切っても切れない食事と恋愛の関係。『メシ通』では、外食やデートをテーマにした女性クリエイターによるリレー連載がスタートしました。題して「21世紀の外食…いやGUY食問題」!
第2回目は前回同様、トイアンナさん。テーマは「俺のお気に入りの店問題」……って、これどーいうこと? 読めば分かります!!
「お気に入りのお店」は鬼門!?
こんにちは、トイアンナです。
今まで500人以上の方々から人生相談を受けてまいりましたが、特に男女で認識のギャップがあるな、と痛感するのが「ご飯どころの選び方」。ここに典型的な男性からの相談例をみてみましょう。
この前、職場で気になってる女性をご飯に誘ったんですよ。俺、めちゃくちゃ美味しい焼き鳥屋さんを知ってて、月2回は通ってるんですね。当日まで「楽しみにしてまぁす♡」なんて連絡があったのに、いざ飯を食ってからはLINEが既読スルー。
別の同僚経由で聞いた話なんですけど「キレイじゃないお店に連れて行かれた。初デートでこれは信じられない」とグチってたって。いやキレイじゃないって言っても普通の飲み屋さんだったんですよ……? やっぱ女性ってしょせん味より夜景って感じなんですかね? 奮発して損しました。
女性は味より夜景を重視する──。幾度となく男性から聞かされたフレーズですが、実はこれも誤解です。彼が「次こそは!」と、夜景がキレイなレストランへ連れて行ったら同じく脈無しとなることでしょう。
本稿は「女性を自分おすすめのお店へ連れて行ったら嫌われた」と嘆く男性のために、女性がお店を選んでいる基準をお教えしましょう。
男性は「一点評価」女性は「全体評価」
男女でご飯デートするとき、別に女性は景観マニアなわけでもなければ、トイレチェックをするお姑さんでもありません。私の経験則では、男女ともにお店をこんな基準で評価しています。
評価基準そのものに男女差はありません。これはグルメサイトなどの口コミサービスが男女で分かれていないことからも明らかです。
では何が男女で違うのでしょうか。男性はそれぞれの評価基準で1点が優れていると「いい店」判定を下すのに対し、女性はすべてのスコアがそれなりに高くなければお店を評価しないのです。
だから男性がお店をほめるときは、味を一点推しする言葉が多くなります。
このお店、肉料理がめちゃくちゃウマいんだよ。特に牛の串焼きが最高でさ。かめばかむほど、うま味がたまらんのよ。
対して女性がお店をすすめるときは、総合的なほめ方になります。
あのお店、お魚料理がおいしくて。東京駅からも近いしホテル内レストランだからスタッフのサービスもいいよ。都心を一望できるのも素敵。メニューもランチコースだけじゃなくて単品も選べるんだよ。
ですから女性の「おすすめのお店」を鵜呑みにした男性が喜び勇んでレストランへ行くと「あれ、味はイマイチだな……」と首をかしげることにもなるのです。
逆を言えば、ほとんどの女性から好かれるのは「全体的によくできている」お店。男性目線では最高のレストランではないかもしれませんが、そこはぐっと堪えてください。
【まとめ1】
男性は一点評価、女性は全体評価でお店を判断する。
女性をデートに誘うなら「全体的に整った」お店を!
男性は「俺のお店」女性は「みんなの食事」
また、お店の「すすめ方」も男女で差があります。男性の場合、往々にして「マイベストランキング」からお店をすすめてくることがあります。ですから男性からお店を教えてもらうときには、彼が一体何を重視して選んでいるかを知らないと大失敗することとなります。
私の経験では、ある男性から「絶対に美味しいからここ行って!」と教えてもらったお店が激辛の四川料理店だったことがあります。私は辛い物も平気でしたが、一緒に行った友達が辛いものを食べられず頼めるメニューが餃子しかないという悲劇に見舞われました。あらかじめ口コミサイトを読んでおけば良かった……と後悔したのは言うまでもありません。
これに対して女性が人へお店をすすめるときは、「みんなが好きになりそうなお店」を選びます。その結果、女性がおすすめするお店はよく言えば外れがないのですが、悪く言えば無難なリストとなりがち。好き嫌いが出るエスニック料理やB級グルメは姿をひそめることとなります。
つまり「○○ちゃんがすすめてくれた店だから、○○ちゃんとのデートはすすめられたお店へ行けば大丈夫」ではないということ。その彼女はもしかすると、自分が好きなお店を差し置いて無難なお店をあなたへすすめただけかもしれません。
満を持して選んだデートスポットが彼女の行きつけだった場合、「まあ、悪くないけど……」という肩透かしの評価を食らうかも。
【まとめ2】
男性は「俺のおすすめ」を、女性は「みんなへのおすすめ」を提案する。
女性をデートに誘うとき、本人のオススメを鵜呑みにするのはやめよう!
大事なのは心の余裕
ここまで男女で違うお店の評価基準について、簡単にお伝えしてまいりました。「オトコって・オンナってめんどくさいなあ」とため息が漏れた読者の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、ご飯に限らずデートで大切なのは柔軟に相手を受け入れる心の余裕。お店のキレイさに気を使える男性は男女問わずモテますし、女性は「自分では選びようもなかった」新しいお店を知るチャンス。互いの違いを乗り越えて、素敵なレストランに出会えることを願っています!