こんにちは、フードコーディネーターの鈴木麻友子です。
突然ですが、皆さん「プリン」は好きですか?
口の中でとろけるプリンも、もちろん美味しいですが、いま流行りなのは卵感のしっかりある「固めプリン」。
スプーンですくったときのしっかりとした固さとなめらかさ、ほろ苦いカラメルがたまらないですよね。
今回紹介するレシピは、特別なプリンの型もオーブンも使いません。琺瑯(ほうろう)バットに卵液を流し込み、フライパンで蒸していくので手軽につくることができますよ。
ちなみに琺瑯バットは、下ごしらえのための道具から盛り付けの器まで、幅広く活用できる優れもの。オーブンに入れたり、直火にかけたりすることもできますし、冷蔵庫や冷凍庫で冷たいものつくったり、保存したりする際にも使えるので、とにかく便利です。料理からの匂い移りが少ないのも、嬉しいポイントですね。
それでは、喫茶店のような固めプリンのレシピを紹介していきましょう。
喫茶店の固めプリン
材料(21cm×15cmの型1個分)
- 卵…4個
- グラニュー糖…60g
- 牛乳…350ml
- バニラエッセンス…5滴 【カラメルソース用】
- グラニュー糖…40g
- 水…大さじ1
- 熱湯…大さじ1
つくり方
1.琺瑯バットにグラニュー糖(40g)、水を入れ、中火にかける。グツグツと泡立ってきたら左右に揺らしてカラメル色になるまで煮詰める。
2.火から下ろし、熱湯を入れてヘラで混ぜ、軽く火にかけて馴染ませてから冷ます。
3.鍋に牛乳、グラニュー糖を入れ、沸騰しないように温めて、粗熱をとる。
4.ボウルに卵を入れ、白身を切るようにして泡立てないように混ぜる。
5.「3」を2度にわけて「4」に入れ、バニラエッセンスを加えて、混ぜ合わせる。
6.1度漉してから「2」のバットに流し、アルミホイルをかける。
7.フライパンに布巾を敷いて、バットを置き、熱湯をバットの2/3の高さまで入れる。
8.フライパンに蓋をして、ごく弱火で30分蒸した後、火を消してさらに10分蒸す。粗熱が取れたら冷蔵庫でしっかり冷やす。
完成です!
バットから好きな分だけスプーンですくって食べるなんて贅沢ができるのも、手づくりならではですよね。
まるで夢のような光景……。しっかり固めの生地ですが、口溶けは滑らか。コクのある味わいはコーヒーとの相性も抜群です!
琺瑯バットでプリンをつくると、カラメルソースを用意するとき、そのまま直火にかけられるので便利です。
完成したらそのままテーブルに出せるのもいいですよね。
差し入れをしたりする際、そのまま蓋をして持ち運びできるあたりも嬉しいポイント。
さらに、残りのプリンは蓋をしてそのまま冷蔵庫にしまうこともできるので便利です。
琺瑯バットは直火にかけたり、オーブンに入れたりすることができるので、ケーキを焼いたり、冷蔵していた常備菜をそのまま温め直したりすることも可能です。
今回のように、プリンやゼリーの型、保存容器としても活躍しますし、1つ持っているだけで何かと重宝するアイテムなので、とてもオススメです。
ちなみに、今回のプリン、このように喫茶店風に生クリームを乗せても美味しいですよ。
固めプリンのコツ
・カラメルソースをつくるときはシンクに移動!
カラメルソースに熱湯を入れるときは、ハネやすいのでシンクなどに移動してから入れると安心です。余熱でどんどんカラメル色が濃くなっていくので、お好みの色味になる少し手前で火から離すとちょうどいいです。
・卵を混ぜるときは白身を切るように!
卵を混ぜるときは白身を切るようにして、泡立て器を左右に動かしながら混ぜること。ホイップする感覚で強く混ぜてしまうと空気が入って“す”が立ちやすくなり、プリンの舌触りが悪くなってしまいます。
・カラメルソースが固まってからプリン液を流し込む!
プリン液をバットに流し込むときは、カラメルソースが冷えてしっかり固まっているのを確認すること。固まっていないとプリン液とカラメルソースが混ざってしまいます。
・気泡は潰そう!
プリン液を流し込んだときにできる気泡はキッチンペーパーに軽く吸わせるようにして潰すと取りやすいです。
・火加減はごく弱火で!
プリンを蒸すときはグツグツと煮立たせないように、ごく弱火で蒸すこと。こちらも“す”が立ちやすく、舌触りが悪くなります。ごく弱火で蒸したもの(左)と、煮立たせてしまったものと比べると一目瞭然です。
・冷蔵庫でしっかりと冷やす!
蒸したてはふるふるとしていて、まだ柔らかいです。粗熱が取れたら、半日から1日ほどしっかりと冷蔵庫で冷やすこと。しっかりとコシのある固さになります。
固さを調整したいときは?
全卵を4個使った今回のレシピで「固すぎかな~」と感じたのであれば、全卵3個に黄身1つでつくると、やや固めに仕上げることができます。
反対に、もっと固めに仕上げたい場合は、全卵4個に黄身を1つ足すとよいでしょう。お好みの固さを見つけてみてくださいね。
次は「琺瑯バットを持っていない!」という方向けに、マグカップでできるプリンのレシピを紹介します。材料は琺瑯バットと同じ分量を使います。
マグカップでつくる喫茶店の固めプリン
材料(マグカップ2~3個分)
- 卵…4個
- グラニュー糖…60g
- 牛乳…350ml
- バニラエッセンス…5滴 【カラメルソース用】
- グラニュー糖…40g
- 水…大さじ1
- 熱湯…大さじ1
つくり方
1.鍋にグラニュー糖(40g)、水を入れ、中火にかける。グツグツと泡立ってきたら左右に揺らしてカラメル色になるまで煮詰める。
2.火から下ろし、熱湯を入れてヘラで混ぜ、軽く火にかけて馴染ませてからマグカップに流し、冷ます。
3.鍋に牛乳、グラニュー糖を入れ、沸騰しないように温めて、粗熱をとる。
4.ボウルに卵を入れ、白身を切るようにして泡立てないように混ぜる。
5.「3」を2度にわけて「4」に入れ、バニラエッセンスを加えて、混ぜ合わせる。
6.1度漉してからマグカップに流し、アルミホイルをかける。
7.大きめの鍋に布巾を敷いて、マグカップを置き、熱湯をマグカップの2/3の高さまで入れる。
8.蓋をして、ごく弱火で20分蒸し、火を消して10分蒸す。粗熱が取れたら冷蔵庫でしっかり冷やす。
琺瑯バットがなくても、お手持ちのマグカップなどを用いれば固いプリンを楽しむことができますよ。
マグカップのふちに竹串を入れて、ぐるっと回せばお皿に出すこともできます。
専用の型がなくても、マグカップのような日常的な食器を使えば立派な喫茶店風のプリンができあがりますよ。
夢の「喫茶店風・固いプリン」。
コツさえ掴めば誰でも簡単につくることができるので、ぜひお試しくださいね!
書いた人:鈴木麻友子
フードコーディネーター、フードスタイリスト。 桑沢デザイン研究所卒業。祐成クッキングアートセミナー フードコーディネーターコース修了。 書籍、広告、雑誌などのフードスタイリングを中心に、レシピ考案やコラムなど幅広く活動中。
- HP:food coordinator / suzuki mayuco
- Instagram:mayu_uco
企画・編集:河瀬璃菜 りな助(料理研究家・フードコーディネーター)
1988年5月8日生まれ。福岡県出身。
レシピ開発、商品開発、食の企画やコンサル、レシピ動画制作、企画執筆、編集、イベントメディア出演、料理教室など食に纏わる様々な活動をしている。
SONY XperiaのCMやKIRIN本麒麟の広告への出演などその活動は多岐に渡る。
近年では地方を元気にするための6次化商品の開発に力を入れている。
著書「ジャーではじめるデトックスウォーター」「決定版節約冷凍レシピ」「発酵いらずのちぎりパン」 など。