「らーめん大」が二郎系インスパイアチェーンでも頭一つ大きくなれたワケ

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この度、「TOKYOラーメン系譜学」が書籍化されることになり、11/22(金)辰巳出版より東京ラーメン系譜学』として発売が決定した。

 

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東京ラーメン系譜学

東京ラーメン系譜学

  • 作者: 刈部山本
  • 出版社/メーカー: 辰巳出版
  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

この連載ではインタビュー形式を取っているが、書籍では読み物としてリライトし、新たに5店舗を新規取材した。
今回は発売に際して、WEB未掲載の中から二郎インスパイア系の代表格「らーめん大」のインタビュー記事をお披露目しておきたい。

 

幾多のフォロワーを生んだラーメン二郎

ラーメン二郎(以下「二郎」)は1968(昭和43)年に東京・都立大学駅近くで開業し、1970年代後半から慶応大学三田キャンパス脇で営業を開始。食べざかりの大学生、特に体育会系に愛されて、ただでさえ多かった盛りが増していき、呪文と呼ばれる独自の注文システムが生まれた。すると「ラーメンではなく二郎という食べ物」と言われ、ジロリアンなる中毒者を生み、社会現象に近い状況にまでなった。

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二郎の勢いは留まるところを知らず、三田本店で修行経験のある「直系」と呼ばれる店舗は東京近郊から今や関西、北海道にまで進出。さらに二郎のラーメンに影響を受けて似たラーメンを出す、いわゆる「インスパイア系」のお店がアチコチに出来るようになると、山のように盛られたビジュアルがスマホでスグに拡散される時代と相まって、全国規模の認知度となった。

そんな中、2000年代前半にオープンし、“堀切系”と呼ばれるラーメンを作り上げたのが「らーめん大」(以下、大)だ。

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▲「大」の本店となる、京成線堀切菖蒲園駅近くにある堀切店

 

大を運営する株式会社フューチャーファクトリーの代表にして創業者の清水照久社長に、当事者として見てきたこれまでの状況と、今後について聞いてきた。

 

イタリアンから二郎系へ

清水社長は1961年鳥取県出身。母方の実家は何百年も続く旅館を営んでいた。厨房で板前たちが野菜や魚を捌く姿がまるで魔法使いのように映り、それが清水氏の料理人の原点となる。

高校を中退した後は、和食のお店での修行を経て上京。いくつかの飲食店を経て、イタリアレストランに就職する。和から伊へと鞍替えしたのは、当時のTV番組『料理の鉄人』(フジ系列)から多大な影響を受けたからだ。

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▲堀切店の厨房で優しく微笑んで対応下さった清水照久社長

 

── 30代前半の時にイタリアンのお店をやられていたそうですが。

 

清水社長:あぁ、(東京杉並区の)浜田山でね。3年半ほど営業した頃に、建物が競売にかかってオーナーが変わってしまったんです。自分はその立ち退き料を元手に堀切で二郎を始めました。

 

──まさに異ジャンルですよね、イタリアンと二郎。

 

清水社長:二郎を始める前に、知人で酒店を営む社長から「ワインバーを虎ノ門にオープンするんで、ワインに合う料理を教えてもらえないか」って言われまして、教えに行ってたこともありますよ。当時『料理の鉄人』が流行った頃で。

 

──後に海外で話題になるほどブームになりましたよね。

 

清水社長:道場六三郎さんがやっていたような和食をアレンジした創作料理を自分でも作っていましたから。さっき言った酒店の社長がジローフードシステムを立ち上げたんです。

 

吉祥寺「生郎」で衝撃を受ける

このジローフードシステムの創立により、虎ノ門や新橋などに“フーズ系”と呼ばれる二郎の店舗がオープンしていく。それを横目で見ていた清水氏は、「自分でもやってみたい」という想いが湧き上がってきて、1999年にはラーメン二郎堀切店をオープンさせることになるのだが、どうして二郎だったのだろうか。

 

──初めて二郎と出会ったのはどちらの店舗だったのですか?

 

清水社長:一番はじめに食べたのは吉祥寺。

 

──生郎に店名を変更した二郎吉祥寺店(以下「生郎」)ですね。

 

清水社長:イタリアンのお店を閉めた後、三鷹でセントラルキッチンを持って、そこで作ったものを弁当で売る移動商売をやってました。その帰り道に五日市街道の成蹊大学前を通ると、いつも並んでるラーメン屋さんを見つけて。なんでそんなに並んでんだろうって思って、入ったみたんです。

 

──それでハマった、と。見た目のインパクトも当然あるとは思いますが、純粋に味的な部分で衝撃を受けたんですか?

 

清水社長:味的なインパクトが凄かった。2回、3回と食べるうち、どちらかというとつけ麺にハマりましたね。やっぱり、あの太い麺。ウチが始めた頃の二郎って全般にそんなに太い麺じゃなかったんです。

 

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▲見た目とともに味的な衝撃を受けて作り上げた大のラーメン並(700円)脂多めニンニクヤサイマシ

 

──自分の印象では、フーズ系の二郎の麺は特に細かったという印象があります。

 

清水社長:そうですね。普通のラーメンに比べたら太めではあるけれども、吉祥寺の太い麺に影響されて始めたんですよ。

 

──麺って縮れてましたっけ?

 

清水社長:あそこはストレート麺。

 

──らーめん大で、それを縮れさせたというのは?

 

清水社長:それは自分が縮れた麺が好きだから。最初は他のフーズ系と一緒で製麺所は浅草開化楼でしたけど、丸山製麺に変えました。大専用に特注で発注してます。だから二郎とは似てるかもしれないけど、ちょっと違うんです。

 

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▲ヤサイで隠れて麺になかなか辿り着けないので、フリークは上のヤサイと底にある麺をひっくり返す秘技『天地返し』を繰り出す

 

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▲縮れ麺にはヒネリが加わっているのがお分かりだろう

 

──確かにグリグリでミッチリした食感の縮れ太麺はどの直系とも違うテイストですよね。直系だとオーションを使ったゴワッとした麺が二郎の大きな魅力の1つと言われますけどね。

※低加水率の超極太麺を作るのに適した、精製度の低い強力粉

 

清水社長:実は、オーション自体が変わってきてるんです。

 

──オーションはそもそも小麦粉としては等級の低いものでしたよね。安い分、コストを下げられるし、あのパンみたいなボソッとした粉っぽさが逆にウケたわけですよね。

 

清水社長:そのザラザラ感があったわけじゃないですか。今は同じ作り方(製麺)しても、ツルツル感が出てきちゃって、昔のゴワッとした感じが出ないんですよね。だから、もう違う粉を使ってますよ。

 

らーめん大の一杯はこうして出来上がる

それにしても、吉祥寺でよく食べていたとは言え、二郎のラーメンをすぐに再現することは出来たのだろうか?

 

──フードシステムとして二郎のラーメンがレシピ化されたりしていたんですか?

 

清水社長:そうではなくて、フードシステムの二郎神田店に行って、寸胴と伝票見てきたんです。入れてる材料わかるじゃないですか、料理人ですから。それを参考に自分で作り上げていきました。

 

──現在のらーめん大のスープで使われている材料やレシピというのは、二郎時代から基本変わってないんですか?

 

清水社長:変わってないです。豚骨と野菜だけとシンプルなんです。二郎もそうみたいですね。

 

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▲現在、大で使われているスープの寸胴

 

ここで大堀切店でのラーメンが出来るまでを見てみよう。

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▲麺を茹でている間に、丼に入れたタレの上に背脂をふりかける

 

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▲ちなみに背脂はバットにストックされている

 

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▲スープを寸胴からすくい、丼に加えていく

 

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▲茹で上がった麺を丼にイン!

 

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▲チャーシューを乗せた後にヤサイ(主に茹でモヤシ)を盛り付けていく

 

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▲さらにヤサイを盛って、山の形にしていく

 

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▲最後に、無料トッピングのニンニクと、アブラマシの追い背脂をして完成

 

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▲立体感に満ちたラーメンの完成だ(写真は並、700円)

 

「ニンニク入れますか?」は商標登録だった

──ラーメン二郎堀切店として1999年に創業されて、4年ほどでらーめん大に改名されてますよね?

 

清水社長:ある時にフードシステムの社長が、直営だけじゃなくフランチャイズで展開し始めたんです。二郎の三田本店サイドからすると、それは許可してないという話になりまして。

 

──それで三田本店で修行経験のある人間以外には二郎を名乗らせないとなったわけですね。

 

清水社長:それでウチも名前を変えなきゃいけないとなって。その時期から商標のことにも敏感になって「らーめん大」とか「ニンニク入れますか?」の商標を取りました。

 

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▲看板の「ニンニク入れますか?」には商標登録済みのRマーク(®)が

 

──えっ、「ニンニク入れますか?」の商標権を登録されていたんですか。

 

清水社長:そうです。ただそれは商標として自分が使えなくならないように取ったと。看板にもTシャツにも使ってますけど、これでウチが使えなくなることはないわけです。

 

ヤサイマシの盛り具合は統一しないと

──個人的にお聞きしたかったことで、少し言いにくいのですが、堀切の二郎時代に厨房にいる方によってヤサイマシの盛りにバラツキがありまして……。

 

清水社長:あぁ、行儀の悪いのが一人いましたからね。

 

──ちょうどネットが普及し始めた頃で、ある人のヤサイマシが異常に少ないのが話題になったんですよ。チョコンとひとつまみ乗せるだけで。それに当たると「今日アイツかよー!」ってカキコミがあって(笑)。

 

清水社長:あぁ、たぶんその人間です。なかなか管理行き届かなくて申し訳ない。

 

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▲堀切二郎から大に変わった頃のラーメン並。生郎と同じ、雷文の模様が入って側面が赤い丼だった

 

──いえいえ。もちろん二郎系には野菜が山と盛られたヴィジュアルを期待していくのですが、お店ごとや作る人ごとに違いが出るのもまた二郎系ならではの面白みだと思っているので、むしろそれを楽しんでいました。

 

清水社長:二郎に関しては味の違うところが魅力なのはわかります。直系は自家製麺で麺自体が違うところが多いですし、スープにしてもそれが味だったりしますから。ただ、ウチに関してはなるべく店舗全体で統一したいんです。

 

堀切二郎から「大」、そしてチェーン展開へ

──二郎堀切店から大へと変更したのは何か理由があったんですか?

 

清水社長:「大」というのは覚えやすいというのと、「八」とかもそうですが、末広がりで縁起がいいんです。これからは商標のこととか気にせずにガンガン行けると。そういえば、さっき話に出た吉祥寺の生郎もそうですよね。二郎が名乗れなくなって、落書きされたのをそのまま名乗るようになって。

 

──まさに! ジローフーズシステムの神田のお店も、二郎の文字が取れてただの「ラーメン神田店」になりましたよね。

 

清水社長:そうそう、新橋もですね。

 

──歌舞伎町と池袋、小滝橋通り店は、三田本店に修業に行き直して二郎を名乗ってますよね。「大」は練馬店や高円寺店などいくつも食べ歩きしましたが、中でも(埼玉県の)蕨店は一時期よく行っていまして、「大」の中でも古参ですよね。

 

清水社長:蕨の店長は辞めて2年になるんですけど、10年くらい店長を務めました。

 

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▲練馬店は通りに面した部分がガラス張りで、写真付きメニューが貼られている

 

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▲高円寺店のタマネギトッピング

 

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▲シックな佇まいの蕨店

 

──よく食べていたのはその頃だと思います。大のラーメンは塩が好物なんですけど、特に蕨店はいつ食べても満足度が高くて安定していて、それでハマったんですよ。

 

清水社長:彼はラーメンフリークでもあるんですよ。ラーメンに対して真摯に向き合ってた子が作ってたので、向上心も強くて「より美味しいラーメンを作りたい」って意識が強かったんですね。

 

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▲蕨店の塩ラーメン(700円)

 

──そうなんですか! お店によって作り手の意識で味が変わってくるのは、フランチャイズ店としてどう思われますか?

 

清水社長:やっぱりそこは一緒にはしたいんですけど、結局やっぱり最後は人が手を加えるし、スープ自体が現場で手作りですから。らーめん大はこの味だっていうラインに極力統一出来るようにしてますけど、最終的には人ですよ。

 

──お店の前を通った時に、スープを炊いている匂いがしないとテンションが上がらないですよ。

 

清水社長:逆に言えば、味を統一させようと思ったら、セントラルキッチンで出来たスープを各店に持っていって、それを出すしかないんです。でもその場で豚骨炊いているから、香りも立って、臨場感あるラーメンが出来るわけであって、それを犠牲にして味の統一を優先するがあまりセントラルキッチンにするというのはちょっと考えにくいです。

 

──ある程度のブレは覚悟の上で、お店でスープ炊いてくれて、ラーメン屋さんからあの匂いを嗅げて。食べ手としてはそういうFC展開であってほしいです。

 

「女性でも入れる」二郎インスパイア系

──「大」として支店展開するようになってから、店舗をステンレス調にされてますよね。

 

清水社長:木のカウンターなら腐食もするでしょうし、擦り切れてそこに菌が溜まることもあります。その点、ステンレスは手入れも木ほど大変じゃないし、なにより衛生面をキープしやすいんです。

 

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▲ステンレスの質感が際立つ店内

 

──二郎系に限らず、ラーメン店はどうしても油がギトつきやすいですしね。清潔感という点では女性を意識されているのでしょうか。

 

清水社長:例えばカップルで来ると、通常の二郎系は女性は多すぎて食べられないですよね。女性のお客さんにも来てもらえるように、並は生麺200gにしてあります。

 

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▲券売機にも麺量が明記されている親切設計

 

──少なめなのは生郎の影響だと思ってました。

 

清水社長:二郎直系は、一番量が少ない小で生麺300gとかそれ以上入ってるじゃないですか。何年かに一回は行くようにしてますけど、もう1杯全部は食べられないですね(笑)。

 

丼にも絶妙な工夫が

──堀切二郎時代から、らーめん大の「並の丼」を横から見ると、底がすぼまって狭くなってますよね。他の二郎系は底が広くて、麺がいっぱい入る器ですけど。

 

清水社長:それ、ウチでいうところの「中の丼」です。

 

──らーめん大の場合、「並」の丼だと、200gの麺を入れてもスープに浸りすぎず、そこにヤサイを乗せてもスープに沈まず山盛りに盛れますよね。ヤサイマシにすればしっかり山になりますし。

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▲きれいな山状になる並の丼。「切立」(きったち)というらしい

 

清水社長:並の丼は切立(きったち)って種類なんですけど、それだとスープをそんなに入れなくても済むんです。底が深い中の丼は高台(こうだい)といって、スープが多すぎて麺が泳ぐ感じになっちゃってバランスが悪いんで、並だと切立の形が一番バランスいいんです。

 

──他の直系だと、切立の丼で麺少なめにするとヤサイを盛ってもスープに沈んじゃって、盛りの見た目が弱くて、マシにしたのか一見して分かりづらくなりますよね。

 

清水社長:はい。でも、そこまで見てる人って結構いるんですかね?(笑)

 

ワンオペ×ラーメンの可能性

──ラーメンチェーン「どさん子」を経営するアスラポートと提携したフランチャイズも展開されていますよね。他店舗展開を可能にしているのは、昼間一人と夜一人というワンオペが基本にあるようですが、一時期、牛丼チェーンなどでワンオペが社会的に問題視されました。ワンオペについて清水社長はどう見ていますか?

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清水社長:あれは、結構な数のメニューから接客、会計まで全てこなしていたわけですよね? あらかじめメニューが絞られて席数の少ないラーメン店のワンオペはまた別モノですよ。そもそも、自分が始めた時にワンオペで回してましたから。

 

──ラーメン店の店主って基本そうでしたよね。一人で全て賄えるようにそもそも設計していると。

 

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▲一人で全て取り仕切れる厨房。社長はこの空間でずっと自分のお店を回してきた

 

清水社長:二郎の時からずっと、8席ほどでワンオペでしたから、キツさは感じないですよ。今となってはワンオペがキツイから辞めていくのもいますけれど。

 

──アルバイトを含め、従業員として雇われている人はどうしても条件面が気になるんでしょうね。反対に、本当にラーメン店がやりたいという意気込みで起業する人は、一人で出来る範囲の広さですべて自分でやって、自分で作りたいラーメンを食べてもらいたいと考える方も結構いるのかなぁと。

 

清水社長:やっぱり将来に対するビジョンを持っているかで違ってくるでしょう。ウチから暖簾分けしている人間とか、別ブランドを立ち上げている人間は、ラーメン店をやりたいというビジョンがあれば、そこに向かって修行的な感覚で取り組めると思います。だけど、月25万円とかもらえて、自分の時間にゆとりがあって、趣味とかを楽しめれば、給料が上がらなくてもいいやと思ってる子たちが多いのも事実です。どっちが良い悪いではなくて、そこは各々で意識の差がありますから。

 

──社長としては独立してほしいと。

 

清水社長:ウチから出る社長が増えてほしいとは思ってますね。

 

──らーめん大からラーメン界をリードするような逸材が出てくることを願ってます。本日はどうもありがとうございました。

 

賛否両論あれど、ワンオペのラーメン店だからこそ、そのお店でしか作ることができない味があるのは事実。一方でフランチャイズだからこそ出来る店舗展開もある。そんな2つの要素が、相乗効果で盛り上がっていくこともあるのではないだろうか?

二郎がまさしくそうで、どう考えて個性的すぎるシステムやラーメンがこれだけ支店を出していること自体が、異例中の異例だ。さらにはインスパイア系がここまで広まり、多くの人に望まれている状況があるからこそ、らーめん大は多店舗展開できているのかもしれない。

らーめん大から独立する個人店はもちろん、別ブランドで会社を立ち上げるような人材が出てきて、新たなラーメン像を打ち出していくことに期待したい。

 

お店情報

らーめん大 堀切店

住所:東京都葛飾区堀切4-57-14
電話番号:03-3602-7073
営業時間:11:30~15:00、17:00~25:00
定休日:無休

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書いた人:刈部山本

刈部山本

スペシャルティ珈琲&自家製ケーキ店を営む傍ら、ラーメン・酒場・町中華・喫茶で大衆食を貪りつつ、産業遺産・近代建築・郊外を彷徨い、路地裏系B級グルメのブログ デウスエクスマキな食卓 やミニコミ誌 背脂番付 セアブラキング、ザ・閉店 などにまとめる。メディアには、オークラ出版ムック『酒場人』コラム「ギャンブルイーターが行く!」執筆、『マツコの知らない世界』(TBS系列)「板橋チャーハンの世界」出演など。2018年5月には初の単著となる『東京「裏町メシ屋」探訪記』(光文社)を出版。

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