こんにちは。料理家の美窪たえです。
本日は、鶏肉とカシューナッツ炒め(腰果鶏丁)をご紹介します。
この料理は一見、中華料理と勘違いしてしまいそうですが、実はアメリカ発祥の料理といわれています。
中国には鶏肉とピーナッツ炒めという料理がありますが、アメリカでピーナッツの代わりにカシューナッツを用いたことで鶏肉とカシューナッツ炒めが生まれた、とされています。
鶏肉とカシューナッツ炒めは、つるりと滑らかな口当たりの鶏肉と、甘みとコクのあるカシューナッツが不思議とよく合い、食べ始めるとお箸が止まらなくなる抜群においしい料理です。
カシューナッツをメイン食材として使用する料理は、決して多くないと思います。それだけに、このレシピを知っておけばカシューナッツをご家庭でさらに楽しめるはずです。食感も面白く手軽に作れる料理ですので、ぜひ試してみてくださいね。
材料(2人前)
- 鶏もも肉……150g(1/2枚)
- カシューナッツ(無塩の素焼きタイプ)……50g
- ピーマン……1個
- 赤ピーマン……1個
- 長ねぎ ……1/4本
- ニンニク……1かけ(お好みで調整ください)
- しょうが……10g
- 鷹の爪(輪切り)……ひとつまみ
- サラダ油……大さじ1
〈下味用の調味料〉
- 醤油……小さじ2
- 紹興酒(または日本酒)……小さじ2
- サラダ油……小さじ2
- 片栗粉……大さじ1
〈合わせ調味料〉
- 醤油……大さじ1/2
- 紹興酒(または日本酒)……大さじ1/2
- 酢 ……大さじ1/2
- 砂糖……大さじ1/2
- 鶏ガラスープの素(顆粒)……小さじ1
- 片栗粉……小さじ1
- 水 ……大さじ1/2
鶏肉とカシューナッツ炒めの作り方
1.鶏もも肉は、2cmほどの角切りにします。
この料理は、材料をできるだけ同じくらいのサイズに切るのが最初のポイントです。あまり大き過ぎるとカシューナッツなど他の具材とのバランスが取れなくなりますので、お箸でつまめる小ぶりなサイズを意識して鶏もも肉を切ってください。
2.〈下味用の調味料〉をボウルなどに入れ、切った鶏もも肉とよく混ぜ合わせておきます。
事前にサラダ油と片栗粉を混ぜ合わせておくことで、炒める際にダマにならず、素早く調理することができますよ。
3.ニンニクとしょうがは薄切りにして、鷹の爪はお皿などに出しておきます。
長ねぎは、縦に半分に切って1.5cmほどの斜め切り、ピーマンと赤ピーマンは1.5cm角ほどのひし形に切ります。〈合わせ調味料〉も小さなボウルなどに入れて混ぜ合わせておきましょう。
4.カシューナッツはすぐに調理できるように、使用する分を袋から出しておきましょう。メイン食材となるカシューナッツですが、食塩不使用の素焼きタイプが売られていますので、料理に使う場合はそちらを選ぶようにしてください。
5.フライパンにサラダ油半量(大さじ1の半分)を入れ中火で温めたら、カシューナッツを投入します。時々混ぜながら2分ほど炒めていきます。カシューナッツが軽く色付いてきたら、一度取り出しておきます。
素焼きされているカシューナッツは、油で炒めることでさらに香ばしさが増して、よりおいしくなりますよ。
6.カシューナッツを炒めたフライパンに残りのサラダ油(大さじ1の半分)を入れ、ニンニク、しょうが、鷹の爪を入れてさっと炒めます。香味野菜の香りが立ったら、鶏もも肉を加えて2分ほど炒めていきます。
7.鶏もも肉の色が変わってきたら、長ねぎ、ピーマン、赤ピーマンを加えて炒め合わせ、野菜に油が回ってツヤが出たら、一度火を止めます。
8.〈合わせ調味料〉を今一度よく混ぜてから回し入れ、火を止めたまま全体を混ぜ合わせます。これがこのレシピの1番のポイントです。
水分が少ない炒め物の最後に、水溶き片栗粉でとろみを付けるのは、かなり難易度の高い技です。そこで〈合わせ調味料〉にあらかじめ片栗粉を混ぜておくのですが、熱々のところに加えてしまうと、たちまち片栗粉に火が通って結局ムラになってしまうため、一度火を消して温度を落ち着かせたところに加えることで、失敗なく均一に味付けすることができるのです。
〈合わせ調味料〉が全体に行き渡ったら改めて火を付け、中火で軽く混ぜながら1分ほど炒めます。
9.とろみが付いて調味料がしっかり具材に絡んでツヤが出てきたら、最後にカシューナッツを加えて軽く炒め合わせます。
30秒ほど全体を混ぜ合わせながら炒めれば、鶏肉とカシューナッツ炒めの完成です!
鶏肉とカシューナッツ炒めの楽しみ方
早速、出来たてをいただきましょう!
まずメイン食材である、鶏もも肉と香ばしく甘みのあるカシューナッツを一緒に食べてみます。鶏もも肉は片栗粉のコーティングのおかげで、非常にジューシーで味付けもしっかりしています。カシューナッツは油で炒めたことで香ばしさが倍増しており、鶏もも肉と合わせて食べることで食感が際立ち、双方の相性のよさを感じます。
少量の酢を入れていることで、ほのかに酸味のある甘じょっぱい味付けが後を引き、ごはんと一緒に食べてもお酒のおつまみとしてもバッチリな味わいです。
個人的には、鶏肉とカシューナッツ炒めはチャーハンと合わせるのもおすすめです。
チャーハンにカシューナッツと鶏もも肉が加わることで、食感と具材感が増して、なんともリッチで満足感のある味わいを堪能することができます。冷凍チャーハンなどを活用して、ぜひ最大級のおいしさを思いっきり満喫してみてくださいね。
まとめ
アメリカ発祥の料理、鶏肉とカシューナッツ炒めをご紹介しました。
カシューナッツはスーパーなどで手軽に手に入りますので、鶏肉料理の新たなレパートリーに加えていただければ何よりです。
特に難しい工程はないですが、この料理にしかない特徴やカシューナッツの香ばしいおいしさを感じられますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。それでは。
書いた人:美窪たえ
料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ、SAKE DIPLOMA。OLからバーテンダー⇒日本料理人⇒フレンチコック⇒アメリカンデリという、異色の経歴を持つ料理家。料理のおいしさと酒への思いを発信するユニット[おとな料理制作室]としても活動。著書『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)が好評発売中。