皆さん、「バイス」を飲んだことはありますか?
「バイス」とは、株式会社コダマが発売している、ピンク色の清涼飲料水。
下町や大衆酒場で古くから愛され続けている、割り物なのです。
私は焼酎をこの「バイス」で割った「バイスサワー」が、世界で一番好きなお酒です。
が。実は、私の中で「バイス」に対しては、数々の疑問を持ち合わせておりました。
なぜこんなにピンク色なのか?
いったい、何を原料につくられているのか?
そもそも、「バイス」ってどういう意味?
ぶっちゃけこれらの疑問点、皆さんの中でもくすぶっていたのではないでしょうか。
こんなモヤモヤを抱えたまま飲む「バイスサワー」は、真の意味おいしい「バイスサワー」とは言えないような気がする……。
というわけで、積年の謎を解き明かし、最高においしい「バイスサワー」を飲むために株式会社コダマ飲料まで、直撃で疑問を投げかけて参りました。
株式会社コダマ飲料の社長に直撃インタビューしてみる
やって来ました、株式会社コダマ飲料本社。
蒲田駅からバスで20分ほどの地にあるこちらの工場で、日々「バイス」が生み出されているのです。いわば、ここは「バイス」の聖地……。
バイス信者として、足を向けては眠れない場所……密かに感動を覚えながら。いざ、バイス・インタビューを決行!!
鼻息荒くやってきた私のお相手をしてくださったのは、代表取締役社長の池澤友博さん。「バイス」の聖地を司る、いわば「バイス」の神様的な存在です。
ありがたいことに、「バイス」に関することであれば、包み隠さずお答えいただけるとのこと。
――早速なんですが、あの、結局のところ「バイス」って何なんですか? 私、あの赤い液体の正体を知らずに10年くらい飲んでいるんですよね。その辺詳しく教えてもらえますか。
株式会社コダマ飲料 代表取締役社長 池澤友博さん:「バイス」は、シソエキスとリンゴ果汁を主原料とした割材です。昭和59年に誕生し、現在に至るまで販売数が上向きのまま、たくさんの方に飲み続けていただいてます。
――シソエキスとリンゴ……。え、梅入ってないんですか。バイス=梅酢じゃないんですか。
そう誤解されている方も多いんですが、違うんですよ。もともと、他所ではやっていないシソ味のサワーをという発想からスタートしたんで……。
――なんでまた、そんな紛らわしい名前を付けたんですか!?
ホイスってお酒があるの知ってますか? 実はあの流れをくんでいる名前なんで、別に梅酢を意味しているわけではないんですよね。まあ、世間的にはそう思ってもらって構わないんですけど、本当の意味については、とりあえず秘密ということで。
――なんか速攻で包み隠されちゃいましたけど、一番聞きたかったことを質問します。ずばり、「バイス」って体に悪くないんですか? このピンク、どう考えても駄菓子系というか……添加物激ヤバっぽいんですが。こっちはハッキリ答えてください! さぁ、さぁ、さぁ!
「バイス」のピンクはシソから出た色なんで、実はこれで意外と自然なカラーなんです。もちろん、認められた食品添加物以外のものは使用していない飲料ですし、健康に良くないということは、決してないはずです。
――勝手にメロンソーダとか、その手の駄菓子的な色味だと思ってました……すみません。しかし、下町系のイメージが強かった「バイス」も、最近では女性ファンも増えてきているようですね。その辺、「ブームにしたるで!」みたいな戦略とかあったんですか?
おかげさまで、「バイス」は1日に1万本出ているんですが、これといってうちから積極的に宣伝を打ったりはしていないんですよ。2012年頃からネットで取り上げられるようになったり、他社さんが営業の時に抱き合わせで宣伝してくれていたりで広まった感じですかね。
――い、1万本!? それを、この工場だけで!?
しかもワンラインです(笑)。ブームになりすぎると弊害が出るので、本音を言えば横ばいが理想なんですよね。細く長くといった感じで。
――よ、欲がない……。ちなみに、「バイス」って一般家庭でも買えたりしないんですか? あの昔ながらのビン、欲しいです!
あのビンは自社で回収しているので、基本的にはお店にしか流通させていないんですよ。ただ、最近は一般家庭でも欲しいという問い合わせも増えてきたのと、ビン回収ができない地方からの注文も増えてきたので、ペットボトルに入った濃縮タイプの「バイス」と一般家庭用のビンに入った「バイス」は売り始めました。
――そうか! だから「バイス」って東京近郊にしかなかったんだ……。いろいろお答えいただき、ありがとうございます。これで最高においしい「バイスサワー」を飲めそうです。
いえいえ。ぜひ良いバイス・ライフをお送りください。
株式会社コダマ飲料が推奨する「バイスサワー」の飲み方とは
株式会社コダマ飲料を後にした私。
これからは心置きなく、「バイスサワー」を堪能できる……!
その喜びを胸に、私はとある居酒屋さんへと足を向けました。
「やきとん まことや 初台店」。
株式会社コダマ飲料で池澤さんに密かに教えてもらった、最高においしい「バイスサワー」の飲み方を実践させてもらうためです。
※こちらのメニューは、税抜き表記です
よし、当然「バイスサワー」があるぞ!
ほかのメニューには目もくれず、ただ真っすぐに「バイスサワー」を注文!
さっそくやってきた「バイスサワー」(410円)!
池澤さんから教わった、「バイスサワー」の黄金律はこれ。
バイス:焼酎甲類 = 2:1
この焼酎の量を見る限り、まことやではしっかりそれが守られているようです!
セルフ割りシステムなので、黄金律を崩さないように「バイス」を注ぎ込みます。
そしてマドラーでジョッキの中に満遍なく「バイス」が行きわたったら、ジョッキを持って……
強い炭酸を恐れず、グビッと飲む!
喉を伝ってくる、「バイスサワー」の独特の味! ……うーん至福!
改めて飲むと、はっきりとシソの味ですね……。
10年もなんの味なのかわかっていなかった私、バカ舌すぎるだろ。
肴はもちろんホルモン系! こちらは「シロコロ」(129円)。
池澤さんによると、「『バイス』は、実はホルモンなどの脂た~ぷりのお肉と相性が最高!」だそうなんです。
確かに、シソの風味によってホルモンの濃ゆ~い脂で口がもたれても、後味サッパリ!
ホルモン屋さんややきとんのお店に「バイス」が置かれていることが多いのは、そういう理由なんですね。
そして、池澤さんに教えてもらった株式会社コダマ飲料でも推奨の「バイスサワー」の飲み方。
それが、キンミヤ焼酎を凍らせてシャーベット状にした「シャリキン」を「バイス」で割る、「シャリキンバイス」。
氷が入らないため、時間が経っても薄くならず、濃い味のまま楽しめるそうです。
飲み心地はズバリ、大人のかき氷!
急いで飲んだら頭がキーンとなりそうなほど、ギンギンに冷えています!
ショリッショリの焼酎シャーベットと「バイス」……この組み合わせ、夏場は手放せないレベルのうまさですよ!
ちなみに、「シャリキンバイス」でも「バイス:焼酎甲類 = 2:1」の黄金律はしっかりキープ!
おかげでこの後も、焼きとんと「バイスサワー」のマリアージュをエンドレスで堪能することができました。
とりあえず、皆さまも
- 「バイス」は昭和59年より発売された、シソ味の割り物
- 「バイス」のピンク色はシソの色なので体に悪くはない
- でも、名前の由来はよくわからない
以上を頭に入れながら、素晴らしきバイス・ライフをお楽しみくださいませ!
取材協力:株式会社コダマ飲料
お店情報
やきとん まことや 初台店
住所:東京都渋谷区本町2-4-12 1F
電話番号:03-5350-5388
営業時間:17:00~0:00
定休日:日曜日、祭日
※この記事は2017年7月の情報です。
※金額はすべて税込みです。