こんにちは、料理・食文化研究家の庭乃桃です。今回ご紹介するのは、旬の春キャベツを使った簡単おかず。身近な調味料と電子レンジのみでさっと作れて、副菜や箸休めとしてはもちろん、サラダとして食べたり、おつまみにしたりすることもできる常備菜です。
ポイントは、みずみずしくて甘みが強く、葉の柔らかな春キャベツを軽く火を通した状態にすること。電子レンジにかけて程よく火の通った春キャベツは、甘みがあって食感も良く、調味料がよく絡んで思わず箸が進む美味しさになるんです。
そして今回は、仕上げにしらすもたっぷりと加えていきますよ。
しらすはビタミンDやカルシウムなどを含み、高タンパクで低脂質な食材。
そんなしらすのうま味が絡んだシャキシャキの春キャベツは、まさに病みつきの美味しさ。しかも食べ応えが増すので、そのままつまむのはもちろん、どんぶりやパスタにアレンジしていただくこともできます(本記事の最後でアレンジもご紹介していますので、併せてご覧ください)。
便利で美味しい春キャベツの簡単おかず、早速一緒に作っていきましょう!
塩ダレしらす春キャベツ
材料(4人分)
- 春キャベツ……4~5枚(300g)
- 釜揚げしらす(※1)……20g~
調味料【A】
- ごま油……小さじ2
- 鶏ガラスープの素(顆粒)……小さじ1と1/2
- レモン汁……小さじ1
- ローストガーリック(※2)……小さじ1/2
- ブラックペッパー……少々
- 塩……少々
※1 釜揚げしらす以外にも、しらす干しやちりめんじゃこなどでも美味しくできます。それぞれ硬さや塩分量が違うので、お好みで量を加減してください。
※2 市販のローストガーリックは、にんにくをローストして細かくしたもの。パパッと振るだけで手軽ににんにくの風味をプラスできます。粗びきガーリックやガーリックパウダーなどでも代用可能です(なお、生のおろしにんにくを使う場合は、小さじ1/4~お好みで入れてみてください)。
作り方① 春キャベツを電子レンジにかける
まずは、春キャベツの準備を。春キャベツは、できればあらかじめ水(分量外)に浸けてから水気を切ってシャキッとさせておくと、加熱した時にふっくらと甘くジューシーな味わいになります。
そして、芯(硬い葉脈)の部分は包丁で薄切りにし、葉の部分は手で食べやすい大きさにちぎりましょう。こうすると葉の断面が粗くなり、後で調味料であえた時に味が入りやすくなります。
キャベツを耐熱ボウルに入れたら、ラップをかけて電子レンジ(600W)で2分30秒ほど加熱します。
春キャベツに半分火が通って、少しかさが減っています。ちなみに今回は火が通るか通らないかのギリギリの加熱しかしていないので、まだ葉の中には十分に甘みや水分が保たれている状態です。
加熱ムラをなくすため、一度菜箸などで上下を入れ替えておきましょう。
作り方② 調味料であえる
続いて、春キャベツがまだ熱いうちに、調味料【A】であえていきます。
調味料は一度に加えてかまいませんが、鶏ガラスープの素などの塩分、ごま油の油分、レモン汁の酸味などが全体にムラなくなじむよう、ここでしっかりと混ぜ合わせていきましょう。
すると、塩分や油分などが浸透し、春キャベツがさらにしんなりとして見た目がつるんとしてきます。
これこそが、美味しさのサインです!
こうして春キャベツの色合いが良くなり、全体にツヤが出てしんなりしてきたら、粗熱が取れるまでこのまま少し置いておきます。
作り方③ しらすを混ぜる
少し置くと、味がなじんでさらに春キャベツがつるんとしてきました! 続いて、まだ少し温かい春キャベツにしらすを混ぜていきましょう。
しらすは、釜揚げしらすなら少なくとも20gくらいは入れた方が食べ応えが出ますし、お好みでもっとたくさん加えてもOKです。
加えすぎると塩分が少し気になるかもしれませんが、調味料をたくさん使って味付けするよりも、しらすのうま味を活かした方がさまざまな栄養素が取れるというメリットがあります(逆に、しらすのうま味は満足感も出やすいので、最初は少しだけ加えておいて、後で物足りなければ好きなだけ追加するというのもアリです!)。
さあ、できました!
春キャベツはつるつるでシャキシャキ。うま味豊かなしらすに加え、ごま油やブラックペッパー、ガーリックの風味も効いて、もう匂いからしてとても美味しそうです。
早速、いただいてみましょう。
ひと口食べてみると、軽く火の通ったつるつるシャキシャキの春キャベツの美味しさが口いっぱいに……!
レモン汁が隠し味になったさわやかでコクのある塩ダレに、パンチのあるガーリックとブラックペッパーがしっかりと効いています。
春キャベツを電子レンジで加熱しただけで、味つけも比較的薄めなのですが、食欲をかき立てるスパイスにしらすの塩気とうま味がマッチして、なんだかいくらでも食べられそうな病みつき感があります。おかずとしてだけでなく、お酒にもよく合いそうです。
春キャベツに絡んだしらすのうま味、やはりたまりません……!
アレンジ春メニューも簡単に
「塩ダレしらす春キャベツ」は、ちょっとアレンジするだけで立派なメインにもなってくれます。
塩ダレしらす春キャベツ丼
こちらは、温かいご飯(分量外)に「塩ダレしらす春キャベツ」とわかめ、大葉(それぞれ分量外)をのせただけの簡単どんぶり。しらすをたっぷり使うと、釜揚げしらす丼風になって、これだけでも立派な一食になります。
タンパク質をもっとたくさん取りたい場合は、写真のように生醤油をかけた冷や奴(分量外)を添えたり、豆腐をどんぶりにトッピングしたりするのもおすすめ。味の相性が最高です!
春キャベツがたっぷりといただけてヘルシーで、すごく食欲がそそられる味わいのどんぶりです。
塩ダレしらす春キャベツパスタ
続いては、美味しいパスタアレンジ。
こちらは茹で上げたパスタ(分量外)に「塩ダレしらす春キャベツ」を絡め、さらしねぎ(分量外)を加えた一皿。
つるつるシャキシャキの甘い春キャベツと、しらすのうま味、食欲をそそるねぎの風味がパスタに絡んで、これまた美味!
味が薄ければ、しらすをたっぷりめに加えるか、パスタの茹で汁に鶏ガラスープの素を混ぜて麺に絡めてもOK。ブラックペッパーやレモン汁をさらに後がけするのも味のアクセントになっておすすめです。
この時季ならではの、美味しい春キャベツとしらすを使った簡単おかず。ぜひ皆さんも、季節の味わいを取り入れたこの一品で春の食卓を彩ってみてくださいね!
書いた人:庭乃桃
料理・食文化研究家、女子栄養大学 食生活指導士。「おいしい」を取り巻くさまざまな食卓の風景に目を向けながら、企業向けレシピの開発や、執筆、講演など多方面で活動中。著書『おいしく世界史』(柏書房、2017年)。