【燻し飯】一番ウメェ燻製はどいつだ? カニカニ・パニック編

前回までのあらすじ~

 時は西暦2015年。食の道を極めんとする一人の男がいた。 

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燻 煙太郎(いぶし けむたろう)である。

 

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あらゆる食材を燻し、食材の新たな魅力を引き出す燻煙太郎。

 

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煙の秘術を追求する燻煙太郎の前に立ちはだかる、数多の食材(ライバル)。

 

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そして明かされる、衝撃の真実。 

 

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燻煙太郎の戦いが、再び幕を開ける……!!!

 

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ということではじまりました。こんにちは、燻煙太郎です。

 

炙燃太郎の死、そして燃太郎の愛弟子である煙太郎の登場と、大変ドラマチックな展開でお届けしているこの連載、僕がこの柔道着(9,000円)をなんとしてでも使い回す、という覚悟のほどが伝わりましたでしょうか。

 

ネタに詰まるとキャラが死ぬのは少年漫画の王道です。ひとつ気がかりなのは登場人物がすべて僕だということです。最後にすべて僕のクローンだったとわかったら、無数の僕と共に敵のアジトに攻め込みたいと思います。でも敵も僕の可能性が高いです。

ということで、さっそく燻していこうと思うのですが、事前に僕が燻しに使用する、とっておきの道具をご紹介しておきましょう。

 

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思い出していただけましたか?

 

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燻製キット(3,000円)です。

 

燻製というと準備が面倒なイメージがありますが、これは燻製に必要なすべての道具がセットになっているので、携帯コンロと火を使える場所があれば、誰にでも燻製ができるのでおすすめ。

 

柔道をしないのに柔道着を買うくらいなら、この燻製キットを3台買った方がいいです。ということで、引き続きこの燻製キットで、さまざまな食材を燻してまいります。

 

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※煙太郎は特殊な訓練を積んでおり、火の番を怠らず、屋外では水分補給と日除けを心掛け、リアルとソーシャルの炎上および熱中症にも常に気を配っています。読者の方も夏場は特に注意してください。

そして本編に入る前にぜひ認識をあらためていただきたいのですが、ここからは柔道着を着た男性がさまざまな食材を燻製にして美味しいものをみなさんにご紹介するお時間です。

なお、当シリーズでは帯の締めが甘く、わりと柔道着の前がはだけてしまっていることをこの場をお借りしてお詫び申し上げます。

 

パン

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パンって、すでに完成され尽くしていると思うんです。味も、食感も、香りも、パンってどんな風に調理してもだいたい想像がつくじゃないですか。

 

合コンで女の子に早稲田出身って言われたら「わかる~~~」って思うし、慶応出身って言われたら「やっぱりね~~~」ってなると思うんです。

 

でも、早稲女なのにビリギャルとか、慶応ガールなのにハンカチ王子とかあってもいいでしょ?! そうでしょ?!?!?!

 

そんな思いで燻してみました、パン。

 

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お前さてはトーストだな?

 

以前、ランチパックを炙った故・燃兄に聞いたのですが、パンを加熱するとだいたいトーストみたいになるそうです。ところが、燻製はちょっと様子が違う。 

 

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いい匂いなの、これが。

 

使用したさくらのチップの匂いが、しっかりとトーストに付いています。パン本来の香ばしさと相まって、これはお味が気になる!

 

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ということで、ハムッ。

 

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おお、とってもフルーティ!

 

さくらのチップの匂いで甘みが引き立ち、マーマレードを塗ったトーストのような味がします。煙って、調味料なんですよ、みなさん!!!

 

しばらく口の中で遊ばせるのも美味いですね。水分はまるっきり飛んでしまっているので、ざっくざくのラスクみたいな食感です。

 

毎度言っていますが、「燻製パン」これビジネスチャンスあるで。

 

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タマゴ

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生まれる前のヒヨコのやつをみんなして茹でたり焼いたりするあれです。(※編集部注・無精卵は孵化しません)

 

しかしタマゴっておいしいよね! そういや「タマゴは1日2個まで」って医学的には根拠ないらしいぞ! 

 

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燻された生まれる前のヒヨコのやつ。

 

はい、いわゆる燻たまです。

 

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やっぱり、市販のものより自分で燻製にしたもの方が香りが強いです。燻製自体に好き嫌いがあるとは思いますが、好きであればぜひ、自分で燻製にしてみることをおすすめします。

 

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味は市販のものとどう違うかな。

 

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うめえ!

 

たっぷりとチップの香りを吸い込んだウマ味が舌と鼻を直撃します。

 

そしてビックリしたのが食感! これはあらかじめ半分に割って燻製にしたためだと思うのですが、ゆで卵と目玉焼きの中間のようで、表面がちょっとカリカリしていました。やっぱり、慣れ親しんだ調理方法ではない分、出来上がりも予想を超えていることが多いです。燻し飯、楽しいぞ。

 

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トマト

覚えているでしょうか、前回はアボガドでひどい目に遭ったことを。燻製にしたアボガドは虫の味がします。(あくまで個人的な見解です)

 

みずみずしい野菜って燻製に向かないんじゃないか、という疑念も湧きますが、ここで引き下がっては燻煙太郎の名がすたる。ということで再チャレンジです。

 

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そう、トマトで。

 

ミネストローネとか、加熱してもおいしい野菜。勝てる相手だと思って勝負を仕掛けたのはナイショです。

 

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そう、勝てる勝負と思っていたのです。箸を入れるそのときまでは。

 

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ぐしゃ。

 

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箸を入れたら脆くも崩れ去りました。この潰れ具合、ぜんぜん美味しそうじゃないぞ。とはいえ燻し飯ですから、一応匂いもチェックしておきましょ……

 

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くっせ。

 

なんかこう、一気に青臭くなりました。記憶に刻まれた進撃のアボガドの恐怖がよみがえります。

 

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実食です。

 

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ヤッ。

 

びっくりするくらい美味しくありません。気づきました、ようやく気づいたんですけど、味がない。他の食材はわりとそれ自体に味があるんですが、野菜ってそんなに味がないんです。

 

塩もコショウも効いていないミネストローネが出てきたら、そのままお皿を店員さんの頭に「ソイッ!」ってやりますよね。それくらいショックです。

 

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オレ ヤサイ クンセイ シナイ。

 

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お茶

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あれ、ふざけてんのかな? って思ったかも知れないんですけどふざけてないです。しかし今回ガムを燻したんですがドロドロに溶けちゃったので、それはふざけていたかもしれません。ごめんなさい。

 

でもほうじ茶っていうくらいですし、お茶を火にかけることは間違いではないはずなんです。香りを楽しむ側面もあるお茶、燻すとどうなってしまうのでしょうか。まずはビジュアルから。

 

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うん、わからない。

 

そりゃそうだ、茶葉はティーバッグに入っているため中身の様子はよくわかりません。では肝心の香りはどうでしょうか。

 

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くんくん。

 

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おやおや~~~。

 

いい匂いです、いい匂いですよ、これは。香ばしさがプラスされるのはもちろん、なんとなく爽やかな匂いが鼻に残ります。

 

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お湯につけてみましょうか。

 

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右がふつうのティーバッグ、左が燻したティーバッグです。

 

色の違いはありません。緑茶を炒るとほうじ茶になるくらいの変化があるとわかりやすいのですが、まあ飲んでみないことにははじまらないか。

 

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SUGEEEEE! 煙茶(けむちゃ)DAAAAA!

 

前回のポテトチップスより、ダイレクトに煙の味がします。煙って味があると確信しました。なんとなく梅昆布茶を思い出すお味です。

 

煙を口で楽しむ感覚は、まるで水タバコのよう! 水タバコやったことないんだけれども!!!

 

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カニ 

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今回、最後に登場したのはカニ。美味くないはずないと思ったでしょう? 僕もそうだと思ってたんです。

 

それが、まさか、あんなことになるなんて……。

 

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はい、ものすごく、美味しかったです。

 

ふざけんな結局うまいんじゃねえかこのぽっちゃり柔道着、大体なんなんだその伊達眼鏡は! とみなさんの怒りの声が聞こえてくるようですが、ちょっとした燻しのコツもあるので説明します。

 

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くっくっくっ。

 

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こんなテカテカになりやがって……。

 

燻すと飴色でなんかちょっとエロい印象になるカニ。甲羅越しでも燻製のほのかな匂いはするのですが、正直、カニそのものが単純に美味いだけなんじゃないかとも思っていたんです。

 

しかーし!

違いました。本当の魅力はあるところに隠れていたのです。

 

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ココ(足の付け根部分)。

 

しっかり身が詰まっていながら、ここは殻が比較的薄い部分なので、匂いが十分に染み込んでいます。同時に火の通りもよく、焼きガニのような香ばしい風味も。

 

それでいて剥き身を燻すよりはぷりっぷりでジューシー。とにかく甘いし旨味がすごい。薄い殻が水分と旨味を逃がさないのです。アミノ酸アミノ酸アミノ酸~~~!!!という主張を真っ向に受け止めている気分になります。

 

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思わず涙が。

 

ということで、今回も。

 

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これこそが燻しメシだ!

 

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まとめ

迷わず燻せよ。燻せばわかるさ。- 燻煙太郎(1986~)

今回ご紹介した燻しメシの数々、いかがでしたでしょうか。全体を振り返って、おすすめしたいのは魚介類、おすすめしないのは野菜ということがわかりました。そして今回、肉がなかったのは予算の都合です。(カニと柔道着が圧迫しました)

 

みなさんのご要望が集まれば、世の中のありとあらゆる肉を燻し比べる夢の企画が実現するかもしれないし、ご要望が集まらなければ今度は燻煙太郎が死んでしまうかもしれません。(盛大なフリ)

 

煙を使って調理をするという非日常感、そして燻製機の蓋を開けるときのドキドキ、燻して美味い食材というのは休日のちょっとしたアクティビティにぴったり。食べるって、まだまだおもしろい!! 機会があればまたお会いしましょう。

 

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燃兄(もえにい)、見ててくれよな 。

 

※撮影に使用した食材はスタッフと燻煙太郎がすべて美味しくいただきました。
※本記事は2015年8月の情報です。

 

書いた人:朽木誠一郎

朽木誠一郎

86世代の編集者/ライター。座右の銘は「憎まれっ子この世に憚る」です。

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「ペヤングソースやきそば」をスーパーの生麺で再現できるか【料理解析】

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私「あのォ、『メシ通』の編集部さんからリクエストありまして」

妻「はい?」

私「スーパーで普通に売ってる焼きそばの蒸し麺で、ペヤングのソースやきそばの〈あの味〉を再現してくれないかと……」

妻「ヤダ!」

私「そこをなんとか!」

妻「ヤダヤダ! 私が憧れてるのはもっとオシャレな料理研究家なんだぁ!」

私「そんな料理研究家なんてグリードなアンビシャスは捨ててですね……〝料理解析家〟だってかっこいいジャン」

妻「これじゃ私は頼めばナンでも作ってくれる面白い人じゃないか! バカ!」

私「まあまあ、ペヤングは美味しいよ、ね? ね?」

妻「……う。たしかにあれは美味しいけど……」

てなやり取りがありまして、妻大権現様は渋々承諾。でもそのわりにはノリノリで食材を準備してくれたのでした。

 

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材料はザッとこんなもんです。

 

まずはペヤングを試食

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作る前にペヤングソースやきそばを試食しておきます。

 

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復活してから蓋がプラスチックじゃなくなって、こーゆー感じのカバーになってます。

 

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たぶんいちばん再現が難しいのはこのソースなんじゃないかと。ペヤングのソース、本当に美味いですもんね。

 

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とりあえず試食。

 

ん!?

以前とちょっとだけ味が違うかも。なんだろう、ビミョーな違いなんですが、ちょっとだけヘルシーな感じになったかもしれません。前はもう少しスナッキーな味わいだった気が……。まあ、無視しても良い程度です。

ペヤングと言えばズゾゾーッと食べる“のどごし”なんですよね。

やっぱり美味しい、アア美味しい、ズゾゾーッ!!

でも最近安売りしてくんないんですよねズゾゾーッ!!

ホントに再現出来るのかしらん……。

 

スーパーに売っている蒸し麺のやきそばでペヤング風味を再現できるか

「言っておくけど、超簡単だヨ」

妻が不敵な笑みを浮かべています。

 

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まずスーパーで普通に売っている焼きそばの蒸し麺、シマダヤの三袋入りが特売品だっので、それを使用。

 

材料は1人前でこんなもんです。

焼きそばの蒸し麺1袋(150g)キャベツ 2枚、鶏ひき肉 85g、醤油 小2、酒(鶏ひき肉に 小1、麺に 小1/2)、鶏がらスープの素 小1、牛肉ダシダ 小1、ラード 小1、ウスターソース 小2、中濃ソース 小1/2、紅ショウガ 小1~2、青のり 少々、炒り白ゴマ ひとつまみ、白コショウ 適量

 

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キャベツ2枚の芯を取り

 

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2cm角にカット。

 

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耐熱容器に入れて、

 

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フタかラップをしてレンジで2分チン。

 

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その間に紅ショウガをみじん切りにします。

 

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鶏ひき肉85gと醤油小2、酒小1、鶏がらスープの素小1を混ぜ合わせ、

 

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耐熱容器に入れ蓋かラップをして

 

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レンジで2分チンします。

 

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混ぜてほぐし、

 

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今度はフタをしないでレンジで30秒チン。

 

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こんな感じに水分が飛びます。

 

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焼きそばの蒸し麺を耐熱容器に入れ、酒小1/2と、

 

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牛肉ダシダ小1を入れレンジで1分チン。

 

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軽く混ぜてラード小1を入れレンジで再び1分チン。

 

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先にレンチンしていたキャベツと鶏ひき肉小1を加え軽く混ぜ、

 

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ウスターソース小2と中濃ソース小1/2を混ぜて

 

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麺にかけて良く混ぜ合わせ、

 

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フタをせずにレンジで30秒チン!

 

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仕上げに紅ショウガを小1~2。

 

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白コショウをややタップリめにして、

 

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炒り白ゴマひとつまみ、青のり少々。

 

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軽く混ぜ合わせて出来上がり!

 

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試食した後に洗ったペヤングのトレーに入れてみました。

 

な、なんですって! や、焼いてないじゃないですか!!

ちょこまかとレンジでティン、ティン、ティン、ティンしてただけです……。

見た目は麺が違うのはしょうがないとして、まあどうでしょう……。

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ズゾゾーッ!

 

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「…………ク・リ・ソ・ツ・です!!!」

 

コレはオドロキ、のどごしまでソックリ。

あまりの衝撃に即完食してしまいました。

この味は多めの白コショウと刻んだ紅ショウガが大きなポイントなのだろうと思います。

紅ショウガは刻まないとこの香りが出ない。

私的には紅ショウガを多めに小2ぐらいか、もっと多めが好みです。

 

さらに完璧を目指す

今回の再現にあたって実は秘密兵器を用意しています。

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ジャジャーン!

丸美屋の『野菜deイケ麺 ラーメン用の 具 にぎやか野菜』という乾燥野菜を購入。

 

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ここからキャベツのみを取り出します。

 

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ペヤングのかやくと比べても遜色ありません。

 

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さらにドドーン!

 

都一『中華そば』という乾燥麺。どうです、ペヤングの麺とソックリでしょう。

ラーメン用ですが袋の裏に焼きそばにも使えると書いてあります。

この乾燥野菜と麺を使うのは正直、反則かなとも思いますが、まあ、普通の蒸し麺だとあまり似ないのではないかと保険のために準備したもの。

蒸し麺でソックリに出来ちゃったので、もうミッション終了でも良いのですが、

せっかくだからもっと似させる、というかほぼ同一にさせてみましょう!

 

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乾麺を表示通りに茹でる。

 

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その間にウスターソース小3、中濃ソース小1/2強、牛肉ダシダ小1、ラード小1/2を混ぜ合わせておきます。

 

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茹で上がり10秒前に乾燥キャベツを入れ、一緒に茹で上げる。

 

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湯を切ります。

 

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麺とソースをからめ、

 

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紅ショウガ適量、先ほどのレンチン鶏ひき肉適量、 炒り白ゴマひとつまみ、青のり少々、白コショウたっぷりを加え、混ぜて出来上がり!

 

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トレイに入れてもうソックリでやんす。

 

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さあ実食!ズゾゾーッ!!

 

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似てませーん!!

 

ぜんぜん似てません……。

ど、どうしてでしょう。コレはペヤングじゃありません。

う?ん、なんだろう? UFOとかに近い味な気がします。

とにかく普通の蒸し麺で作ったのがあれだけ似てたので、コレはショックです。

 

慌てて再挑戦

これはひょっとしてさっき作った蒸し麺バージョンも奇跡的なバランスの上に成り立っていたにすぎず、単なる偶然でソックリに仕上がっていただけかもしれません。

大急ぎで再度、蒸し麺バージョンを作り直します。

 

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今回はキャベツを青いところじゃなくて、もっと白いところを使います。

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さあサクサクサク、ティンティンティン!!と作って。

 

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いざ実食!!

 

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「……………嗚呼、ク・リ・ソ・ツ」

 

即完食致しました。

 

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ポイントは麺に凝らずに、普通に売ってる蒸し麺で作ることですね。

それから紅ショウガは刻め

日清のカップヌードルを再現した時もそうでしたが「牛肉ダシダ」万能。

あとはお好みでソースを増量したりして下さい。

しかし、焼かずにレンチンだけで作るとは、我が妻大権現様をしげしげと見て、

「この人ちょっと天才かも……」と思いましたね。

 

書いた人:吉田いつし

吉田いつし

東京出身。エディトリアル・デザイナー。書籍の装幀や雑誌のデザインをしながら、散歩のフリーペーパー『路地と道くさ』を発行。東京ストローラブラボ代表。HPでブログ「路地と道くさな日々雑感」を毎日更新中。

作った人:浅見ゆき

浅見ゆき

吉田の妻。吉田が自宅の仕事場で編集者と打ち合わせをしていると、突如居酒屋『路地亭』を強制的に開店し、酒と肴をお見舞いする。料理解析家(だいたいの料理は一度食べれば再現できる!)。

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地方農家応援ウェブサービスの好例「りんご侍」が生産者に信頼される理由

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りんごのおいしい季節がやってきますな。

おいしいだけでなく健康にもよろしいりんごなので、できるだけいいものを食べたい。信頼できるものを買いたい。できれば家に届けてほしい。

で、ここでちょっと注目なのが青森をメインとしたりんご専門サイトがある。

その名も「りんご侍」という。

 

りんごとりんご加工品しか扱っていない徹底したワンコンテンツ主義と生産農家紹介の分厚さが目立つ特徴だ。

あれもこれもと欲張ってないコンテンツ作りがわかりやすい。

わかりやすいの大事。

りんご農家からの直送だけでなく、木のオーナー制度、りんごジュースやジャム、おかしなどの関連商品も扱っている充実っぷり。

青森りんご農家を応援し、おいしいりんごを全国に届けるという意気や良し。

賛同の意を示すためにさっそくオーダーしてみたぞ。

 

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注文したのは、「つがる」(釈迦のりんご園)と「スイートメロディ」(吹田りんご園)だ。

りんご侍はサイトの構成が考えられており、品種で選べたり、農家ごとで探せたりする。品種も甘味/酸味などの味の傾向やシーズン順にソートされているので名前でピンと来なくても安心。

ポチっとな。

 

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すぐに届いたりんご2箱!

 

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こっちがつがる

 

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こっちがスイートメロディ

どっちもいいモノよ♪

 

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つがるは真っ赤でぴかぴかしてる。

 

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スイートメロディは黄色くていい香り。

 

サイトにある紹介によると、スイートメロディはほとんど市場に出回らない品種だというではないか。スーパーなどでは買いにくい珍しいりんごが生産農家直送で買える。もちろんコンディションが良い。

 

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矢も盾もたまらず、さっそく食べてみるぜ。

 

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スイートメロディは黄色のりんごらしく、香りがよろしい。青りんごの香りってすげーいいじゃん。で、りんご独特のあのカリッという歯ごたえとともに甘い果汁がいらっしゃいまして、すばらしい。これこれ、りんごに望むテイストはこれ。

 

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つがるはみなさんお馴染みではないか。

さくりと軽い歯ざわりで酸味と甘みのバランスがとれている優等生。

こんなに真っ赤に熟したりんごが9月のアタマには配送してもらえるとは、生産者直送ってありがたい。

 

知恵の実を食べたのでちょっと考えちゃった

昨今のゆるキャラブームの背景には、地方の活性を高めなくてはならないという世間の要請が隠れている。長引く不景気の中、地方の農産物や海産物と都会の消費者の間をつなぐ仕組みの必要性が語られて久しい。

お金と商品が元気よくガンガン回ってる状態は畢竟、我々全員の懐具合に跳ね返ってくる。つまりそれは国内景気の向上を促すベクトルである。

 

そんなことを踏まえ、「りんご侍」を立ち上げた須藤公貴さんにお話をうかがった。

 

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須藤さんは青森県出身。りんご侍は運営2年目に入っている。

須藤さんは25歳のときにIT企業を起こしたものの「地域に貢献したいという思い」が強くなり、今度はデータだけではなく実体のあるものを扱いたい、できれば故郷の青森に貢献したい……そんな思いを抱いていたところ、故郷にいる仲間の多くがリンゴ農家をやっていることに気がついた。青森のりんごをネットで販売するサービスをやるアイデアが出てくるのは必然であった。

サイトでは農家の情報を多めにした。働いている人を見せたいので、りんご作りでこだわってるところや従事している人たちの様子をフィーチャー。大手マーケットサイトと違う見せ方になり、サイトの個性が出た。

りんご侍にはいま30軒の農家が登録されている。そこには青森JAにいたことがある社員の活躍があった。

 

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青森県黒石市の前市長・鳴海広道さんと。 

いまはどこの自治体でも生産者でも、自分のところの農産物や水産物を知ってもらい、買ってもらうシステム作りの必要性を強く感じており、焦りにも似た試行錯誤の段階にある。

 

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地方と消費地を結ぶ、似たようなサービスを考えている人に向けてのアドバイスをうかがうと、須藤さんはご自分の経験に照らしてヒントをくれた。

地方に目を向けたサービスは時間とお金と勇気が必要で、生産者はプライドを持って仕事をしており、すなわち頑固なところがある。生産者の信頼を得て仲間になってもらうには本気を感じてもらう必要があるという。

 

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須藤さんの場合は、まずは前の会社をある信頼のできる方に売却したうえで、地元青森に会社を作り、この場所で一緒にやっていく覚悟を見せたのだという。

東京から来たよくわからん会社が自分たちの農産物を利用してちょろっと儲けようとしている」と思われないために、誠意と勇気が必要なのである。

 

やってみて初めてわかったこと

りんご侍をやってみてわかったこととして、健康を意識している人がりんごを多く購入する傾向にあるという。生産農家を表に出したことで信頼を勝ち得たのかもしれない。

 

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今後は、りんご以外の果物のサイトなど横への展開を考えているとのこと。ほかの「なんとか侍」ができるかもしれないということですな。

10月からはりんごの品種も増えていくので、おいしいりんごをコンディションのいい状態で欲しい人は要チェックであろう。家庭用、贈答用のほかに、お試しの少量パッケージもある。珍しい品種をちょっと食べてみたいならコレですな。

もちろんりんご加工品もたくさん。カネショウのはちみつりんご酢は個人的に長らく買っているほど、おいしい。炭酸水で割るとすげえ美味いんです。

 

お店情報

りんご侍

ringosamurai.com

 

書いた人:鷲谷憲樹

鷲谷憲樹

フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。好きな立教OBは中島かずき。

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気分は高級料亭!? 自宅で作れる氷の器に刺身を盛って「うまそう度」30%UP!

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みなさんもテレビや雑誌で一度は見かけたことがあるハズです。それは料亭や高級旅館で供されるお刺身を盛るあの氷の器。

清涼感溢れる氷の器にお刺身を盛りつけたらそれだけでおいしそうじゃありませんか? あの氷の器、実は自宅で誰でも作ることができます。 

え、大小のボールを重ねてその間に水を張り冷凍庫へ? いやいや違います。もっとシンプルなもので作れちゃうんです。

それは風船です! 

そう風船があれば氷の器はあなたのもの。食卓が一瞬にして格式高い料亭の趣になりますよ(たぶん……)。それでは早速作ってみましょう〜!!

 

氷の器の作り方

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用意する食材:お刺身盛り合わせ

用意する道具:風船(あればかき氷器、ハラン)

 

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まずは風船に水をいれます。大きさの目安はソフトボールより一回り大きいサイズ。これを冷凍庫で凍らせます。凍らせる時間は冷蔵庫の性能にもよりますが6〜7時間くらいが良いようです(凍らせすぎるとただの氷玉になっちゃうよ!)。

 

風船を押して外殻が数ミリほど凍っていて、中身がまだ液体なら取り出せるサイン!

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と、その前にお皿に敷くためのカキ氷を用意。かき氷器がなければ通常のロックアイスか大根のツマで代用しましょう。

 

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さあいよいよ風船を切って中身を取り出しましょう。まだ凍っていない水が大量にこぼれるのでシンクかボールの中で作業するのがオススメ。

 

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じゃじゃ〜ん、氷の器が登場!

氷のエッジ部分が鋭利な場合もありますので手を切らないように気を付けて! 器が溶がどんどん溶けてきますからここからは時間勝負ですよ。

 

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お皿にかき氷を敷きつめてハランを横たえたら氷の器の位置を決めましょう。器の淵の高さがガタガタですが、それは味として楽しみましょう。

 

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あとは手早くお刺身を盛りつければ……、

 

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これで刺し盛りの完成です! 

どうでしょう、買ってきたトレイのまんま出すよりも明らかに味がアップした感じがしませんか? 

 

愛ある盛りつけならそれは立派な料理だよね

ちなみに今回用意したお刺身はスーパーで480円で売っていた盛り合わせ。でも見た目だけなら価格以上の雰囲気が醸し出されているハズ! 食材は買ってきたまんまでも、盛りつけに愛情がこもっていればそれも立派な料理ですよね。

準備に少々手間はかかりますが、家でこれがいきなり出てきたらインパクト大。ぜひ家族や友達をびっくりさせてみてください。

 

書いた人:飯炊屋カゲゾウ

飯炊屋カゲゾウ

1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとして活動中。「子育屋カゲゾウ」名義で育児ブログも更新中。

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