「ミョウガ」って、どっさりのせるとおいしいよね

残暑厳しいこの時期、そうめんや冷たいそばの薬味として、あるいは刺身のつまとして、はたまた冷奴や焼きナスの相棒として、とにかく重宝するのがミョウガ。今回はそんな「いつも脇役」なミョウガを主人公として褒め称えてみたいと思います。

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夏はミョウガがおいしい季節です

一年中入手できるものではありますが、やはりあの鮮烈な香りと涼しげな風味は夏に食べてナンボというか、夏の食べ物によく合います。

今回はミョウガをどっさり食べたい気持ちに寄り添うつもりで、ミョウガをどっさり食べるためのレシピをいくつか提案します。

 

今回のレシピ

 

まずは「ミョウガの切り方」から

今回は「小口切り」「糸ミョウガ」「みじん切り」「縦切り」の4つの切り方を使います。それぞれ、香りや口あたりや食感が違ってきます。

 

小口切り

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ミョウガを横方向に単純に切っていきます。薬味として使う場合の定番カットですね。

 

糸ミョウガ

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ミョウガを縦半分に割り、それぞれを斜め薄切りにすると、切られたミョウガが半月形に細長くなります。

この記事内では、これを便宜上「糸ミョウガ」と呼びます。

 

みじん切り

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縦半分に割ったミョウガに、このように縦に切れ目を入れます。

根本はつながってるのでバラけないという寸法です。

 

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そこをバサバサと切っていくとみじん切りになるってワケ。

 

縦切り

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ミョウガを縦方向に細切りにしていくだけです。食感を強調できます。

 

ミョウガをどっさり食べて夏を満喫しよう

1:そうめんに糸ミョウガ

材料(1人分)

  • そうめん 1人分
  • ミョウガ 1本(サッと火を通してから糸ミョウガに切って使用)
  • めんつゆ 1人分
  • その他薬味 お好みで

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そうめんの薬味にミョウガなんて当たり前過ぎですよね。

まあ待ってください。

そうめんを茹でますよね。その沸いてるとこにミョウガをまるごと入れて10秒。ミョウガにサッと火を通すのです。

 

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10秒茹でたミョウガを糸ミョウガに切ります。

急いで切らないとそうめんがのびちゃうけど、包丁は危ないので焦らないでください。

 

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サッと火を通したミョウガは香りが強くなっています。

糸ミョウガに切っているので、そうめんと一緒にお箸で持ち上げやすいです。ザクザクした歯ごたえと、強めに立ち上がる香りは、まさに夏。夏を食べてる気分です。

 

2:ミョウガメインのサラダ

材料(1人分)

  • ミョウガ 3本を縦切りにする
  • キャベツ ミョウガと同量を千切りにする
  • らっきょう甘酢漬け 4〜5個をみじん切りにする
  • らっきょう甘酢漬けの汁 大さじ2
  • ミニトマト 飾りなので必須ではない

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ミョウガをたくさん食べるために特化したサラダのご提案です。とはいえ、生のミョウガを大量に食べると苦味もあってキツイです。

 

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その問題を解決するのが、瓶詰めで売られてるらっきょうの甘酢漬けです。

ミョウガの甘酢漬けもあるように、これ系の植物の苦味やエグみを消しておいしくしてくれるのが甘酢。フレッシュミョウガのサラダは、このらっきょうの甘酢漬けをみじん切りにして使うとマジで食べやすくなります。

あと、らっきょうの甘酢漬けって漬け汁が必ず余るので捨ててると思うんですけど、この漬け汁を大さじ2くらい、ドレッシング気分でかけます。

 

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これで、ミョウガ主体のサラダ完成。ミョウガをどっさり食べられます。

 

3:冷蔵庫に常備しておきたい! いろいろ使える「マルチ薬味」

ここからは2品ほど、薬味ブレンドの楽しみ方をご紹介します。

 

材料(作りやすい量)

  • ミョウガ 1本を小口切り
  • ネギ ミョウガと同量を小口切り
  • 大葉 4~5枚を千切り
  • ショウガ 一片を千切り

 

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薬味ってどっさり使うと価値が高まるというか、ちょっとだけじゃ「うめー!」って感じる前に飲み込んじゃってたり、メイン食材に負けて存在が消えたりするんすよね。

で、遠慮なくどっさり使うなら自作するのが安上がりだし、好きなブレンドで作れるし、最適なんすよね。

 

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切った材料を混ぜたら、ミョウガ、ネギ、大葉、ショウガのマルチ薬味の完成です。たくさん作って冷蔵庫に常備しておくと、いろんな局面でおいしい思いができます。

 

4:納豆に「マルチ薬味」をプラス

材料(1人分)

  • 納豆 1パック
  • マルチ薬味 適量

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たとえば納豆にオン。

 

5:冷奴に「マルチ薬味」をどっさり

材料(1人分)

  • 豆腐 1パック(製品により量に違いがあります)
  • 醤油 適量
  • マルチ薬味 適量

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たとえば冷奴にオン。

 

たっぷりどっさり薬味を使うと、ただの納豆や冷奴がちょっとしたごちそうレベルになるので、わりとうれしいんですよね。

 

6:定番のしらすご飯にも

材料(1人分)

  • ご飯 1膳
  • しらす干し 75g
  • ミョウガ 1本を糸ミョウガに切る
  • 大葉 3枚を千切りに
  • 大根おろし 大さじ2
  • 醤油 小さじ1

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しらすご飯のおいしさは言うまでもないことと思いますが、やっぱり薬味が多いとうまさ倍増じゃないですか。

で、ミョウガの芳香は魚に合うという事実を思い知ることになるわけです。「臭みを消す」というマイナスをゼロにする使い方じゃなく、「風味がさわやかになる」というように、プラスに持ってくることができる薬味なんすよね。

 

7:おなじみのさんま蒲焼缶詰に

材料(1人分)

  • さんま蒲焼缶詰 1缶
  • ミョウガ 1本を糸ミョウガに切る
  • 山椒(粉) パッパッパ、くらい

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どこにでも売ってる缶詰オカズのベテラン選手、さんまの蒲焼缶。

あの濃いめの甘辛タレは、ご存知の通り山椒を入れると化けます。すごい変化率です。

そもそもが蒲焼のタレなので、脳がごちそうを食べてると錯覚を起こしているんですが、そこにダメ押しでミョウガのさわやかなひと刺し。

フタ開けてミョウガをのせるだけしかしてないのに、なんかぜんぜん違うんですよ。僕、食べて「わー!」って言いました。

 

8:ミョウガまぜご飯

材料(1人分)

  • パックご飯 1パック
  • コンビニチャーシュー 75g
  • コンビニ枝豆 50g
  • ミョウガ 1本を糸ミョウガに切る
  • いりごま ひとつまみ

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いろいろあって疲れ切っちゃって体力・気力はもう限界。そんな日もありますよね。

でもミョウガがあれば一安心。

 

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白飯チンして混ぜたら完成、限界調理が一気に逆転。

ボウルの中にはチンした白飯、コンビニチャーシュー、コンビニ枝豆、粗めに切った糸ミョウガ、ついでにいりごまも追加しちゃって、あとはしゃもじで混ぜるだけ。

 

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なんすかこの味、料亭みたい、コンビニ食材マジヤバい。

単なるチャーシューまぜご飯だとラーメン屋のオプションになっちゃうけど、そこをミョウガがキリッと締めてくれることで、懐石料理のシメみたいな品位が出てきちゃうのね。

 

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しかもしょっぱい肉ならなんでもいける。アレンジ許容量パない。生ハム、塩豚、なんでもこい。

彼氏や彼女が初めて家に来るってときは、こいつをサラッと作るとええよ。

それだけでたぶんかっこいい感じになるはずなので、このレシピマジで覚えとくとええよ。

 

9:ミョウガ&パクチーがすごいサラダチキン茶漬け

材料(1人分)

  • ご飯 150g
  • サラダチキン 55g
  • 塩こんぶ ひとつまみ
  • いりごま 小さじ1
  • 鶏ガラスープの素 小さじ1
  • ミョウガ 1本をみじん切り
  • パクチー ミョウガとおなじくらいの量をみじん切り

 

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ミョウガとパクチーを混ぜて食べたことがある人は幸いであります。あれはヤバいですよね。

ミョウガとパクチーを赤と青の色にたとえるなら、そこに紫が生まれるんです。

ミョウガとパクチーを雨と太陽だとすると、そこに虹が見えるんです。

味覚のハーモニーとかってレベルじゃないんです。ミョウガとパクチーのほかに、3つ目の新しい味が確実にそこにあるんです。

 

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サラダチキンは、3パックセットのものを1パック使いました。フォークなどで裂いておきます。

 

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塩こんぶ。出汁その1です。

 

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鶏ガラスープの素。出汁その2です。

こんぶと鶏ガラ、ダブル出汁の茶漬けになります。

 

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あると地味に効くので、いりごまをひねり入れるのがおすすめです。

 

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ミョウガとパクチー。ほぼ同量使います。みじん切りにするのは、香りを強く出すためと、出汁と混ざって味が流れ出ていきやすくするためです。

 

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ご飯を用意します。

材料を全のっけしたら、水かお茶(分量外)を注ぎます。ご飯が熱い場合は冷たい水かお茶を、ご飯が冷たい場合は熱湯か熱いお茶を注いで完成です。

はい、夏の日のパーフェクトランチ。

 

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ミョウガとパクチーの味と香りが出汁に溶け出した結果、まったく知らない、人類が未知のおいしい味が発生しております。人類が未知の味というのは大げさな表現です。

ミョウガの香りもする。パクチーの爽やかさもある。こんぶと鶏のうまみもある。

 

そこにもうひとつ、入れた覚えのないうまみが、なぜかはわかんないけど確実にあるんです。知らずに食べるとびっくりすると思うので、ぜひ誰かに黙って出してみてください。そしてどうなったか教えてください。

 

夏はミョウガがおいしい季節です。ミョウガをたくさん楽しめば楽しむほど、いい夏になっていくってワケ。どうせ暑くてかなわんのですから、爽やかにトンガッたミョウガの香りで一瞬の涼を感じていきましょう。

 

書いた人:鷲谷憲樹

鷲谷憲樹

フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。

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