
カルパッチョが1皿あると、食卓が華やぐんです
カルパッチョって、クールな料理だと思いませんか? いや、冷菜ってことではなく、料理自体はシンプル極まりないのに、おいしいし、華もある。
食卓にこれを出すと、いつも「おお~」っと軽い歓声があがっている印象があります。
ただ家で作るとなると1つハードルがあります。
そう、生肉を調理するため衛生面の管理が難しい。

あっ、カルパッチョというと日本の有名イタリアンシェフがお刺身バージョンを考案したとされ、本邦では「魚介を使った前菜」というイメージが強いですけど、もともとは牛の生肉を使った料理なんですね。
レストランなら徹底した衛生管理がされていますが、自宅でマネするにはちょっと大変。そこで、ウチではスーパーマーケットのお惣菜売り場などで市販されている、スライスされたローストビーフを買ってきて、それでカルパッチョを作っています。
自宅で「サーロインのローストビーフカルパッチョ」を作る

【材料】(1~2人分)
- 市販のサーロインのローストビーフ 適量 ※スライスされたもの
- 市販のフレンチドレッシング(白) 適量
え? 「イタリア料理なのに、フレンチドレッシングを使うのか!」ですか。
まあ、いいじゃないですか。ローストビーフを使っている時点で「なんちゃってカルパッチョ」なんですから。

肉を重ならないようにお皿一面に並べまして……。

その上に線状にドレッシングをかけるのですが、ソースディスペンサーと呼ばれるこんな調味料ボトルがあると便利です。ホームセンターや100円ショップで手に入ります。

こいつで格子状にドレッシングをかければ……。

ハイッ! カルパッチョの完成です。
……。
…………。
………………。
あれ、ひょっとしてですけど、一瞬「これでカルパッチョって呼べんの?」という思いが脳裏によぎりませんでした?
いやいやいや、調理法は少々異なりますけど、カルパッチョ発祥の地といわれるベネチアのレストランではこんなスタイルで提供してるんですって!
もっともあちらはフレンチドレッシングではなく(当たり前だ)、マヨネーズをベースにした「ユニバーサルソース(サルサ・ウニヴェルサーレ)」というのがかけられているそうです。ええ、イタリアに行ったことがないので全部伝聞ですが。
本家では肉はサーロインを使っているらしいので、レシピに敢えて「サーロインのローストビーフ」としましたが、もちろん他の部位でも問題ありません。
まあ、本家のカルパッチョならいざ知らず、こちらはなんちゃってカルパッチョなので、トッピングをのせてもう少し見栄えをよくしましょうかね。
カルパッチョのトッピングにはぜひ削りたてのチーズを

【材料】(1~2人分)
- ルッコラ 適量
- パルミジャーノ・レッジャーノ 適量
- オリーブオイル(エクストラバージン) 大さじ1/2
- ワインビネガー 小さじ1/2
- 塩 適量

ボウルにオリーブオイル、ワインビネガー、塩を入れ乳化(液体が一体化)するまでよく混ぜます。ドレッシングはこれで完成。
次にルッコラを洗ったら水気を切り、手で適当な大きさにちぎります。
野菜はベビーリーフでも春菊でも、お好みでいいんですが、ベースに肉の「うま味」とドレッシングの「酸味」がすでにあり、そこにほどよい「苦み」が加わると、より味が複雑でおいしくなります。
ウチでは苦みのある野菜に、ルッコラとかクレソンを使うことが多いです。

ルッコラをドレッシングと軽く和え、先ほどの肉の上にトッピングします。

そしてパルミジャーノ・レッジャーノを、クレーターだったかグレーターだったか……まあそんな風に呼ばれる専用のチーズおろし器ですりおろします。
チーズが糸かつお状に削られて、見た目からおいしそうですし、実際のところチーズの「コク」が加わることで料理がグッとおいしくなります。

粉チーズに比べると口の中での存在感もあり、削りたてはとくに香りもいいです。

はい、最後に削りたてのパルミジャーノ・レッジャーノをかければ「サラダのせカルパッチョ」の完成です!
やっぱりね、イタリアの国旗と同じく赤(牛肉)、白(ドレッシング・チーズ)、緑(ルッコラ)のトリコローレになっていると綺麗ですよね。
日によってはマッシュルームのスライスや黒オリーブ、ケッパー(ケイパー)などを散らす時もあります。
パルミジャーノ・レッジャーノを削るためのグレーターについてはお持ちでない方も多いと思います。いや、実はウチにもこんなものはなくて、撮影に合わせて友人から借りてきました。普段は普通のおろし器を使っています。
あるいは粉状のパルメザンチーズを振りかけることもあります。
こちらでも十分おいしいですよ。
主役にも脇役にもなれる料理

ウチではパスタ料理を作った時に、サイドメニューとしてカルパッチョを作ることが多いですかね。
あと今晩は夫婦2人でお酒を飲もうとなった時、ワイン(もしくは桃のピューレとスパークリングワインを合わせたベリーニ)の横にカルパッチョがあるともうそれだけでごちそうですし、いろいろな意味で完璧です。
メインでもサイドメニューとしても抜群の働きをしてくれるので、カルパッチョが1皿あると本当に助かります。
自家製ローストビーフでカルパッチョを作るなら……
手軽さと衛生面から市販のローストビーフを買ってきて使う方法でご紹介しましたが、お時間のある方や、たくさん肉を食べたいという場合は自家製ローストビーフもいいですよね。
『メシ通』ではライター陣がプロへの取材や、自作のノウハウを惜しみなく披露したレシピを掲載しています。お好きなレシピで作ってみてはいかがでしょうか?
ただ、カルパッチョのためにわざわざこれを作るのであればそれは本末転倒。まずはじっくりローストビーフを味わってから、あまりをカルパッチョにまわしてください。
あと自家製ローストビーフでカルパッチョを作る際の一番の難関は「肉を薄く切る」ことだったりします。

手切りだと薄切りがなかなか難しく、どうしても厚くなってしまいます。これだと食べた時にローストビーフ感が相当居残っています。
牛肉のカルパッチョの構成要素を考えると、やっぱり「薄い牛肉」って大事だと思うんですよね。
そういった意味でも、スライサーで薄~くカットされ、下味もついている市販のローストビーフはやっぱり便利なんですよね。
書いた人:飯炊屋カゲゾウ

1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとして活動中。「子育屋カゲゾウ」名義で育児ブログも更新中。
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