予約待ちの焼肉屋のネギ塩ダレを手作りして、鶏もも肉をごちそうにしてみた

料理研究家のイガゴーさんに、絶品ネギ塩鶏を電子レンジで簡単に作る方法を教わりました。併せてご紹介しているアレンジレシピも必見です!

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美味しくて使い勝手がいい鶏もも肉。そんな定番の材料をさらに美味しく簡単に調理する方法は、いくらでも知りたいところ。

 

今回は、主材料ひとつで作る「しかない料理」を提案している、料理研究家の「イガゴー」こと五十嵐豪さんにインタビュー。名店の味レベルの手作りネギ塩ダレを使って、鶏もも肉をごちそうに変えるレシピをお伺いしました。アレンジレシピも4品教わったので、ライター中川の調理レポートと共にお送りします。

 

▼簡単・時短レシピをよく紹介されている、イガゴーさんTwitterアカウントはこちら

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※この取材は2021年11月下旬にオンラインで行いました

 

お店で食べた「忘れられない味」を再現したかった

今回のレシピは、予約がなかなか取れないという焼肉屋にイガゴーさんが行った際に、そこで食べたネギ塩ダレに感動したのがきっかけで生まれたのだそう。 

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴーさん(以下、イガゴー):その焼肉屋ではネギ塩ダレはコースの中の一品で出されていて、他の品も美味しかったのですが、その中でも忘れられないほど美味しくて。記憶を頼りに再現しようとして作ったのが今回のレシピです。100%まんま同じ味というわけではありませんが、うま味がガツンとくる「しかない料理」らしいものになっていると思います。

 

 

イガゴーさん提案の「しかない料理」は、主材料ひとつでぱぱっと簡単に作れるもので、イメージは「たまに親父がツマミ用に作っていたような、雑なんだけど妙に美味い料理」。もちろんプロであるイガゴーさんが考えているので、背後には簡単でも美味しくできる工夫や知恵が隠れています。その工夫のひとつが、にんにくを使うこと。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:「しかない料理」ではにんにくを使うことが多いですね。にんにくを使うと料理にパンチが加わり、それ以上にうま味に余韻が出ます。あとを引く美味さとでもいえばいいでしょうか、もう一口食べたくなる、そんな効果があります。

 

ネギ塩鶏の作り方

【材料】

  • 鶏もも肉 1枚(約250g)

(以下、ネギ塩ダレ)

  • 長ネギ 10センチ
  • 鶏ガラスープの素(顆粒) 小さじ1
  • 塩 小さじ1/4
  • おろしにんにく 小さじ1/2
  • ごま油 大さじ1/2
  • 胡椒 適量

 

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▲ネギ塩ダレはこれらと、お好みの量の胡椒で作ります

【作り方】

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まずは、鶏もも肉にフォークで全体に穴を開ける作業。ネギ塩ダレを浸透させやすくするためですね。ぶすっ、ぶすっと日頃の怒り(!)を込めてやると美味しくなると思います。

 

※編集部注:もし鶏もも肉の臭みが気になる状態であれば、穴を開ける前に軽く塩(分量外)を振って5分ほど置き、出てきた水分をキッチンペーパーなどでふき取ってください。ちなみにイガゴーさん個人としては、鮮度が落ちていなければ鶏肉は臭みが出にくい食材だと感じているとのこと。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:鶏もも肉は個人的に好きですし、ボリューム感も出るので今回使用していますが、鶏肉の他の部位でも、牛肉や豚肉など他の肉でも全く問題ありません。ネギ塩ダレは、ほとんどの食材に合いますよ。

 

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続いては長ネギをみじん切りにします。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:最初に斜めに切り込みを入れたら、裏返して同じ角度で切り込みを入れます。あとは垂直に包丁を入れれば簡単にみじん切りができるので、このやり方だとおっくうじゃなくなりますよ。

 

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みじん切りができたら、ネギ塩ダレを作っていきます。器に長ネギと、鶏ガラスープの素、塩、おろしにんにく、ごま油、胡椒を入れ混ぜていきましょう。

 

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よく混ぜてネギ塩ダレができたら、鶏もも肉にまんべんなく絡め、耐熱皿などに入れてそのまま常温で20分ほど置きます。

「20分も待てないよ」という人は、ネギ塩ダレを絡めてすぐ電子レンジに入れてもかまいませんが、20分ほど置くほうがベターとのこと。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:20分というのは、塩の作用で浸透圧がはたらく時間と考えてください。浸透圧によって、長ネギやごま油の香りが鶏もも肉に移って美味しくなります。もし待てないようなら絡めてすぐレンチンし、食べるときに追加で作ったネギ塩ダレを追いがけする手もありますが、長ネギは加熱すると甘みが出るもの。加熱せず追いがけしたネギ塩ダレは長ネギの刺激がガツンときます。長ネギ好きならそれでも問題ありませんが、生の長ネギが苦手な人は加熱したほうがいいかもしれません。

 

 

さて、20分ほど置いたら電子レンジで加熱していきます。

 

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▲ラップが破裂しないように、ふんわりかけて加熱

最初は600Wで2分半。

 

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▲2分半加熱後。右下に生っぽいところが残っている

その後、上下をひっくり返してさらに1分半加熱します。

※編集部注:500Wの電子レンジの場合、最初は3分、ひっくり返してからは1分50秒ほどを目安に加熱し、加熱ムラがないか確認しながら適宜調整してください

 

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▲1分半加熱後。きちんと熱が通っていそうな感じに

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加熱具合が気になる方は、鶏もも肉に串を刺し、透き通った肉汁が出ればOKです。

 

加熱が終了したら、ふんわりかけていたラップをぴったりかけ直して10分ほど置き、それからカットします。

ちなみに、ぴったりかけ直すのは、外気に触れさせず香りを逃さないようにするため。また加熱後にしばらく置くのは、鶏もも肉の中まで熱を行き渡らせるためだそうです。ステーキを焼いたあとにしばらく放置するのと同じですね。

 

実食! これはビールが欲しいぞ

鶏好き、ネギ好きとしては最後の10分がなんとも待ち遠しい。ビールを飲みながら待ちたいところですが、このあとも何品か作るのでそうもいかず、待てを食らった犬のようにじっと待機。

 

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▲ほどよく熱が通っていて肉汁がじゅわっ

ようやく10分経ったので、切っていきます。欲張りなので大きめにごろっごろっと切って盛り付け。

 

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写真を撮ってぱくっ。

ううううう、これはやっぱりビールが欲しい……! 加熱して甘くなった長ネギがごま油やにんにくの風味と混じりあって、ジューシーで柔らかい鶏肉にとろりと絡まり、コクがありながらもやさしい味わいに。

あとを引く美味しさになっているのは、やはり、にんにくのおかげなのでしょうか。

 

ネギ塩鶏丼はポン酢とラー油で

ビールを我慢しながらアレンジレシピに取り掛かります。

 

まずはネギ塩鶏丼。

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▲家にあった雑穀入りご飯を使ってみました

ご飯の上にネギ塩鶏をオンして、小口切りにした細ネギを散らします。イガゴーさんのオススメは、ここにポン酢をお好みの量で回しかけていきます。炭水化物が加わった分、塩味を補強する目的があるんだとか。

 

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さらにラー油も、お好みの量を追いがけ。

 

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そして混ぜ混ぜ。ちょっとお行儀悪い気もしますが、よ~く混ぜて食べます。

 

ラー油のピリ辛さ、ポン酢の爽やかさ、鶏肉を噛むとじゅわっと出てくる肉汁のうま味が一体となって、ご飯がどんどんすすむ美味しさです。ラー油といういかにもギルティな調味料を使うので、食べすぎてしまわないようご飯1膳分にとどめたのですが、早速後悔しています……。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:ラー油以外では、バターを小さじ1のせてもいけますよ。ネギ塩鶏に使われているごま油の芳醇さと、バターのリッチな香りは相性がよく、この2つの合わせ使いはオススメです。香りはレイヤーを重ねたほうが、食べたときの満足度も上がるので。あと追い胡椒もいいですね。胡椒の香りは揮発性なので、食べる直前にかけて、フレッシュな香りを楽しんでください。

 

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というわけで、途中で胡椒もパラパラ。味がきりりと引き締まり、これまたいい感じに。

 

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そして、さらに思いついたのはネギ塩鶏を作った器の中に残ったスープ。これ、捨てるのはもったいないし、ネギ塩鶏丼に入れたら美味しいんじゃないかと、れんげですくって混ぜ混ぜ。

 

んん、これもいけます。スープ自体、あっさりしつつコクがあるので、スープをかけただけのご飯でも十分美味しいと思うほど。ネギ塩鶏、恐るべし。

 

ネギ塩鶏うどんは「複雑系な釜玉風うどん」に

続いてはネギ塩鶏うどん。

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冷凍うどんをチンして丼に入れ、そこにネギ塩鶏をのせ、真ん中に卵黄をぽとん。さらに醤油をたらします。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:ネギ塩鶏うどんは、お好みの量の醤油で塩味を補強して、味を調えてください。胡椒や七味も合いますよ。

 

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先ほどネギ塩鶏丼に胡椒を振ったので、ネギ塩鶏うどんは七味で。

 

う~ん、七味、ごま油、醤油、たまごが入り交じり、ぴりりとスパイシーでいながらまろやかさもあって……。「複雑系な釜玉風うどん」とでもいえばいいのでしょうか。ボリュームもあり、満足度の高い一品です。

 

ネギ塩豚も絶品!

続いては、お肉の種類と加熱時間だけ変えて、ネギ塩豚を作ります。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:豚バラ肉にネギ塩ダレを絡めて加熱したものを、ラーメンのトッピングにするのもいいですね。

 

 

やってみました。

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豚バラ肉100グラムほどを一口大に切り、ネギ塩ダレを絡めます。ふんわりとラップをし、電子レンジ600Wで最初に1分半加熱、耐熱皿の中身を混ぜて再度1分半程度加熱します。

鶏もも肉に比べると厚みがなく、薄いのですぐに熱が通るだろうという判断です。

 

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▲1分半加熱した状態。まだ、熱が通っていない部分がある

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▲さらに1分半。1枚味見して熱の通り具合を確認。よしよし、できているぞ

加熱時間は、分量や使っている肉の厚さなどに応じて、微調整しながら試してみてください。

 

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出来上がったネギ塩豚をインスタントの塩ラーメンにトッピングして、煮たまごと好みの野菜を加えれば、簡単なのに手が込んで見える一品の完成です。なんか、専門店のラーメンみたいじゃありません?(自画自賛)

 

豚の脂と長ネギの甘みも、相性がいいことをしみじみ実感するお味でした。

 

ちなみに以前、いろんな味の美味しい煮たまごを作ってみたことがあるので、気になる方はご覧ください。

www.hotpepper.jp

 

ネギ塩ダレを多めに作って、薬味として使うのもよし

ネギ塩ダレ単体を作り置きし、薬味として使う手もあります。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:ネギ塩ダレは、肉料理なら何にでも合います。たとえば買ってきたとんかつに、ネギ塩ダレとソースをかけるだけでも、いつもと違う味わいが楽しめます。

 

 

私の場合は、ネギ塩ダレ単体を作る際、冒頭に記載した調味料の2倍の分量で作ってみました。

  • 長ネギ 20センチ
  • 鶏ガラスープの素(顆粒) 小さじ2
  • 塩 小さじ1/2
  • おろしにんにく 小さじ1
  • ごま油 大さじ1
  • 胡椒 適量

 

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材料を混ぜ合わせ、電子レンジ600Wで1分ほど加熱させたネギ塩ダレを、買ってきたとんかつにかけてみました。小さじ1ほどかけて、これじゃ量が少ないかなと思いましたが、食べたところ全く問題なし。

 

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イガゴーさんはソースとの併用をオススメされていたのですが、私はネギ塩ダレだけで十分美味しくて、ソースをかけないままでぺろり。塩気がほどよく、これは牡蠣フライにも合うな~とも思いました。

 

f:id:Meshi2_IB:20211129195909p:plainイガゴー:他には、冬なので鱈を豆腐と一緒に電子レンジで加熱して、ネギ塩ダレとだし調味料とポン酢を加えていただくのもアリですね。ネギ塩ダレは本当に万能ですし、多めに作って常備して気軽に使えるのがいいんですよね。

 

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▲いろいろな料理にのせてみると新しい世界が開ける

加熱前の状態で冷蔵庫に入れておけば、長めに見積もって5日〜1週間くらいは持つそう。

 

覚えておくと料理のレパートリーが広がる、万能調味料のネギ塩ダレ。ぜひ、みなさんも作ってみてくださいね。

 

書いた人:中川寛子

“真山知幸”

住まいと街の解説者。30数年不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくりその他、まちをテーマにした取材記事が多い。主な著書に『この街に住んではいけない』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』『東京格差 浮かぶ街、沈む街』(ちくま新書)など。宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

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