名古屋めしのデパート「名古屋大酒場 だるま」が、旅行者・出張族だけでなく地元民にも重宝されるワケ

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名古屋めしを愛して止まない私だが、あえて苦言を呈するとするならばこの点だ。

 

ボリュームがありすぎ。

 

そう、量が多すぎて、他のご当地グルメのように食べ歩きができないのだ。

名古屋めしを心ゆくまで堪能するには、日帰りは論外。1泊2日間でも足りない。最低でも2泊3日間以上は覚悟せねばならない。とはいえ、海外旅行じゃあるまいし、それは無理があるだろう。

 

手羽先や味噌煮込みうどんなどの専門店の中には他の名古屋めしを用意しているところもあるが、あくまでもサイドメニューの扱いであることは否めない。

が、見つけてしまったのである。名古屋めしの品ぞろえが充実していて、それぞれが専門店に匹敵するようなクオリティーを誇るお店、いわば、名古屋めしのデパートのようなお店を。

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しかも、名古屋最大の繁華街、錦3丁目のど真ん中で。

 

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それが、今年で10年目を迎えた名古屋大酒場 だるま」だ。

ココのこだわりと、名古屋めしメニューの魅力に迫ってみようと思う。

 

その① 圧倒的な名古屋めしメニューのラインアップ

名古屋大酒場 だるま」の特徴はなんといってもそのメニューの豊富さにある。

f:id:nagoya-meshi:20180930164110j:plain店内の壁には、定番の「手羽先唐揚げ」や「味噌串カツ」から、居酒屋さんでは珍しい「鉄板ナポリタン」、「ひつまぶし」などのポップがズラリ。

 

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「地元のお客様が名古屋めしで接待したり、週末や連休には家族で名古屋めしを楽しむお客様もいらっしゃいます。このように、錦3丁目という場所柄、名古屋めしを求めて来られるお客様が多いので、できるだけ多くのメニューを用意しました。壁に貼ってあるのは代表的なものですが、他にも当店オリジナルのメニューもあります」と、店長の伊藤大賀さん。

やはり、これだけあらゆる必須アイテムがそろっていれば、名古屋の内外で重宝されているのも納得がいく。

 

その② 迷ったらまずは「手羽先唐揚げ」か「味噌串カツ」を

名古屋めし以外のメニューも含めると、その数なんと、100種類以上!さらに日替わりのオススメメニューも約20種類あり、選ぶのに迷ってしまう。

そんなときは、「手羽先唐揚げ」(3本 583円)をセレクトすべし。

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手羽先唐揚げは、名古屋の居酒屋さん定番メニュー。スパイス多めの辛口系からタレ多めの甘口系までお店によって味付けはさまざま。

ココのは、名古屋人好みの甘辛い自家製ダレとスパイスの絶妙なマッチング。ビールやハイボールを片手に楽しもう。

 

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ここで伊藤店長から耳寄りな話を。

「半年に1回、手羽先が1本 10円の『手羽先10円まつり』を開催しています。この日は何本食べても1本 10円です。事前に告知すると、お客様が殺到してしまうので、ゲリラ的に開催しています」とのこと。

50本食べても500円。これは見逃せない!

 

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手羽先と並んでオーダー率が高いのは、サクサクの衣に甘さ控えめの自家製味噌ダレをかけた「味噌串カツ」(1本 194円)。

こちらも肉のうま味を引き出した味噌ダレのコクがビールやハイボールとよく合う。

 

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「手羽先唐揚げも味噌串カツも食べ飽きたわ!」というディープな名古屋めしマニアには「大海老フライ」(1本 367円)はいかがだろう?

名古屋における海老フライの基準はただ一つ。その大きさにある(笑)。デカイもんがエライ。地元の方でもこのサイズなら満足すること間違いナシだ。

 

その③ 名古屋でも少数派の「味噌串」がお店イチオシ

名古屋の焼鳥は、東京と同様にタレか塩で食べるのが一般的。たまに味噌ダレという変化球メニューを用意しているお店もあるが、ごく少数。

しかし、ココはあえて味噌串をイチオシしている。それだけ味噌ダレに自信があるのだ。

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▲左から、もも味噌(216円)、ぼんじり味噌(216円)、皮味噌(216円)、鶏ネギマ味噌(216円)、つくね味噌(216円)

 

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味噌ダレはもちろん、自家製。焼いてから味噌ダレに浸して、さらに焼いてあるので、味がしっかりと染みている。

お酒やご飯に合うように、甘さ控えめに仕上げているので、何本でも食べられる。

 

その④ 「づけ串」もあるでよ!

はて?「づけ串」というのは、地元でも聞いたことがないが……。

それもそのはず。ココのオリジナルメニューなのだ。

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▲左からおっぱい(205円)、豚カルビ(216円)、赤せんまい(259円)、牛ホル並(281円)、牛ホル上(346円)

 

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「牛ホルモンや赤せんまい、牛レバーなど内臓系をタレに漬けながら焼き上げます。このタレを完成させるのに試行錯誤しました。これも名古屋の人々が好む甘辛い味付けに仕上がっています」(伊藤店長)

 

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オススメは脂がたっぷりの「牛ホル上」。脂の甘みと自家製ダレが相まって、めちゃくちゃうまい。

お酒との相性は言うまでもないが、オン・ザ・ライスにして脂とタレまみれになったご飯を思いっきりかっこみたい!

 

その⑤ 大鍋で煮込む絶品「どて串」は、中までシミシミ

これから寒くなる季節にぜひおすすめしたいアイテムがある。

それが、この「どて串」。

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▲写真は右から「とんちゃん」(216円)、「こんにゃく」(162円)、「大根」(162円)、「玉子」(162円)、「赤棒」(130円)、「牛すじ」(216円)、「焼き豆腐」(194円)

 

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 一般的には味噌おでんと呼ばれているが、牛すじをじっくりと煮込んだ「どて味噌」がベースとなっているので、あえて「どて串」と命名したという。

 

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「どて串」は、牛すじがトロトロになるまで4時間以上、じっくりと煮込む。

大きなどて鍋の中で味噌の濃厚なコクと甘みのあるダシの中にたくさんの食材を入れて煮込むことで、それら一つ一つのうま味がダシの中に溶け出す。

 

いったいどれだけ味噌が染みているかというと……。

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こちらは「大根」。

ご覧の通り、中までしっかりと染みている。これをアテに熱燗をキューッとやりたい。

 

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「玉子」も白身が味噌の色に染まっている。

ちなみに私は、箸でグチャグチャにつぶした玉子を白ご飯の上にのせて、ダシをかけて食べる。見栄えはさておき味は最高。ぜひ試してほしい。

 

その⑥ 岐阜・飛騨名物の「鶏ちゃん焼き」もあるでよ

「鶏ちゃん焼き」とは、しょうゆや味噌をベースにしたタレに漬け込んだ鶏肉をキャベツなどといっしょに焼いて食べる岐阜県下呂市を中心とする南飛騨地方や郡上市を中心とする奥美濃地方の郷土料理のこと。

名古屋めしがウリなんだろーがっ!」と、目くじらを立てる必要はない。名古屋駅の売店でも三重伊勢の名物、赤福や静岡浜松のうなぎパイがポピュラーのように、近隣地域のうまいものをすべて飲み込んでしまうのが名古屋のダイナミズムなのである。

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ココの「鶏ちゃん焼き」(1人前 950円)は、塩と味噌、タレの3種類(写真は味噌)を用意。ややピリ辛の味付けで、これもまたビールやハイボールとベストマッチ。

お店のスタッフが調理してくれるのもウレシイ。

 

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鶏肉や野菜を食べ終わった後もお楽しみが。

〆のセットとして「焼き飯」(464円)、「焼きうどん」(464円)、「チーズ焼き飯」(626円)の中からひとつ選ぶことができる。

私がチョイスしたのは「焼きうどん」。ハフハフしながら頬張ると、鍋に凝縮された鶏と野菜のうま味と焦げた味噌の香ばしさが広がる。

もう、たまらんうまさ! 〆というよりも、これをアテにまた飲んでまうがね(笑)。

 

その⑦ 〆メニューは最強ラインアップ

名古屋めしのすばらしさは、お酒の肴にもなるし、〆の食事にもなる点である。

ココには、定番のおにぎりやお茶漬けなども用意しているが、やはり名古屋めしで締めくくりたい。

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まずは定番の「きしめん」(626円)。

具材はワカメとネギ、花がつおとシンプル。味の決め手はダシが香るつゆ。〆に最適なのは言うまでもないが、これをアテにお酒を飲むのはかなりのツウ。

 

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続いて「台湾ラーメン」(842円)。

ニンニクチップやニラがたっぷりと入ったパンチのある味わいは酒の肴にも〆にもぴったり。そこらのラーメン店よりもクオリティーが高いのに驚いた。深夜に、これだけを食べに来るファンもいるそうだ。

 

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こちらは「鉄板ナポリタン」(842円)。

熱々の鉄板に回しかけられた溶き卵、たっぷりの赤ウインナーはまさに名古屋の喫茶店の味。ケチャップとともに炒めたやや甘めの麺を頬張りながらお酒を飲むお客さんが多いとか。

 

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最後は、キング・オブ・名古屋めしの「ひつまぶし」(2,138円)。

〆のメニューにしてはやや値が張るが、専門店よりもかなりお値打ち。もちろん、ネギやワサビなどの薬味や〆のだし汁も付く。細かく刻んだ蒲焼きを肴にお酒を飲み、だし汁をかけたお茶漬けで締めくくる。そんなオトナな楽しみ方をぜひ!

 

その⑧ ドリンクメニューも超個性的

お酒はビールや焼酎、日本酒、ワインと豊富にそろうが、オススメはオリジナルのハイボール。

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▲左から、赤ワインをレモンとソーダで割った社長メガ推しの「岡田のハイボール」(540円)、日本酒を柚子とソーダで割った「侍ハイボール」(540円)、マンゴーとみかん、ソーダの「初恋のマンゴー」(540円)、某有名バーの裏メニューでカルピスのビール割り「カルビー」(540円)。ネーミング、味わいともに超個性的だ

 

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「初めて来られたお客様は、味噌を使ったメニューがやたらと多いと思うでしょう。『味噌串カツ』と『味噌串』、『どて串』、『鶏ちゃん焼き』に使う味噌ダレは、同じものを使い回すのではなく、食べ飽きないようにそれぞれ異なるレシピで仕上げています。味噌ダレの味の違いを食べ比べるのもウチの楽しみ方の一つだと思います」と、伊藤店長。

 

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味噌を使ったメニュー以外の名古屋めしにも、一つ一つにこだわりがあることがお分かりだろう。しかも、居酒屋さんの価格で楽しめるのだ。

これはもう、行くしかないだろう。

 

お店情報

名古屋大酒場 だるま

住所:愛知名古屋市中区錦3-18-18
電話番号:052-973-2088
営業時間:月曜日〜木曜日16:00~翌4:00(LO 翌3:30) 、金曜日16:00~翌5:00( LO 翌4:30)、土曜日11:00~翌5:00(LO 翌4:30)、日曜日・祝日11:00~翌1:30( LO 翌1:00)
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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