タンパク質も野菜も取れる、じんわり辛みの効いた「ゆず胡椒炊き込みご飯」は味も香りも最高のごちそうメシ

ツナや野菜など食べ応えのある具材に、ゆず胡椒の香りがふわり。焼きおにぎり、だし茶漬けにアレンジしてもおいしい「ゆず胡椒炊き込みご飯」を、料理・食文化研究家の庭乃桃さんに教えてもらいました。

こんにちは、料理・食文化研究家の庭乃桃です。秋は食べ物がおいしい季節。中でも、やはりご飯ものは外せませんよね。

今回ご紹介するのは、炊飯器ひとつで手軽に作れる炊き込みご飯。常備しやすいツナ缶や、炊き込みご飯と相性の良いにんじん、しめじなど、1品でタンパク質も野菜も取れるごちそうメニューです。

さらに「ゆず胡椒」を加えることでワンランクアップした炊き込みご飯を作ります。さわやかな香りとピリリとした辛さが魅力のゆず胡椒は、実は炊き込みご飯との相性もバッチリなんです。

ほんのりスパイシー、香り豊かで品の良い味わいに仕上がるので、いつもの炊き込みご飯とはひと味違ったおいしさが楽しめます。

炊き込みご飯は、多めに作って冷凍し、焼きおにぎりにするのもおすすめ。

具材のうま味や香ばしさの中に、ふわりとゆず胡椒が香って最高に食欲をそそります。さらに、だしをかければ、さらさらいただける「香ばしだし茶漬け」が作れます。

それでは、一度食べたらやめられない「ゆず胡椒炊き込みご飯」、早速作っていきましょう。

ゆず胡椒炊き込みご飯

材料(2合分)

  • 米……2合
  • ツナ缶……1~2缶(140g)※1
  • 切り干し大根……30g
  • にんじん……1/3本(50g)
  • しめじ……1/2袋(80g)
  • だし汁……炊飯器の2合の目盛りよりやや少なめ(約360ml)※2
  • しょうゆ……大さじ1と1/2
  • 酒……大さじ1と1/2
  • ゆず胡椒……小さじ1/2~1

※1 ツナ缶は、大きめのファンシータイプなら1缶(140g)、小さめのフレークタイプなら2缶(70g×2)をご用意ください。

※2 だし汁は、水に顆粒の和風だしの素・小さじ1/2程度を溶かしたもので代用可。

作り方① ツナ缶を用意する

▲大きめの塊が入ったファンシー(ソリッド)タイプ【写真左】と、ほぐれてなじみやすいフレークタイプ【写真右】

メイン具材のツナ缶は、開けるだけで使えるうえに、うま味が強い優秀な食材。ローリングストックとしても活用ができ、オイルを切って使えば「高タンパク低脂質」なメニューが簡単に作れます。

ツナ缶にはいくつか種類があり、大きめのツナが入ったファンシー(ソリッド)タイプなら満足感が味わえますし、比較的お手頃価格で買い求めやすいフレークタイプならご飯や他の具材ともよくなじむので、缶に書かれた品名を見てお好きな方を選んでみてください。

炊き込みご飯の場合、いずれも油っぽくなるのを防ぐため、油漬けのツナのオイルを軽く切ってから使います(なお残ったオイルにはツナのうま味がたっぷりなので、捨てずに炒め物や味噌汁などに使うのもおすすめです)。

作り方② 野菜を準備する

続いて、野菜を準備しましょう。

今回使うのは、味わい深くておいしいだしが出る切り干し大根、にんじん、しめじ。

特に乾物の切り干し大根は、一度干されたことで、生の大根に比べると味わいも栄養価もアップしています。水に浸けて戻すと量が約4倍になり、にんじんやしめじと合わせれば、野菜の量もたっぷり!

水で何度かもみ洗いして汚れを取り、水気をしぼります。長いようなら食べやすく切っておきましょう。

にんじんは、やや太めの千切りに。

しめじは石突きを切り落として、食べやすくほぐします。

作り方③ 炊飯する

具材の準備ができたら、あとは米と一緒に炊き込むだけ。

ここで、おいしい炊き込みご飯を作るためのちょっとしたコツがあるのでご紹介します。

▲調味料(しょうゆ、酒、ゆず胡椒)はよく混ぜ溶かしてだし汁に加え、炊飯器の中の米に合わせます

まずは、米と調味料から。

米は、といだ後、できれば30分ほど水だけで吸水させておくと、ふっくらした炊き込みご飯に仕上がります。あるいは、炊飯器に炊き込みご飯モードがあるならそれを利用してもOK。通常の炊飯モードよりも炊飯時間が長いので、吸水なしでもしっかりおいしく炊き上がりますよ。

いずれの場合も、米を炊飯器に入れたら、だし汁と調味料(しょうゆ、酒、ゆず胡椒)を加えてちょうど2合の目盛りにくるように調整しておきます。

そしてあとは具材をのせるだけですが、その順番が肝心なポイント。

まずは味が入りにくいしめじを、汁にしっかり浸かるように広げて入れます。続いて、切り干し大根をほぐしながらのせていきましょう。

続いて、にんじんを入れ、最後にツナをのせます。

こうするとツナのうま味が下に落ちて全体に回り、全ての具材にまんべんなく味が入ります。

具材を全部のせたら、炊飯器のスイッチをオン! 機種にもよりますが、炊き込みご飯モードがあればそちらで、なければ通常の炊飯モードで50~60分で炊き上がりです。

できました。おこげもできて、いい感じですね!

炊き込みご飯ならではの香ばしい匂いがしますが、ゆず胡椒が入っているおかげで、いつもとはひと味違ったなんとも品の良い香りが漂います。

彩りに刻んだ小ねぎ(分量外)をのせてみました。早速いただいてみましょう。

食べた瞬間、鼻に抜ける、ゆず胡椒の香り……!

噛むほどに味わい深い、ツナのうま味が最高です。

コリコリ感が楽しい切り干し大根に、中まで味の入ったしめじ。こちらも歯ざわりがたまりません。そして、にんじんからは野菜の甘みがバッチリ引き出されています。

味付けにみりんなどは使っていないのですが、具材自体に自然なコクがあり、それが全体にふくよかな味わいをプラスしてくれています。具材のうま味を存分に吸い込んだ米のおいしさはもちろんのこと、じんわり辛みのあるゆず胡椒のアクセントで、最後まで飽きることなくいただけます!

焼きおにぎりで二度おいしい! 「香ばしだし茶漬け」

▲炊き込みご飯のおにぎりはくずれやすいので、温かいうちに固めに握ります

さて、炊き込みご飯が残ったときは、おにぎりにして冷凍しておくのがおすすめです。

そのまま解凍すれば好きなときに食べられますし、さらに焼きおにぎりにすると、絶品のだし茶漬けが簡単に作れます!

▲フライパン用のホイルシートなどを使って焼いてもOK

冷凍しておいたおにぎりは、電子レンジで解凍した後、トースターまたはフライパンで両面をこんがりと焼いて焼きおにぎりにします。

※目安として、写真のような1個100gほどの冷凍おにぎりの場合、解凍は600Wの電子レンジで2分前後。焼く際は、1000Wのトースターで片面5分ずつくらいです。

あとは、うつわに入れてだし汁(分量外)を注ぎ、塩またはしょうゆ少々(分量外)で味を調えて、刻んだ小ねぎ(分量外)を散らすだけ。

焼きおにぎりをくずしながら、だしとともにいただきましょう。

炊き込みご飯のおにぎりがほろりとくずれ、ゆず胡椒がふわりと香ります……!

シンプルな味付けですが、具だくさんなのでしっかり満足感がありますね。ゆず胡椒の香りに加え、焼いたおにぎりの香ばしさもあって、これは食欲のないときでもするするといただけそうです。

まとめ

ツナ缶を活用した具だくさんの炊き込みご飯は、それだけでも具材のうま味が複雑に絡み合って、噛むほどにおいしいイチオシのご飯メニューです。

今回はそこにゆず胡椒をプラスして、さらにごちそう感のある味わいにしてみました。

他にも、水煮のひじきや大豆、じゃこ、さつまいもなど、さまざまな具材でアレンジができますので、ぜひこの秋、お好みの味わいで楽しんでみてください!

 

書いた人:庭乃桃

niwanomomo

料理・食文化研究家、女子栄養大学 食生活指導士。「おいしい」を取り巻くさまざまな食卓の風景に目を向けながら、企業向けレシピの開発や、執筆、講演など多方面で活動中。著書『おいしく世界史』(柏書房、2017年)。

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