのスーパーフード
本編をご紹介する前に、少しだけ味噌汁の魅力をお伝えできればと思います。
味噌汁は鎌倉時代から飲まれていると言われる健康食で、夏バテ対策にもなる優れもの。
ご存知のとおり、味噌は大豆を潰して作る発酵食品で、そこにはたくさんの乳酸菌や酵母菌が存在しています(※)。
(※)編集部注:だし入り味噌など加熱処理している味噌を除く
また大豆由来のアミノ酸が疲労回復に役立ち、うま味成分が食欲をかき立ててくれます。
だから、暑い日でもさまざまな食材をズルズルっと食べることができるんですね。
もちろん食欲がない時の栄養補給になります。
- 梅干しととろろ昆布の味噌汁
- ゴーヤチャンプル味噌汁
- 夏野菜の豚汁
今回紹介する味噌汁レシピ3品は、真夏の食欲がない時でも美味しく食べられるものばかりだと思います。
ぜひ試してみてください。
梅干しととろろ昆布の味噌汁

【材料】(2人前)
- 梅干し 1粒
- とろろ昆布 ひとつまみ
- 長ネギ 1/2本
- 鰹節 ひとつまみ
- だしパック 1個
- 水 2カップ
- 味噌 大さじ1程度(※梅干しの塩分もあるので気持ち控えめに)

ちなみに今回は手作りの梅干しを使いました。やや塩分が強い梅干しです。
使う梅干しによって塩分の濃度が変わるので、レシピを参考にお好みの味になるよう調整が必要です。
【作り方】

長ネギは薄く斜めにスライスします。

梅干しは種をとって、軽くたたいておきます。

水2カップにだしパックを入れ、温めて沸騰したら……

いちど火を止め、そこにスライスした長ネギを入れて余熱で火を通します。
ポイントは長ネギのシャキシャキ感を残すために予熱を使って火を通すことです。

その後、味噌を溶かし入れます。
梅干しの塩分も考えて、この段階では普段よりも薄味に調整してください。
最後に軽く火にかけ、沸騰しない程度に少しだけ加熱したら完成です。

味噌汁椀に梅干し、とろろ昆布、鰹節を適量入れて、鍋の味噌汁を流し入れたら完成。
まさにズルズルっと飲める味噌汁で、食欲がない時にも食べやすいです。
また、余った分は1日程度なら冷蔵庫に保存しておくといいでしょう。冷たい状態でも非常に美味しいので、小腹が空いた際にもぴったりです。
ゴーヤチャンプル味噌汁

【材料】(2人前)
- ゴーヤ 1/2本
- 豆腐 1/4丁
- 卵 1個
- だし汁 2カップ
- 味噌 大さじ2
- ごま油 小さじ1
- 塩 少々
- 粗びき黒こしょう 少々

【作り方】

豆腐はキッチンペーパーなどに包んで水切りをします。

ゴーヤは縦半分に切ってワタを取ります

苦味を抑えるため、数ミリ程度の薄切りにします。

塩揉みします。これでさらに苦味を抑えます。

その後、水で軽く洗って水気を絞ります。塩揉みして絞るとこれだけかさが減ります。

鍋にごま油を熱し、ゴーヤを入れて炒めます。

ゴーヤに油が回ったら、豆腐を手でちぎりながら鍋へ入れ、炒めます。

手でちぎった方が味が染みやすくなりますので、今回は包丁で切らずにあえて手でちぎりました。

だし汁を加えて煮立てます。アクが出たら取り除きます。
ゴーヤと豆腐に火が通ったら味噌を溶かし入れます。

溶き卵を回し入れ、火を止めます。

器に盛り付け、最後に粗びき黒こしょうを振って完成。
ゴーヤの苦味とごま油の香りが食欲をそそる変わり種味噌汁です。
こちらも冷やして食べても最高です。
その味わいは、食卓に新しい扉を開くこと間違いなしです。
夏野菜の豚汁

【材料】(2人前)
- オクラ 3本
- ナス 1/2本
- トマト 小1個
- 豚バラ肉(薄切り) 50g
- 生姜 1かけ
- ミョウガ 1/2本
- 粗びき黒こしょう 少々
- サラダ油 少々
- だし汁 2カップ
- 味噌 大さじ2

【作り方】


トマトは口あたりを良くするために皮を湯むきし、

大きめに角切りにします。

オクラはガクの部分を取り除き、斜めに2~3等分します。

ナスはひと口大の乱切りにしておきます。

豚バラ肉は大きければぶつ切りにしておきましょう。生姜は千切りにします。

鍋にサラダ油をひき、生姜を炒めて香りが立ってきたら豚バラ肉を入れて炒めます。

豚バラ肉に火が通ったらナス、オクラを入れて炒めます。

食材に油が絡んだら、だし汁を入れます。

沸騰してきたら湯むきしたトマトを入れて、トマトが温まったら味噌を溶かします。
お椀に盛り付けて、千切りにしたミョウガと粗びき黒こしょうを振りかけたら完成です。

トマトの酸味とうま味の効いた新しい豚汁が完成しました。
トマトのグルタミン酸、豚肉のイノシン酸、そしてだしの味わいと味噌の各種アミノ酸が最高の相乗効果を体感させてくれます。
まさに夏バテ予防のための一杯が完成です。
味噌汁の可能性は無限大
味噌汁には、無限のバリエーションがあることを改めて感じました。
今年の夏はステイホームで味噌汁の可能性を深掘りするのも楽しいかもしれませんね。
気になったものがあれば、ぜひ一品作ってみてくださいね。
書いた人:パーソナル栄養士いっしー

パーソナル栄養士、エキスパートファスティングマイスター。大学卒業と同時に栄養士を取得。「タニタ食堂」で勤務し、健康な方へより健康的な食事を提供する経験をする。 退職後、かねてより夢であった世界一周の旅に出発。世界中の有名料理から地元人しかいないようなローカル屋台飯まで食べ歩き、各国の市場やファーマーズマーケットに足を運んで食文化に触れる旅をする。 帰国後、フリーランス栄養士として「食の力で楽しく健康に」をテーマに「食べる楽しみ」を伝える活動をしている。
- 公式ブログ:パーソナル栄養士石川威弘の公式ブログ


