老舗魚屋店主が少ない油でサクサクに「しらすとたっぷり野菜のかき揚げ」を揚げるレシピ【魚屋三代目】

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

毎年春先になると各地で解禁になるしらす漁。釜揚げしらすやしらす干しとして出回っているものは、水揚げしてすぐに加工し、冷凍されるので、一年を通して美味しく食べられます。

今回は、そのしらすを、春が旬の“和のハーブ”の三つ葉、さらにたっぷりの野菜と一緒に、少ない油でサクサクの「かき揚げ」にするレシピをご紹介します。

少ない油で具沢山のかき揚げを揚げるのに、ここでは直径14cmくらいの小鍋を使い、鍋いっぱいに具を流し入れました。大きなフライパンだと少ない油ではかき揚げが焦げやすく、具材も散ってまとまりにくい。その点、小鍋やミルクパンのサイズにあわせて揚げればバラけず、キレイなかき揚げが簡単に作れます。

大きくて丸く、香ばしく揚がったかき揚げはお酒のおつまみにするもよし、そばやうどん、丼メシにどーんとのっけてもいいですね。使う油の量が少ないので後片づけもラクですよ。

 

魚屋三代目の「しらすとたっぷり野菜のかき揚げ」

【材料】直径14cmくらいのかき揚げ4~5枚分

  • 釜揚げしらす(しらす干しでもOK) 100g
  • にんじん 30g
  • ごぼう 30g
  • たまねぎ 100g(中サイズ1/2個程度)
  • しいたけ 2個
  • 三つ葉 2株
  • 水菜 1株
  • 天ぷら粉(市販品) 100g
  • 水 100ml
  • サラダ油 適量
  • 塩(食べるときのつけ塩) お好みで

 

作り方

1. にんじん、ごぼうは5cmくらいの長さでできるだけ細くせん切りにします。三つ葉と水菜も5cmくらいの長さに切ります。しいたけは軸を切り落として薄切りに、たまねぎは繊維に沿って薄切りにします。

切った具材はすべてボウルに入れます。

野菜はできるだけ細く、薄く切ると、揚げたときに火の通りが早く、水分も丁度よく飛んでくれます。そうすると揚げたあともいつまでカリッとしたかき揚げになりますよ。

 

2. 釜揚げしらすを加えざっくりと混ぜたら、

 

天ぷら粉をふりかけ、

 

粉が全体に行き渡るようによく混ぜ合わせます。

粉を先にからめておくと具材が少ない衣でまとまり、ベチャッとせず、少ない油でサクサクに揚がりやすいです。

かき揚げの衣は市販の天ぷら粉を使うのがラクで美味しくできておすすめです。小麦粉や卵、水で衣を作るのは面倒なのと、混ぜ方や揚げるときの温度に気を配らないと油ベトベトの重たい仕上がりになってしまいます。

 

3. 水を回しかけ、

 

ダマや粉っぽさがなくなるようにさらに全体を混ぜます。

よく混ぜ合わせても粉っぽさが残るようなら、水(分量外)を少しずつ足してください。

 

4. 小鍋(今回は直径14cmくらいのもの)に底から1.5~2cmくらい揚げ油を入れます。

揚げたかき揚げをのせる網やキッチンペーパーも用意しておきましょう。

 

5. 小鍋を中火で2~3分熱して、油を中温の170℃程度に温めます。衣がついた具材をひとかけ油に落として、鍋底に沈んでからほんの一瞬おいて浮かんでくるくらいが目安です。

 

6. 油が温まったら、3を1/4~1/5量入れて広げます。菜箸で3~4ヵ所刺して火の通りをよくして、2~3分揚げます。

崩れやすくなるので、箸で刺したあとは裏返すまでかき揚げには触りません。また、火加減は、焦げないように様子をみながら中火~中弱火で調節してください。

 

7. 2~3分すると低めのボコボコという音からパチパチという高い音になり、かき揚げから出ていた大きな泡が小さくなります。そうすると、かき揚げの周囲や油に浸かっている面がカリッとしてくるので、

 

一度火を止めてからターナーなどでひっくり返し、中火~中弱火でもう2分くらい揚げます。

揚げすぎと、垂れた油に引火するのを防ぐため、ひっくり返すときは火を止めています。

 

8. 2分くらい揚げて裏面もカリッとしてきたら、油から上げ、

 

網などにのせて油を切ります。

箸やターナーを通じてサクサクに揚がっているのがわかります!

 

9. 皿に盛り、お好みで塩を添えます。残りも同じように揚げてください。

今回の分量で、直径14cmくらいのかき揚げが4~5枚揚がります。揚げていると揚げ油は減るので、その都度足して1.5~2cmくらいの量を保ってください。

残ったかき揚げは冷めてから冷蔵して、次の日、食べるときにオーブンやオーブントースターで温めるとサクッと食べられますよ。

 

まずは何もつけずにそのまま食べて!

大きなかき揚げがサクッと揚がりました! 熱した玉ねぎの甘い香りに香ばしさが加わって、なんとも食欲をそそります。

まずは何もつけずに食べると、口の中に広がるしらすの塩気と野菜の甘み、サクサクの衣の香ばしい風味がたまりません! 三つ葉のさわやかな香りは春を感じさせてくれますよ。

お好みで塩をつけて食べると野菜の甘みがさらに引き立ちます。こちらもお試しください。

 

しらす以外にも、小えびや桜えび、ちくわなどもすぐ揚がってコスパよく美味しいかき揚げになります。その他の具材はここでは家にあったものをあれこれ入れましたが、基本はたまねぎとにんじんがあればOK。今回の分量なら、野菜は合わせて200gくらいを目安にするといいと思います。

サクサクに揚がると時間が経っても香ばしく食べられるので、お酒を飲みながらつまむのにもぴったり。大きくてまん丸、カリカリのかき揚げが手軽に揚げられますので、ぜひ作ってみてください!

 

作った人:魚屋三代目

魚屋三代目

本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で60年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。62種の魚介の詳しい捌き方と、それらの魚をおいしく食べる100を超えるレシピ、捌き方やおろし方の動画が見られるQRコードも掲載の最新刊『魚屋三代目の魚のおろし方と料理』(エイ出版社)が発売中。2023年4月、新鮮な魚介類を使ったお惣菜店「noboru 魚武商店」もオープン。

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