【決定版】本気でウマイ味噌かつが食べたい……!名古屋めし取材歴20年以上のグルメライターが正直に厳選した5店がこれだ

名古屋めしを取材し続けて20余年の永谷正樹氏が、メシ通読者の皆様に思うこと。「本当に美味しい味噌カツを食べてもらいたい」。だからこそ正直に選んだ5店をここに紹介する。栄「串かつ 青山七丁目」、名古屋駅「キッチンなごや」、中村区「名代とんかつ 八千代 味清」など名店揃いだ。

エリア栄(愛知)

エリア名古屋駅 (愛知)

エリア名古屋市中村区その他 (愛知)

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名古屋めしといえば?」との問いかけに「味噌かつ」と答える人は多い。

しかし、本当においしい「味噌かつ」をどれだけの人が知っているのだろう? 地元在住の私からすれば、名古屋駅や栄などにあり、メディアにも頻繁に登場する「味噌かつ」の有名店で満足しているようでは、ビギナー中のビギナーである。

ノッケから挑戦的な物言いをしてしまい、申し訳ない。とにかく私は、『メシ通』読者の皆様に、本当においしい「味噌かつ」を食べてもらいたい。ただ、それだけなのだ。

そこで今回は、名古屋めし取材歴20年以上の私、永谷がリピート必至の超絶うまい「味噌かつ」のお店を紹介しよう。むろん、すべて自分の舌で味を確認し、正直に選んだお店ばかりである。

 

【栄4丁目】串カツ 青山七丁目

そもそも「味噌かつ」は、戦後間もない頃に名古屋駅や伏見界隈に軒を連ねていた屋台がルーツといわれている。豆味噌で牛のスジ肉や内臓を煮込んだ「どて煮」を出すお店が多く、その鍋に串かつを浸して食べたのだ。

揚げ置きして冷めてしまった串かつを温めることにもなるので、この食べ方は瞬く間に広まり、定食屋さんや洋食店でも食べられるようになった。つまり、「味噌かつ」はもともと酒の肴だったのである。

 

ってことで、まずは味噌串かつのオススメ店からいってみよう。それが栄4丁目の「串カツ 青山七丁目」。

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ここの「味噌串かつ」(5本 500円)は、豚バラ肉に衣をまとわせて、高温の油でカラッと揚げてある。

 

味噌ダレに浸して食べることを前提にしているので、衣はやや厚め。周到に計算されているのだ。

 

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「味噌ダレは、八丁味噌と、食べやすいように合わせ味噌をブレンドしています。どて煮を仕込む際に出る牛スジの煮汁で味噌をのばして、ザラメをくわえて完成です。味噌ダレもそうですが、ウチのメニューの大半は、昔、母親が作ってくれた味をモデルにしています」と、店主の青山正伸さん。

 

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さて、肝心な味だが、味噌ダレはやや甘めながらもしつこさはない。牛スジならではの深いコクがあるので、飽きることなく何本でも食べられる。

 

うん、やっぱりうまい!

 

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ここは、味噌串かつ以外にも手羽先唐揚げやどて煮豆腐など名古屋めしが豊富にそろう。また、それら名古屋めしを盛り込んだ全7品と120分間の飲み放題が付く「名古屋めしコース」(3,500円)も評判だ。

 

お店情報

串カツ 青山七丁目

住所:愛知名古屋市中区栄4-12-7 愛知サカエビルB
電話番号:052-251-5077
営業時間:18:00~24:00
定休日:日曜日、祝日
ウェブサイト:http://aoyama7chome.com/

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名古屋駅】キッチンなごや

JR名古屋駅中央改札口からすぐの「名古屋うまいもん通り」内にあるとんかつ専門店「キッチンなごや」。

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こちらもまた、「どて煮+とんかつ」という、「味噌かつ」のルーツに通じるメニューを用意している。

 

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それが「でら旨ロースカツ丼」(1,210円)。

豚肉は、愛知県西尾市一色町産の「三河おいんく豚」を使用。濃厚なうま味と自然な甘みが特徴だが、それを引き出しているのが、味噌ダレである。

牛スジとこんにゃくを豆味噌でじっくり煮込んだどて煮がたっぷりとのっているのだ!

牛スジのうま味がギュ~ッと詰まったどて煮と三河おいんく豚のとんかつが合わないわけがない。この組み合わせを考えた人は、間違いなく天才に違いない。

 

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名古屋には、どて煮をごはんにのせた「どてめし」があるように、どて煮はご飯との相性が抜群である。イッキにご飯をかき込むのもイイが、半分ほど食べたところで「半熟卵」(100円)をトッピングすべし。

とくに、卵黄とどて煮が混ざり合った部分がもん絶するほどうまいのだ。

 

お店情報

キッチンなごや

住所:愛知名古屋市中村区名駅1-1-4 JR名古屋名古屋うまいもん通り
電話番号:052-561-6669
営業時間:10:30~22:30(LO 22:00)
定休日:無休

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【東別院】㐂らくや(きらくや) 

地下鉄名城線東別院駅の近くにあるとんかつ専門店「㐂らくや(きらくや)」は、ホテルの日本料理店などの板前だった浅野将典さんが、2017年1月に開店させた。

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市内で評判のとんかつ店は老舗が多く、新規オープンというのはかなり珍しい。

 

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「とんかつは老若男女問わず、気軽に多くのお客さんに楽しんでいただけると思ったんです」と、浅野さん。

他店との差別化を図るためにもっともこだわったのは、豚肉。おいしい豚肉を探し求めてようやく見つけたのは、愛知県半田市「石川養豚場」産の銘柄豚、あいぽーく。それも低温熟成によってうま味とやわらかさを増したものを使っている。

 

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こちらは「熟成ひれかつ定食」(1,700円)。

やわらかいことは言うまでもなく、ひれ肉とは思えないほどうま味もしっかり。後味にほのかな甘みもある。

 

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八丁味噌をはじめ、数種類の味噌をブレンドした「味噌タレ」は別売りで100円。

かつ全体にかけてもおいしいが、卓上にあるソースやしょうゆ、岩塩などと食べ比べても面白い。ご飯とキャベツ、味噌汁のおかわりは自由というのもウレシイ。

 

お店情報

㐂らくや(きらくや)

住所:愛知名古屋市中区富士見町11-15 パールハイツくれない2F
電話番号:052-322-8351
営業時間:11:00~14:30(LO 14:00)、17:00~23:00(LO 22:30)
定休日:火曜日の夜は定休
ウェブサイト:https://www.kirakuya-nagoya.co.jp/

 

【中村区役所】とんかつオゼキ本店※閉店

昭和24年創業の老舗洋食店「とんかつオゼキ本店」。

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こちらでは、油で揚げず、厚さ約3センチの分厚い鉄板でカリッと焼き上げた“焼きとんかつ”が名物。

 

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「揚げたとんかつとの最大の違いは、しっとりとした独特の食感ですね。パン粉はキメの細かいものを使っていますが、焼いているうちに適度にパン粉が落ちて、衣は薄くなります。だから年輩のお客さんでもペロリと平らげます」と、チーフの佐藤弘樹さん。

 

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看板メニューの「味噌とんかつ定食」(1,700円)。

焼くことで生まれる衣の香ばしさと、甘さ控えめの味噌ダレのマッチングが最高。

 

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味噌ダレは、豚ロースのスジ肉でとったダシもくわえられていて、深いコクがある。三河や知多など、地元産にこだわった豚肉のうま味を引き出し、ご飯がすすむ。洋食店だけに、付け合わせのポテトサラダもおいしい(←なにげに高ポイント!)。

 

お店情報

【閉店】とんかつオゼキ本店

住所:愛知名古屋市中村区名楽町1-6
電話番号:052-471-7474
営業時間:11:30~14:00、16:30~21:00
定休日:水曜日(祝日の場合は営業)

 

【中村公園】名代とんかつ 八千代 味清(やちよ あじせい)

中村区の太閤通り沿いにある「名代とんかつ 八千代 味清」。

こちらは大正、昭和とその名をはせた、中区錦3丁目「ステーキハウス 八千代」で修業した先代が昭和37年に開店。

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メニューは創業時からほとんど変わっておらず、手間を惜しまず仕上げた昔ながらの洋食が楽しめる。

 

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「店名こそステーキハウスでしたが、舌の肥えた政治家や財界人たちが集うサロンだったようです。とくに、とんかつが名物で、先代が守り続けた八千代の味を私も守り続けていこうと思っています」と、話すのは、二代目店主の高杉満さん。話し好きで陽気な性格ゆえに、高杉さんとの会話も楽しみに来る常連客も多い。

 

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お店の看板メニューである「ロースかつ定食(味噌)」(1,650円)は、分厚くカットしているにもかかわらず、とてもやわらかい。

ちなみに豚肉は、知多三元豚をはじめ、時季ごとに厳選。衣も薄いので、濃厚なうま味やほんのりとした甘みがダイレクトに伝わってくる。口に入れた瞬間、表情がほころんでしまうのが自分でも分かるほどうまい。

 

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別皿で出される味噌ダレに半分強ほど浸して、衣の食感を楽しむのがここのスタイル。味噌ダレは、愛知県あま市産の豆味噌がベース。味付けは甘すぎず、辛すぎず、ちょうどよい塩梅。また、定食のご飯は、白米と雑穀米から選べ、白米は大盛無料!

 

お店情報

名代とんかつ 八千代 味清

住所:愛知名古屋市中村区稲葉地本通2-9-1
電話番号:052-412-0568
営業時間:11:00~14:00(LO)、17:00~20:00(LO)
定休日:金曜日、木曜日夜(木曜日のランチは営業)
ウェブサイト:http://yachiyo-ajisei.com/

www.hotpepper.jp

 

以上、名古屋めし取材歴20年以上の私が、正直に厳選したリピート必至の5店いかがだっただろうか? 名古屋へお越しの際は、ぜひともこれら「味噌かつ」にトライしていただきたい。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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