「柚子こしょう」の秘めたポテンシャルを探ってみた

鍋ものにぴったりな調味料、柚子こしょう。鍋もの以外に合わせてもいろいろ使えそうな気がする食材ですが、なんとなく使わずに冷蔵庫で埋もれていませんか。今回はそんな柚子こしょうの可能性を探ります。

「柚子こしょう」を鍋もの以外にも活用してみたい

こんにちは、ライターのちみをです。

さてさて寒くなってまいりました。冬といえば鍋、鍋といえば柚子こしょう! そう、柚子こしょうがもっともきらめきを放つ季節が冬でありましょう。

柚子の爽やかな香りと辛みが熱い鍋にマッチングし、ひんやり肌寒い冬の風で冷えた体を温めてくれます。もちろんここにビールでも流し込めば、そこに広がるは一点の曇りもない幸福。

そんな柚子こしょう、わが家においてはただ一つだけ問題があります。

鍋ものにしか使わないのでわりと余り気味」なのです。

なにかとポテンシャルは高そうな調味料なのに、なんだか応用ができなくて持て余しちゃうんですよね。

これは同じ悩みを抱える諸先輩・同志も多いのではないでしょうか。

というわけで、柚子こしょう消費拡大のために、さまざまな食べ方を開発してみましたのでご覧ください。

 

①サーモンの「漬け」に入れてみる

【材料】(2人前)

  • 柚子こしょう 大さじ1
  • サーモン(生食用) 150g
  • ごま油 大さじ1
  • めんつゆ(三倍濃縮) 大さじ2

 

【作り方】

1.ふるさと納税の返礼品でもらったサーモンを、お好みの厚さに切ります(今回はちょっと厚め)。

 

2.柚子こしょう、ふるさと納税でもらったごま油、めんつゆを混ぜ、サーモンとともに容器に入れ、冷蔵庫に置いて半日待ちます。

 

完成。いい感じに漬かっていますね。

 

ふむ、柚子こしょうとマッチしやすい和風の味付けなので安定感がありますね。

柚子の風味が脂ののったサーモンとばっちり調和します。辛みもいいアクセントになっており、これを漬け丼にしたら最高なのは想像に難くないでしょう。

なにより調理が簡単なのでオススメです。

 

②ステーキソースに入れてみる

【材料】(1人前)

  • 柚子こしょう 小さじ1
  • 赤ワイン 50ml
  • バルサミコ酢(リンゴ酢で代用もOK) 25ml
  • バターひとかけ 10g程度
  • 鶏もも肉(お好みのお肉でどうぞ) 200g
  • 塩こしょう 少々

 

【作り方】

1.赤ワイン、バルサミコ酢をフライパンで弱めの中火にかけ(少し粘度が出るまで煮詰めるのがオススメ)、煮詰まったらバターを加えます。

 

2.バターが溶けたら柚子こしょうを加えて溶きます。これでステーキソースは出来上がり。

 

3.ふるさと納税でもらった鶏もも肉に軽く塩こしょうし、油(分量外)を引いた別のフライパンで焼きます。皮目から弱めの中火で7分ほど、ひっくり返して5分ほど焼きます(焼き加減はお好みで調整しましょう)。

 

4.お皿にソースを配置し、カットした鶏もも肉を盛り付ける。

 

完成。

やはり脂の多い食材には文句なしに合いますね。

バルサミコ酢の酸味と、ワイン、バターのコクのあるソース。それらと柚子こしょうの爽やかな抜け感とが混然一体となって、ほどよく脂肪分のある鶏もも肉の重さをいいバランスまで戻してくれます。

ということは、豚肉でも牛肉でも、特に脂の多いお肉と戦わせるといいでしょう。調理のコツは、柚子こしょうを加えてから加熱しすぎないことです(香りが飛ばないように)。

これもわりと簡単にできるのでオススメ。

 

③トマトスープに入れてみる



【材料】(2人前)

  • 柚子こしょう 小さじ1/2
  • チューブにんにく 3センチ程度
  • 卵 1個
  • 水 400ml
  • コンソメスープの素(顆粒) 大さじ1/2
  • トマト 1個
  • オリーブオイル 大さじ1

 

【作り方】

1.さいの目に切ったトマト、チューブにんにく、水、コンソメスープの素を鍋に入れて中火で8分ほど煮込みます。

 

2.柚子こしょうをスープに溶き、溶き卵を加えて卵が固まったら完成。

 

3.ふるさと納税の返礼品でもらったオリーブオイルを回しかけて、スープカップによそいます。

 

実食。
まあまあですね。

 

エキストラバージンオリーブオイルを使ったからかもしれませんが、柚子こしょうの香りとやや衝突している感じがします。おそらくコンソメスープの素のような洋風だしではなく和風だし、オリーブオイルではなくごま油を使えば調和したのではと考えます。要工夫。

 

④グリーンカレーに入れてみる

【材料】(1人前)

  • グリーンカレー (レトルトのものを1人前)
  • 柚子こしょう お好みの量
  • パックごはん 1個

 

【作り方】

1.チンしたグリーンカレーと、チンしたパックごはんに柚子こしょうを盛り付けて完成。

ちなみにグリーンカレーのふるさとはタイなのでふるさと納税ではもらってません。

 

レトルトカレーをフル活用したずぼらメニュー。

これは最高に合いますね。今回買ったグリーンカレーから感じられるコブミカンの葉の香りと柚子の皮の香り。これらが「柑橘つながり」になるためか味の組み合わせとして安定的でありつつも少々複雑、さらに独特な深みのある風味となりました。

柚子こしょうに含まれる香りの影響も感じられます。香りが多重的なんですね。

もちろん辛みは言わずもがな。グリーンカレーですから辛さパワーアップ、市販品の辛さには満足できない皆さまも納得の刺激です。

ただ、やや塩みが強くなるので柚子こしょうを少しずつ足しながら試していきましょう。

 

最後はドバっとごはんをカレーに入れてしまいましょう。これ最高。

 

⑤クラッカーにつけてみる

この組み合わせはあんまりおいしくありませんでした。ボツ。

 

【まとめ】「柚子こしょう」にはまだまだ秘めたポテンシャルがありそう

いろいろと試行していくなかでわかってきたことがあります。

柚子こしょうの材料は青柚子の皮(柑橘)、青唐辛子、塩なので、そこを理解しておくとおのずと解が見えてくる気がしました。

要は食材に対し調和の方向で行くのか(グリーンカレーのように)、アクセントをつける方向で行くのか(漬け、ステーキソースのように)を明確にしつつ、最大の特徴である柚子の香りと衝突しない食材と合わせていくのが基本線かと思います。

そう考えると、香りの近い柑橘を使った料理は山ほどある一方で、上手に辛みをいかせる食材という観点で考えるとなかなか難しくなりそうです。

 

あと柚子こしょうは塩気がけっこうあるので、料理によっては使う量をうまく調整する必要もあります。普段のレシピより塩を抑え気味で試すのがよいでしょう。

とまあそんな感じでどこまで柚子こしょうのポテンシャルを引き出せたかわかりませんが、応用次第でいろいろと広がりそうだなという感想ではあります。

他にもどんな柚子こしょうの使い方があるのか、皆さまからもぜひアイデアを伺いたいです。

 

現場からは以上です。

書いた人:ちみを

ちみを

1980年生。銀河で一番美味しく飯を喰らい酒を呑む才能を持ち、食と何かを無理やり結合させることを得意とする食コンテンツサプライヤー。昼はしめやかにリーマンを営む。好きな言葉は「牛飲馬食」。好きな女優は「80年代のかたせ梨乃」。

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