隙がなさ過ぎる理由その① 準備がカンタン
冬来る! おいしいお鍋は数あれどウチでの絶対王者は「しゃぶしゃぶ」です。家鍋においてコレに勝る鍋なし。なぜなら……。
水を張った土鍋に昆布を入れ火にかけ、肉はしゃぶしゃぶ用を買って容器ごと出し、野菜はテキトーに切るだけ。ハイ! 台所に立ってから15分後には食べられますね。この手軽さは他の鍋の追随を許しません。
と、まあ、これはほんと忙しいときの超簡易手抜きバージョン。余裕のあるときは、肉はお皿に移し変えますし、野菜の切り方や盛り付け方にも気を使います。例えばこんな感じ。
料理は見た目も大事なので具材の長さを切りそろえ、種類ごとに並べていくと見栄えがいいですよ。まあ、これ某有名旅館がこんな風に出しているのを雑誌で見て拝借したものですが。
しゃぶハック★昆布は買ったときに小さくしておく
手軽なしゃぶしゃぶですが、ちょっとしたハックはあります。
例えばこれはカゲゾウが尊敬する料理研究家の魚柄仁之助さんの本にたびたび登場する方法。昆布を買ったら最初にキッチンバサミで数センチ四方に切って瓶に入れて保存。
使う段になったら、鍋に張った水の量に応じて数枚をポイポイ放り込むだけ。昆布は煮えすぎるとヌメリがでますので、適当なところで引き上げましょうね。
隙がなさ過ぎる理由その② 失敗しようがない味つけ
当たり前ですけどしゃぶしゃぶは他の鍋と違って、スープ・出汁の味を決める必要がありません。で、好みのタレで食べるわけですから味付けの失敗ということがありません。
ちょっとフンパツしてグレードの高いお肉を買えば、ぶっちゃけ高級専門店と遜色ない味わい。素人がカンタンにプロの味に迫れます。
タレも手作りにこだわればキリがありませんが、ウチではスタンダードにポン酢・ゴマダレの2種類を用意し、市販品を使ってます。
でもポン酢に入れる「もみじおろし」はちょっとだけ気を使ってますよ。最近はチューブのものもありますけど、大根だけはキチンとおろしています。
しゃぶハック★もみじおろしは一味とうがらしで
で、こっからはチトお恥ずかしいお話を。その昔、もみじおろしって大根と人参をすって混ぜ合わせたものと思い込んでいたんですよ。
そんなある日、友達を自宅に呼んで鍋パーティーした時に間違いを指摘され「ぎゃー!!」って。相当恥ずかしかったです。
本式のもみじおろしは大根を輪切りにし、切り口に鷹の爪を何本か詰めてそれごとするんですって! さすがその方法はメンドクサイなって思ったら奥さんが……。
「大根おろし作って、それに一味とうがらし混ぜたら?」ですって。
ナニソレオマエ天才か!? 超カンタンに作れるジャン!
というわけで、もみじおろしは他の鍋でも使うので、即席もみじおろし用の「一味とうがらし」はウチの常備品となっております。
隙がなさ過ぎる理由その③ ヘルシーで栄養バランスがイイ
肉は余分な脂がお湯で落ちますし、野菜はゆでるのでカサが減り食べやすくなりますね。食べ手に優しいのがしゃぶしゃぶ。
今でこそ家族がいますから栄養バランスを考えますけど、ひとり暮らしだったときは、ついつい肉に偏りがち。でもしゃぶしゃぶなら不足しがちな野菜がたっぷり取れます。
その野菜ですけど、切り方にこだわっているものが2~3種類あります。
しゃぶハック★白菜はヨコ三等分してから細切り
白菜って葉っぱの方は柔らかくておいしいですけど、根の方って硬いし、子どもたちには好まれないんですよね。
なのでウチではまずはヨコ三等分にして……
そのあと細切りにしています。根の方は分厚くて火がとおりにくいけど、こうするとすぐに食べられます。
しゃぶハック★大根、人参はピーラーで極薄に
根菜系は短冊切り、半月(もしくは銀杏切り)でもいいんですけど、ピーラーで極薄きし麺みたいにしちゃうと下ごしらえがカンタンだし食べやすいですよね。
あと個人的に大好きなのが三種野菜の千切り盛り。ネギの千切り+人参の千切り+水菜の盛り合わせです。
これ近所の「しゃ●葉」というお店で食べたのを丸パク……インスパイアされました。
具材は少なくていい派のカゲゾウとしてはしゃぶしゃぶした肉にコレを巻いて食べれば後は何もいらないってくらい好きです。こちら絶賛マイブーム中。
隙がなさ過ぎる理由その④ 究極のカスタマイズ鍋
これまた当たり前ですけど、みんなで箸を突きながらなのに、食べるときは自分好みで完全カスタマイズ化できるんですよね。
例えばウチの奥さんの好みの鍋というと、具材がいろいろ入っていてしかも野菜はクタクタ派。一方カゲゾウはメイン以外の具材は正直2~3種類もあればよくって、野菜は絶対にシャキシャキ派。まだ食感がある煮えばなをワシワシ食べたいところ。
これが寄せ鍋だったら具材の選定から煮え具合までもめるんですけど、しゃぶしゃぶは基本自分の食材は自分で育て(?)ますからバッティングすることがない。
ウチの子どもたちも普通の鍋だと「アレが入っているからヤダ!」とか、「コレが入ってるから食べられない!」とかブーブーいいます。
そんなの除けて食べろって話なのですが、しゃぶしゃぶなら誰も文句いいません(無論、偏って食べているときはそれなりに注意しますが)。
家族が各々の好きなものを食べながら、ひとつの鍋でそれが成立してしまう。隙がなさ過ぎます!
ちなみにカスタマイズといえば、『メシ通』では過去に漫画『めしにしましょう』の小林銅蟲先生がトンデモネェしゃぶしゃぶ(?)を作っていますので、我こそはという豪の者はぜひ挑戦してみてください。
隙がなさ過ぎる理由その⑤ 変わりダネ具材もウマイ
すでに実践している方も多いと思いますが、これまでカゲゾウがWEBで見たり、お店で食べたりしておいしかった変化球具材もご紹介しましょう。
ラム肉
しゃぶしゃぶにすれば豚も牛もヘルシーに食べられますが、さらにヘルシーにしたいならラム肉!
昔はあまり見かけませんでしたけど、最近は肉専門系のスーパーとか業務用スーパーとかでカンタンに手に入ります。
松澤茂信さんの記事では専門店も取り上げています。
レタス
こちらも専門店もあるくらいで、もし自分がベジタリアンだったらこれをメインに据えます。まだ試したことがなければぜひ! 丸ごとひとつイケちゃいますよ。
薄切り餅
これは「温●菜」というお店で初めて食べて以来気に入って家でもマネしています。子どもたちにも大評判。最初はなかなかやわらかくならないのに、一気にくたっとしてきますから見極めが肝心。
子どもが落としたヤツがたまに鍋底に沈んでデロデロになってるのがたまにキズ。
マロニーちゃん
子どもって基本的にツルツル麺々が大好き。当然マロニーちゃんはに大好評です。他の麺でもいいのですが、そちらは〆用にとっておきたいので頼れる中継ぎ投手です。
セリ
きりたんぽ鍋の定番食材なので変わり種というほどではありませんが、独特の香りと爽やかな味が好きで見かけると買っています。
同じ香味野菜でいうとパクチーをしゃぶしゃぶしてもおいしいですよ。
カマンベールチーズ
あるとしゃぶしゃぶがゴージャスでリッチになります。単独で食べてもおいしいですが、とろ~りさせて野菜にあえたり、肉に包んで食べるのがオススメ。
あとブリ、カニ、カキなどの魚介系しゃぶしゃぶも好きなのですが、子どもがより好きということもあって、ウチではついつい肉系ばかり。
魚介系も試してみたいという方はスズキナオさんや、Masayuki Wakuiさんの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか?
隙がなさ過ぎる理由その⑥ 〆のラーメンがうますぎる(ただし雑炊はNG)
そろそろ〆の時間でしょうか。しゃぶしゃぶには断然麺が合うと思います。そば、うどんなども捨てがたいですが、ウチの〆はラーメンと決まっています。縮れ細の生麺をよく食べます。
生麺なので別の鍋でゆでる必要がありますが、これがメンドウであれば乾麺を直接鍋で煮込むのもアリですね。
ポン酢を出汁で割って、醤油ラーメン風にさっぱり食べた後、カゲゾウはゴマだれに麺をとり、余っている白髪ネギをのせ、ラー油をチャッチャと振りかけて「なんちゃって坦坦麺」を大トリにしています。
ああ、2種類のラーメンを〆で食べられる幸せよ。あ! あとひとつだけご注意を。雑炊による〆は絶対NGです。その理由は後述します。
隙がなさ過ぎる理由その⑦ 次の日の朝まで完璧! それは……
朝は時間がなくて「戦争状態!」というご家庭も多いと思います。とくに子どもがいればなおさら。ここで生きてくるのが前日のしゃぶしゃぶの残り!
冷蔵庫に昨晩の食べ切れなかった野菜・キノコが残っていませんか?
それらは全てみじん切りにして鍋へ。炊飯器には同じくご飯も残っていることでしょう。こちらも鍋へ!
どうですか? クツクツ煮えてきましたか?
では溶き卵をぐるりと流しいれ、ゴマ油もたらりと入れちゃいましょう。
仕上げは火が入りやすい水菜などの葉っぱ系野菜を散らし、ゴマを振ってもいいでしょう。しばしふたをして食卓に移動させれば……じゃじゃ~ん! 卵雑炊の完成です。
余り食材も完璧に処理しつつ、朝の忙しい時間にも関わらず栄養たっぷり卵雑炊が食べられる。そう、雑炊は第2の〆として朝食として食べるべきなのです。
朝はあまりごはんを食べずパンを好むウチの子どもたちですが、雑炊の日だけは朝から2杯、3杯とお代わりします。
雑炊以外の食べ方としては味噌を溶いて味噌汁として食べるのもいいですよ。肉と野菜の出汁がたっぷりでており、滋味深い味噌汁が味わえます。
結論 やはり家鍋の至高はしゃぶしゃぶ!
いかがだったでしょうか? 準備・下ごしらえの簡便さ、おいしくヘルシーで栄養もバッチリ。次の日の朝まで賄え、無駄な食材もほとんどでない。
鍋は比較的用意がカンタンなものが多いですが、その中でもしゃぶしゃぶは頭ひとつリードしています。やはりウチではしゃぶしゃぶこそ至高。
この記事を書いていたらまた食べたくなってきました。今週末もしゃぶしゃぶにしちゃおうかな。
書いた人:飯炊屋カゲゾウ
1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとして活動中。「子育屋カゲゾウ」名義で育児ブログも更新中。
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