
1990年代の爆発的なブームにより全国に広がった「家系ラーメン」。
新潟市でもそんな家系ラーメンを食べられるお店があります。

六角家姉妹店「心一家」です。
こちらは、現在は閉店してしまった六角家本店で、修行した店主が2002年にオープンさせたお店です。
1990年代後半、筆者もその味にハマり横浜市の各店に通い詰めていました。
そうした中、最も多く通ったのが六角家本店でした。
その全盛期の六角家で修行した店主が新潟市でお店を開くという話を聞いた時は、歓喜した記憶が今でも残っています。
そして、当時の六角家の味を色濃く受け継ぎ、今も変わらぬ味を提供し続けています。

お店に入ると注文は券売機制となっています。

たくさんのメニューがあるので、迷ってしまいますが、やっぱり家系ラーメンのお店といえば、こちらの一品ですよね。

そして定番の品「キャベチャー」。
メニューを眺めていると、口の中に濃厚な味のイメージが広がってきます。
そして、待望の一杯がやってきました!

▲とんこつ醤油らーめん(680円)

この濃厚なスープ!!
濃厚な豚骨醤油スープに浮かぶ風味豊かな鶏油。
動物系白湯のパンチある飲み応えに醤油ダレのうま味、鶏油のコクが合わさり、インパクト抜群な味となっています。
この味、たまりませんね~。

そして、そのスープに負けない食べ応え抜群の麺!
醤油味の濃さ、油の量、麺のゆで加減をお好みで調整出来るのですが、この日はスタンダードな一杯をお伝えしたいと思い、すべて普通にしました。
ちなみに、個人的好みでは、
濃さ:普通
油:普通
麺:かため
です。
さらなるインパクトを求める方は、
濃さ:濃い味
油:多め
とするのも良いでしょう。

テーブル調味料は多種多様なものがそろっています。

家系ラーメンには定番の生姜とニンニク。
このおろし生姜とおろしニンニクはスープとの相性抜群です。

そして辛味噌。
他にも、白ゴマなどもおすすめです。
まずは、何も入れずにスープの味を楽しみつつ、徐々に調味料を加えていき変化を与えていくのがよいのではないでしょうか。
そして、定番の品!

▲キャベチャー(130円)
シャキシャキとした食感のキャベツと、刻みチャーシューにかかるタレが絶妙な味わいにしてくれます。
ゴマ油の風味も良いですね。
家系ラーメンの仕込みにせまる!
抜群のおいしさを誇る家系ラーメンのこだわりの仕込みにせまってみました!
使用するのは3種の動物系ガラです。

豚の背ガラ

ゲンコツ

鶏ガラ

背ガラをガッツリと煮込んでいる寸胴にゲンコツを投入!

ガラを煮込むスープの寸胴(右奥)とは別にもう一つの寸胴(左手前)を用い、鶏油の仕込みを行います。

使用するのは国産の鶏脂です。

寸胴に投入!

脂身から油を煮出します。

さらにゲンコツを投入。
こうした追いガラが濃厚スープを作り出すのですね。

昆布を加えます。

ある程度煮込みが進んだ段階で鶏ガラを加えます。
素材の出汁が出るまでの時間を考慮し、時間差で各素材を投入していきます。
寸胴の中では、見慣れない素材の積み方が……

ここがこだわりのポイントです!
一般的な手法として、水から素材を煮出し、その際に溶け出る血を高温にし、アクとして除去するというのが良く見受けられますが、こちらは、元々血抜きした素材を用い、寸胴の中である程度加熱し血を固めてから煮込みを開始しています。
このようにする事で、素材に血を閉じ込めスープに行きわたる量を減らします。
ただ、ある程度は入ると思われますが、血や肉汁はスープのうま味を作る一つなので、繊細になり取りすぎないというのも重要なのでしょう。
仕込みを見ていると、経験に裏付けされた確かな技術を感じ取れました。
そして、こうして写真を撮って公開したとしても、素材と水量のバランス、タイミング、火加減など、なかなかまね出来るものでは無いのでしょうね。

麺は県外より取り寄せる家系ラーメンにぴったりとくる太麺です。

細麺もあります。

肩ロース肉をしたチャーシューに、

秘伝の醤油ダレ!

醤油ダレの他に、魚介系素材を用いた塩ダレも作っていました。

寝かせた塩ダレは、温めてから使用しています。

そして、こちらはその塩ダレに合わせる海老油。
今回は定番の豚骨醤油ラーメンに加え、塩ダレ海老油を使用した一杯を作るところをご紹介したいと思います。

まずは、醤油ダレを丼に……

そして、鶏油を手網でこしながら注ぎ入れます。

続いて塩ダレも。

そこに加える海老油。

お昼時は、たくさんの注文にこたえるため、同時進行で数杯を一度に作ります。

麺を投入!

タレと油を入れた丼に濃厚スープを注ぎます。


そしてゆであがった麺をイン。

そして盛り付けて出来上がりです!
豚骨塩ラーメン!
定番の豚骨醤油に次ぐ、お店の推し麺がこちら。

▲とんこつ塩らーめん(780円)
濃厚な豚骨スープには、海老油が浮かび、エビの風味満点です。
鶏油が浮かぶ豚骨醤油とは、全く別な仕上がりの一杯は、
「家系豚骨醤油の塩版」
というイメージとはかけ離れた、独特な味を醸し出しています。

麺は細麺を使用しています。
濃厚海老魚介スープと細麺の相性は抜群でした!
もし初めてこちらのお店を訪れるのであれば、やはり豚骨醤油をおすすめしたいですが、2度、3度と通う中で、ぜひ塩ラーメンの方も試してもらいたいですね。
新潟市で食べられる家系ラーメン「心一家」。
ぜひ一度トライしてみて下さい!!
お店情報
心一家
住所:新潟県新潟市西区山田662-3
電話番号:025-377-0311
営業時間:11:00~15:00 (LO 14:45)、17:30~21:00 (LO 20:45)
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)



